12月6日



耄碌がいよいよ冗談ではないレベルになっている。

こんな肝心な盤の写真をアップ
し忘れたなんて…

しかもスマホの中ではしっかり下ごしらえまで終わらせていたというのに…

一つには
視力の低下が…なんて話しをしていると
本当にお先が真っ暗になりそうだからやめておく。


GTOさん宅でしっかりと聴いた一枚。
旬な一枚



さて




12月7日

こうして中途半端に?
贓物が見えている画から、
僕はどうしても
鉄人28号VL2号を連想してしまうのだが、
さて、あなたの場合は…?

そんな事はどーでも良くて、こちらパイオニアの
PL-X9

よっしーの部屋を
22年前からご覧になっているという酔狂な方なら
「ああ」、と思われる機種だ。

20年もまえだとネット上の情報もまだまだ
貧弱
今みたいにわからんことは検索すれば一発さ、までは行っていなかった。

だから2000年の夏にPL-X7を拾ってきた時は
一体これは何をする物なのか?と心底不思議に思ったものだった。

それがきっかけで、それが往年の
プライベートシリーズの
一員であること。

PL-X7はベルトドライブ機であるのに対しPL-X9というダイレクトドライブ機が
あるというようなこと。

また
フルサイズの関連機にPL-88シリーズなどが存在すること。

カートリッジは
高出力MCのPC-41MCまたは同31MCである事などが
解き明かされて行った日々の事が今となると大変懐かしい。

で、
PL-X9というのはよっしーの部屋に登場はしている
所有には至らず今日に至っている。

ま、それはそれで良いのだがジャンクとして目の前に出現したら
PL-X友の会のメンバーとしては捕獲せざるを得ないではないか。



ただ、まあジャンクなもんで、あっという間にこんな姿になってしまうのだが…


12月8日

オーディオの中でも
ジャンクオーディオというのは
いわゆる直すという事自体が
目的になる事が多いジャンルだ。

すっかり
ムキになって弄ってしまったが一旦区切りとなると
急に冷静になってしまう。

いっぱい写真も撮って、一種の修理マニュアル化しようかと
思ったが
面倒だし他のサイトでも見られるから、
ま、いいか、という心境だ。




それにしても今回の個体も
なかなかの物で
持ち上げるとなんか
異音はするし、開腹したら
どこからかボールベアリングがひとつ
転がって来るという
ジャンカーには大変やりがいのある物だった。

赤丸で囲んだ部分の樹脂パーツが
破断してしまっていて、
ボールベアリングもそこから転げ出てしまったようだ。

このパーツがいかれると、メカアッシーが
斜めになって出たり引っ込んだりしようとするので
困ってしまう。




まさかと思ったが
20年位前に、どこをどうしたのか
全く分からないが手に入れていたという日本語のマニュアルが
無事パソコンの中から
発掘された。

幾度かパソコンを引っ越す度に移動させていたという事か。
なんだか
人に歴史あり、みたいになって来た。

一部破断していたパーツは
リテーナーという名称のものだった。


12月9日

しかし一番
ったというかえたのは…



この写真でわかるように(って、誰もわかんねーよって?)
ある
部品が無い。

それはなにかというと
電源スイッチレバーという名称の物で、
それがフロントドアと
連動してPL-X9の主電源を入れたり切った入りするものなのだ。

それが失われると当然ながら電源が
入らない

故に、ジャンクの理由は「電源入らず」だったのである。

恐らくベルトのエンコでトレイが出なくなった
PL-X9を、オーナーはオーナーなりになんとかしようと思い
ボンネットだけは空けたのだろう。

しかしそこで終わったというか、
半端に終わった?

やむを得ず修理中はマイクロスイッチをON状態にテープで固定して
使っていた。

ひと段落するとそれも不便なわけでやむを得ずケーブル
直結

そうすると電源ケーブルを挿したらPL-X9の電源は入ってしまうのだが
そこはそれ。プリメイン。またはプリの
連動ACに繋いで置けば
実用上は問題無し。

ただ、そのうちレバーの
代替をバルサがなんかで
作ってみようとは思うが。




そんなこんなで修理の出来としては
65点というところだが
ボンネットを付けてみた。

そうしないと使いにくいことこの上ないし、
なによりこのプレーヤーは
上にアンプやらなにやらを
置いて使うのが
流儀?である。

それが出来るためのスライド式ターンテーブルユニットであり、
強靭なボンネットなのだから。

で、これでも話しは終わらないのであって…


12月11日



いったい何をどうしたらこーゆー事になる?



反対側から見るとコイル部分も斜めっているのもわかる。



しかし針先チップが奇跡的に無事だったので気合で直す。

ピンセットで曲がりを直している内にカンチレバーはいよいよ途中で
分断

それは想定内で、
かけつぎ

接着剤過多となっているがよっしーではこの程度が精一杯。



いけ、PC-41MC


12月12日

で、音なのだが、
音質以前のところでどうもゴミに弱くて困ってしまった。

理由は良く分からない。
それでも数日は付き合ったのだが、こりゃ一旦
退却と決めて
PC-31MCの針にご登場いただいた。

ぱっと差し替え。

うん、やっぱりまともな状態の針は良い?



やっと
安定

音だが
サラッと爽快な41に対して、少しザラっとした感じが
付きまとうのが
31

カートリッジ単体で聴き比べると
どうしても41の方が高評価になってしまうのだが
トータルで見るとこのターンテーブルの
径が7インチシリーズでは
41よりも31の方が
有利な部分もある。

…どこかで同じこと書いている人が居たな、と思って検索したら
なんと自分で書いていた(笑)

PL-X9も7も楽しいプレーヤーだが
12インチレコードも7インチのプラッターの上で回すというのは
ちょっと無理がある。

盤の下に受ける物が無い状態というのは
やっぱり
どこか腑抜けた音にもなりがち。

そんな時は上下にアクセントがちょっと付いた
元気系の31の方がマッチするように感じる。

ま、そんな事を考えながらあれこれ試すのも
オーディオという趣味の中の楽しみのひとつかな、と。



レコードが露出しているから埃には不利
こんな事をしてみるが…


12月14日



なおなおし(
やり直し、の意)。

かけつぎやり直し。

少しづつだが
コツが掴めて来る。

さてしかし成果は…


元来器用では無いのだ。


12月15日



さて、
かけつぎ

なかなか写真を撮っている余裕が無いので
文章での説明になるが
ご了承いただきたい。

折れたカンチレバー。

それをくっつけるとなると、実は両方の
太さが同じままだと
やりにくい。

例えば根元に太めの中空のカンチレバーの残りがあり、
そこに一回り細い、針先チップの付いた先端側のカンチレバーを
差し込む形で固定する。

これはわりと
やり易いパターンだ。

しかし同じ太さの中空のパイプが破断した物を接着するのはなかなか難しい。

そこで考えられるのが中空のパイプなのだから
中に
適当な太さの棒を入れて芯とすることだ。

これは良いのだが実際にはカンチレバーの中空部なんてのは
滅茶苦茶
細いので棒というよりに近いものになる。

今回はスピーカーケーブルの
銅線の中から比較的マッチする
太さの物を抜き取って中継サポートをしてもらった。

接着剤だがエポキシも考えたが
アロンアルファを使用。

硬度はイマイチだが乾くまでの間にカンチレバーの方向とかを
調整出来るからだ。またやり直しも容易。

で、
一応接着。

だがしかし
硬度は全然足りない。

針圧を掛けると接合部で
しなってしまう感じ。

これはアカン。

ここで遂に今回
紫外線で固めるタイプの液体接着剤?登場。

前述の銅線とアロンアルファで大体の方向性が出ている
カンチレバーの
接合部を覆うように液体を塗布して
紫外線を掃射。

これでどうだ?

まず硬度だが嘘の様に
カチカチに固まる。
それも瞬間で、だ。
謳い文句に偽りなし。
立派である。

ではこの接着剤
だけで成し遂げられるかというと
そうはいかない。

理由は簡単で、紫外線を当てる事で硬化するということは
パイプの中とか、影になって
紫外線が届かない所には
これをいくら塗布しようが役に立たないからだ。

故に今回みたいに芯線を入れて、
まずアロンアルファ(でなくても良いが)で
固定。

その上でカンチレバーの接合部の表面をなぞるように液体ボンドを塗布。
そこで紫外線を当てて固定完了、という形が腕も道具も無い素人には
一番
現実的で再現性が高いとみた。

自画自賛?

さて置いて音は…?

どうやら
大丈夫の様だ。

今や貴重なPC-41MCの針を一つ無駄にしなくて済んだ。

死の淵から蘇ったというか
無理やり三途の川を
渡る途中で引きずり戻したというか、
うちに来るとろくな目に遭わないとジャンク達の間で
囁かれているとかいないとか…

ま、
もうちょっと頑張ってもらって良いんじゃないでしょうか…


12月17日



準備は進んでいるのだが…


12月19日



一応



成功

したのか…?


12月20日



未だに信じられないが、
どうやら成功したようだ?

DL-103S

針折れを
四国のドフで手に入れてから随分過ぎた?

カンチレバーかけつぎ。
言うは易し行うは難し。

DL-103系はそれでもやり易い
部類らしいが
僕みたいな初心者にはどれだって
困難さ。

上がらなかった腰がやっと上がったのは
ボンディックのおかげ?

なにしろ三千円くらいする接着剤だから買った以上
活用しないわけにはいかない。

そしてこの接着剤。
優秀である。

既に書いたようなコツは要るが、その辺さえクリーアすれば
ガッチリ固定できる。

音だが、書くのも憚られるが
良い音だ。

もちろんただ今絶賛確認中でもあり、
究極の絶叫ソースとかでどうなるか?など不安もある。

しかし、思えば
一度は死んだ命(DL-103S)と
誰にも見向きもされなかったMM交換針を、
特にこれといった道具も持たずに接着して
これだけの成果となれば文句は言えまい。

楽しきかな
ジャンクオーディオ。



一方でなかなか
進まない案件もあって、実は自分で自分にいらいらしていたのだが
それはもったいないと気がついた。

たまにはじっくりやるのも良いさ。

ということでこちらは
年内完成が一応の目標。



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