12月1日
12月2日
ソフトがいっぱい。
もうそれだけで何処へ行ったかは、スルッとマルっとお見通しだ!
って事になってしまうと思う。
GTOさん宅四回目?の訪問である。
GTOさん宅を表すキーワードを一つ挙げろ、と言われたら、
やっぱり「たくさん」という単語こそ相応しいと思う。
ソフトも多いがハードも多い。
特に多いのがスピーカーだ。
(他の物も少ないとは言い難いが)
その大半が自作スピーカーな所がまたスゴイ。
市販品ならお金を出せばほぼ解決だが
自作となるとそうはいかない。
しかしGTOさんの場合は、もう多産というかなんというか、
ここで打ち止めという事は終生無いのではあるまいか?と
思えるほど、次から次なのだ。
自作に懐疑的な人もいるだろう。
懐疑的な人に力説しても話しはすれ違うばかりだから
何も言わない。
ただ、論より証拠で聴いてみるとよい。
例えば上の写真にある黒いスピーカー。
ユニットはSB AcousticsのSB65WBAC25-4という6,5cmのフルレンジを
使った物なのだが、驚くほど良い音がする。
そう書いても信じられない人もいるだろうから
一応権威付け?をすると、こちら2019年のミューズの方舟
自作スピーカーコンテストで音質賞を獲得した栄えある作品なのだ。
(続く)
12月3日
GTOさんの作例にはダブルバスレフの物が多いと思われる。
これは小口径スピーカーの低音増強に効果的だからだろうか?
考えてみたら質問した事が無い。
いや、とにかく出音が見事な物だからいちいちそんなこと訊く気になれないのだ。
スペアナソフトで拾った物をリアルタイムで見せて頂くと超低音の入り口附近までの
見事な伸びとフラットネスを確認できる。
だが、やはりそうした物もおまけなのだ。
どんな音がするか?その一言に尽きる。
実に爽やかで浸透力があり晴れ晴れと音楽を聴かせてくれるとでも言えば良いのか?
これを聴いて、嫌だ、という人は居ないだろうという感じの音だ。
「やられたな」と心の中で呟いて、ではこれも、ということで
よっしーリクエストで自作派的には最新のオンキヨーOM OF101を使った物を聴かせて頂く。
パッと見るとよっしーの作例と縦横奥行き比は似ている。
しかし似ているのはそこまでで音には天と地の差があった?
よっしーのはDSLとかで遊ぶ前提で密閉。
GTOさんのはスピーカー単体でフラットネスと低音の伸びを確保した
真面目な作例である。
比べる事自体が失礼であろう。
こちらの音も見事。
音傾向の違いはSB Acousticsとオンキヨーの違いそのものである。
つまりユニットの個性の違いだ。
さてしかしこれで終わるなんて事は無いわけで…
12月4日
ベテランマニアの方なら先日来の写真の中に懐かしいスピーカーを見つけているだろう。
…というか、そのスピーカー、予てよりその位置に鎮座しているのだが
失礼、あまり話題にしたことが無かった。
当方の手落ちである。
そう、コーラルX-V。
1982年発売。
正にCDを迎え撃つような形で誕生?
1980年登場のX-Z(69,800円)やX-Vの知名度が高すぎるのかもしれないが
このX-Vも当時他社メーカーに衝撃を与えたという。
一本三万円というのは嘘としか思えない仕上がり。
21cmウーファー。
6cmスコーカー。
1,6センチツイーター。
このスコーカーがとりわけX-Vの肝であり、高音質を決定づけていると
されるが、なるほど、と思える品位ある音だ。
面白いのはこのワイドレンジスコーカーのみにアッテネーターが
設けられていること。
いや、さすがコーラルはスピーカーの名門だったと
改めて驚愕させられる音質なのだが、
だった、と過去形で書かなければならないのが唯一哀しい。
往年のライバルであったパイオニアも…
時代のながればかりは仕方ないが、その製品の奏でる音だけは
色あせる事が無い訳で、救いでもある。
このX-Vもまた、よっぽどだだっ広い部屋で
気違いじみたパワー競争でもさせない限り。
つまり常識的な部屋で常識的な楽しみ方をする分には
これ以上のスピーカーなんて不要だろう、とさえ思わせる
凄さがあった。
よっしーは、もう我が身の勉強不足を恥じるばかり。
定価サンマンエンなんて嘘だろ〜♪と歌いたくなった(笑)
同時にこうした名器もしっかり聴き込む事は
スピーカー自作にも大きなプラスのはずだ。
GTOさんお部屋にはアポジーもあって
締めに拝聴したが、それはそれで、さすが魅了させる音なのだ。
そう書いていて遅まきながら気づいたが
スピーカー自作をすると言っても別に市販品と張り合う必要は無いということ。
どうもマニアというのは対決シリーズが好きなところがあって、
古くはデジタル対アナログ論争なんてのから
単線対より線とか、もう細かい事を拾い集めると
何でもかんでもバーサスシリーズかと言いたくなるほどだ。
しかしそんな事は結局どうでもよろしい。
GTOさんに、「どうしてスピーカーを作るのですか?」と訊いたら
「そこにユニットがあるから」と帰って来そうだ。
いや、「そこに愛する音楽が存在するからさ」というだろう。
自作だろうが他作?だろうが、全ては音楽のため。
FOR MUSICなのだ。
12月5日
いよいよその先はリファレンスのバックロード降臨となる。
それにしても、と思うのだが、音楽、音楽、音楽、である。
ただ単にソフトがいっぱいありますね、という話しじゃないのだ。
ちゃんと聴かれている。
一体年間でどれくらい音楽を聴くことに費やされているのだろう?と
思う。
例えばオフ会でどんなにいっぱい聴いても、
解散後その夜改めて聴かれているに違ない。
音楽をいっぱい聴いているからエライとかそんな事は無いのだが
装置を使ってたくさんの音楽を鳴らしている事は大変な説得力を持っていると
思わざるを得ない。
いや、音楽はみんな聴くでしょ?と言うかもしれないが
聴く対象に対しての愛の深さはそれぞれ異なるものだ。
ソースに対しての並々ならぬ関心があればこそ
良い音の出口になるスピーカーを作る事が出来るのである。
駆動系の装置については前回前々回にも触れているので
詳細は割愛。
ただ、ここでも興味深いのはさらに高額な物が転がっていても
それを使わずにローコストとでも言えそうな機器の方をチョイスして
鳴らされていたりすること。
変な主義主張の結果とかそんな事ではなく、
純粋に相性の良い物。マッチングの良い物を組み合わせたらそうなっていたと
そんな感じだ。
とにかくこのお部屋、あるいは音の魔窟みたいな求心力を持っている。
入ったら最後、本当は一か月くらい籠らないと
全ては見渡せない、聴き切れない、そんなゾーンである。
どうぞ、次回は拙宅へ。
今回もまたお邪魔しました!