5月2日
1982年頃の話しは先月CDプレーヤーネタの時にも触れた。
この1982年〜1983年頃というのは極めて面白い。
興味深い年だったというのは後になってわかる事だ。
1982年CD登場。
そんなに一気には火は付かなかったという事も先月話した。
それはそうなのだが、やはりやがてCDの時代。デジタルの時代が来ると
いう予測は誰だって立つ。
それ故、という事でアナログ関連の最後の打ち上げ花火が
結構出て来るのがこの頃なのだ。
そしてその火は当然ながらそこを境に一気に消える。
そんな劇的な年度が1982年〜1983年であった。
さて、これは?
そう、YAMAHA MC-2000。
いわゆるヤマハのハイエンドだし、当時としても105,000円と10万円オーバーなのは
かなりの高級機ということになる。
DENON DL-1000(A)が10万円。 VICTOR MC-L1000は8万5千円だったのだから
比較してもかなり強気な値付けなのがわかる。
かなり昔だがヤマハの十字マトリックスMCに関してはまとめて拝聴出来る機会を得た。
ただ、その際もMC-2000は出て来ていないが、当然十字マトリックス方式採用だ。
しかしMC-2000というと記憶されるのはそこではなく
針先の実効質量0,059mgを達成したという点。
これは当時の世界最小記録。
それまではDENON DL-1000の0,077mgだった。
ただ、上記記録もテクニクスEPC-100MK4の0,055mgが出て
記録更新されその後は塗り替えられていない。
ま、この数字が小さい=音が良いかどうかは知らない。
逆に小さくしすぎて音に力が入らないという説もあった。
YAMAHA MC-2000の場合はベリリウムカンチレバーで
同社のMC-3などと比べても長さを5,5mmから3,7mmと短縮。
短くなった分薄くしても強度が得られるということで20μとなった。
とにかくフェザータッチのカートリッジ、それがMC-2000。
ついでにボディもポリカーボネート採用で尚且つ小さく仕上げて自重5,3g。
またダンパーも新技術のLTDダンパーと呼ばれる物を採用。
ようするにシリコンゴム(温度依存性少)とブチルゴム(粘弾性)を組み合わせて温度依存性の低い
ダンパーとしたということ。
それにしても、と思うのは同時発売のGT-2000が138,000円なのだ。
あちらは28kgだ。
MC-2000は105,000円で5,8g。
…そういう問題じゃないだろうと言われそうだが
貧乏性のぼくとしては納得いかない?(笑)
5月3日
さて、そのMC-2000なのだがネットを検索しても
さほどの情報は集まらない。
なぜ?
高くて数が出なかった、のかもしれないが
DL-1000やMC-L1000の話しはちゃんと聞こえて来るではないか。
とすると?
あるいは死んでしまった個体が多かったか?
実はこれはありえるのだ。
音の為とあまりに極端なことをすると色々なことが起きる。
DL-1000もあっという間に断線してしまうということで
1000Aにマイナーチェンジした。
ビクタープリントコイル機の断線もあるが
あれなんか良く守ったほうだと思う。
YAMAHA MC-2000の場合はやっぱりチップ落ち。
これがあったようだ。
過去によっしーが拝聴申し上げた2000もその後チップ落ちで
お亡くなりになっている。それももう20年前の出来事だ。
針先実効質量低減に邁進した見返りにチップ落ち。
メーカーを責められるものではないのだ。
さて、MC-2000だDL-1000だMC-L1000だと言っているが
実はもう40年弱前の。それもアナログカートリッジなのだ!
もう正常で居られる個体が無いと言っても大げさではなかろう。
そろそろ話を進めるが、実はこのMC-2000もオリジナル状態では無いのである。
ボロンカンチレバーからアルミカンチレバーに交換。
当然針先も変わっている。
では駄目か?
そうかもしれないし、実はそうではないかもしれない。
そこに大いなる興味を持っての拝聴となった。
5月4日
結論を言おう。今回のMC-2000改は成功事例だ。
横に2000オリジナルを持ってこないと正統な比較は出来ないのだが
そもそも比較自体にも意味が薄くなってきている2020年の今なのだ。
蘇生、あるいは延命を受けたMC-2000が、今どういう音で鳴るか自体を気にしたい。
どうも、そもそもが優秀な発電系に、やや骨太な振動系が混じって立派な音を出す、
みたいな感じだ。
ひとつだけ大いに悩んだのが針圧。
本来のMC-2000は針圧1gの世界だ。ただ、当然ここではそれが変わる。
変わるのは良いがどれくらいなのか?
ここに大変時間を費やしたが、結果2gでジャストヒット。
針圧1gで設定されているであろうダンパーに常に2gを掛けるのが是か非かだが
そもそもこのカートリッジ、本来だったら一度終わっているのだ。
第二の人生。太く生きてもらうことにした。
ということでこの個体。よっしーの所に留まる事に。
元は?
もちろんkoyamaさん発である。貴重な物をまたしてもご手配頂いてしまいました。
ありがとうございます。
改めて2020年の今、1980年代(もっと古くても良いが)のカートリッジの付き合い方は
ある意味面白い。
このMC-2000も、そんな事が出来るかどうかわからないが再びボロンカンチレバーに
改造することだって不可能ではない?
現時点でそんな事を考えているわけではもちろん無いが、もうそういう付き合い方含めて
関わるべき物。それが20世紀物のオーディオたちだ。
↑ウチのエース級の組み合わせになってくれると信じたい。
ん…??
5月5日
えーと、えーと…
又何か登場…
それには理由があって、それはある日のこと…
リーンリーン(今時これが電話の擬音って通じない人もいるよね?)
Y「はい、よっしーです」
L「よっしー君かね。ワシじゃ、ワシじゃよ」
Y「いや、ワシじゃわかりませんけど着信にばっちり名前出ていますぜ師匠」
L「ワシは君の師になった覚えはこれっぽっちも無いじゃがね」
Y「それはさて置きどーしたんですか?limitedさん?」
L「あ、ちょっと君に渡したい物があってね、取りに来て」
Y「へ?い、いや、今はほらSTAY HOMEとか言って家から出ると
射殺されるんですよ」
L「アメリカならあり得るな。しかしここは日本だ。
しかもドアツードア自家用車で移動してブツを玄関で渡すだけで
濃厚接触になるのかね?」
Y「いや、どーなんですかね??」
L「つべこべ言っていないですぐ来なさい」
Y「へい」
…ということで戒厳令の中ですが受け取りに行ってまいりました(^^♪
ただ、まあ本当に玄関先だけでリターンするのも失礼というものでして…
ちょっとばっかり覗かせていただきやした!
5月6日
さて、limitedさん宅。ここ数年はスピーカー蒐集?熱が凄まじく
大変な量の品々が押し寄せている等はもちろん知ってはいる。
ただ、実際に目の当たりにすると、これは圧巻である。
しかも当日垣間見る事が出来たのはその一部にしか過ぎないのだ。
…なんて事をごちゃごちゃ言っているといつまで経っても本題に入れないので、
まずは一発目のスピーカーの話しに
入ってしまおう。
その一はテクニクスSB-F3。
1978年頃の発売。
いわゆるコンサイスコンポの世界だ。
高さ321mmとLPレコードのジャケットを意識した?サイズ。
16センチウーファー採用。一本27,500円だからペアだと5万円超え。
決して安くない。
ツイーターは名器5HH17をベースにされているとか。
アルミダイキャストボディで案外重い5kg。
裏に壁掛け用金具が見えるがあんまり高い壁に掛けたい重さではない。
という事で本格オーディオというよりゼネラルオーディオ寄りのスピーカーなのだが
出て来た音を聴くと信じられない。
どう信じられないかというと、津波のような低音である。
このスピーカー、元々高い方の美しさなどには定評があるが
さすがにこのサイズのエンクロージャーだしウーファーも16センチなのである。
また大げさなことを、と言われそうだが嘘ではない。
そして種も仕掛けもあるのだ。
ポイントはこちら、AIWA S-A60だ。
プリメインアンプで1980年頃には発売されていた。
テクニクスのコンサイススピーカーにわざわざAIWAのミニアンプが来るのは何故?
そーなんです、この頃のアイワのアンプにはDSLが付いているのです。
と訊いて一発で理解出来てしまったとしたら、あなたも相当なオーディオ病に冒されていますよ
お客さん。
DSL。
Dynamic Super Loudness Systemの略称。
分かりやすく言うと低音のブースト。それも出力が上がるに従ってブースト量を加減するというう優れもの。
いや、また、そんな物は世の中に数多あっただろうというあなたはシロートです(笑)
AIWAのそれは40Hz付近の、いわゆる超低域帯域をブースト。
しかも!
このA60のブースト量は最大15dB…
馬鹿かオマエハ…
故にこの子は選ばれた。
さすが目の付け所がアイワでしょう?
偶然なのだがよっしーはこのAIWA S-A60の存在やDSLを知っていた。
何故かというと長岡先生が一時書斎で使っていたのを読んでいたからだ。
憧れのA60。青春のDSL。
それが今ここにあって仕事をしているのだが、やらせてみたら凄かった…
ほら、旦那。そこの旦那。
最近低音が足りないとか思っていません?
え?なんでわかるって?顔に書いてありますよ、旦那。
ほら、そんな時はこれ、AIWAのDSL。
ね、スイッチ一発でお悩み解決。安いもんだぁ〜(笑)
騙されたと思って、ほら。いやだね、旦那。騙しやしないけどさ。うん。
お、お買い上げ?こりゃ毎度どーも〜。はいありがとう。
うん、持って帰ったら早速さ、すぐに繋いで試してさ、奥さんを驚かせてあげてよ。
言ってたんでしょう?あなたこの頃低音が足りないわ、って。ね、知ってんだから俺。
あ、でもね、旦那一つだけ気を付けて。
バスレフスピーカー。これはね、ブーストする時気を付けてね。
出来たら密閉だね、旦那。うん。やっぱり相性が良いやね。
え?密閉が無い?
じゃあ旦那にだけ特別だ!このテクニクスの密閉!
今なら特別にペア5万円で消費税分サービスしちゃおう。
どう?旦那。まとめてお買い上げでハッピーな低音ライフだよ。
お?男だね!毎度。
うん、お支払いは一括?
お買い上げありがとうございま〜す♪
なお音源だがスマホからBluetoothで飛ばされている。コーデックはaptX云々ということなのだが
そっちの方はよっしーがさっぱり詳しくないので申し訳ない。
ただ一つ言えるのは音は滅法良いし、管理からなにから快適その物ということ。
ひと昔前だと一括りにPCオーディオなんて言ったもんだが、あっという間に世界は進み
手の中にあるスマホで快適極楽高音質が可能になっているのだ。
もう一つ付け加えると、コンパクトスピーカーの良さももろに出て
音場感最高。仕掛けやら音の動きやらが目に見える様な鳴り方になるのも
素晴らしいところである。
5月7日
続いてはダイヤトーンDS-505だがスピーカー本体の説明は二年前にもしているので省略。
というか有名過ぎて解説不要だろう。
ダイヤが生んだ傑作4Way。というかダイヤトーンの4Wayは傑作揃い。
ただ、505は一般家庭に収まる大きさ形状で素敵な音を出した。そこが良い。
音だがさすがにこれが出て来ると前記SBも太刀打ち出来ない感じ。
THE本物。こちらのお宅のリファレンスの位置に居続けるだけの事はあるのだ。
しかし違うのはスピーカーだけではない。
音源も違う。スマホ、OPPO A5発、なのだがFX-AUDIO- FX-D03を介してCDA-94に入り
プリがSU-A6MK2。メインがSE-A3という組み合わせ。
これでいわゆるビットパーフェクトの世界を堪能。
あるいは全ての音は、この世界をリファレンス(参照元)にして検証されているのか。
そんな感じの基準点的な音がする組み合わせなのだった。
さて、しかしここでサンスイSP-100i。
同社が1987年に放ったスピーカーシステム。
…なのだがこれが半端ないスピーカーだ。
知る人は知っている。
一見21センチウーファーと2,5センチツイーターによるなんの変哲もない2Way。
サイズも280W×450H×342Dと平凡。
ところが重量19,3キログラム。ただ者ではないのがここからわかる。
それもそのはず。内部にインナーバッフルがあってそれが40mm厚。
ウーファーはそこに固定されているのだがユニット側に30mm×25mm無垢角柱×4本があり、
これは一体成型ダイキャストフレームと一緒になっていると、説明するだけで疲れる構造。
なんでこんな構造になっているかというとユニットはフロントバッフルと非接触のインナーフレーム方式なのだ。
きっとどこかに監修江川三郎と書いてあるに違いない?
ところで詳しい人なら突っ込むだろう。
100iはチタンブラック梨地で白は100iEX(W)だろうと。
話しが逸れたが今回の個体は100iを前オーナーが自前で白く塗ってしまったものだそうで
お値段その分お安めだったとかなんだとか…
音だが、これだけ正攻法で攻めたスピーカーの音は良いに決まっている。
あと一歩でDS-505を追い落としかねない勢い。
念のためだが、その異様な?構造が音に出たりはしてない。
つまり変にマッチョだったりこれ見よがしだったりはしないということ。
極めてナチュラル。
サンスイ偉い!
しかし、これだけの物をリリースしながら商業的成功には遠いのだから
営利会社としていかがなものだったのか?と
思わざるを得ない。
標準仕上げの100iは55,000円/1本
100iEXとなると79,000円/1本。
仕上げで随分価格差が出るがどちらにしても値付けを間違っている。
標準128,000円。豪華版198,000円としたらよかった。
そうしたみんなもっとありがたがって扱ったに違いない。
5月8日
さてさて、二年前もそうだったのだが、
ああ、我が国にはかつて素晴らしいスピーカー達を作る技術と
それが売れる市場があったのだ、としみじみ思わせたところで出てきます、
ジェー、ビー、エル。
そうそう、あの時も4301が出てきて名門の恐ろしさを見せつけてくれたんだっけ。
そんな訳で今年はこちら、JBL4401
1982年の発売。
238Wx375Hx203Dmmとコンパクトなのだがれっきとしたモニタースピーカーなのだ。
一説には可搬型として使われたとか。つまりロケバスなんかに載せられて。
更に棚の上に載せられたりというのが正しい使い方?
調べてみると別売でウオールマウントが出ていた訳で、明らかに壁や棚への取り付けも意識している。
そのためか面白いのはアッテネーターつまみがグリルを突き抜けて出べそのように飛び出していること。
いるところ。
サランネットを外さないで調整出来ます、ということだし、同時にサランネットは付けて使ってね
という意味ともとれる。
音はというと最初は面食らう。
これまでの三機種とは違って明らかに癖を感じる。
すごく陳腐な言い方をしてしまうと高域がとんがって耳に付くところがある。
ただ、何事も慣れが大事。
黙ってしばらく聴くに限るのだ。
ここでlimitedさんのレクチャーがあって、このスピーカーが可搬性のあるモニターである事を知った。
それで腑に落ちたというか、これはこういう音作りなのだろう。
もしかしてハイ落ちになるかもしれない環境下での使用も想定。
もう一つは、とにかく情報としての音がちゃんと聞こえること。
そんな事を目指して作られたのだと思った時、初めて理解が進む。
どちらかというと、もう少し外来騒音などある屋外などで使ってみると本領発揮になるのかもしれない。
ここはオーディオマニアのリスニングルーム。SN比は高い。
そしてもう一台。JBLL46
こちらも1982年の製品。
だから、ということでは無いが、どこか4401と似た雰囲気を持っている。
ただ、サイズは一回り二回り大きくて317Wxさ527Hx267Dmmとなる。
ウーファーサイズも4401の17cmに対して20cmとなる。
音だが4401との対比で俄然本格的になる。
これはいわゆるオーディオ用であろう。
ところがlimitedさん、このスピーカーは間違いで手に入れたとか?
違う物を想定して届いたら別の物でしたって、あーた、もうそうなったら手遅れというものです…
ということで、それならそれとちゃんと面倒をみたところがエライ。
バッチリ鳴る。
それがJBLだからなのか、メンテナンスを受けたからなのかはわからない。
多分両方だろう。
本当は最後にこの話を持ってきたかったのだが、これらスピーカー群はどれもきちんとメンテナンス(含チューン)
されている。
当時のまま、ではないのだ。
僕も年がら年中古い物を呼び寄せては面倒を診ている(つもり)なのでわかるのだが
当時物とか言い張って、何もしないのがメーカーオリジナルの音を維持しているのだと言い張るのも自由。
ただ、それには無理があるのも事実。
スピーカーでいえばエッジが、とか磁気回路が、とか機械的メンテナンスが一つ重要。
同時にネットワーク搭載であれば電子パーツの交換その他メンテナンスが必要。
場合によってはシミレートしてネットワークの小変更もする。
そう言った諸々があって初めて21世紀にも使える状態で居られるわけだ。
話しをL46に戻すが、これのツイーターが先ほどの4401と同じ物と訊いて、これはぶったまげた。
驚くほど音が違うのである。
超陳腐に言ってしまえばローエンドは伸び切って良く沈み、
中高音域は美音と言っても言い過ぎではない。
これはあるいはL46の音ではなく、L46改善、の音かもしれない。
これを書いておかないで、いたずらにL46を手に入れて鳴らしたら
僕が嘘つき呼ばわりされる恐れがあるので、ここはしっかり伝えておきたい。
(終わらないよ。(笑)
5月9日
春のスピーカー祭りもいよいよ最終コーナー。
再びジャパン製品に回帰。
テクニクスSB-M5登場。
1983年発売。当時49,800円/1本。
テクニクスハニカム平面スピーカーユニット搭載。
この時代は紙コーンに変わる。あるいはそれを凌ぐ素材、形状でスピーカーの新しい世界を開こうと
各社がしのぎを削った、今思うと本当に幸せな時代だった。
蒼の時代、ならぬ碧いバッフルの時代。
なんとなく色々なメーカーが同じ方向を向いていたことすら今となると懐かしい。
サイズは350Wx606Hx320Dmm。現代では巨大なスピーカー扱いで、
これをリビングに置こうとしたら奥様から狂人扱いされそうだ。
昔は当たり前のサイズだったのだが。
音だが、実はこのスピーカーは少しの間寝かされていたのだが、見事に一発目から普通に鳴る。
長期自宅待機だったはずが出勤したら初日の始業時間から平常運転。
そんな感じだ。
確かにJBLにはJBLの凄さ。考え方の面白さがあるが、こちらにも誇れる文化があったのだと感動。
あっさりこんな良い音が出てしまって良いのだろうか?と
逆に心配になる。
他のスピーカーが無かったとしたら
充分エースになれるクオリティで、スカッと抜けてワイドレンジ。
往年のハイファイサウンドby JAPAN!という感じだ。
どうもこちらのお宅のスピーカー群は三番、四番、五番→
三番、四番、五番→三番、四番、五番という感じで
おはようからおやすみまで、ずっとクリーンナップトリオ
みたいな感じなのだった。
さて、既にネタ晴らししてしまったがどれも丁寧にメンテナンスや
チューンナップが施されていて
詳しくは下記をご参照頂きたい。
SB F3
S A60
SP-100i
JBL-4401
JBL-L46
SB-M5
そしていよいよ明日は感動のラストに…
なるんか?具が多すぎですぜい(笑)
5月10日
ひとつ抜けていた。
SP-100iから後は全部A5 2020 → FX-D03J
そこからDP-55に行って、P308とM508のペアでお聞かせいただいた。
駆動系も豊富。
気づけばこちらはメーターが多い。
振り返るとよっしーの部屋にはその手の華やかな物が無い。
で、メーター付きの中でも一際異彩を放っていたのがこちら↑
ん?おお、東芝=Aurexのアドレスユニットではありませんか!
と言っても若い人はご存じない?
だいじょーぶ〜
オーディオなんておっさんしかやっていないから全員その名称くらいは
絶対に知っている。
1970年代。オーディオは本当に熱かったが
カセットデッキは特に熱かった?
そもそもが会議の記録用程度のクオリティとされた
コンパクトカセットをHiFiと言えるレベルまで押し上げたのは
日の丸軍団の功績。
その中でノイズリダクション系は王者Dolbyの限界を越えようと
各社競っての開発競争が成された。
その中で東芝が築き上げたのがADRES。
どんな物かは検索してもらう方が正確なのでここでは書かないが
どっちにしても単体のノイズリダクションユニットなんて高嶺の花というか
誰が買うのかわからない、というのが小僧だったこちとらの認識。
指をくわえて雑誌かカタログを見るのが精一杯だった。
大人になって?やっと買えるようになった?
憧れのAD-4を使ったテープの実力はどうだ?
…結論を言いましょう。
これ、黙って聴かせたらハイレゾと言ってマニアも騙せる。
それくらいのクオリティなのだ。
そもそもカセットのクオリティの高さはマニアであれば
わかっている筈なのでここで強調はしない。
しかしアドレスが加わることで本当に盤石になるというか
向かうところ敵なしの感じになる。
こんな凄いものが1980年よりも前に完成していたとは…
驚きでしかない。
どうもSONY機の優秀なメカ+Aurexアドレスの凄さが
ベストな結果を作ったようなのだが
これは1980年位では出来なかったことだろう。
詳しくはこちら→AD-4をクリックして頂きたい。
さてさて、名残は尽きないが尽きるまでやっていると
大変なことになる。
ひとまずはここまで。
とても書き切れるものでは無いがlimitedさん宅も
男の夢をひとつ実現した夢の屋敷か。
あれ使いたかった。これ試してみたかった、を
次々と具現化して見せてくれた。
ただ、青春時代の憧れの君は既に劣化している物が
ほとんどなのが現実。
それを蘇生するだけの腕があるところが羨ましいとしか
いいようが無い。
針の達人、電気の達人はその後スピーカーリビルドの達人にもなった。
もう止める物も無いだろう。
…と、感慨にふけていたら肩をポンと叩かれた。
あ、君君、これを忘れないように…
へ、へーい
…ってどーすんですか?このアームレスプレーヤー…
わっはっは。このよーな物を託せる者は君しか居ない。
精進したまえ。
…う、うーん…精進させて頂きます〜♪
5月11日
さっそく精進させて頂きました↑、の図。
それは結構だがSL-150MK2の資料というか手掛かりがほぼ無い?
取りあえずSL-1500MK2の発売が1977年の7月らしい。
テクニクスの法則からいうと150MK2は1500MK2のアームレスモデルという事なのだから
ほぼ同じころ出たのだろう。
しかしSL-1500MK2の値段が80,000円というからアームの無い150MK2はそれより安い事になる。
とうてい信じられない。
それくらい作りが良いのだ。
まず、操作感抜群。スイッチ類は押す喜びを与えてくれる。
居ずまい最高。パッと起動してススっと停まる。DDはこうでなくてはいけない。
まあそれは良いがアームが無ければどうにもならない。にやにやしてスイッチだけ押していたら
単なる変な人である。
幸い純正アームベースも付いていて、なんだか穴も空いている。
では、という事で持ち帰ったその日の内にGRACE G-940を載せてみた。
有効長の問題はギリギリ大丈夫な感じなのだが、アームの高さが合わない。
つまり尻上がりになってしまうのだ。
俗にいうテクニクスあるあるだ?
結構わかり易い尻上がりだ↑
ちょっと話しは逸れるが、このテクニクス(と限らないかもしれないが)の
アームレスモデル。日本ではそんなに取り沙汰されないが海外では
ファンが付いている様だ。
それは良いがベテランマニアだったらお分かりの通り
まずアーム長に制約がある。
綺麗に収めるなら9インチアームが必要。
SMEだと3009がジャストフィット。
3010では既に長い。
数値的には150MK2でプラッターセンターから200〜220mmくらいの所に
アーム取り付け穴の中心が来ないといけない。
また、それを華麗にクリアー出来ても前述の高さの問題も出て来る。
本当の意味であっさり収まるのは何?っていうとテクニクスのアーム
ということになる(笑)
だったら最初から1500MK2を買えば良い訳で
この辺もテクニクスあるあるだったりするのだ。
仕方ないので翌日適当な余り板(実はほぼ捨てる筈だった端切れ)を使ってアームベース製作。
仮止めと言った感じだが何とかなった。
これにカートリッジはお約束でEPC-270。
どうか?
我ながら短時間でものにしたと思ったのだが
どうもこうしたレコードが上手く鳴らない。
結構困っていたらインターフォンが鳴った…
(続く)
5月12日
「どうかね?調子は?」
と、SL-150MK2のその後が気になってご来訪…というのは
かなり嘘だが(笑)limitedさんにお立ち寄り頂いた。
先日はlimitedさんの所でスピーカーにまみれたので、拙宅ではアナログプレーヤーにまみれて
頂く事にした?
現状目に入るだけで15台くらいのプレーヤーがあるのでかなり遊べたのは確か。
プリもPRA-2000、SY-88、C-2Xとあって差し替えも容易となっているからさあ大変。
興味深かったのは組み合わせ一つで同じカートリッジの音がまるで違ってしまったりと
激しい変化を感じる時もあったということ。
アナログだから当たり前、の一言で済ませてはいけない。宿題も残った。
しかし、limitedさんも言っていたが、アナログは深みに嵌ると病む(笑)。
ほどほどにする一瞬も必要なのだ。
当日はそう整然と進んだわけでは無いのでこの後まとめ記事としたいが
面白かったやり取りを一つ二つご紹介すると…
Y「いやーそれが松田(聖子)さんが上手く鳴りませんでね…」
L「どれどれ。ああ、チミ(君)、これはだね、そもそも録音がこんな感じかな〜」
Y「そーですか〜、やっぱり…。ただ、なんかトラックによって音良くなったり、そうでもなかったりするから
悩んじゃって…」
L「こうした物の中にはそういう事が普通にあるのじゃよ。うん。ちなみにハイレゾ、と謳われていても
その辺の問題は当たり前に残っているからね」
Y「そーでしたか〜。いや、相当悩みましたわぁ〜」
L「慣れないことをするからそーなるんじゃ」
Y「へへっ…!勉強になりました!」
…と、書き方は例によってふざけて見せたが、音源の問題めいたものについては別稿を起こして
書いてみたいと思わせた一瞬だった。
で、次…
L「ほれ、お土産というか具材を持ってきたよ。開けてごらん」
Y「ひ、ひえっ…、既にケースの段階で玉手箱臭を感じますぜぃ」
ぱかっと開けるとそこには…
神々しいばかりの輝きを放つSHURE三兄弟が…
Y「こ、こ、これはっ…。なんと眩しい…。なんちゅーか、遠足のお弁当箱を開けたら
美味しそうなおむすびが、鮭、たらこ、かつお、って感じで並んでいたかのような感動ですね!」
L「…も〜少しまともな例えは無いのかね?」
5月13日
SAHURE M75ED Type2 。
僕はよく44、75、15をSHURE三兄弟と呼んで
75についてはちょっと不遇な次男坊と、ずっと思っていた。
考えを改めたのは昨年くらいだったか、拙宅で75のMBが上手に鳴り始めた時からだろう。
なんと75の万能感あふれることか。長い間失礼しました。
そして今回はそのM75のEDモデル。つまり楕円針である。
こちら↑は75EDの初代。Type2ではない方だが
1972年には出ていた。
当時19,500円。
75自体はもっと前から出ているのだが楕円針にして高域特性を云々というのは
その頃の4chオーディオブームの影響があるからだ。
ちょっと遅れて来た75。それが75EDだ。
僕も75MDType2は持っているのだが、それは2g位の重針圧でも使えるようにしたもの。
さて、彼我の違いは?と嫌でも思ってしまう。
ご来訪時はOTTO TP-L3+SAEC WE-308Nという怪しいバラック?プレーヤーで
拝聴したが、いきなり凄いパフォーマンスを発揮して唖然。
どういったら良いか困るというかあまりに万能なので言葉に困る。
更にこの上を、と考えるのは既にビョーキと言えよう。
後日EPA-100+MU-1800のプレーヤーでも素晴らしいパフォーマンスを
発揮して頂いて素晴らしさを確認させてもらった。
次にM-91EDとGD。
そもそもいつ頃生まれたのか?と調べてみると
1972年に新製品として紹介されていた。
その時でEDが24,000円。GDが16,800円だから安くない。
参考までグレースのF-8Eがジャスト2万円の時代だった。
75のED初代が翌年登場ということでこの辺は時代的にほぼ同じ頃のモデルと言って良い。
さて91EDとGD。同じボディで針が違うだけだから音はそんなに違わないだろうと思ったが
予想より違う。
二人で聴いた時はSL-150MK2+G-940のプレーヤーでプリはSY-88の組み合わせだった。
どちらにしても良い音だったのだがlimitedさんは自宅での感想と正反対の結果が出てしまったということで
かなり驚かれていた。
僕はGDの方がダンサブルな感じと似合わない感想を漏らした。
で、問題は後日の方で、条件統一ということで
M-75EDType2同様にMU-1800+EPA-100のプレーヤーに
両91を付けて聴いてみた時の事だ。
91GDは良かった。
なのだが91EDに差し替えたところ変な感じになってしまった?
いや、十分良いのだが、なんだか留守中に誰かが勝手に部屋掃除をしてくれたみたいな
違和感があって落ち着かない。
一体これはどうしたことか?とかなりブルーになるが
ふと気づいてTP-L3+WE-308Nのプレーヤーにチェンジ。
そうしたら俄然本領発揮?
理由は良く分からないし、幾らでも付けることは出来るが
あまり意味は無い。
要するにそういう事があった、という事を大切にしたい。
この条件下で聴くと91EDの方がGDより
より一層溌剌と音楽が弾み、フレーム(額)も一段拡がる感じが出て来る。
対比でGDの方がほんの少し全体に地味になるが
その方が却って歌=中域に集中出来て音楽が楽しめるという人もいると思う。
そんな鳴り方をしてくれる。
そして91属と75EDType2の対比で見ると
75EDType2の方が更に伸びやかに広々と謳う感じがある。
いわゆるランクでいうと91属の方が75より上なのだが
75EDType2の方が発売は後という違いはある。
その辺の影響なのかどうなのか?
本当のことを言うと分からない。
カートリッジには個体差があるし、それが40年50年経過していれば
その間の変化の仕方の違いというのもあるだろう。
そしてMMの宿命で同じ型番であっても針が違うなんて事もあり得る。
今回のお三方はさすが出所がちゃんとしているので
どれもキチンとした針が付いていることは検証済み。
だがしかし、これを読んだどなたかが偶然見かけた75EDType2やら
M91ED/GDをお求めになられてもどうなるかは保証の限りではない。
そこに組み合わせによる違いが加わると…
師曰く、「アナログは適当にやらないと本当に病む」…
その通りでございます。
5月14日
そして宿題のコーナーへ。
パイオニアはカートリッジの世界でも名門と言って良い。
ただ、超決定打が出なかったというか途中で道から逸れて行ってしまったというか。
ちょっと残念な感じもある。
さてこちらPC-200。
よく見かけました、という人が多いだろう。
当時数多くのパイオニアのプレーヤーに付属していた。
そしてこちら400↓
こちらはそんなに多くの機種には採用されていないが、やはり俗にいう付属カートリッジである。
この上に更にベリリウムカンチレバーのPC-600。そして単売のPC-800と並ぶのだが
それこそなかなか見かけまい。
200と400.両者の違いは例によって針だけとされるが、さてそれでどれだけ違うものか。
それ以前に両機の実力は?
200から拝聴したのだが、ちょっと聴いて言葉を無くした。
何故ってあまりに良い音だ。
音が良いのだから喜ぶべき所なのだろうが、一応マニアを自負?する身として
昔プレーヤーに付属だったカートリッジで納得し切ってしまって良い物だろうか?と
悩まずにはいられない。そこはわかって欲しい。
ただ、一点、どうも気になる物があった。
で、多分これは…と思って400にバトンタッチすると…
凄い。予想的中。一発で解決した。
…という事はPC-400は即ち無敵ではないか(笑)
さて、200と400の違いはどこに?
5月15日
さて、200と400の違いはどこに?
200を拝聴していて唯一気になったのが、フレームがやや小さいところ。
変な例えだが50インチの画面があるのだが、その内の40インチ分しか使わないで
周囲に余白というか余黒というか?があるような鳴り方。それが200の方の世界だった。
それが400に差し替えた途端枠が無くなった。大画面フルに使い切りの世界だ。
振り返るとこの違いというのは先に拝聴したSHUREのM-91GDとEDで。あるいは75EDType2
との間で感じた違いでもあった。
ということで400は更に完璧な世界。
これも機種は限定されていたけど付属カートリッジだったんですよね?
数が出るから低くみられたわけで、なんとも空恐ろしい物がプレーヤーの先っぽに付いていたものだ…
言っておきますが、これじゃ終わりませんよ〜(笑)
続いてはデンオンのDL-H5LC。
…なのだが、私もまだまだ未熟というか、パッと見た時テクニカと思った。
どうも形がデンオンじゃない。俄かには信じがたい気分になる。
しかしまぎれもなくデンオン製。
1986年発売という所がミソ。
CD時代が来てから発売されたカートリッジなのだ。
お値段14,000円。
見た目がゴージャスな感じなので意外に思ったがイチマンヨンセンエンなのだ。
当時1万円台で売られていたMCカートリッジというとテクニカAT-F3が一万円丁度。
オルトフォンMC-10スーパーが19,500円。というところ。
参考にデンオンDL-103LC2が21,000円であった。
103が21,000円で存在した時代に7千円安く出したDL-H5LCの狙い。あるいは存在意義は?
…とかなんとか考えたのは後の事で、実際にはさっさと音を出してしまう。
音だが、これはもう一聴してパリッとした物。
実際にパリッとか、パキッとかいう音が聴こえて来そうな鳴り方だ。
これは狙いましたね、と思わずつぶやく。
素晴らしく陳腐な言い方をしてしまうと、これはもうヤング向けという事だろう。
103とは違う音を。それも103よりも低い価格帯で作りましょうというコンセプトで
開発されたのだろう。
なによりCDへの移行が歴然と始まってから出て来た事に驚くし、
このカッコよさで14,000円という値付けにもたまげる。
ただ、問題は商業的にどうだったか?だ。
CDが出回った中で1万円の投資をアナログカートリッジに対してする若者。
…居たかな?というのが感想というか心配になった。
もちろんその心配自体30年遅い。
そして、非常に困った事に4,000円安くAT-F3が居た。
試みにAT-F3を出してみると、これは音作りが上手いのである。
なんというか、更に高額なカートリッジも使うけど、普段着として
使えて充分な味わいを持っています=AT-F3。みたいな感じだ。
そんな人が居るかどうか知らないが、ロールスロイスを持っている人が
下駄代わりにバンプラを使っています。が、AT-F3の世界。
対してDL-H5LCはボーイズレーサーの入門機的な位置づけか。
良い悪いではなく、選んでくれる人がどれくらい居たのかな?が案じられるタイプだ。
六角形の実に格好良いメタルボディ。
狙いを変えて4万円くらいで出しても良かった気が…
いや、結果はもう30年以上前に出てしまっているのだ。
続いて鈍器。
5月16日
ミニスピーカーのブームは10年おきにやって来た、と教えてくれたのは
長岡先生だ。
最初は60年代。グッドマンマキシム旋風が起きて
各社追従。
クライスラーCE-4aなどがこの世代。
二回目はよっしーもリアルタイムで知っている70年代。
ヴィソニックダヴィッドが1975年登場。
この後日本でもまたミニスピーカーブームが来る。
三回目が80年代のボーズ101に依るもの。
小型スピーカーでも低音が出る様になったと評判になったのはご存じの通り。
では90年代以降は?というと何だろう?
エラックとかだろうか。
この頃になると玩具扱いから抜きんでてニアフィールドリスニングとセットで
もてはやされたと思う。
さておいて、今回の宿題の題材はDS-5B。
1977年発売。26,000円/1本。
ダイヤートーンが第二次ミニスピーカーブームの折に輩出した
サイズは小さいが実に立派なスピーカーだ。
立派なのは持とうとするとすぐわかる。
片手で気楽に持とうとすると痛い目に遭う。
130Wx210Hx130Dmmで重さ3,6キログラム。
これぞ鈍器の鑑。
ただし結構滑りやすいのでそっち系(どっち系?)で使う時は訓練が必要?
背面を見ると壁掛けし易くフック付き。壁にぴったり付けられるようにという
配慮か。端子はアンプの側のスピーカー端子みたい。
10cmウーファー+2,3cmツイーターの2Way。
いわゆるアコースティックサスペンション方式を採用している。
強靭な筐体と相まって、パワーをぶち込んでも楽しそうだが
この種のスピーカーの使い方としては正しくない気もする。
さり気なく鳴らして尚且つハッとさせる、が吉。
それにそうして使ってみると実にバランスが良いのが良く分かる。
ブンブン言わない。そしてシャリシャリ言わない。
さすが名門。ミニチュアでも本格派なのだった。
ただ、それでまとめるためのお預かりではないのだ。
つまり、これを如何に楽しく鳴らすか?
そこである。
5月17日
さあ、どうする?limitedさん宅のようにAIWA S-A60があれば良いのだが
無い物は仕方ない。別の手を使うしかないのだ。
取りあえずどうしよう…と悩んで取り出したのがQUAD44プリ。
これだとローブーストも可能。
お相手をどうしようか、ちょっと迷ったが素直にQUAD 405にした。
さて、実験開始。
どうだろうかというと…
どうだろうかというと…
悪くはない。
悪くはないのだが、狙いからはちょっと外れたか。
今回はもっと野蛮に鳴らしたいのだ。
馬鹿みたい、と言わせるように鳴らしたい。
QUADペアの場合、量感はあるのだが案外力が入らない。
ここでDS-5B単独では判定を誤る気がして栗スピーカー(8cmフルレンジ一発)とコンコルド
105に同席してもらう事にした。
低音コントロールを考えるとプリはQUAD44で固定になる。
パワーアンプをどうするか、でYAMAHA AST-A10を引っ張り出してみた。
深い意味は無いのだがこのアンプも低域の可変抵抗を持っている。
カートリッジはもちろん一般スピーカー用を使う。
…悪くない。悪くないのだが面白いかというとそうでもない。
この後の事はよく覚えていないのだが(色々やり過ぎた)、あるところでふと気がついた。
低音ドカドカに拘り過ぎるから変な事になる。
力を抜いて無心で鳴らすところに回帰しようではないか、と。
5月18日
ここで脱線する。
ふとFM放送を聴きたくなった。正しくは流したくなった。
サイズ的に可愛いスピーカー達からFMが流れるなんて
素敵じゃないか、と思ったのだ。
一番身近に置いてあったという理由でチューナーはマランツST-6003をチョイス。
それは良いがアンテナが無い。
屋根の工事の際、いよいよ跡形もなく撤去してしまったのだった。
今時アンテナで電波を受信しようとする事に間違いがあると言われそうだが
こちとら天下のレコパル世代。電波は空中に飛ぶものをアンテナで受信しなくては
気が済まない?
とりあえず300Ωのフィーダーアンテナなんか引っ張り出して100年振りに
部屋の壁にT字に貼ったりしてみる。
これでどうよ、というとさすがに一番近い送信局以外のは入ってもノイジーだ。
最初はそれで良い事にしていたが、どうにも落ち着かない。
どうするか?
安いアンテナもあるので発注するのは簡単だが設置と納期に問題あり。
そこで場繋ぎの意味で自作に挑戦してみた。
細〜い針金を一辺89センチで曲げて◇を作る。
ただそれだけだが保持させたりするのがちょっと難しい。
これに同軸ケーブルを半田付けして終わり。
さて、どうか?と思ったら、なんと受信しない。
まあそんなもんか、と思ってあきらめ顔で居たら暫くして勝手に受信。
?
結論をいうとアンテナの問題ではなく、そこからの配線、結線に問題あり。
なにせあちこち間に合わせだ。
受信できるようになると(遠距離は無理)なかなか楽しい。
自前の針金アンテナで受信出来ていると思うと尚楽しい。
5月19日
で、そうこうしている間も音は全部小さいスピーカー達で出していた。
普通に音を出すことから始めよう、と思ったら気が楽になってアンプも
SY-88+HMAA-9500なんてのもやったしSY-88+AST-A10なんてのもやった。
そうこうしている内にSTAX SRA-10S+YAMAHA AST-A5なんてペアにして
これを書いている今現在は落ち着いている。
その組み合わせは単にミニスピーカーを鳴らす側のサイズとしてちょうど適切と思って
選んだだけなのだが、これもなかなか良い。
特にプリとしてのSRA-10Sの良さ。音の自然さが発揮されている気がして
妙なストレスなく音が聴けるのはありがたい。
AST-A5もA10よりも、それは落ちるのだが何とも大きさ的に愛くるしいし
鳴らしている内に音はどんどん向上。やっぱり使ってナンボなのだと反省。
で、また話は逸れるのだが、こうして出て来る機材たち=アンプ類は
各々ビミョーに病気を持っている。
わかっていて、ずっと手を出さないで居たのだがSTAY HOMEで妙にはかどる。
代表的なところでQUAD405とAST-A5なのだがどちらも背面に入力ボリュームを持っている。
パワーアンプにゲイン調整が付いているのは便利で好きなのだが、経年劣化すると
なかなか面倒だという代表例で二台共僕を悩ませていた。
405の方はアンプ自体の分解があまり容易では無いのでスプレーして胡麻化したが
取りあえず解決。
AST-A5の方が深刻で、点滴程度では改善しないどころか悪化した。
時間があるという事は素晴らしいことで、極小の二連ボリュームを抜き取って分解、
清掃。接点グリスまで塗り直して完璧や、と呟いて音を出してみると
ガリが無いのはもちろん、トータルでの音質も当然向上傾向。
このほかにもA5、A10共に入力端子の基板との結合部分の半田修正とか
色々やった。
普段だったら腰が上がらないのだが、万歳STAY HOME!?
さて、その後のDS-5Bだが…
5月20日
その後も何もずっとDS-5Bで音は出し続けていたんだった。
さて、鈍器系スピーカー。
これ、なかなか楽しい宿題だ。
人間というのは基本的に大きい物より小さい物が好きなのだ、という説があって
その通りだと思う。
さてしかし、小さいスピーカーのメリットは別にしてデメリットは?
その一つが低音が出しづらい事だったりするのだが、これについては後述。
僕がいつも思うのは案外置き場所がない、ということだ。
今回のいわゆる鈍器系スピーカーなどは正にブックシェルフサイズなのだが
そうそう都合よく本棚があるだろうか?と思ってしまう。
彼方にあってBGMということならメインのスピーカーの上でも壁掛けでもやりようはあるが
いつか使われなくなる気がする。
あとは使う時だけ引っ張り出して来て、となるのだろうが、どこに置く?
僕個人は床置きが嫌いじゃないが、やっぱりちょっと違う気もする。
正しくはスピーカースタンドに載せて、なのだろうが、これが邪魔くさい。
たまにしか使わないスタンドをどこにどう待機させておくのか?
また、いつも言うことだがスタンドに乗ったブックシェルフスピーカーというのは
実に頼りなく、音以前に視覚的にハラハラしてしまう。
今回もどうしたもんか?と思っている内にたどり着いたのが写真のような感じ。
小型スピーカーのトーテムポールである。
真面目な話し、下手にスタンドを買うよりもジャンクの鈍器スピーカーを3セット買ってくる方が
安上がりかもしれないのだ。
さて、これはちょうど良い感じ、と喜んだ途端に別の事に気がついた。
せっかくだから複数のスピーカーを一緒に繋いでしまおうじゃないか。
実はこのやり方、以前からやってみたかった。
ついでにスピーカーをあっちこっちに向ける。
一種の音場型スピーカーだ。
45度交差法みたいな事も楽しめる。
(*註 調子に乗るとだるま落としになるからね)
深く考える必要は無い。変だと思ったらどんどん変えていける。
それこそ小型スピーカーのメリットではないか。
そして低音。
一つの小さな手、なにも出来ないけど…という訳で一台では足りなくても二台三台同時に鳴らせば
マルチウーファーと同じことになる。
それでは音は滅茶苦茶になる?
ところがこれが案外行けるのだ。
嘘ではない。現実にDS-5Bとコンコルド105の組み合わせで違和感なくリッチに鳴っている。
ただ、調子に乗って三台繋げて、と栗スピーカーまで繋げたら、これは変だった。
何事もほどほどに?
そして駆動系。
目下たどり着いたのはプリSU-C1010+メインAST-A10の組み合わせ。
現状ではこれが最善。
理由は簡単で、まずSU-C1010にはラウドネスは無いがトーンコントロールが
付いていて、これが割と情け容赦なく効くタイプ。
また、音作りとしても1010はどちからというと低域たっぷり目に思わせる
そういう鳴り方のプリなのだ。
そしてAST-A10。
前にも触れているがこれには低音のみのコントローラーが付いている。
これを最大にして使う。
二つの組み合わせで量感たっぷりの低音が聴けるようになった。
AIWA DSL攻撃には及ばないものの、これだけ出たら合格だろう。
最後に念のためだが低域だけの話しじゃなくて、全般に音が美しく良く通る。
小さいのに凄いね、ではなくて純粋に良いのだ。
やっぱり本気で造られた物(達)っていうのはサイズに関係なく良い仕事をするのだった。
うん。
5月21日
テクニクスといえばMM。
同社のMCを愛する人からは叱られそうだが、やはりMM。
数多くの名器を輩出しているが多分一番作られたのはEPC-270シリーズ。
一体何万本作られたのだろう?
という位出回ったものだから却って軽く見られたという説はあって
内容が素晴らしい物なのは皮肉な事に後年になって皆の知る処となった。
しかし当時あまり商売にならなかったのか、後から出たのがEPC-205シリーズだ。
登場は1971年。
世界初のチタンパイプカンチレバー採用。
0,15mm角柱ソリッドダイヤはその時点で世界最小。
1973年、EPC-205C-2でサマリウムコバルトマグネット採用。
これも世界初。
1975年、Cタイプに加えてHタイプLタイプ登場。
インピーダンス違いで三種類となったのだ。
1980年、EPC-205MK3。
シェル一体型。ピュアボロンカンチレバー。
TTDDダンパー採用。
針先実効質量0,149mmg。
1984年、EPC-205CMK4。
ピュアボロンテーパードカンチレバー。
0,07mm角ソリッドダイヤ楕円針。ネオジュウムマグネット採用。
針先実効質量0,109mmg。
で、ちょっとややこしいのだがデザイン同一で(シェル一体ではない)
207というのが生まれている。
1979年当時15,000円。
シェル込だから大変なお買い得品。
しかも楕円針である。
これはプレーヤー付属としても使われたのだが205の廉価版という位置づけなのか、
公式にはよくわからない。
そして案外情報が少ないのだが一説には205の針がテンションワイヤー採用、
207の方が不採用というだけの違いだとかなんだとか…。
という事でよっしーが今一つ不得手な分野で申し訳ない。
さて、ということでEPC-207ED登場。
またどうした?と言われると昨年だったかにボディを譲っていたのだが
今回針も、という事でお世話になりますkoyamaさん。
カートリッジというのは針だけあってもダメだしボディだけでも音は出ない。
当たり前の事を言うな?
しかしいつか邂逅があったりするからMMは特に面白いのだ。
ただ、短気な人には向かないお話し。
せっかくだからとシェルもテクニクスを用意して、いそいそと鳴らす。
この辺は久しぶりに帰省してきた息子のために好きなおかずを用意して待つ
お母さんの心境か。
で、針を降ろすと驚いてしまう。
(今月は驚く事が多い月だ)
なにがって、大抵の場合これ一本あればオーケーな感じ。
冠婚葬祭から普段の街乗り、デートにも良いし、彼女のお父さんお母さんを
急に乗せることになっても大丈夫だしおばあちゃんだって歓待。
上司を迎えに行って接待ゴルフ、なんてのも問題ない。
晴れの日はもちろん雨の日も大丈夫。
高速をずっと…というのもよし。ワインディングを攻めろと言われたらやってみせます。
つまり万能感にあふれている。バブル期のマークUか、と突っ込みたくなる。
常識的範囲で考えて理想の彼氏というべき存在であって
カウンタックに追いつかれて追い越し車線からぶち抜かれて行ったとしても
それはそれ。
それで文句をいう様な女は次のパーキングで降ろして置き去りにしてよろしい。
5月22日
喪失感という言葉がある。
なんか書いただけで暗〜い気分になれる単語ではないか。
人間、手が届かないというのはまだ我慢が出来るのだ。
問題は、昔はあった、というヤツだ。
以前はあった。なのに…というのは性質(たち)が悪い。
仕方ないのだと思っても、どこか心にぽっかり穴が空いたような感覚は
完全に消すことが難しい。
極端な例えをすると、愛する者との別れ。
それが自然の摂理でやむを得ない事であると理解したくても出来ない。
人の心にはそんなところがある。
なにかを失った人間の行動として、それを埋めようとするというのがある。
代わりのものでどうにか…というものだ。
対象が生命。生き物の場合、それはいっそう難しい。
では愛用品の場合は。
選択肢としては
1、同一の物を手に入れる。
2、それを超えると思われる物を手に入れる。
3、同一ジャンルだが傾向の異なる物の中に解決を捜す。
どれが良いと決め付けられないが…
1の場合再び三度同じ事が繰り返されるという可能性があり、それが怖い。
(経験をしているだけに悲劇をもう一度味わうのが怖いという心境)
2の場合、シンプルに費用の問題が出て来る。なおかつその費用を払って本当に解決する保証もない。
3はある意味クレバーだが本当に解決するのか怪しい。単に遍歴を繰り返すだけに
終わる危険性がある。
ここで話しは変わる。
日本ビクターは1977年、プリントコイルをカンチレバー上。
針先チップから1,6mmの位置に取り付けたMCカートリッジ、MC-1を発売。
いくつかのバリエーションも生みながら1981年MC-L10に発展。
針先チップからプリントコイルまでの距離は1mmまで接近。
1983年。更に距離を縮め、針先チップのほぼ直上にプリントコイルを置いた
MC-L1000に発展。
針の根本よりも前。針先寄りにコイルを位置させるというのはビクターが始めた事ではない。
国内の例でいうとSATINが有名。
なぜそんな事をするのかというと、針先の拾った振動を余さずコイルに伝え発電するには
両者の距離は違い方が良いからだ。
ただ、この方式には危うさが付いて回る。
カートリッジの針先というのは、盤上のゴミを最も拾い上げる場所でもある。
その付近にコイルもマグネットも来るわけだから、現実にはかなり厄介。
一種のウルトラCを使うので危険と隣り合わせになるのだ。
SATIN方式の場合は巧みにカバーされているようにも見えるのだが
グリス固着という持病を抱える。
ビクターの場合プリントコイルというところに凄さがあるのだが
残念ながらこれが断線するのである。
それも扱いで断線するというよりもある朝目覚めると切れているという感じなので
オーナーは絶望に陥る。
え?嘘。そんな馬鹿な。おい、どうした??
という心境である。
突然死の一種であり、これをやられると残された側は茫然としてしまう。
続く
5月23日
最初にお詫び。
昨日の日記だが、少々思わせぶりな所があったためか
「何かありましたか?」との問い合わせを幾つか頂いてしまった(汗)
そんなつもりは全くなかったのだがご心配をお掛けしてしまった訳で
申し訳ありませんでした。
本日はネタ晴らし?編ですので安心してご一読を…
僕は分不相応だがL1000を二本持っていた。
発売当時はオーディオをお休みしてしまっていたので存在を知るだけだったし
そもそも到底買える値段じゃない。
手にしたのは1990年代も半ば。オーディオを再開してからで1997年頃の事では無かったかな。
これで安泰…とは思わなかったが、それでもざっと10年位は幸せな日々を過ごせた。
このホームページでも2000年のスタートから数年の間はL1000の姿がちゃんと見える。
しかし一本が、まず切れた。ある日突然、である。
残るは一本。これを大切に…と思っていたが、数年後のある日、やはり冷たくなっていた。
この喪失感は凄いもので、その辺から僕のカートリッジ遍歴みたいなものは酷くなった気がする。
埋められないと分かっている穴を埋めようとするのだから始末に悪い。
それらの行為は、実は無駄ではなかった事が今となるとわかるのだが、それを書くのはまた別の機会にしたい。
僕のオーディオ生活はこの上なく恵まれ、幸せなものだと確信しているのだが
ひとつだけ埋まらないものが、このL-1000喪失の穴だった。
時は流れ、いつかはこれをやられる人が出て来るのではないかと思っていた情報が上がって来た。
そう、L-1000の修復だ。
それまでは業者さんであってもビクターのダイレクトカップルはお断りを掲げているくらいだったので
遂に来たか!との感があった。
いったい誰が?
お名前を出してよろしいと言われたので書いてしまうとmilonさんである。
もちろん、僕が伏せたところで氏ご自身がブログにて書かれているので皆さんからしたら先刻ご承知よ、
ということになろう。
milonさんのブログは予てよりL-1000の件に関係なく、ずっとトレースさせて頂いていたのだが
L-1000の修復まで実現されるとは、と驚愕の想いであった。
いやー、これはもう僕のもやって欲しいとすぐに思ったものの例によって腰は上がらない。
よっしーはなかなか内気なのである。
事態が変わったのは昨年のこと。そのmilonさん宅にpippinさんがコンタクトを取られたということで
よっしーも同伴させて頂く運びとなった。
その時の事は昨年11月の日記に詳しいが、まあスーパーアマチュアというのは
プロをも凌ぐものだと唖然とすることの連発だった事も記憶に新しい。
さてさて、その際にだが、よっしーはしっかり懐に断線したL-1000を忍ばせておった(笑)
「あの〜実は…」という事で引っ張り出されたそれを見たmilonさんは笑いながら預かって下さった。
ただし成功報酬。納期は一切未定が前提となる。これは作業内容を考えたら当たり前のことだ。
時は流れ2020年5月。
milonさんから連絡が…
僕のL-1000は直ったのである…
(続く)
5月24日
L1000が帰って来て音が左右両チャンネルから出ている。
ポカンとしてしまう。キツネにつままれたような気分と言っては失礼か。
でも、そんな感じ。
例えは良くないかもしれないが、亡くなった家族がある日「ただ今」と戻って来て
何事も無かったかのように振る舞っている。
そんな姿を見る思いだ。
出て行った恋人が戻って来たというようなレベルではない。
断線したプリントコイルに換えて実際に巻いたコイルが取り付けられている。
感覚的にはテクニカのAT-ART1000みたいな感じだ。
音はどうかというと、オリジナルのL1000にあったキャラクターが消えて
一段とスムーズになった。透明感が上がったと思って頂きたい。
お陰で良い意味で大変聴きやすい。
元祖L1000は、どこかA級外盤専用みたいなところがあったが蘇ったL1000(通称MC-F1000)は
どんなディスクでもいらっしゃいみたいな万能感が加わった。
ついついあのディスク、このディスクと掛けたくなるがモッタイナイ感が先に立つ。
恐れ多くて使えません、というところか。
この先あれをやって、これをやって、もあるのだが、今はとにかく余計な事をしないで
毎日ちょっとだけ使うくらいにして静かにしていたい。
(本当は枕元に置いて寝たいくらいなのだが、それこそ危険極まりない…)
この夢が、それこそ煙のように消えてしまったら嫌だと、子供みたいだが
そんな気持ちが先行してしまうのだ。
milonさんありがとうございました。
ゴッドハンド、万歳!
5月25日
このままL-1000(MC-F1000)愛について語っていたい気もするし
やれと言われたら延々とできてしまうが歯を食いしばって?しないでおく。
というのも、色々語るという事はついつい今あるL1000に手を伸ばすということであり
どうしても何かを始めてしまいそうな自分がここにいる。
それは危険なのでじっとしておくためにも今日はこれ以上語らない。
以上の問題と別に、この5月は色々あってあり過ぎて?
ややもするとひとつひとつ題材についての扱いが
雑になっている懸念がある。
というか、そう感じながらここまで走ってしまった。
そこで個人的に不足と感じた物について少々アップ。
パイオニアPCシリーズカートリッジ。
200が装着された写真を発見した。
上級機PS-600、800、そして1000/Uの広告。
600で14,000円とすると400を単単売していたら10,000円くらい?
うーん、実力からしたら12,000円かな?
200が9,800円。
…なんて考えても意味は無いが。
シュアーのケースに二本が収まると美しいし
なんだか水族館で魚を見ているような気持になる。
400のスタイラスノブの色は高出力MCの
PC-41MCと同じだ。
DENON DL-H5LCもある意味珍しいのに写真が少なすぎたのでアップしてみる。
逆ホームベース型というか、垢ぬけている。
型番は向かって右サイドにしか記されていない。
なるほど逆側に在っても大抵の場合こちらサイドしかリスナーは見ない。
合理的発想だ?
やっぱりこのルックスは1万円台のそれではない。
惜しい。
5月26日
5月を振り返るシリーズ第二回。
SL-150MK2。
こちらもサラッと過ぎてしまうには惜しい逸材。
多分今後も登場するのだろうが取りあえず現状で報告漏れしている部分をちょっと。
アームレスなのでアームが必要(当たり前)。
今回はグレースG-940が載っている。
噂によるとSAEC WE-407/23もジャストフィットらしいのだが
どちらも名アームで一長一短だと思うので
悩むところだ。
G-940の場合アームベースをキャビンネットと面一に設置しようとすると
尻上がりになってしまうので一段落とし込んだ所にベースを置かないとならない。
その為もあってアームケーブルがラック天板につっかえてしまいがち。
だから、という訳ではなく木のブロックを置いてSL-150MK2本体を浮かしている。
G-940だから、ではなくてこのようになってもおかしくないくらい
SL-150MK2はキャビネットも薄く、またインシュレーターも高さが無い。
故にオプションで大きめのインシュレーターがちゃんと用意されていたくらい。
木のブロックで浮かしている理由はもう一つあって、
元々のインシュレーターはかなり柔らかい感触というか
縦方向に沈みやすい作りか。
そのため電源であるとかスタート、ストップスイッチを押しただけで
なんとなくプレーヤー全体がむにゃむにゃと沈んで浮く。
スイッチ類その物自体の感触はサイコーレベルなのにこれは酷い!
…ということでとっとと固い木の破片で浮かしてしまったのでした。
SL-150MK2。アームが余っている人にはサイコーの選択。
(できれば9インチアームが好ましいが)
5月27日
L1000(MC-F1000)については触れないように…なんて舌の根が乾かぬ内になにか??
いや、FIDELIX社さんのSaSuPaというスタイラスクリーナーが
届いたのである。
近年僕は針の掃除にはメラミンフォームスポンジの切れ端を使うのが常となっていた。
ほとんどのカートリッジに大してはそれで良い。
しかしL1000の場合はそうはいかない。
なにしろスタイラスチップのすぐ上にはコイルがあるのだ。
SaSuPaを使った方が良いとのお奨めもあり、購入した。
少し使っただけだがこれはオススメだ。
使ってみるとその優秀さはすぐわかる。
そしてこの素っ気ない外観。
よっしー的にはそこもツボだ。
針のお手入れまでしてしまったら音を出さないという選択肢は無いやろ、との
囁きがあって?つい音を出してしまった。
(いや、まあ出して良いのだが)
OTTO TP-L3+SAEC WE308Nのバラックみたいな様相のプレーヤーで果たして…
果たして…ではない。
(実はそうなると予想して針を降ろしたのだが)
すみません、あまりに良い音です(笑)
煌びやかで美しく見通しの良い世界。
なにより他のカートリッジと違うのは
低音のスピードだ。
中高域と等速で襲い掛かって来る低域。
僕にとってL1000にあって他のカートリッジに無い物とは
それなのだ。
そして、オリジナルL1000よりも歪感が少なく、圧倒的に綺麗な音がする。
これも明言してしまって良いと思うので書いてしまいます。
なお、フォノイコはこの組わせの場合PRA-2000のMC入力にそのまま入れている。
ところでモッタイナイようなお話しだがmilonさんが今回の一幕を
ご自身のブログに記事として取り上げて下さっている。
気恥ずかしくて僕自身は書き込みすら出来ていないのだが
皆さんにもお読み頂けれと思います。
ああ、恥ずかしい…
5月28日
MC-F1000も、だし、最近登場のどのカートリッジの相手をさせても
成績が大変良いのがSAEC WE-308Nだ。
もちろん、これが絶対、という訳ではなく
…というか我も我もとMC-F1000の相手をしたがるアームやら
プレーヤーやらがひしめき合っているのがよっしーの部屋の現状なのだが
TP-L3+WE308Nの組み合わせはなんだかとっても塩梅がよろしいのは
確かなのだ。
ただ、ここで一つ。
20年くらい寝かして置いたWE-308Nを使い始めてみて真っ先に思ったのは
「あれ?案外軽いシェルと軽いカートリッジの組み合わせで
バランスが取れないのね?」というものだった。
WE-308というのは軽量軽針圧向けとイメージしていただけに
意外、という気がしてならなかった。
で、今回初めて、我が308のウエイトの重さを計ってみたら
なんと76gくらいある。
標準のウエイトは60gのはず。
あれれ?と思ってSAEC同好会さまのページなど参照させて頂いたら
この重さは別売ウエイトW-2では無いか?という事になった。
W-2という別売ウエイトは二段重ね構造で
更にそのお尻にウエイトをねじ込めるようになっている。
その付加用ウエイトは存在していないのだが
とにかく標準の60gウエイトではなく76g級のウエイトがついた
308Nを使っているのだというところはハッキリさせておきたい。
重いウエイトが付いているから音が良いのだ、などという事は全くない。
ただ、世の中には妙にジャストフィットというものがある。
現状のMC-F1000に我が308が良く似合うのなら
こんなに嬉しい事は無いじゃないか。
5月29日
おっと、シリーズ、この5月を補完する、だった。
宿題の鈍器スピーカー絡みのお話しを少し。
鈍器は楽しく鳴らないといけない。
で、色々やって取りあえずSU-C1010+AST-A10というところまで来た。
だが本当は最初から試してみたい物があったのだ。
なにか?
VictorJA-S71である。
よっしーの部屋歴20年級の方だと?
ああ、またあれか?好きだな、君も、と言われそうだが
放っておいてくれ(笑)
さっさと試せない事情があって、実は…
手術が必要なのだ。
その辺の経過、経緯については後程。
ひとつ言わせてくれ。
昭和のアンプはやっぱり凄い。
詳しい事は後にするが、これ↑は僕が初めて読んだ
長岡鉄男フルテストの記事内のもの。
あるいはこの別冊FMfanを買ったのが後の人生を狂わせたのかもしれない。
長岡先生も50代に入られたばかりか。思えばお若い。
しかし時間のたつのは早い。
あれからもう20年になるのだ。
合掌…
5月30日
やれやれ、これだから素人は…
最初の見立てで良かった物を迷い道に勝手に入り込んで…
お陰様で余計なところまで手が入って、これで後30年くらいは行けそうな…?
このアンプの音や鈍器とのマッチングについて語る予定だったのだが
そんな訳で大幅に時間オーバー。
それでも壊したりせずに済んだだけ良かったと思いましょう。
元気に鳴っています。
続きは明日以降…
5月31日
JA-S71。
さて、修理記珍道中を先に書くべきか、
あるいはアンプ自体について書くべきか迷うところはあるが
取りあえず人と成り、ならぬアンプと音について書く事から始めよう。
とは言ってもこのアンプ、よっしーの部屋的には忘れた頃に
やってくる、レギュラーではないが殿堂入りみたいな存在。
1976年に別冊FMfan11号の長岡鉄男フルテストで出会った?のが始まり。
ベールをマイナス一枚被せたような…とはいかなる音か?
ただただ空想想像するだけの中学生であった。
その頃僕の手元にはJA-S31があった事も何度も書いている。
そのアンプの実物が拙宅に嫁いでくれたのは2001年の事だったか。
とある知り合いの所で埃をかぶって邪魔もの扱いされていた物を
(喜んで)引き取ってきたのだ。
中についてはこれまで飽きる程眺めているが
改めて観察。
で、思うのはこのアンプ電解コンデンサーが驚くほど少ない。
もちろんゼロではない(当たり前)が、いわゆる信号ラインに
入っている物は?と見てみると本当に僅かなのだ。
それがひとつ。
そしてコネクターの使用が無い。
これは整備性という点から見ると最悪だし
大量にワイヤーラッピングが使われているので
是か非か一概に言えない。
でも、この辺も音に繋がっていると思う。
そして何より強力な電源。
大雑把にいうとHMA-9500の片チャンネル分くらいの規模だ。
(HMA-9500は1977年発売で23万円。JA-S71は1975年発売で8万4千円)
このアンプの重量のほとんどはそのトランスと
フィルターコンデンサーによるもので、しかもそれがアンプの左側に備わっているので
重量バランスは極めつけに悪い。
これはこのアンプ最大の欠点かもしれない?
アンプは電源だ、重さだ、なんてことをいつまでも言っているのはなんだかな〜と
思うのだがこのアンプに触れると、やっぱりそーなのかなーと
思わざるを得ない。
鈍器系スピーカーにこれを使ってみたいと直感的に思ったのは
このシリーズはとにかくラウドネスの効き方が景気よく、
容赦ないくらいに効く事及びトーンコントロールも
併せて使うと笑っちゃうくらいのローブーストが可能なのを
長〜い付き合いで知っているからなのだが
その根底には丈夫な電源が無いと駄目なのだ。
もっと新しく、もっと高級なアンプでも
その辺で腰砕けになってしまうのも割と当たり前だったりする。
また調整中(後で詳しく掛けたら良いと思うが)なのだが
音はとにかく堂々としている。
これがアンプだ。増幅器だ、と言わんばかりの鳴り方。
お嬢さん野球とは無縁の骨太野球。
投げも投げたり打つも打ったり取るも取ったりの
王道野球。
興に乗ってフォノは未整備だけどレコードも聴いてみた。
これも良い。
最初はMMということでEPC-207を聴いて、
トランスがあればMCも聴けます、でMC-2000改。
なんて優秀なんでしょう(^^♪
俺について来い。わかりました。
こういった音はどこへ行った?
昭和は遠くなりにけり。
G7ももちろん堂々と鳴らす。