8月2日
さあ、もう少し野放図に…
出来るかどうかわからないがこのまま終わっても面白くもなんともない。
そこでプリ交換。
PRA‐2000を外して、空いた場所にYAMAHA C-2X登板。
深い理由は無く、一種のカンだ。
しかしこれが成功。
いや、野放図に鳴り始めた、というのではない。
逆により引き締まった感がある。
だが中途半端な拡散指向より断然良い。
より精緻で繊細で、ややジオラマ風の中にも血が通って生き生きとしている。
力強さも向上。
このあたりが誠にオーディオの面白いところとしか言いようがない。
以上が実はCDでの拝聴だったのでここでアナログへ。
ところがこれがCDとはちょいと違うからこれまた面白い。
一言で言うとパワフル過剰だ。
CD入力の力強さ(C-2Xの場合正しくはDAD入力)は歓迎すべきレベルだがフォノはちょっと力入り過ぎ。
C-2Xのフォノ入力は細かい切り替えも出来るのであれこれ試すし、それなりの落とし所までは行くのだが
後一歩脱力が必要。
ちなみにカートリッジはデンオンDL-103で、これとのマッチングが悪いと言えばそれまで。
最終的には不満無いレベルまで行ったのだが、後一歩好みに合わせたい。
8月3日
最終的には不満無いレベルまで行ったのだが、後一歩好みに合わせたい。
…ということでここで突然MCトランス登場。
え?そんな物あったっけ?と思う人は相当よっしーの部屋をよく読んで下さっている人だ。
このトランスも初登場。出所についてはその内。
ハイエンドとかそういうことではないが、これを試すには良いチャンス。
トランスを経由してC-2Xのフォノ2=MM入力へ。
(どーでも良いがこのトランス、カバーがご覧の様に非常に汚かった。
紙ガムテープの跡と思われる。
先の画像はクリーニング済みの物。
除光液を使ったらあっという間に落ちた。
化学の力は恐ろしい)
これがなかなか正解で、程よい落ち着きを示す。
いやーオーディオって本当に面白いものですねー(上手く行く限りはだが)
しかしC2X様の前にわざわざトランスを挟むのもどうか?ということで今度は
ZYX改を使ってそのままフォノ1のMC入力へ。
するとこれは正解ですんなり決まる。
なんと言うか上手く行くときはそんなもんだ。
8月4日
あんまり
細かいことばかりやっていると
俺ってなんて
小さい人間なんだろー?と落ち込むもんだ。
だがしかしCDプレーヤーの
リモコン修理。
しつこく退役しないNEC
CD-10のリモコン。
これが大分前から使えなくなっていた。
まあよくある話じゃないか。
よくある接点不良ではなくて、入れっぱなしだった電池の腐食で
端子へのリード線が劣化していたというお粗末。
リモコン無いと出来ないことというのもあるわけで
特にこのプレーヤーの場合
正相逆相の一発切り替え(アブソリュートフェイズのインバート)が
出来ないのが泣き所。
わーい、ちゃんとリモコンが働く〜♪と喜んでいる私はやっぱり
小さい人間です。はい。
8月6日
HMA-2000をラックから引っ張り出した。
単に結線の関係なのだがここでスピーカーを
DS-301に交換。
年代的にはマッチするのだが音はどうか??
うーん…
なんというか、何を聴いても
ムード歌謡になる感じ?
早い話がマッチしない?
霞みたなびく…というかなんと言うか。
プリを代えたら変わるかと思い
C-2XからPRA-2000に戻してみる。
だが目覚しい変化は
無い。
DS-301とは合わないのか?
結論を急いではいけない。もうちょっとお付き合い頂こう。
8月7日
やぱり
暑さが悪い影響をして、どうしてもオーディオがスローペースになる感がある今日この頃。
DS-301はHMA-2000と合わない?なんて書いたけど
徐々にマッチしてきた。
これはアンプ側の問題ではなくてDS-301が
最近ロクに稼動していなかったことによる様だ。
オーディオってこの辺り本当に厄介で楽しい。
8月9日
その
昔旅に出てその最後に、もう家に帰りたくて帰りたくてたまらなくて
(北海道に二週間くらいいて、本州にフェリーでたどり着いたらもうたまらなくなった)
それこそ
徹夜してでも走り続けて帰ろうとしたけどそれは無理で…
みたいな話を書いた。
で、つい先日のことなのだが
愚息が東北から最後は北海道に渡る
一人旅をして帰って来た。
仮にも
男が旅に出るのだから、心配はしつつも一切連絡は取らなかった。
(かみさんとはスマホでやり取りを多少したようだが僕は無関心を装っていた)
帰って来た姿を見た時は
正直嬉しかったしあれこれ話も聞きたかったのだが
そこでもやせ我慢。
その内多少話を聞いたのだが、僕の予想に反して
車中泊なんかもして過ごしたらしい。
てっきりほとんどホテルか民宿へでも泊まるのだろうと思っていたからビックリした。
青春18切符で回って、道内は
レンタンカーなんかを使ったようだ。
ふーん…とそ知らぬふりをして聞いていたが、途中で"父ちゃんが昔徹夜してでも走って家に帰りたかった気持ちがわかった”
とのたまったから笑ってしまった。
どうも
親子で同じみたいだ。
旅だなんだといっても
所詮は旅行。帰る場所があって、でもそこをちょっと離れてみる程度のことではある。
ただ、それはそれで良いものだと今でも思う。
家が帰りたくも無い場所では困るしね。
三つ下の
妹曰く"10日間も家にいなかったんでしょ?私だったら一日で
ホームシックに掛かる”とか。
その割には在宅率は低くないか?と言いたかったが黙っておいた。
友達とディズニーランドに居るとホームシックに掛かるみたいだ。今度は家族で来たいと思うらしい。
まあ
大変結構なことだ。
だが、いつまでも同じメンバーで同じようにはしていられないのが人生。
"
いつまでもみんな一緒の夏休み”という犬川柳は、だから身にしみるのだ。
さて、おめえの家の事情はわかったから
そろそろオーディオの話をしろという声が聞こえそうだ?
実はHMA-2000の検証は続いている。
で、ですね…
(続く)
8月10日
さて、
HMA-2000。
ロジャースに繋いでよい結果がすぐ出たのだからそれで止めておけば良いのだが
一応
DS-301に繋いでみて、予想通りというかこれは上手く鳴ら
なかった。
早々に諦め、ではなく
色々やったのだが(証拠は下の画像)
結局退却した。
二種類のプリに加えて自作ボリュームボックスも参入。
対比の対象としてHMA-9500MK2も出てくる。
その意味は無かったとは言わないがロジャースに繋ぎなおして、
HMA-2000は結局その方が
合う。
で、
中何日かを置いて聴くHMA-2000+ロジャースLS5/9の音だが
ますますHMA-9500MK2の音に
似てきた?
これはいかなることか?理由はわからない。
まあプリを使わずボリュームボックスを使うと
メインアンプのキャラクターを聞き分け易いというのはあるので
音調がもろに出てきたのかもしれないが。
とにかく1974年前後にこれだけのアンプが存在していたことに驚嘆せざるを得ない。
8月11日
振り返れば
1974年というのは国産
ハイパワーアンプ。
本格的セパレートアンプの黎明期であった。
"スピーカーの
低能率化、プログラムソースの
ダイナミックレンジ増大などにより
メインアンプのハイパワー指向が日本にもついにやって来た。
その第一弾として各社からいっせいに発売されたのが今回取材した一連のアンプであるが
これらの製品はハイパワー化だけでなく中級品で世界のアンプ市場を制覇した
日本のメーカーが本格的に
高級アンプを造り出したとも言えるだろう”
これはステレオのすべて1974からの引用だが、この時代をよく表していると思う。
ステレオのすべてが刊行されるのは年末だから、1974と書いてあれば
それは1973年の出来事と思って良い。
同誌は
1973年12月20日発売。
定価なんと1.200円。
今なら3.800円と消費税というかんじ。高価な雑誌である。
それだけの内容はあるが、あるいは
第一次石油ショックの影響もあるのだろう。
そう、1973年はそれまで単純な右肩上がりだけを考えていられた時代が
終わりを告げた年だった。
それにもかかわらず以下にあげるような製品達がリリースされた訳で
当時の日本にいかに勢いがあったか知れよう。
まずはパイオニア。あるいはエクスクルーシブというべきか。
の
M3と
C3。
M4も出ていたけど仲間外れ?
M3はパワー150W×2。
大型レベルメーターを搭載。この後永い間このデザインは型番を変えても踏襲される。
プリのC3も当時の国産品としてはハイエンド。
どちらも
美しい木製ケースに収まって315.000円。
洗練されている。
上は
トリオ!の
FP-1000。
100W×2の
FETアンプ。
FETはまだ珍しいというか、これから、という時。
このアンプは果たして日の目を見たのか?
いくら検索しても何も出てこないところを見ると
試作で終わったか?
その可能性はある。
下はダイヤトーン
DA-A100と
DA-P100。
非常に面白いのだがメインアンプは一見
真空管風。しかしばっちりトランジスター。
なんとなく、なのだがマランツのプリとマッキンのパワーを手に入れた気にさせるペア?
それでいて両方合わせて40万円はお買い得?
次に控えしは
テクニクス。
出た、
SE-10000と
SU-10000。
一万番ペアである。
もっともこちらは
1971年から存在する訳だが、さすが松下、先行していたわけだ。
100W×2。ペアで
95万円!
ソニーは
TAN-8250。TAE-8450。TA-8650。
型番だがファンか電気屋のおやじさん以外絶対暗記出来ないようになっている?
ヴァーティカルFETアンプでパワー、プリ、プリメイン共全部25万円。
価格は非常に覚え易い。
150W×2だがモノラル動作になると300Wを保証。
ヤマハB-1はまだ出ていない時期だった。
ケンソニックの
P-300と
C-200。
アキュフェーズとしても記念碑的製品。
パワーは195.000円。プリは155.000円とお買い得な気がする。
そして最後に控えしが我らが?
日立HMA-2000。
デザインはダントツに垢抜けないが日立らしくて好ましいと思うのは僕だけ?
ペアとなるプリアンプが存在しないのも興味深い。
開発が追いつかなかったか?
8月15日
夏休み特別企画。
題して…
馬鹿は死ななきゃ治らない。
8月16日
半分は冗談だが
半分は真面目だ。
終戦から69年。日本は豊かになった。
大変結構なことなのだが、いつも疑問も持っている。
その豊かさは本当に
身の丈に合っているのか?と。
古い人間に育てられたから未だに外食一つするのにも
タクシーに乗るのにも抵抗がある。
もちろん、だからといって終戦直後みたいな生活をする必要は無いのだが
ひねくれた事をやってみたくなるのだ。
久しぶりに
段ボールキャビネットスピーカー。
いや、戦後間もなくでも段ボール箱はキャビネットにしなかった?
まあ良いではないか。
段ボールスピーカーだが、
案外音が良い事は過去に確認済み。
馬鹿にしたもんじゃない。
そして
廃棄が簡単。
これも見逃せないポイント。
そのメリットを活かして、今回は特に
W420×H910×D470という巨大キャビネットを作った。
(正しくはそのサイズの箱を手に入れてユニット取り付けの穴を開けただけ)
こんな物木製で作って、その
後始末するとなったら大変な事になる。
段ボールならいとも簡単だ。
さて、巨大キャビネットと言ったが、
そもそもキャビネットが巨大かどうかは
単純にサイズだけでは判定出来ない。
上記サイズのキャビネットでも、そこに例えば38センチウーファーが二つ付くとなれば
まだまだ容積不足といわれるだろう。
しかし今回登場は、久しぶりのダイヤトーン
P-610。
16cmフルレンジユニットだ。
これに対してキャビネットは正に巨大。
この種の古典的フルレンジは、そもそもが大きい箱を
要求するが
それにしても今回のサイズは大きい。
必要十分を通り越して
必要十二分だろう。
以前よりこれをやってみたい気持ちがあった。
このページをご覧になっている好事家の皆さんであれば説明の必要は無いが
スピーカーというのキャビネットの容積に対してユニットの口径が
小さいほど
豊かな低音や伸びやかな音が得られる。
(本当はこんな決め付けた言い方は間違っているのだが
話を簡単にするためにそういうことに、ここではしておく)
今回のキャビネットに38センチウーファーを付けるよりも
ある意味有利なのだが
市販品ではそうはいかない。
よく知られるように、一般には小さいキャビネットに大きな口径のユニットが
付いている方が売れる。
これは当たり前だ。
普通の人には、ユニットの口径が
大きいと良い音がすると思われているのでそうなる。
今回のみたいなサイズで16センチユニットが一つ、なんてのを出したら
売れ残り必至である。
また、実際色々なテクニックを駆使して小さめのキャビネットに
大口径ユニットを収めてもフラットに近い特性を実現することも可能なので
小口径ユニット+大容量キャビネットが常に良いとは
限らない。
だがしかし、夏休みは工作をすると法律で決められていることでもあるし?
論より証拠でやってみようと思った次第。
8月17日
理屈はよろしい。
音はどうだったか?
最初の音は
酷いものだった。
あっという間に
廃棄してやろうかとさえ思ったほど。
まず、
強度の問題を感じた。
段ボールキャビネットは侮れない。
ただ、これまで
こんな大きなサイズの物は作ったことが無かった。
当たり前だが大きくなれば強度は落ちる。
それがどうにも
プアな音に繋がっている気がする。
次に、やはり
デカイ(笑)
これはもう少し
広い部屋で鳴らしたいと思った。
自室でやるならレギュラーの装置を取っ払って然るべき場所に置かないとならない。
そう感じた。
そして注目の?
低音。
まず実用上は問題無し。
ただ、このサイズのスピーカーから…と考えると
物足りない。
だが、これは当たり前というか当初から
予想はしていたこと。
巨大密閉箱に入れるということは
ユニット本来の特性に近づいた音を出せることは出せるが
逆に言うとそれ以上のことは出来ないということ。当然だ。
P-610の
foは80Hz位だったか。元々そういう作りなのだ。
そういったものを克服?するための物として例えば
バスレフがあるし
バックロードもある。
だがしかし取りあえずは
アンプ側で補正してみることにする。
書き忘れたがアンプはビクター
JA-S41。
ほぼ一年振りの登板だ。
ボリュームにガリはあるが実用としては問題ない。
これの
ラウドネスやトーンコントロールを活用してみる事にした。
結果を言うと当たり前だがそれで
量は増える。
ただ、本来の豊かさとはちょっと違ってくる。
あるいはキャビネットが段ボールで
強度不足だからそうなるのか。
もっとしっかりした箱であれば電気的なブーストももっとダイレクトに効果を表すのか?
そう考えると木製キャビネットも用意しないと実験は続かないのだがそれは不可能。
だが、その後の試聴も含めて思ったのは、この際は電気的補正はあまり
得策ではないということ。
理屈ではなく直感めいたものなのだが、"
俺のハートがノーと言う”のである。
多分デメリットがメリットを上回ると思う。
やはりこの場合は
適切な設計のバスレフで使うのが良いのだ、きっと。
よく言われるようにダイヤトーンP-610を
最も活かすのは、標準指定のバスレフ箱を作ること。それに尽きるのだろう。
そう考えると今回のキャビネットよりはもう少し小さい物でよいことになる。
ただ、それでも16センチ一発用としてはかなり大きな物であり、とてもコンパクトとは言えないのだが
今目の前にある物よりはずっと
現実的といえるサイズだ。
…という事で
つまらない物を作っちゃったな、俺って馬鹿…と打ちひしがれて居たのだが
往生際悪く対峙していたら
その内あることに気づき始めた。
それは…
8月18日
それは、この段ボールスピーカー、やはり
思わぬポテンシャルを秘めていたということ。
念のため言っておくが、このくそ暑いのに何時間も何日も部屋に篭ってオーディオの音にだけ向き合うということはない。
馬鹿も休み休みやるのだ。
で、この
休み休みというのがオーディオには大変大事だということ。これはいつも思っている。
凄く暑いし、こんな時は
ちょっとでも涼しい気持ちになれるのを聴こうと考えて取り出したのが
「
月夜琴」。リラコスモスさんによる
ライアーのアンサンブル。
録音は
小川洋さんで演奏者は知り合いという、妙に身近な感じのある?CD。
無指向性ワンポイントマイク使用で、正に
生録の世界。エコーの付加など一切無し。
で、別にだから聴きたかったのではなくて、ライアーの調べで
涼もうと思っただけ。
夜だし音量ももちろんほどほど、BGMで。
…なのだがしばらくして
ハッとした。
実に、実に生々しいのである。
目の前にでっかくて不細工なキャビネットが鎮座しているのに、どうしてもそこから音が出ている気がしない。
いや、本当に1.5メーター位のところにあるので、スピーカーの存在が全く気にならないというと語弊があろう。
だがやはり95%くらい気にならない。
これはもしかすると大切なところを聞き逃していたのでは…とここで
遅まきながら気が付く。
そこで数枚のディスクをとっかえひっかえ掛けてみる。
いや、これが良い。実に良いのだ。
ただ、条件がある。
8月20日
いや、
暑さがぶり返して、おまけに月曜日から
体調不良になってしまって
お話しが延びた。
延びている間に書いておいたことがまた変わってしまうので
更新遅れは避けたいのだ。
以下はその時点での、であってその後また話は変わるのだが
その時のリアルタイムでの
心情を残しておきたいので
そのままアップしておく。
ただ、条件がある。
それはやはりなるべく
少ないマイクで現場まるごと収録、みたいな物との相性が
抜群に良いということ。
もう少し具体的に言うと、「
INVITATION/斉藤徹コントラバスソロ」「
トリニティセッション/カーボーイジャンキーズ」
などが良く、一般的なマルチモノ的な物はイマイチというか負の部分ばかりが目立ってしまったのだ。
これにはセッティングの問題などもあるから簡単に決め付けてはいけない。
ただ、一般的な録音のものだといかにもスピーカーユニットの辺りに定位する音などが多くて
白けてしまった。
それに対して現場丸ごと収録物だと実に
無限に音が広がり、しかも複雑な
残響の絡みなども良くわかり、
物によっては、これは補助マイクを立てた音をこんな風にミキシングしているんだなー、などと想像をめぐらせてしまうほどだった。
あるいは、と思って掛けた「
鳥の楽園セイシェル」では正に波打ち際の感じが再現され、「
森のコンサート」では
複雑なこだまの感じが良くわかり、新たな発見があったほどだ。
また、良い意味で音の角が出て、これぞ波の音。これぞ鳥の叫びというのが実感出来る。
恐らくフルレンジ一発の
超単純システムのメリットが思いっきり発揮されたのだと思う。
念のためだが僕はフルレンジ派でも無いし、マルチウエイ派でもない。
気に入れば1Wayだろうが8Wayだろうがお構いなしだ。
だがしかし、あるいは
今回初めてフルレンジ一発の持つ優秀さを体感出来たのかもしれない。
これは過去の装置が悪かったということではなく、経験値が上がったからだと思った。
もしくはP-610の凄さなのか。これは同じキャビネットに無印16センチでもつけてみないとわからないが。
以上なのだが
とりあえずは数多くのソフトにマッチするとは言いがたい。
だが、聞くに堪えない程酷い事になっちゃうというのとは違うから誤解の無き様お願い致します。
その後も試聴は続くのだが、やはり
"ナマモノ”との相性が抜群に良くて驚いてしまう。
こういう言い方はどうかと思うが、AA誌やAB誌に付属していた様な
、いわゆる高音質ディスクなんかで
最高のパフォーマンスを示す。
AB誌50号付属だったオーディオチェック用ディスクの
滝の音なんかも、はじめて。はじめて
あれがホワイトノイズ的ではなく
滝らしく鳴らすことが出来たのでたまげたもんんだ。
P-610万歳、なのか、フルレンジ一発万歳なのか。あるいは段ボールキャビネット万歳なのか?(それは無いと思うが)
良くわからないが忘れていた世界が蘇った感じさえある。
ただ、依然としてフツーのディスクとの相性はいま一つだ。
(とりあえずここまでがその時の心情)
8月21日
以上その時の結構熱い思いで書かれているのだが
いや、まあ本当に
マイリマシタ。
で、
その後、なのだが
フツーのディスクも真っ当に鳴るようになった。
寝ていたユニットが目覚めたせいもあるが
やはりアンプのJA-S41に問題が残っていた様で
これは最終メンテナンスをその内やらないといけない。
だが、それより
今は今出ている音を楽しみたい。
それにしても、この音の
正体は?
ユニットが優秀なのはさておいて、
またアンプJA-S41との相性が良いのもさておいて、
やはり
ポイントの一つはエンクロージャーのサイズか。
スピーカーユニットはエンクロージャーの
影響を受ける。
これはユニットの
背後にある空気の動きの影響を受ける、と言い換えても良い。
一番受けないのが
裸での使用。
次に
平面バッフル。
そして
後面開放箱となる。
それらでは何しろ背面の空気は全部開放状態だから
ユニットは背圧を背負わない。
どうしてもエンクロージャーで文字通り
囲う場合はサイズが大きいほど
有利となる。
もちろん同じ容積でも幅が広いのか、奥行きが浅いのか深いのかで変わる筈だが
とりあえず大きいほうが良い。
次に
構造。
最も単純なのが
密閉。
では
バスレフは?とここで考えてみる。
形としてはポートが一つ付くだけで密閉と大差ない?
しかしその
ポートが縛りとなって無責任に大きなエンクロージャーは使えない?
案外この辺が制約となるのでは?
で、とりあえずバスレフは置いておいて、
バックロードというのもあるな、と考える。
実際問題今回の段ボールエンクロージャーの大きさは
長岡式でいうと
D-55並のサイズがある。
だが、自身の拙い経験に基づいて考える。
音の
素直さでは密閉箱に及ばない気がする。
バックロードホーンではユニット背面の空気はかなり
複雑な動きを強いられる。
空気室があり、スロートがあり、徐々に広がるホーンがある。
だからこそバックロードなのだが、空気の素直な動きという点では好ましくないかもしれない。
同じバックロードでもいわゆる
スワン系の方が伸びやかに鳴るのも経験しているが
これは一くくりにバックロードといっても構造が違えば気流抵抗などが違い
それが音に出るのだと考えていた15年前を思い出す。
ここでもう一発登場するのが
共鳴管。
実はこれが音の素直さでは今回の巨大密閉箱に
匹敵するものがあった。
バックロードと比べると背面の構造はシンプル。
それこそ
土管にユニットをつけたようなもんで、簡単明瞭。
別にこれは僕個人の感想に限ったものではない。
例えば何年か前の
ステレオ誌で、同じユニットを色々な形式の
エンクロージャーに取り付けて鳴らすという実験が行われており
同様の感想が述べられていた。
素直さ、に
加えて伸びやかさがあるのが共鳴管と感じる。
なんと言うか、背面の空気を開口に向けて吹き飛ばしているような
爽快感がある。
これは未経験者にはぴんと来ないかもしれないが本当だ。
背圧はただ無ければ良いというものではなく
どう活かすかも肝心、ということをここで思い出す。
ARのアコースティックサスペンション方式みたいな発想も
ここから出てくる。
考えてみたらDS-301も同形式だ。
(続く)
8月22日
実際にはこんな単純なものの言い方はよろしくないのだろうが
多少説明を
はしょらないと話しがややこしくなるのでお許しを。
巨大なエンクロージャーが許されるなら密閉はなかなか
有望だ。
今回やってみてつくづく思った。
しかし、
もう少し小さく、となると
バスレフが登場してくる。
これは"豊かな低音”作りのためにも必要なのだろう。
今回の実験機では、もうダクトを設けるつもりは
ない。
ま、一種のカンなのだがこのエンクロージャーに穴を開けても良いことは
なさそうだ。
第一現状アンプ側がフラットでも別段低音不足は感じない。
どうせ超低音は不足。ならばそれは
スーパーウーファーを追加でもすれば良い。
高域も足りないというのなら
ツイーター一本追加すれば済むことだ。
要するに可聴帯域のほとんどはフルレンジ一発でカバーして
上と下の不足は別途補うという形で、これは一種の
王道となる。
8月24日
夏風邪を喰らってしまった。
考えてみると10日くらい前からなんか予兆はあったのだが
8度越えの熱が出て
結局撃沈。
以下は倒れる前に書いておいたもの…
それにしても、ツイーターはともかくスーパーウーファーまで足すのなら
メインとなるフルレンジ用のキャビネットは
もっと小さくても良いのではあるまいか?という説はある。
その通りで、ミニスピーカー+スーパー。あるいはサブウーファーの3Dシステムも
よっしーな好きな世界の一つだ。
ただ、主体のフルレンジを
のびのび鳴らそうと思ったら、どうしてもある程度のサイズの
キャビネットは必要になる。
結局この路線で攻めていくと、そのように馬鹿げた組み合わせになるのだ。
ここでちょっとまとめに
段ボールキャビネット。
なるほど圧倒的大音量再生をしたら箱鳴りが聞こえるかもしれないが
拙宅では今のところそんな事をするつもりがそもそも無い。
ゴミにだされて不思議ではない段ボール箱でこれだけの音がするって
一体どーなのよ?って感じ。
まあ色々理屈は付けられるが、一つはスピーカーキャビネットは
どれくらい
強度があると良いのかというお話し。
絶対鳴くな、と言われてもそれは出来ない約束です。
となると逆にしなやかに受け流すような発想もあって良い。
とりあえず今のところは
柔よく剛を制す、を形で行っているみたいだ。
8月27日
ところでP-610だの段ボールだのは良いが、
幻のHMA。
HMA-2000はどうなった?
それを忘れるわけが無いのだ。
実は今も電源
オンさせて頂いている。
スピーカーはP-610段ボール。
幻の名器で段ボールか、とお叱りを受けそうだが
これがまた違いは違いで
ちゃんと出すから恐れ入る。
でっかくても吹けば飛ぶような
軽量エンクロージャー。
色々な意味でいい加減極まりない。
しかし僕はふざけていない。
最初は
PRA-2000+HMA-2000という組み合わせだった。
ロジャースではいま一つだったこの組み合わせ、あるいはP-610段ボールでは
違う結果か?と期待も寄せる。
結果。
なるほど爽やかで澄み切った音。
その点において十分一級。
…なのだが、どうも
下腹に力が入りきらない感が付いて回る。
贅沢ほざくな、と言われそうだが、誠人の欲にはキリが無い。
一旦気になるとどうにもならない。
そこでやはりプリを
C-2Xに交代。
うーん、
やっぱり良い。
どうも拙宅ではHMA-2000にはC-2Xが合う様だ。
カチッと力が入って実に好ましい音になる。
もう一つ言うと、やっぱり本当は音量をもっと上げたい。
というかパワーをぶち込ませてくれ、と
HMA-2000が口をきく。
別に小音量で鈍い音、などという事は無いのだが
本当の本当に力はこんなもんじゃないのだとアンプが
誘ってくる。
これはちょっと誘いに乗ってみるしかないと思っている。
日中時間が取れたら、たまには
大音量テストをやってみましょう♪
8月31日
ご覧のとおり、
バスレフ化に挑戦。
ここから更にバスレフで色々試して…
…と思ったが、すぐ
やめた。
というか探求するのはやめた。
バスレフに
適したキャビネットサイズというのは特に無い(筈)。
だから巨大エンクロージャーでバスレフを目指してはいけないという決まりは無い。
だが、
やっても意味が無い気がしたのでこの計画はこれで終了。
今更。それもやり掛けて言うのもなんだが、大型密閉箱(ユニットに対して箱が大きいという意味)は
存在意義があるが、大型の箱でバスレフは特にメリットを感じない。
故にそんな試みは誰も
やらないのだ。
バスレフをやるのだったら。正確に言うとバスレフという形式を活かすなら
ここまで大きいキャビネットでは無い方が良い。無くてよろしい。
バスレフが好きだったらこのキャビネットの60%くらいの大きさで結構だ。
そしてバスレフは難しい。少なくとも密閉よりは
遥かに難しい。
改めて大型密閉箱の良さ。
ユニットに背圧が掛からず自由な音がする。
ただし、それはユニットがそういう使い方に向く物である必要がある。
小型密閉に合うユニットを巨大密閉箱に入れても旨みは少ない。
スピーカーはユニットだけで音が出る訳ではないし、箱だけで音が出る訳でもない。
両者の
マッチングが大切。これは大前提。
言い方を変えると、大型密閉や平面バッフルが好きだったらそれに合うユニットを持って来い、ということだ。
以上を踏まえた上で、大型密閉箱のデメリット。
というか
弱点。
それは恐らく、やはり
低音が貧弱になること。
極めて綺麗なカーブで、ある帯域から下は減少していく。
この問題の
解決策だが…
1、
諦める
あれもこれもと欲張らず、メリットだけを楽しんで、デメリットの部分には目をつぶってしまう。
これは良い方法だ。いわゆる低音感が無いほどの特性だったら別だがそうでもなければ思いつめないのもあり。
今回の巨大密閉箱はそのままでも十分使える。
2、
電気的補正
大変有効。
要するにトーンコントロール等で補正してしまおうということ。
これは大変有効。
あえて言うとアンプのトーンコントロールやラウンドネスが
そのスピーカーに合っている必要はある。
ためだとイコライザーの登場なんて事になるが
それもまた一考だ。
3、
バスレフ化
良いがそれをやるなら一から考えた方が良い。
…と、
ここで低音について考える。
低音。この単語、よっしーの部屋だけでも一体何回出てくるんだろう?
それほどオーディオの世界では低音は大事。そして鬼門。なのだ。
まず、(何度も書くが)低音の感じ方というのはかなり
個人差があるということ。
"豊かな低音”と一口に言っても
十人十音と言いたくなるくらい違いがある。
この問題を追及していくと、それだけで一ヶ月は書けるくらいの大事になるので止めておくが
とりあえず低音は大事、という事。
次に低音の豊かさと
全体としての音の良さの問題。
低音だけ聞けばリッチな感じなのだが、全体の音として
いま一つというのもある話しだ。
例えばバスレフというのは大変有効な方法なのだが設定が難しい。
一歩間違うと(簡単に言うと)音が
濁る。
以上はフルレンジ一発での物の考え方で、それでは、とウーファーを持ち出しての
2WAY、3WAYの話まで発展していくとこれまた大変な事になるのでそれはやめておく。
ということで夏の終わりに
能書きばかり書いてしまった?
ところで今P-610巨大段ボールエンクロージャー
ちょびっとバスレフなのだが、アンプをビクターJA-S41にしてラウドネスを入れて置くと
大変あんばいが良いのです、これが。
バスレフについては果たしてこれが効いているのかどうか
イマイチ
怪しい。
ただ、結果オーライで言うとフルレンジの自然さはそのままに
適度に気持ちよい低音が
吹いて来る。
"これ、いいんじゃね?”と今風の人なら言うのだろう。
ま、月の終わりに頭を抱えているよりも
ちょっとした達成感に浸る方が、そりゃ良いわ、という事で。
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