4月1日

元号も変
わるというのによっしーの部屋は相変わらずである。

月初になると新しいページをこうして作るのだが
よくもまあ飽きもせず繰り返しているという感じ。

ま、それはさておきSTAX
SRA-10Sである。


で、
は?


今回は結論めいた物を先に言ってしまうが、これは予想に
違わず素晴らしい。

実に、実に
自然なのである。


これまで再三書いてきたCD再生時特有の、あの
妙な緊張感。精神的圧迫感が希薄になるのだ。

これはいったい何なのか?


どこかパッシブコントローラー的な。あるいはボリュームボックス的な鳴り方。

しかしそれらともやはり違う独特の世界。

一体これは
どこから来るのだ?


しばらく聴いていたが三つ並ぶプッシュスイッチの右端に
IS ANP ON/OFFというのがあるのを発見。

これを弄ってみた。

すると!

いきなり
爆音である。

ビックリしたがそこには
-20dBの表記も。

つまりこれの操作でゲインが20dBも変わるという事?

利得比
100倍


あいにく取り扱い説明書は無い。困った時のネット頼みということで検索してみると
後継の12sのだったら英文の紹介があった。

それによると
中間アンプなる物がこのアンプには存在して、それを通すとゲインが100倍になる。

どうしてこのような物が必要だったのか?今一つわからないが、とにかくそういうアンプだ、ということだ。

ちなみにゲイン100倍にして聴くと、当然ボリューム位置はぐんと低くなる。

それはまあ構わないが音の
自然さは後退。取りあえずはこの中間アンプなる物を通さないで聴くに限るという気分。


4月2日

さてしかし中間アンプを通さないという事は、あるいはパッシブにでもなっているのか?と思ったらそうではない。
無電源では当然音は出ない。

という事で立派にアンプの仕事をしているのだが、
まるでアンプを通していないような。
しかしやっぱり、こりゃプリを通っているよな、という音。鳴り方なのだ。こりゃタマラン。


予てより僕はアンプのゲインはこんなに高くなくて良いのではないか、と言い続けていた。


PAでもやるのならともかく、一般家庭において過剰なゲインは
になる可能性大。


ボリュームを絞れば良いという問題じゃないのである。


少し
脱線するが現状の組み合わせではパワーアンプがAST-10Aなのでボリュームがいている。

このボリュームも精度が今一つなのだが12時から全開までの間で使っている分には充分実用になる。


そこで少々
ってプリの方を(SRA-10Sと限らずSY-88だろうがPRA-2000だろうが、だ)って使う。

その方が使い易いし小音量時には音も良いのだ。


何かと音質
劣化の元凶のように言われるボリュームコントロールだが、実はパワーアンプにもあった方が良いし
出力側(CDプレーヤー、チューナー、テープデッキなど)にも可変出力があったらそれを使いたいと
僕は思う。


これは使い勝手という問題もあるが、
多分インピーダンスという普遍の問題が絡んでいると見る。

いや、無学な僕がインピーダンスなんて物を語るのは自殺行為だから止めておきたいのだが
触れないと話が進まないしまとまらない。


パッシブコントローラーについて語られる時も、よくこのインピーダンス。
インピーダンスマッチ
取りざたされる。

その際、どうしても”高域が変になるのでは”という観点で語られてしまい、結論としてはパワーアンプ
までの接続ケーブルを短めにすれば問題ないという展開になってしまうのだが
本当の問題はそこではないと思われる。

これ以上語るとボロが出るから止めるが、特にプリアンプは
受け渡しの中核として
このインピーダンスの問題を解決するために必須なのだろう。


4月3日


CDプレーヤー登場から
40年近く。果たして本当の意味で時代にマッチしたプリは作られたのか?

まあ作られたのだろう。僕が古い機材ばかり使っているから知らないだけなのだと信じたい。

ただ、古参の物が多い我が家の中にあって更に古い設計の
SRA-10Sが、LINEアンプの本質をいち早く
解決していたと思うと驚くし呆れてしまう。

さて、このアンプの素晴らしさはそんな事だけに留まらないのだが、設計されたのは
中川伸さん。その後FIDELIX社を興されている。

流石と言うべきか、言ったら失礼か。1970年代半ばにおいて既にこのような秀作を放っておられたのだ。

回路的な物はさておいて(僕が触れる分野ではない)、
部品のクオリティが音の質に影響するという事が未だ
一般に言われていない時点でそのことに気づき配慮されている所に感慨を受ける。

SY-88なんかも凄いのだが、中川さんのアンプみたいに
生産者の顔が見える製品もまた良い。
失礼な物の言いかもしれないが、会社の規模で見たら東芝とSTAXでは随分違う。

しかし
充分伍しているのである。

ここがオーディオという分野の面白いところだ。

そもそもオーディオなんてガレージメーカーがやるべきもので大手なんかがやる物ではない
と昔仰った方が居たが、ある意味言い得ている。

STAXもまた、ファンと言うか
信仰者が多いメーカーなので、僕なんかが下手な事をいうと叱られる。

ネットで見ても猛烈なファンが作ったサイトを観ることが出来るが、まあその
愛の深さには驚いていまう。

でも、今回こうして改めてSTAX製品に触れてみると、その気持ちがわかるのである。

何だか音の入り口から出口まで、オールSTAXで揃えたい気分になる。

そんな人もきっといるに違いない。ある意味非常に正しい取り組み方だ。
自分が
惚れたメーカーの製品に夢中になる。

それこそ応援の手紙なんか出して、もっと良い製品を出してほしい。こんなのを作って欲しいと押しかけてしまう。

昔々はそんな光景が本当にあったのだろう。

それからすると、今の時代の、「
お客様相談室」なる物の嘘臭さは隔世の感があるというか、何ともいたたまれない気持ちに
させるものである。

もちろん、メーカーが悪いという話しではない。愛用者も含めての話しだ。


4月4日

そんなわけでご機嫌なSRA-10Sなのだが、
残念ながらパーフェクトとは言えないコンディションではある。


まあ、配線が切られていた時点で既に危ない香りはするのだが幸い決定的な不具合は無い。


ただ、どうしてか
全般にハムノイズが出やすい。


そしてフォノを使おうとすると左スピーカーが、まるでDC洩れでも盛大にしているかのような挙動を示す。
故にフォノは使えない。


しかし、それでは困る訳で重い腰を上げる。


いつもの事ながらこれから書く事以外に色々な事があったのだが割愛。


このアンプ、とにかく
整備性が良いというか、基板はスロットインなので抜き放題?
診放題?

フォノの問題なのだからフォノ基板を見てみる。

特に怪しいのは
チャンネル。



ここでCB50のエンジンを掛けサトー電気に…と思って止めておいた。


本当に怪しいのは何か?今回は当てずっぽうにパーツ交換しても無駄になると思い直したのだ。


取り合えず左チェンネルのFET、トランジスター。それにコンデンサー類を
個々抜いて計測

結果、これと言って完全にお陀仏な部品は
かったのだ。



1μFと基板にはっきり書いてあるあたり親切設計?



1500Pfですね

下のは5600Pfです





素子の足も綺麗だし半田も元から綺麗。


予想した通りで、
闇雲に取り掛かっても無駄。


しかし、却って困る。
では一体何なのか?

実は
アンプ全体のアースの問題など疑ってそちらも多少弄ったがこれと言った反応無し。




試みにセッティングしてアナログを繋ぐと、
やっぱり危険な兆候。


ただ、これが
入力端子付近を弄った時顕著、というのが今回のポイント。


そこでフォノ端子の配線の
半田をやり直し、改めて接点を磨き上げる。




当たり前なのだがフォノ端子に限っては
感度がLINE系に比べて滅茶苦茶高い。
念を入れない方がおかしいのである。

これでどうか?

結果、まだ万全ではないが危険な状況からはした。
この上をやるとなると、あるいは端子交換やら電源系の素子のオールチェックが
必要になるだろう。
それは
今後のお楽しみということで…


ま、
やっとSRA-10Sでアナログが聴ける。という事で聴こう、聴こう。

すると…

予想はしたのだが、
とっても良い音だ。


いわゆる優秀録音盤が良いのはもちろんだが、ふと思って先日の
松田聖子さんを掛けてみる。

すると、針を降ろした瞬間から、これは違う、と感じた。

松田聖子が、
実にカチッと鳴るのである。

残念ながら我が家ではこの種類の物が今一つ上手く鳴らないのが通例であった。

いわゆる'70年代中盤から'80年代のごく普通のレコードが、というお話し。
その点においてはSY-88だろうがPRA-2000だろうが今一つなのであった。

SRA-10Sの出現で、遂にその辺が
打破出来るか?

いや、もうこれは
ホクホク顔にならざるを得ないではないか。

行け!行くのだ、SRA-10S!




ボリューム摘みが欠品なんです。
適切なのを探して付けて上げないと…


4月5日



アナログプレーヤー。

一体これで何台目となるのか?

随分色々なプレーヤーを自宅にお招きして来た。

しかし今回の物はいつもの物達とちょっと違う。

なんと、現行機種である。

これはよっしーの部屋にはあるまじきお話しであるが
流れでそうなったとご理解頂きたい。

何か?というとONKYO
CP-1050である。

2015年1月発売。

見渡す限り定年延長再雇用親父ばかりの会社に入って来てしまった新卒社員みたいな立場だ。
プレーヤーもびっくり。

マスタークオリティを愉しむ、というメーカーのキャッチコピーも凄い。
大きく出たな、と呟いてしまう。

昨今のちょっとしたアナログブームに対応すべく出て来たモデルだろうが
それでも、よく出した、と拍手を贈りたい。

USB端子を付けたりとかフォノイコライザーを内蔵させたりとかはしてない。
純粋なレコードプレーヤーである。

MDF材キャビネット。
超低速ブラシレスDCモーターによるダイレクトドライブでクオーツロック。

プラッターはアルミダイキャスト。



トーンアームは実にオーソドックスな
S字アームでサポートはジンバル。
シェル込20g以内のカートリッジに対応。
付属のMMカートリッジはシェル込15g。





450W×158H×367.5Dとコンパクト。というか
ミニマムサイズである。
実際問題これ以上小さく作るのは難しい。


重量は腰に優しい
8.6Kg
設置も容易。

このプレーヤー、
3年前koyamaさん宅でも拝見していて、その時も
実にルックスが良い。往年のヤマハYP-Dシリーズを思い出させる、と書いた記憶がある。

実際
ルックスが抜群に良い。
騙そうと思えば
海外製と偽っても大丈夫だと思う。

漆黒とアルミの色。そして付属カートリッジの
がワンポイントになる感じで
見ていて幸せな気持ちになる。

リアを見ると出力端子が(アースも)があるが、これも立派な質感。
即ちケーブルは
普通のピンケーブルが選び放題のタイプ。

電源ケーブルも
着脱式で、いわゆる眼鏡の2Pタイプが使える。



という事でマニアであれば色々遊べる余地もある。

ま、それはさて置き組み立てるのだがプラッターの質感は可もなく不可も無くという感じ。
見る限り
スピンドルは気合が入っている。





テーブルシートは適度にしなやかで期待が持てる。
厚過ぎないのも賢明。

トーンアームも特に高級感は無いが価格からして当たり前と言える。

設置してみると本当に小さい。だが、恰好良い。持っていないけど
LP-12的佇まい。

しかし、音を出してナンボというのもあるので、まずは音出し。

ケーブルはその辺にあった適当な物をチョイス。

付属カートリッジは
針圧3.5gと、最初は誤記かと思ったが本当みたいだ。



とにかくそんなこんなで音を出す。


4月6日

音を出す…

が、ちょっと
困惑する。
何故って、
あっさり良い音である。

などと書くと見くびっていたのかと突っ込まれそうだが、そうではない。
何故ってこのプレーヤーの実力の片鱗はkoyamaさん宅で
経験済みである。

だがしかし、
実勢価格5万円を切っていると思われるプレーヤーだろうという思いはある。

なんというか、やって良い事と悪いことがある。
入りたての新入社員が、
入社初日から居並ぶベテラン(という名の、ただ社歴が永い人たち?)を
ぶっちぎる仕事をしたら面白くなかろう。

そこで何とか粗探しをすると、やっぱり質感と言う所で物足りないところはある。
これは
付属カートリッジの限界と見て差し替えを行う。

取りあえず軽めのしかチョイス出来ないこともあり、同じMMでテクニカ
AT-130E

さすがに付属に差を付けるが、今度はどうも拡がりの少なさが気になり始める。

なんでも拡がれば良いってもんじゃないが、ちょっとこれは不満。

そこで今度は
ピンケーブル交換。

別に適当な物で良い気もしたが、いつもはDV-AX10に使っている
古いMITをチョイス。

やはり差は着く訳で、落ち着いてAT-130Eで試聴継続。

もうこれで良いや、と思ったが耳につくところも出て来る。

どうするか?と迷った末、手っ取り早さを求めて
VM-540MLの針だけもぎ取ってAT-130Eに
挿す。

するとこれが音質向上である。

不要な派手さは消えて実に良い感じで鳴る。

ジャンルを選ばぬ感じで、
何でも来い

しかし、これはちょっとヤバく無いか?

このプレーヤー。とにかく
かでスムーズな音がする。

レシプロエンジンではなく、
電動エンジンの世界。

あるいは氷の上をスムーズに滑りぬけていく
スケーターの世界。
音溝を擦る針の抵抗という物を全然感じさせない鳴り方。

SN比も滅茶苦茶高い。


4月7日

CO-1050。
った。何が困ったって、難癖のつけようがいのである。
なんだ、レコードプレーヤーってこれで良かったんじゃないか。
そんな風にさえ思わせる。

良かったなら良かったです、で済ませれば良いのだがマニアの部屋としては
それでは面白く無い?

まず、モーター。
低トルクだそうで、それが良いのかもしれない。

ただし、何でも低トルクが良いとは限らない。要はトータルバランスだ。

プラッターの重さも妥当。
いかにも
っぽいのだが(失礼!)残念ながら素材や仕上げ、重量だけで決まる世界ではないのである。

シートも良い。ただ、ちょっと派手になる傾向は感じる。
目下JP-501と交換し
ながら聴いている。

キャビネットは、その重さから想像できるが箱型だろう。
叩けばポンポン鳴るが、それがどうした?という感じで音は良い。

インシュレーターもありふれた物だが無闇に換える気がしない。
というのもプレーヤー
トータルで作られているので、必ずしも剛体の物が良いとは限らないからだ。

アームは、これはもうDENONの某プレーヤーの物と同じと見て良いし、
更に言えば
テクニクス臭がプンプンするもの。

見た目は実に安っぽいのは既に書いた通り。
ただ、あまりにも音が良いので苦笑いしか出てこない。

難点は
高さ調整が出来ない所だが音質を考えるとその方が良いのかもしれない。
高さ可変というのはどこか
危うさを併せ持つ。

という事で粗探しをするつもりが称賛の嵐になってしまった。

こんなにあっさり良い音が出てしまう事が最大の欠点?である。


4月8日

ところで柄にもなく現行機種なんか手にした物だからネットの徘徊が別の意味で楽しい。

色々な人の感想が読めるのが新鮮。

もちろんおおむね好意的なのだがオーバーハングその他の事など
シビアな着眼もある。
皆さん
真面目である。よっしーは数ミリの違いなら気にしない。

高さ調整が出来ないのは確かに難点だが、これもある程度は致し方ないと考えてしまう。

シェルとの間に
スペーサーを入れるなど解決法もあるだろうが、あるいは重量過多になって
バランスが取れなくなる可能性もある。

付属のシートは薄目なので、高さが足りない場合は少し
厚めのシートに取り換えて調整、
くらいが良いと思う。

それより何より針先と各種
接点に気を使った方が良い。

必要なのは
拡大鏡だ。倍率の大きい物が必須。

シェルとアームの接点は本当にデリケートなので気を抜かないことだろう。

あ、ちょっとだけ偉そうなこと書いちゃったかな?(笑)

また、DENON
DP-500Mとの対比も面白い。
ほぼ同型機と思えるが外観(カラー)は違うので、その辺で好みが分かれると思う。

トーンアームは共通部品と言って良いくらい似通っているのでDP系の
サブウエイト
CP-1050にも使える様子。

そうすると一気に
重いカートリッジまで使用可能。

ただ、それが是か非かはわからない。
アームは出来れば元々の想定範囲内の重さを相手に使いたい。ピボットに無理が掛かる可能性もあるし
動作の点で不利になるかもしれない。

難点は別売のそのサブウエイトの値段がお安くないところか。
手に入るだけありがたいが、二の足を踏んでしまうのも確か。

さて、ところで今日から文字通り
20年目に突入。
丸19年もよく続いてきたと思います。


4月9日

さて、それにしてもこの音の良さの
理由は?

一つにはやはり世の中
進歩しているということ。

これを素直に認めるべきだと思った。

次に経年劣化の問題。

歳を取らない人間がいないのと同じで機械も歳を取るということ。

アナログ黄金時代の名器は結構だが
劣化は避けられない。

まず
電気回路が危険。
ストロボがちゃんと静止しています、と言ってもそれだけではどうにもならない。

素子のリフレッシュはここでも必須なのではあるまいか。

アームも
支持部は要注意。可動部である以上変化は必至。

また
内部配線も切れていなければ良いという問題では無い。


その後のCP-1050だがもちろん好調。

カートリッジを色々差し替えてみたりしている。

当然のように?カートリッジそれぞれの音を聴かせてくれる。

ただ、やはり総重量軽めが良い。当然だが。

このプレーヤーを活かしたかったらシェル込20g以内に収めること。
多分その方が
無難

高さの問題もあるが先に書いた通りシートの厚みで調整するくらいに留めたい。

目下
EPC-271で聴いているところだが実に良い。

ちなみにこのカートリッジだとJP-501ではちょっと高さ不足になるので
ノーマルシート使用となる。


4月13日

ここ数日、
背中、腰の痛みにやられていた。

歳のせい、もあるのだが長い時間
屈みこんで
アンプのコンデンサー交換なんかやっていたのが良く無かった。反省。


しかし、その間にも結局アンプを弄っていたのだから始末におえない。


何かというとSTAXの
SRA-10Sである。

CP-1050が来て、ご機嫌なアナログライフ。

…の筈がSRA-10Sはアナログに
爆弾を抱えていて安心して聴けない。

これではいかん、という事で例によって半田ごて片手にあれこれ悩む。

実に色々あったのだが割愛して結論をいうとフォノ基板の
FETを交換
これでしっかり収まった。

現在EPC-270+CP-1050→SRA-10Sで
ご機嫌な音となっている。



ボリューム摘みがなくて使いにくかったので適当な物を挿した、の図。


4月14日

やっと休みだぜい、とか、今時何言ってんの?の世界である。

休息タイム休息タイム。


SRA-10Sのフォノ基板も、取りあえずまともになったという事で
安心してCP-1050に盤を載せられるようになったので心もより一層安らかだ。

この組み合わせはやっぱり良い。



まずCP-1050だが、とにかく屈託なく、
流れる様に音が出て来る感じが良い。

素晴らしい。

SRA-10Sだが1975年頃にこんなアンプが生まれていたことが信じられない。

アンプの音ではなく、
ソースの音が聴ける感じである。

パワーアンプは年が明けてからずっと
AST-A10
これはASTカートリッジを挿す事から必然なのでそうなっているのだが
これも大変癖の無い。気負いのない音でなかなか差し替え出来ないでいる。

スピーカーは当然
AST-S1となるが、まず我が家にこのサイズのスピーカーが
なかなか現れなかったことに気づく。

Rogersで言えばLS5/9ではなくてLS3/5的大きさとプロポーション。

これで、やや二アフィールド的に聴く。

レコードをとっかえひっかえ聴くのだがとても楽しい。



4月15日

CP-1050にMC
カートリッジを装着してみたいと思った。

シェル込重量20g以内をクリアーする物というのがあまりないのだが
テクニカの
AT-30Eなんて良いんじゃないか?と思った。
シェルもSAECの
いのが付いているから…というより軽すぎて逆にバランスが取れない?
と心配したがそれは無かった。

で、これを
SRA-10Sのフォノにダイレクトに導く。

それをやってみたくての30Eというのもある。

というのは30Eは比較的
高出力なMCであり、MC未対応のSRA-10Sでも行ける筈と思った。

やってみると、中間アンプを飛ばした状態では厳しかった。
ただ、
利得100倍になる中間アンプを入れるとバッチリである。

音だがMCだから良いのだ、などという簡単なものでは無く、純粋にAT-30Eの良さが出る物で
恐れ入った。

ちょっと派手だが爽やかで嫌味が無い。テクニカの人気カートリッジに共通の
パターンである。

ただ、CP-1050純正のシートのままだと、この組み合わせはちょっと高さ不足。
いわゆる前下がりになる。

そこで
JP-501を投入。

あまりやりたくないがディスクスタビライザーも載せてみる。
諸説あるがJP-501みたいに軽いすり鉢状になっているシートにはスタビを使った方が
密着度の点で好ましいのは事実。

これでオーバーシュートが少し緩和されて一層好ましい音になる。
もう少し地味に、という方はシェル交換だが、そうするとウエイトオーバーになる可能性大。
これくらいで止めて置くのが吉。


4月16日

AT-30Eがとっても良い感じだったので気をよくして
AT-F3にもご登場願った。

(普通とっても良かったらそのまま聴くが、そうしない所がビョーキである)



これはKPの純正シェルが付いている。

思えば懐かしい弾丸ツアー第一回で求めた物。
良い買い物をさせていただいた。

音だが、さすがMCの
優等生
何を聴いても破綻が無い。

これを没個性と思う人は使わない方が良い。



4月18日

スマホが普及してネットがより
身近なものになった。

…なんて今更言うのも馬鹿らしい時代だ。

お陰様で
色々な方のブログだとかを拝読出来て嬉しい限り。
これを良い時代と言わずしてなんという?

バリバリのオーディオマニアから、割とノーマル度の高い人まで様々だ。

修理系はもれなく楽しいのだが、後好きなのは
程よいレコードマニア系か。

レコードも良く買って、せっせと聴いている様子。

かと言ってプレーヤーも三台くらいは持っている。

それでいて
好みのブランドとかは経験からはっきりしていらっしゃる。

そんな人のを読むのが楽しい。

シュアーが好きならシュアー。SMEのアームが好き。QUADのアンプがやっぱり好き、とか。

そういえばこの人のスピーカーって何だったっけ?と考えると良くわらかなかったり(笑)

そんなのが
好ましい

そういえば今でもデジアナ論争なんてのはあるんだろうか?

ひと頃は随分盛んだった気がする。

しかしそもそもアナログレコード再生とデジタルファイル再生では
楽しみ方が全然違う。

レコード再生というのは、やっぱりどこか自分の好きな
音作り、という一面がある。

だから、カートリッジが、シェルがアームが、ターンテーブルが。
フォノイコが、プリが…となる。

それこそある意味訳が分からない世界なのだが、その訳の分からなさが良い、
というか良いと思えないと楽しめない。
それがレコード再生だろう。

また、アナログとひとまとめに言うが、レコードとテープだと又違うと思う。

2トラ38なんてのは、どちらかというとデジタルファイル再生に近いのではないか?

で、レコード再生。

実はSTAXの調子がやっぱり今一歩。フォノに限って何か変だがパーツを買いに行く時間がない

この春はSTAXで、主にMMで色々なレコードを擦って、と思っているのに…と
うなだれつつAT-F3でPRA-2000に繋いである種のレコードを掛けてみたら、あれ?なんだか
とっても良い。

そういえばこの組み合わせでこんなことをしたことは無かったと反省。






4月20日

こうしてネットに他愛ない日記を晒していて嬉しい事の第一位は
見ず知らずの人から「お困りのあれの原因はあれですよ」
と教えて貰えたりすることだ。

今回もSRA-10Sのフォノイコ部分の不調をなげくよっしーに
救いの手を差し伸べて下さった方がいる。

電源基板のトランジスタを見ては…との示唆。
訊けばSTAXの大変なベテランの方。

思わず
が出そうになってしまいました(涙)

とにかくしっかりSTAX病に
罹患してしまった我が身は
SY-88で良い音が出ようが、PRA-2000で望外の音が出ようが
もはや納得がいかない。それはそれ、STAXはSTAXだ。
フォノの音が変だなんて許せない。

結論を言うと
フォノ基板のトランジスターが不良だった。

しかもご丁寧に左チャンネルと右チャンネルで故障個所が違うというおまけ付き。

さすがに年代が古いから、ずばりその物のトランジスターを探すのは困難至極。
そこで代替となるが、それを探し当てるのも大変。

とにかく左、そして右、と
患部を治療
現状素子があっちとこっちでランクが異なる物がついていたりと
いい加減な状態だが、
とにかく左右両方健康な状態でフォノの音が出るようになった。

本当に一安心である。

なお、ご指摘いただいた低電圧回路基板のトランジスター交換も
無駄では無かった。

なんと、全体のSN比が圧倒的に上がったのだ。

メールいただいたUさん。本当にありがとうございました。





4月21日

物事というのは走り始めるとある程度まで行かないと止まらない。

結局キリの良い所までということで、2SA561は
1145へ。
2SC734は
2705へと差し替え。

2SA494は代替が分からないというのもあって同じく494を探しあてて交換。
ただ、Yランクは手に入らず
GRになっている。

なにせこれだけ年月の経ったアンプの修復だからある程度の事は
目をつぶらないといけない。

なんてったてアナタ、音が出なきゃあどうにもならんですわ。

それにしても拘りの逸品というか、
シンプルなフォノ基板だが
FET多用。電解コンデンサーは介在
させないという所に見惚れる。


4月22日


ところで先日生まれて初めて手に入れた
松田聖子

これも最近よく掛ける一枚になっている。

'80年頃
、多くの同世代のところで掛かっていたのだろうなーとか感慨深い。

今僕のところで鳴っているくらいの感じで、このレコードを鳴らしていた若い衆もきっと居たのだろう。

A「そう言えばこの間Cの所で聖子ちゃんのレコード聴かせてもらったんだけど、いい音してたぜー」

B「へえ、そーなの?」

A「いや、さすがにあいつん所金持ちだからなー。ステレオだって高級なんだよなー」

B「だよなー」

A
「なんていうか、高音なんかさ、パーって感じで華やかでさ。で、ベースの音とかもちゃんと聴きとれるわけよ。
で、聖子ちゃんの声なんか凄く明瞭だったなー」

B「おおー、いいねー。一度聴きたいもんだわ」

A「俺もいいなーと思ったけど、そこまで回す金無いしねー。まじ羨ましい限りだよ」

B「まあ取りあえずレンタルレコードでカセットに落として聴くしかないしな、俺たち(笑)」

…なんて
会話がどこかであったかもしれない。

極めて健全な、音楽とオーディオと人の在り方な気がする。

あの頃、特にオーディオマニアでなくても、なんとなく、良い音、とやらが存在すると多くの人が思っていた。

それは、
ベースが良く聴こえる、とか、シンバルの音が歪っぽくないとか、そんな認識だったかもしれない。

何でも良いが、どこかにある、良い音、に憧れを持ったし、多少挑戦はしただろう。

レコード再生に限っても、
針圧を弄ってみるとかくらいはしただろう。
アンプに
トーンコントロールがあれば積極的に使いもしただろう。

そんな感じが、今、堪らなく
かしい。

それで、という訳でも無いがレコードを
次々掛けてみたりしている。

カートリッジもサクサク
取り換えてみたり。

馬鹿みたいにカートリッジがたくさんあるから、どれかだけ針が減るという心配は要らない。

とかなんとか言いながら、すっかりオーディオ馬鹿になってしまっているから、それはそれでいろいろやる。

AT-F3に続いてEPC-310MC



中間アンプを使うとSRA-10SはMCもいける。

ただ、やっぱり310MCなんかだと
高さの点では厳しい。
シートを薄くしても難しい。

両者とも
繊細な所を見せつけて来るが、ここでM44G



もっと早く使いたかったが重量の点で厳しいという現実があった。

でも、そこは大らかな44という事でウエイトをギリギリ下げたところから
適当に針圧を掛けて良しとする。(良くない?)

一転して
太く、元気な音だ。
男は細かい事を言うもんじゃないとカートリッジが語りかけて来る。
すみません、私が間違っていました?

フォノケーブルも、MM用には今のよりもっと良いのがあるだろうと思ったが
CP-1050純正を買いに行く時間が無い。

手持ちの物の中で、そういえば
自作品があったと思い当たった。
確かあれはMCよりMM向き。

うん、それで行こう!

…そんな事をしている。

さて、そろそろ元気にならないと…

GWが待っているしね!


4月24日

各自の部屋
で起きることは、実はささやかな事であり
僅かな事なのだと思う。

その細かい事に
一喜一憂しているのがオーディオマニアと言っても良いかもしれない。

だから、特に僕の書いていることなど適当に読み流す事をお奨めしたい。


さて、しかし
音は魔物というお話し。

このところずっと、プレーヤーは主にCP-1050。プリはSTAX SRA-10Sまたは
SY-88。そして時々PRA-2000。

メインはAST-A10。スピーカーはAST-S1で鳴らして来ている。

…なのだが、どうも突発的に音が変になる?

結論をいうと、こりゃ
AST-A10がおかしいという事になった。

慌てることは無い。AST-A10は
もう一台あるので入れ替え。

その際積み重なっていたプリたちを撤去。

そもそもそんな使い方をする方が悪いのだが、色々結線を変えたりすることを考えると
プリ群とパワーアンプは、メインのラックの前。左右のAST-S1の間に鎮座せざるを得ないのだ。

今度はAST-A10の上にSY-88という最低限の?積み重ねにして音を出してみると…

これまで感じていた、ちょっとした
音の乱れみたいなものが解消

僕は左右のスピーカーの間に物を置くなとか、非現実的な事を言われると思わずイラっとしてしまうクチなのだが
(そんなのは
ブルジョワのやることである)
今回は素直に、良い結果であったことを報告しておく。

次に
アナログのお話し。

ここ数日
シュアーM44が絶好調。

実に、実に良い感じで、「ああ、そうか、世の中にはM44
だけあれば良かったのか…」と
呟いてしまう程だった。

それはそれで良いのだが、物は試しと別のカートリッジに付け替えてみると
落差が大きい?

テクニカの
VM540MLを持ち出してみると、なんだかシャカシャカする?

すっかりM44に
ミミが慣れてしまったからというのが大きいが、それだけで済ませてしまうのも
どうかと思い、この際手を入れてみる。

シェルだがテクニカの12gのマグネシウムを使って特にこれまで不満を感じていなかっただが
交換してみることにした。



見た目は元の黒いシェルが良いのだがやむを得ない。同じくテクニカの
LT-13二代目。
何故か色はゴールドだ。



これで
音は変わる。

もうあんまりこういうややっこしい事はしたくないのだが、やっぱりシェルは大事。

ただ、どうしても剛性を求めるとシェルが重くなる。これが難点だ。

名品とされるシェルの中には
16g、18gと言った物が少なくないのだが当然シェル込カートリッジ重量は
20gを越えて来る。

CP-1050なんかだと使いにくいというか、大抵の市販プレーヤーで
使い勝手が悪くなる。

結局それを何とかしようとするとプレーヤー自作の世界になってしまう。

一つの理想は重さ13g位までで丈夫で品質の高いシェルを探すことになる。



4月25日

なんだかんだ言っているのだが一方で
片端からレコードを引っ張り出して
ターンテーブルに載せている。

中には状態の芳しくない盤もあるのだが、問答無用で針を降ろす。

針が痛むだろう、なんて心配をしなくて済む様にカートリッジも
どんどん差し替える。

これで良いのだ。

昔々と比べると、ハイファイ、ではなくローファイ。
…までは行かないのだが
ミドルファイ指向みたいなのが強まっていると感じる。

それについても、これで良いのだ!と考えている。




そして色々お支度もあるのだ。




4月26日



片っ端から、という事で
AT-UL3

STAX SRA-10SはMM入力オンリーだが利得20dBアップの中間アンプを使うと
大抵のMCが楽勝で鳴らせる。

しかしそれが常にベストなわけでは無い。
UL3も最初その使い方でやってみたがどうもイマイチ。

そこで
トランス。デンオンAU300LCを使用。

この方が遥かに良い事を確認。

また写真ではテクニクスのシェルに
4gの重りが載っているが
これを除去すると超軽量級組み合わせとなる。

CP-1050で
ウエイトを最前部まで持って来ておよそ1.5gが掛かる計算。

これはどちらが良いか一概に言えないがトーンアームのマスを極力中心に寄せるという意味では
一利あるということになる。




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