6月1日
アナログプレーヤーの自作くらい骨が折れて詰まらない物は無いとは長岡先生の弁だがその通り。
やる事と言えばひたすら合板の切り抜きばかりだ。
それでいて結構精度を要求されるので頭にくる。
だったら止めておけばよいのに生涯三台目の自作プレーヤー。
今回は伝統の積層合板方式を取っていない。
理由は幾つもあるが、たくさん板を買い求める割には切り抜く部分が多くて腹が立つというのが
ひとつ。板がもったいなくて仕方ない。
本当に積層合板の良さを活かすなら、モーター部分、
別に制御系基板やスイッチを埋め込むみたいな形がベスト。
例えばヤマハGT-2000などはその形を取っているわけだ。
市販フォノモーターをそのまま使って、という場合はそうはいかない。
MU-1800などはスイッチ類も別の筐体に入っていて、これも埋め込むとなると面倒な事この上ない。
MU-1800の場合は、やはり筐体などに収めずにダブルアーム、トリプルアームのプレーヤーを
作る方が向いている。というかその狙いで単売されたとみるのが正しい。
普通に作るなら積層ではなく箱型が良い。パイオニアの推奨ケースもそんな造りになっている。
今回の物は積層合板でもなければ普通の箱型でもない、変わった形を採用。
ま、理屈、座学も良いのだが音を出す事も大事ということでMU-1800+WE506/30で
色々聴く。
すると…
6月2日
色々聴いた。
片っ端から…と言いたいがシェル込重量20g以上に限る。
ビクターZ1+PH-L1000なども良かったしDL-103SLなんかも悪くない。
総じてマイルドで耳に突き刺さらない音となる。
これで良いのか?新しいプレーヤー単体だとわからない気もして来た。
そこでGT-2000+WE-407/23と交互に聴いてみる事にする。
フォノイコはHX-10000で、二つのプレーヤーを公平に比較するには好適な素材。
すると…
取りあえず失敗作ではない様で安堵。
敢えて言うとGT-2000+WE407/23の方が隈取が強く、MU-1800+WE-506/30の方がナチュラル。
繰り返しになるが歪感ゼロの世界。
あんまり癪に障るので?シュアーM44G+V24Cさんの炭化ケイ素シェルというのを持ち出してみる。
一つにはこれくらい重い物を宛がった方が良いのでは?という思いと44Gが、さてどう鳴るか?
というのがあった。
さすが44はじゃじゃ馬の片鱗は残してくれて一安心。
いや、どれも同じ様に鳴るというのは行きすぎると変な事になるから、これで良いのだ。
そうこうする内に…
6月3日
ちょっと話が逸れるが手元に何本くらいカートリッジがあるかと数えてみたら
ざっと30本位だった。
逆に言うと決定打が無い証拠とも言える。
本音を言うとビクターのダイレクトカップルが一番好きなのだが
拙宅にあるそれらはことごとく断線。今は静かな眠りについている。
考えてみると、最後のL-1000が逝った辺りからカートリッジ遍歴が酷くなった?
埋まらない穴を埋めようとしている感がある。
だが、さすがにもうビクターダイレクトカップルを追うのは止めようと思う。
絶えず断線の危険を感じながら使うなんてのは本当に体に良くない。
今は今後とも替えの効く。つまり万一の事があっても同機種が現実的なプライスで手に入る物を愛でたいと思っている。
MCに限定すると、国産の場合DL-103系とAT-33系が代表となる。
そう言った物を使いこなしたいという思いが強いのだが遅々として進まない。
ただ、今回性懲りもなくAT-33E及び33MLを持ち出してMU-1800+WE-506/30に付けてみると
今まで聴けなかった音が聴こえてきてホクホク喜んでいる。
AT-33系というのは良く言う人も居るがケチをつける人も多いという、よっしー好みの立ち位置の(笑)
カートリッジだ。
DL-103にケチと付けると、オマエハ分かっていないと言われて終わりだが
AT-33だと、ああ、あれは派手目だからなー、とかで済まされてしまう。
そこが可愛い。
確かにその通り。しかし、活かす使い方もあるだろう。
実は今、僕の目の前でAT-33MLが素敵な音を奏でてくれている。
多分今回のいい加減キャビネット。MU-1800。WE-506/30と相性が良いのだろう。
もちろんソースとの相性であるとか、リスナーの聴き方や気分とのマッチがある。
33MLは33Eと比べるとかなり真面目だが、ちょっと派手目に鳴るあたり、正統33の音だ。
しかし、それがスパイスとして心地よく効くケースもあるということ。
ある意味官能的とさえ言えるのだが、どーする?
やっぱりオーディオは。特にアナログディスク再生はトータルバランスなのだ。
そして僕は、今回試作したプレーヤーを、すっかり見直してしまった。
6月4日
関西ツアーとか言って、わざわざ遠方まで行っても、特別にでっかいものを買ってこない。
ひとえに人間のスケールが小さいからだ。
そんな中で、今年のMU-1800。昨年のVC-20(SONYとSATINのコラボモデル)、
そして一昨年のAT-33MLは割と単価の高い買い物だった。
AT-33もML/occは珍しくない(発売期間が長かった)が、純ML?は割と珍しい。
繰り返し書いているが、初代33Eのハイ上がり、ロー上がりを少し矯正して真面目な方向に振ったのが
MLでありML/occである。
その後'90年代に33は限定バージョンを幾つか出した後PTGに発展。
その後も又発展で今に至るが価格はさすがに上昇。もう中級機とは言えないので僕には縁遠い。
というか昨今のカートリッジは総じて高額であり手に負えない。
カートリッジというのは、そもそも消耗品であり、いつ何時逝ってしまうやもしれない存在。
それに10万円とかは、もう出せない。
よって、アナログ全盛期に2〜3万で売られていた物達を使いこなすしかないと
実に分相応の結論に至るも、出音が今一だったら、これは論外。
悶々としていたが、今回やっと33の良さを前面に引き出す事に成功?
いったい何年掛かるんじゃ?
勝手にはしゃいでいると思って欲しいのだが、今回の組み合わせで33MLは抜群の音を聴かせてくれた。
もちろん、いわゆる33の音、なのだが歪感が無いのでマイナスが帳消しになって良い点ばかりに耳が行く。
これはウルトラ拾い物、である。
調子に乗って初代33Eも装着してみる。
これも今回は良い。
33MLと比べると低域上昇があからさまにわかるが、特に夜遅く小音量で、ある種のソースを聴く場合は
それもプラスに転じる。
しかし、何年掛かっとるんじゃ…
6月5日
あの素晴らしい日々から、もう一か月か…
回想ばかりしている僕…
さて、アームベースに対する考え方も色々だ。
積層合板でアームベースは鉛の板というのは一つの正解。
取りあえずアームベースは重い方が良い。
それで間違いない。
ただ、本当にそれが全てか?
特に響きというか、そういう事を考えると目方だけを重視するのは片手落ちでは?
当然疑問はあるわけで、今回はとりあえずチープな合板を使っている。
それで良いわけない気もするが、音は何故か、良い。
もちろん、ここに銘木を使うだとか、一枚は金属の板。無難なところではアルミ、とかを
スペーサーとして使うとか更なる追及はあって良い。
これからやるかもしれない。
もう一つがアームベース直下の空間。
そこに空間は無い方が良いのかもしれないが、その場合アーム交換は諦めざるを得ない。
交換なんて事を考えない方が良いのだろうが、取りあえずそれは詰まらない。
だったら半端ではなく思いっきり空けてしまおうというのが今回の形。
そんなこんなを実現したり試したりするためにもスケルトン構造は必要だったというか
好適だったというか、まあそんな訳なんです。
6月6日
さて、今出ている33の音の決め手はなんなのか?
ちょっと確かめてみたくなった。
そこでターンテーブルをSP-10MK2に換えてみる。
WE-506/30+AT-33MLはそのまま移動。
そのままと言っても諸般の事情でアームベースはありあわせの物に交換。
ご覧の通りの有様だが仕方ない。
どうかな?と思ったがWE-506/30+AT-33MLの音は見事に再現される。
つまり、この場合の要素はWE-506/30だったということ。
真にオーディオというのは面白い。
反省もある。何ってAT-33系カートリッジもWE-506/30も以前から手元にあった。
ここでふと思ってEPA-100を持ち出す。
これも良い筈と思うが、やたらとどのカートリッジもバランスが取れない。
そうそう、昔はお尻に10円玉を貼ってシェル込重量の許容範囲を広げていたんだっけ。
それを剥がしてしまって幾久しく…
EPA-100は本来シェル込19g位までしかバランスが取れない。
そこで大枚20円を久しぶりに投資。
今度はこれをMU-1800のプレーヤーに乗っけてAT-33MLを装着。
ダメだったら嫌だな、と思ったが、おお、これはこれで十分行けるじゃないか(!)
目出度し目出度しである。
(誰だ、さっきまでWE-506/30が肝だと言っていたのは…)
甲乙つけがたいというより違いがわからない?
敢えて言えば切れ味でEPA-100がちょっと勝るが
とことん歪感が無いという点でちょっぴりWE-506/30が上回るというところか。
興に乗ってDL-103SLも出してみる。
この段階でEPA-100のお尻の10円玉は一枚追加で三枚となった。
先に、そのEPA-100で、次にWE-506/30で103SLを聴いたのだが
両者の違いは極小というか、どうでも良くなってきた。
いずれにしても103SLの持つ、良くも悪くも103らしくない所がキチンと出ていた。
バッチリである。
こんな日も、たまには無いとやっていられない。
雨の日のウメはとことん眠い…
6月7日
コンクリの固まり。
総重量は計測不能?
部分的にラスクが埋め込まれている。
こんな感じ。
6月8日
昔僕らはアホでした。
というのは卑下した言い方であって、正しくは元気だった、だろう。
良い音の為には重量が必要。
アンプに鉛を載せると音が良くなると訊けばアンプが潰れるくらい載せてしまう。
矢鱈めったらぶっといケーブルを使いたがる。
(これは今でもいらしゃる)
ブチルでダンプだ、となればなんでもかんでもブチル漬けにしてしまう。
特にアナログプレーヤーはアマチュア精神の入り込む余地がたくさんあった。
ターンテーブルの改造。アームの改造と色々あったが
一番アマチュア精神を発揮しやすいのがキャビネット。
重い程良い。
となると出て来るのは鉛にコンクリートと相場は決まっている。
ただ、思っても実際にやる人は少ない。
しかし少ないとは言ってもやる人は居た訳だ。
その証拠が今回のコンクリートキャビネットだ。
あ、僕の製作ブツではございません。残念ながら。
6月9日
巨大な重量級プレーヤー。
色々あるのだが弄るにしてもとにかく大変。
ある意味命がけである。
さすがに疲れて、取りあえずはそのまま音を聴こうとなった。
以上のことと別にSP-10MK2は本気で手入れしないといけない予感。
昨年だか一昨年だかに少々弄ったが、そんなんじゃすまない所まで来たか?
MU-1800を買っておいて良かったと言えば良かった?
6月10日
さて、果たしてアナログプレーヤーのキャビネットは重い程良いのか?
その前に、なぜ重い程良いとされるのか?
良く言われるのがターンテーブルが回ることで起こるジャイロ効果。
ターンテーブルが回る方向と逆の方へキャビネットは回転しようとする、というあれだ。
起動時はともかく定速回転に移ってしまえば両者の相関関係というかバランスは取れるのだから
そんなに気にする必要は無いという説もある。
ただ、一見一定速で回っているように見えてもレコードの溝とカートリッジの針先の抵抗で
絶えず負荷は変動しているという見方もある。
そう考えるとやはり重い方が良い?
もう一つ、アナログ時代に必ず話題となったのがハウリング。
昔の日本家屋の床は今と比べると丈夫さに欠けた。
和室も多かったので畳の上に置かれたプレーヤーは(ラックを介しても)振動しやすく
乱暴に歩くと針が飛んだりという事があった。
これに対してマスで抑え込もうという発想が出たのは当たり前だ。
それと又別に、プレーヤーが音圧で揺さぶられるというのがあった。
だからプレーヤーは重い方が良い。マスで振動に対抗してしまう。
そんな考え方が多くあった。
さて、それは正しかったのか?本当に解決に繋がっていたのか?
6月11日
まずターンテールに対してキャビネットが重い程良いというお話し。
理論上は正しい。
ただ、これもキリの無い話であろう。
ターンテーブルの10倍で良ければ20キロ台で済むが100倍欲しいとなったら200キロだ。
これだってプラッターが2キロ換算のお話しだから5キロあったらキャビはすぐ50キロ500キロ必要となってしまう。
論外だろう。
小型で重いという事で伝説となったオーレックスのSR-M99だって42kg。
GT-2000にオプションのアンカーブロックを付けて60kgくらい。
これくらいが一般家庭での限度だろう。
とにかく目方で男が計れるなら苦労は無いということで重ければ良いにしても
程度問題というか際限がないお話しということ。。
…と、ひとくさり理屈をほざいたが、今回のコンクリキャビネット、音はどうか??
という事でSP-10MK2+コンクリキャビネットVS MU-1800お手軽キャビネット対決。
アームはそれぞれEPA-100とWE-506/30。
カートリッジは共通でAT-33ML。フォノイコはHX-10000。
一言で言ってしまうと華麗に拡散する感じ、キャピキャピと飛び散る感じでMU-1800が少し良い。
ただ、SP-10MK2+コンクリキャビネットには得も言われぬ実在感があるのも確か。
何度聴き比べても、ボリュームが少し上がったように聴こえるのだ。
もっともSP-10MK2とMU-1800の。そしてEPA-100とWE-506/30の性格の違いというのもあるから以上で断言はできない。
また、圧倒的大音量再生となれば違いも大きくなるかもしれないが
そんな非日常的な条件での違いはみたくないのが今の気持ち。
6月12日
待て、話がSP-10MK2寄りになっているぞ。
…いや、なっても一向にかまわないのだが一応ニューフェイスMU-1800の
ためのページの筈だ?
そこで取りあえずスケルトンキャビネットから脱出。
本来の目的であった二本アーム、三本アームへの道を歩んでもらおうじゃないか。
構想は色々あるのだが、最も簡単な物から試す。
写真だけだとピンと来ないかもしれない。
これはMU-1800のキャビネットへの取り付け穴を利用してダイレクトにアームベースをネジ止めしたもの。
物凄く安直。
これでどうなる?と思ったら案の定アームが付いた側が重くてバランスが悪い。
そしてアームベースは薄い(12mm厚合板)ので意地悪をすればしなるという代物。
おまけに、MU-1800をダイレクトに置台に置くとアーム下の高さが不足してアームケーブルが
つっかえるというおまけ付き。
音を出す前に止めようかと思ったがせっかくだからと音出し。
これでどうか?
ところが、これが思ったより悪くない。
軽やかに拡散する感じなどは引き続き引き出されていると言えば引き出せている。
しばらくこのままで聴くが、いかにせん適当過ぎて見ていて耐えられない。
馬鹿な事をやるな、と言われそうだが、何事も机上の空論だけではどうにもならない事があるのだ。
さて、しかしどうする?
ここにも色々な構想があるのだが一切省略。
当初計画に全く無かったのだがSP-10MK2用の積層合板キャビネットがただ今空き家である。
これで民泊をやったら儲かるのではないか?と思ったわけでは無いが、
ここにMU-1800達一式を当てはめるとどうなるか?と急に思い立った。
やってみた感じというのは写真で判定して欲しい。
思ったよりはすんなり収まったというのが個人的感想。
しかし色々やり過ぎて面倒になって来て、いささか投げやりな気持ちで針を降ろす。
…ところが、出て来る音は随分しっかりしている。
少なくとも直前の物とは雲泥の差。当たり前だが。
これは良い音だ。
他の条件を完全に同一にしないと確かな事は言えないがMU-1800の世界というのは
剛直というのではなくしなやか。抑え込むところがなくて開放的。
そんな感じか。
後のSHローター云々は無いし、エクスクルーシブブランドの物には及ばないだろうが
ルックスは後発のどれよりも優れると勝手に信じる。
6月13日
音が出るところまで漕ぎ着けただけで勘弁してやろう。
6月14日
東京サウンド ST-14。
正確な発売日はわからない。
(ちゃんと調べればわかるかも)
1960年代後期の発売という事位まではわかる。
東京サウンドと言ってもピンと来ない人も
グヤトーンというとわかったりする。
ギターアンプなどでお世話になった経験がある筈。
この会社、この当時トーンアームやカートリッジを放送局向けに作って納めていた。
よってST-14を放送局向けみたいに言う場合もあるが
まあ普通に市販品であろう。
と、わかった様な事をいうが、このアームを手に入れた2003年当時は
さっぱりわからないでいた。
SOUNDって何?みたいな感じだった。
当時の日記を読み返してみると、このアームはMU-41と一緒に入手。
その時一緒に手に入れたグレースG-540については使ってみたりしたのに
得体の知れないアームと思ったSOUNDは日の目を見る事が無かったのだ。
以来15年。何とも気の長いおじさんである。
デザイン的にもG-540の端正な感じに対してST-14は
風変わりというかアヴァンギャルドというか
このサポート周りの角ばった感じが好きになれなかったのもある。
しかしアンギュラーコンタクトミニチュアベアリングを採用した意欲作であり
ベースはSME張りのスライドベースとなかなかやるもんだ。
更にアームリフター、インサイドフォースキャンセラー、ラテラルバランス調整機能と
考えられる限りの物を完備。立派だ。
実際引っ張り出して弄ってみると、思いのほかフィーリングは良い。
全体に細身で華奢な感じが頼りなさげだが
それは主観というもので、人によってはこういうアームの方が好きだという
ケースもある。
よっしーも歳を取って、段々良さがわかるようになった。
ただ、このアームと限らないが調整機能が豊富なのは
案外面倒くさいもの。軽く頭痛がして来る。
取りあえず無事音が出ただけでもありがたいと思えとアームが
語りかけて来る。
一応蘊蓄を述べるとアームの設置というのは言う程楽じゃない。
教科書には出てこない、変な課題もある。
例えばアームケーブルだが、規格品だから何でも一応刺さると言えば
刺さるのだが、SAECのだと勘合がしっくりこない。
ちゃんと保管してあった純正ケーブルは、当然だがスムーズに収まる。
結構こういうことがあるから要注意。
6月15日
ところでカウンターウエイトが固定出来ない。
見てもわからないと思うが、固定ネジをいっぱいに締め込んでも
穴からネジの先っぽが出てこない。
ん?パーツを組み間違えたか?と思ったが、そんな事は無い。
どうやら、このネジの先っぽにスプリングみたいなのが入っていたとみるのが正解。
しかし15年前に一回触ったっきりのアームだ。
パーツを飛ばしていたとしても今更どうにもならない。
困った時のホームセンター。
ますます写真ではわかりにくいが押しばねというのを買って来て
穴に落とし込む。
その上からねじ込めば、なんということでしょう?
ちゃんと留まる。
こんな風にしても、もう大丈夫なのでした♪
更に安直に、という場合はこんな風に、ちょっと長目の(15mmくらいで良い)
M4のネジを使えばオーケー。
ただし!ピッチに注意。
ここは旧JISネジでないと駄目!
現行のJISネジを無理やり入れたらネジ穴がお釈迦になる。
旧JISネジはピッチが0.75で現行JISネジはピッチが0.7だ。
ちなみに、この様に旧JISネジが出てきてしまう辺りが
この製品の”時代”を感じさせる。
大雑把に言って'70年代に入ると旧JISネジは鳴りを潜める。
サブウエイトもしっかり存在。
これを使うと割と幅広いカートリッジに対応可能。
6月16日
さて、ちょっと気になるところがあったので色々弄るが解決せず。
まあ焦る事もあるまいとカートリッジ交換。
良い意味で気軽に使えるMC。AT-F3にご登場頂いた。
さすが優等生というか、荒れた所が無くなる。
変な言い方だがMCって無難である。昇圧装置さえあれば、だが。
さて、ところがある時片チャン音が出なくなった。
すわ、断線?と思ったら接触不良。
シェル側ではなくてアームの側だった。
違和感の原因はやっぱりそこの導通の危うさにあったのか。
いや、もちろん綿棒とアルコールでクリーニングはしたし
見た目はピカピカだったのだが、50年近く前のアームに
そんな手抜きではアカンかった。
少量のコンパウンドでクリーニング。
問題解決である。
出力の高いMM、DL-60では何とかなったものの
MCのAT-F3では馬脚を現した?
いずれにせよこちらの責任だ。
再度登場のDL-60。
あるいはこうしたMMカートリッジの方がマッチするのか?とも思うが
結論には程遠い。
ただ、やっぱりST-14は基本的に軽量軽針圧を得意とするのではないか?
F3+KPのシェルの組み合わせでも既にサブウエイトのお世話になる。
このDL-60+PCL-4は軽さが売り物?
一つ意外と言っては失礼だがST-14、華奢な外観に似合わず
音はなかなかパワフル。
結構”押して”来るのである。
海外製と限らず、国産オーディオも1960年代に
あるいは相当な所まで駆け上がっていたのではないか?
今更ながら感動している。
6月17日
自分で読み返していて変だな?と思ったら
DL-60を取り付けてのファーストインプレッションを飛ばしていた(汗)
どこが二回目?と突っ込みたくなる。
という事で一回目のインプレを以下に記しておく次第。
最初に付けたのがDENON DL-60。
深い意味は無い。単に一番近くにあったというだけ?
しかし重量的に、まずは軽いのを…という思いはもちろんあった。
そして、この組み合わせ、初っ端っからなかなか良かったのである。
音が出た瞬間。実になんとも放送局的。
やや乾き気味。余計は艶は乗せない。化粧っ気の少ない素肌美人的サウンド。
なんともDL-60がDL-103的に鳴るのである。
無理に分解し切ろうとする訳でも無く、美しく響かせて糊塗しようというのでもなく、
しかし決定的に破綻させる事は無く突き進む、実に国営放送チックな世界。
これは真面目に気に入ってしまったのである。
振り返ると東京サウンドも放送局にせっせと納品をしていた会社。
DENONももちろん、だ。
シェアという点でDENONが勝って東京サウンドは…
なのだがその製品同志を組み合わせるとこのような結果とは…
因縁めくというかなんというか。一人で感入っている私は、やっぱりお目出度い人間です。
…というのが抜けておりました。
6月18日
ST-14で釈然としなかった(というかこちらが手を抜いていた)
アームアースの件。
わかりにくいかもしれないが、こちら純正ケーブル。
見慣れたケーブルと違いアースラインが短い。
これはつまりアンプ側などのアースに落とすのではなくプレーヤーケース付近で
落とす事を想定していると思う。
今回は簡易的に写真のような形でアームベースに落としてみた。
これをやらないと、モーターを回した時にノイズを拾うのである。
しかし、改めてだがゼロバランス用のウエイトと針圧を加えるためのウエイトが分離しているとは
拘りだ。
手持ちのアームたちで同じ様な事をしているものと言うとYSA-2やPX-2付属のアームくらいしかないかも。
だから良い、とかそんな安直な世界ではないのだが、この思想で作るのかどうかは音にも影響があるだろう。
さて、どれが良いアームか?なんてのはつくづく一概に言えない。
ひとつにはアームだけで音が出る訳じゃないしという問題がある。
ターンテーブルも絡むが、もっとわかり易い所ではカートリッジだ。
素晴らしくシンプルな問題で、軽量軽針圧向けか重量重針圧向けかというところは大きい。
何をもって重いとか軽いとかいうのかは微妙だが、一応シェル込重量20g未満を軽いと。
針圧も2g未満を軽いと。逆にそれ以上は重いと規定するのが無難か。
両極端のカートリッジを愛用となると、だからダブルアームみたいな発想が出て来るのだが
ST-14なんかはやはり基本的に軽量軽針圧向けとみるべきだろう。
そこでこんな事もしてみると、やっぱり良いのだ♪
AT-UL3。自重6.3g。シェルもテクニクスの軽い物。
前回はEPA-100を使ったがその時はシェルに4gのウエイトを付けた状態。
今回はウエイト無し。
そのせいかどうか知らないが、先月よりも今の方が良く鳴る。
更に追及ということでシェルに4gのウエイトをわざと付けてサブウエイト押さえだけを付けてみる。
これだけでも十分サブウエイトの役割を持つので、ある意味二段階のサブウエイトを持っていることになる。
この状態の音は4gのウエイト無し、サブウエイト押さえ無しの物との比較で一長一短。
お好みでどうぞ。
個人的にはシェルのウエイトも無しの状態の方が好きかも。
調子に乗ってシェルに4gのウエイト。アームにはサブウエイトというのもやってみた。
カウンターウエイトは思いっきり前よりになるが一応使える。
なんと一口で三度美味しい?
この、ちょっと馬鹿げた使い方の時の音だが、その前の二つの組み合わせと比較すると
やはりかなり抑圧された物になる。
もちろん聴けない音では無いし、人によってはこれが落ち着いて良いというかもしれない。
だが、まあ調整もすごくシビアになるし、あまり褒められた使い方でない。
で、原点に戻ってサブウエイト類は一切無しに戻るが、考えてみるとそれだって
ゼロバランス用のウエイトと針圧加印用のウエイトの位置の組み合わせは無限にあるわけで
考え出すとキリが無い。一生やっていろ、の世界になってしまう。
ここで三度カートリッジをDL-60にしてみると、やはりこれは良い。
放送局納入競合ペア?は大変相性が良い?
皮肉だが本当だ。
6月19日
アームの性能競争の中には多機能比べ、みたいなのもあった。
いかに緻密に。正確に。多岐にわたって調整出来るかを競うということだ。
この流れの始祖はSMEなのかもしれないが良く分からない。
ST-14なんかも多機能。
スライド式アームべースで正確にオーバーハングを合わせられる。
アンチスケーティングもあればラテラルもある。
油圧式のリフターを備えていたのもこの時代としては売りになる。
さてしかし、申し訳無いが僕の様にずぼらな人間には有難迷惑な部分もある。
特にこのアンチスケートはアームのゼロバランスを取る時邪魔っ気な事この上ない。
そして常にアームに接触している。
どうにも気になって外してみた。
ついでにラテラルバランスの重りも抜いてしまうかと試したら、これが無いとアームが流れる?
どうもカートリッジに合わせてラテラルを細かく、というよりも、これはアームの構造体の一部と見た。
故にそのまま。
過度な期待は無しにDL-60の針を降ろしてみると随分違うのでびっくり。
ちょっとだけ気になっていた部分が消えて、よりナチュラルに。
まあ考えてみれば振動するアームに絶えず点接触みたいな感じで付いて回っている物だから
良かれあしかれ影響はある。
これを避けるべく錘を糸で吊るとか、ギア式にするとかマグネット式にするとか
色々開発されたわけだ。
アンチスケートを無くす弊害もあるのだろうが、これだと元に戻すのは憚られる次第。
6月20日
ヤマハYSA-2。
ピュアストレートアーム。
よっしーの部屋としては度々の登場だが世間的に見ると希少。
これをGTプレーヤー以外でも使ってみたいという思いはかなり前からあった。
何故やってみなかったか?というと無精だからというのが一番だが
SP-10MK2やMU-41の自作プレーヤーではアームの方が高くなってしまいカートリッジが前下がりに
なってしまうだろうというのがあった。
今回のプレーヤー(プロト)なら行けるんじゃないか?と思いつき、実行した。
予想通り設置はスムーズに行った。
が…、出て来た音は気を失いそうな酷いもの…
これはどうした事かと思ったが、普通のアーム以上にデリケートなのも確か。
まあ色々やった。全部書くのも面倒なほど。
軸受もばらしてグリス塗り直し。
もろもろでやっと納得できる状態に到達。
出て来る音だが、これはやはり鮮烈というか非常にダイレクトな物。
遠慮のない世界だ。
だからこそごまかしが効かないのだが、それは仕方ない。
絶対に色々調整することになるだろう、と踏んでカートリッジは針を抜く事の出来るMMの中からチョイス。
と言ってもたまたま手に当たったというだけでEPC-270Cだ。
ピュアストレートアームというのは今も時々生まれている様だがYSA-2は東証一部上場の
大メーカーがリリースしたという所に妙味がある。
あいまいさの無い世界。強靭なアーム。それを活かしうる1ピボット2ボールの軸受けは希少である。
ただ、大変惜しい事に台座がイマイチ。
特にこのYSA-2の物は経年劣化が激しい個体が多い。僕のもそうだ。
これを何とかするという永年の懸案に、そろそろ着手する頃とは思う。
そんなに難しい問題ではない。
要の軸受を何らかの金属の支柱に取り付ける事が出来ればほぼオーケー。
アームリフターやら高さ調整などの機能は捨ててしまえば良い。
多分、そんなもんは無い方が音にも良い。
後は好みだがアームケーブルもカートリッジダイレクトにしてしまう。
アームパイプ内を通すとか言うと面倒なので外を這わせればよいのだ。
さて、今回のYSA-2の音。
EPC-270でやっと調整が終わり暫く聴くが可もなく不可もなしという感じ。
さすが日本の標準カートリッジという感じで破綻はもちろん無いが、今一つ面白みに欠ける。
しばらく我慢するが辛抱堪らなくなってカートリッジを交換。
正直言ってあんまりやりたくない作業だ。
シェル交換式まで排除した潔さは認めるがそれだけに作業は大変。
MCを…と思い、ちょっと悩んだが最近調子が良い33にしようという事でAT-33Eをチョイス。
けたたましい音が出たら嫌だな、と思ったが杞憂に終わる。
ダイナミックだが歪感がない。歪感の無さはEPC-270も同様だが生気が違う。
ただ、ちょっと引っ掛かるところがあるのだが、今回はアームベースの下がいい加減過ぎるという
反省がある。
アームの足元の強度は大切。
今回一連の作業はその辺に目をつぶってやっているのだがピュアストレートアームだと
ごまかしも効かない?
その辺を相殺すれば、十分な音だ。というか脳内麻薬が発生する快楽的音が聴けた。
6月21日
実はある人から怒られている。
オマエハイツマデモ、詰まらないアナログネタばかり書きおって、
バイクはどうなったんじゃ?FXが泣いているゾ、と仰るのである。
申し訳ない、と平謝りするばかりである。
オーディオは歳を取っても出来るがバイクは今じゃなきゃ乗れなくなるぞ、というのだが
本当にその通り。
大いに反省しつつ、次のアームの話しに入る。(あれ?)
おなじみDSアームである。
幾らなんでも説明の必要はあるまい。
KP-1100、同9010に搭載されたアームである。
どんなアームかは僕自身過去になんども書いているし、20年前と違って
ネットに情報も溢れているから一切省略。
僕がこのアームを知ったのはAV FRONT 1989年7月号の長岡先生のクリニックを読んでのことだった。
登場されている読者はアマチュア時代の市川二郎氏。
僕がAV FRONT一式を手に入れたのは確か1996年の事だったと思う。
飽きもせず48冊を繰り返し読んだが、その中でもこの時のクリニックは印象に強く残るものだった。
この時の市川氏のプレーヤーがビクターTT-101にKPのアームを組み合わせた積層合板形式の自作。
出力ケーブルはFケーブルと(!)凄い事をされていた。
市川市はHX-10000を使用。実はこの影響も受けている。
更に言うとA-10初代をメインアンプ替わりに使用。これも影響を受けてHMAが来る前は
A-10Type3をメインアンプ替わりにしていた。
単純な僕はKPのアームもケンウッドに補修部品として注文して入手してしまった。
17.000円は破格に安かった。
だがしかし、そのままお蔵入り。
単売アームを自作プレーヤーに組み込むのも案外手間だが、補修部品というのは
そもそも単体で使う事など想定していない訳で、当時の僕などの手に負えるものじゃなかったのだ。
哀れDSアームは元箱の中で眠り続けた。
数年前にやっと着手したがやっぱり事は簡単じゃない。
頓挫とは言わないが中座である。
しかしそろそろ、と思って引っ張り出した。
前回どこまでやったんだっけ?と思ったら一応出力ケーブルにRCA端子を付けるところまでは
やってあった。立派な事だ。
繋いでみたら一応音は出た。
それは良いがハムが凄い。
当たり前だ。出力だけは繋いだがアースが放置されている。
ある方もDSアームをSP-10MK3の自作プレーヤーに載せていて、このアームのアースについて
詳しく書かれているが、このアームはアースが肝の一つ。
アームパイプから六本の細い線が出ていて、内四本はもちろん信号。
残る二本ともがアースである。
とにかくアースを取らないといけない。
アームやフォノモーターやプレーヤーによっては、極端な場合アースを省略しても
そんなに問題が無かったりする。
しかし、このアームはダメだ。
仕方なく?アースをプリに繋ぐと、ピタッとノイズが止まる。電気は不思議である。
6月22日
…書くと簡単だがアームから出ている線というのはか細い上に半田が乗りにくいので
処置は本当に大変。
しかも間違って切ってしまったら、リカバリーはとてつもなく難しいと来ている。
何でもそうだが、観るとやるでは大違い。ことほど左様に工作というのは面倒なのである。
そう、ここはこの際強調しておいた方が良いと思うが言うは易く行うは難しなのだ
なにごとも。
ボルト一本緩めるのに週単位で掛かる世界。
半田一つするのに何十分もかかる世界。
軽く見てはいけない。
RCA端子の処理を含めて、これからいよいよ完成させなければならないが、本当に頭を悩ますところだ。
次に、どのアームでもそうだが設置位置の問題がある。
オーバーハングに関してそんなに神経質にならなくても良いが、間違うとオーバーハングどころか
アンダーハングになり兼ねない事だってある。
とにかくこの種の事で悩みたくなかったら大人しく市販プレーヤーを使う方が良い。
よっぽど楽である。
もう一つが高さ方向の問題。
DSアームなど特にそうなのだが台座が高い。
そもそもKPのユニファイドフレームの、やや低くなったところに取り付ける物なのだから
当たり前だ。
解決策は二つ。アーム側の土台を低くするか、フォノモーターを持ち上げるかだが
前者はプレーヤーが出来上がっている場合難しいことこの上ない。
後者はまだやりようがある。これについても後日何かやるかもしれない。
取りあえず半完成というか、凄い状態で乗っけて音を出してしまう辺りが我ながら凄い。
ほとんど気水密試験迄省略されて大海に放り出された空母信濃である?
果せるかな第一音は凄いもので、使わない内にアームが壊れたかと思ったほどだった。
その後あれやこれやの大苦戦。
その間カートリッジも色々登場したが、何本目かのEPC-271CS辺りでやっと調子が出て来た。
ウルトラスーパーいい加減な使い方の現状で褒めても怪しいもんだが、
逆に言うとこの状態でこれだけの音が出ますか?というのが正直な気持ち。
6月23日
ちょっと何かを聴いたくらいで本当のところはわからない。
しかし、パッと聴いて可能性を感じるというのは、やっぱり良い物である事が多い。
切れもあるのに押しもあるというか、これは優秀だ。
世の中にはディープに物事を見る人というのも居て、これでもそんなに大した事は無いというのかもしれない。
なるほど,
SAECだEPAだと単売アームを持ち出せば作りこみの違いなどは当然ある。
しかし、それらが仮に消滅しても、このケンウッドのアームがあれば何とかなるんじゃないか?
と思わせるほどの物があるのだ。
使い勝手も良い。
付属機能としてはアンチスケーティングくらいだが実にそれも扱いやすい。
適応するシェル込み重量も幅広い。かなり軽めから重目まで一本でこなせるのはありがたい。
後はプレーヤートータルとしてKP9010又は1100を越せるかどうか?だが、これはかなり怪しい?
素直にKPそのままを使えば良いと思うし人にはこんなバカげたことは勧めない。
しかし超絶に楽しいという事も書いておこう。
6月25日
ホーロー抵抗の断線を直している。
6月26日
このホーロー抵抗はちょっと変わっていて、右側に150Ω。左に250Ωと二つのホーロー抵抗が連結したような
形になっている。
その内の一端のところで断線。
仕方なく抵抗線をそーっと引っ張り出して断線箇所の前で端子に半田付け。
その為250Ωが245Ωくらいになってしまったが大勢に影響あるまい。
それより、このパーツは何の…?
そう、パイオニアMU41の物である。
とっくの昔に不具合が起きていて、200Ωと100Ωのホーロー抵抗を買って来て組み合わせて
代用としていたがどうも具合が悪い。
やっぱり元の形に越した事は無いと思い挑戦してみたら直せた。
それにしても凄いものだと思うが、このMU41なんか僕が小学校に入ったかどうか位の頃から
生存していることになる。
真に長寿命。
これも原始的な仕組み故である。
もっとも、DDが続々壊れているという話も聞かない訳で、さすがメイドインジャパンは
優秀なのだ。
しかし、壊れていない、と製造直後の性能が発揮されているのは話が違うわけで
そう考えると制御いっぱいのDDは怪しさの固まりとなる。
それを追求するのも楽しみに一つだが、MU41なんかだと軸受さえしっかりしていれば
交換すると言っても進相コンデンサーくらいか。
とにかく男らしい。
男らしさの証に、AC100Vからダイレクトに電流が各部に流れている。
辛うじてそれをドロップさせている物と言えば前述のホーロー抵抗くらいで
故にこの抵抗、あっちっちとなる。
これはちょっと怖いと言えば怖いがこの時代はこんな物なのだ。
6月27日
いや、暑くなってきた。
参ります。
それはさておきMU-41。
軸の部分だがこんな感じなのは皆さんご存知のとおり。
このキャップの中には本来薄い金属板+デルリン?の円板二枚が
収まっているらしい。
ただ、ほぼ例外なくそのデルリンが割れて木っ端みじんになる。
何か対策をしないと軸が規定値以上に沈んでしまう。
お金のある人はテフロンみたいな物を使うのだが
ケチのよっしーは前回家具スベールを仕込んだ。
今回開けてみると軸の接する所だけが見事に凹んでいたが
当然割れたり、底が突き抜けたりはしていなかったので
完全な間違いでは無かったかもしれない。
ただ、それもなんだかな、という気がしたので今回は別のアイディアで行く。
わかりにくいと思うが軸受キャップの中に納まる唯一の生き残りパーツの
薄い金属円板。
これのセンターに僅かなくぼみがある。
そこを狙って直径2ミリの真鍮の球を入れてみた。
軸の最下部は写真のような形状。
この先端と真鍮のボールが点接触みたいになると
かなり抵抗が減るのではないかと思った次第。
さてさて、上手くいくのやら?
6月28日
軸受はどうあるべきかとシンプルに考えると抵抗は出来るだけ小さく
スルスル回る方が良いに決まっている。
今回みたいにボールを仕込むのも一つだし、円板みたいなので受けるのも一つ。
もっとも、それは最下部の話しで、側面をどう考えるか?とか色々考えだすと
楽し過ぎて夜も眠れなくなる?
いや、疲れているから常に爆睡だが、世の中にはそれらの事を真面目に考えて
着実に改良をしている人もいる。
その素晴らしさには本当に脱帽してしまう。
僕の場合はそこまでは出来ないが、ま、出来るだけの遊びはしてみたいと思う。
取りあえず2mmの真鍮玉を仕込んだ軸受はスルスル回っているので一安心。
ただし、この種の物はしばらく経つと変化するので要注意。
これから暫くは軸受のキャップを開けて状況確認を怠らない様にしたい。
それで音はどうか?と言うと、だいたいこういう風に自分で弄った後は良くなったと
思いたくなるものだ。
…なのだけど、良いな、これは(笑)
実に切れ味が良くて開放的に鳴る。
屈託が無いのである。
6月30日
とかなんとか書いているが話は半分で読んだ方が良い。
何しろこの男、ベルトとダイレクトの区別だってつきにくい男なのだ。
よく、ベルトドライブの音、ダイレクトドライブの音なんて言われることがあるのだが
僕にはよーわからん。
そもそも昔はダイレクトドライブの方が偉かった。クオーツロックなんて憧れの的。高嶺の花だった。
ベルトは原始人の使う物…は言い過ぎだが、ダイレクトドライブを買えない人が使う物だった。
実際僕の最初のプレーヤーはベルトドライブであり、中学の頃はそれだけで絶望的な気分になるというか
音が揺れているような気がし続けていた。これは実話だ。
それなのに、何が悲しくてこの期に及んでベルトドライブなのか?
人間というのは誠に勝手なものである。
ただ、弄り易いというのはある。
軸もダイレクトドライブと違って、正に軸としてど真ん中に存在してくれている。
研究対象としてはうってつけだ。
MU41の場合はシンクロナスモーターで制御も何も無いが、進相コンデンサーだけは存在する。
これも弄りの対象だ。
なにしろ50年物のコンデンサーを背負っているのだから、これは換えれば何らかの変化があるだろう。
このコンデンサーの、pfレベルの数値の違いで音が変わるらしいし、それこそ銘柄でも音が変わるようだが
あり得る話である。
ついでに言うとACモーターだから電源で音が変わる。
その辺に踏み込むと大変な事になる。