9月21日

時々やりたくなる雑誌閲覧記事。今回は
「’85カートリッジとレコードとプレイヤーの本4」
発刊は1984年の11月。
本格的CD時代を迎えて CD3年ということで
CDの普及は進むもののアナログも完全には消えずの面白い頃だ。

CD時代がやってきた!ということで6人の読者訪問。
右には伊代ちゃん登場でDX-100の広告。

こちらの方は初代のCDを聴いてイマイチと判断したが二世代目で
見直したいうパターン。
根っからのヤマハ党なのか、GT-2000なんかアンカーブロックまで含めて
オプションフル装備。
しかしCDはSONYでCDP-501ES。
樹脂の脚を外して自作インシュレーターに載せて上には鉛。
興味深いのはNS-2000の間にテレビが置かれていること
そう、さりげなくAV時代の到来なのである。

写真が荒くて申し訳ないがこちらもNS-1000Mの間にテレビが入っている。
CDプレーヤーはL-03DPとケンウッドをチョイス。

こちらは女流。なのだが本格派。
アンプにもCDにもスピーカーにも鉛を載せている。
NS-1000Mは友人の手が入り、
ネットワークを一旦外してその部分にエア抜きダクトを付けた板を取り付け…
と、俗世より20年くらい早く、脱密閉を果たしていた?
ネットワークもフィルムコンデンサー投入と凝っているし
ケーブルはキャプタイヤ。ピンケーブルは
SSX-102Pに銅テープを巻いて片側アースでブチル三重巻とか。
こんな方をお嫁さんに貰ったら、亭主もハードでシャープでダイナミックな
人生を送らないといけなくなる?

CD購入のためにレコードを300枚処分して資金にされたようだが
一体いくらで売れたのかな?
整然と並ぶシステムだが真ん中にはやっぱりテレビ。
そんな時代だったのだ。

一転してシンプルかつ弩級の佇まい。
CDは501ESなのだが、その出力をPOA-8000に直結。
リモコンでボリュームコントロールも可能と言うことで単純明快。
来るべきプリアンプ不要時代(パッシブボリュームで充分という説)を
先取していたわけだ。
…そんな訳で駆け足で覗いてみた40年前のオーディオの世界だが
CDは当然としてAV時代も始まっていて、まさに'80年代中盤なのである。
一方でコンクリブロック、鉛、ブチルと物量投入こそ大事とする流れは
変わらずある所も嬉しい。

10万切って7万切って、やがて5万も切ってくる。
一家に一台CDプレーヤー。
今ではディスクが掛かる機械が無いからと物理メディアは
避けられる時代。
予想を上回る変化。時は流れたのである。
9月22日

'85年の翌年は'86年と、当然なるのだが
発刊はこちらも'85年なのにはご注意。
CDプレーヤーはなんと48機種ととんでもない数が揃っている。

画像は圧縮してしまうから分かりづらいと思うがメインスピーカーはG9。
やはりスピーカーの間に(右にオフセットしているが)テレビが置かれている。
三本アームのアナログプレーヤーが威容を放つ一方で
やはりビデオがソースとしての位置を確立させているのだ。

誌面というのは撮るのが面倒な物の一つで、こちらしっかり
光ってしまっている。
この方は別冊fanにも登場されていたと思うが違うかな?
GT-2000XとGT-2000の二台使いと、何処かの誰かみたいな事をしているが
断然若い。お金持ちである。

この方なんか部屋をオーディオに捧げている感じだ。
オラクルのプレーヤーにマグネパンのアーム。
(他にガラード301も在り)
アンプはコンラッドジョンソンのセパレート。
スピーカーがマクソニックの励磁型。
…なのだがこのマクソニックは社長さんがこの年
日航ジャンボの墜落事故で亡くなられているのだ…

こちらもテレビが目を惹く。
オーディオをやってきたけど…という感じでどっちつかずの(失礼!)
AVマニア初段と言う感じ。
アナログプレーヤーは部屋の隅に追いやられと、この頃の典型的パターン。
それにしても独身貴族と言う感じ。
その後の40年で、さてこの方のオーディオライフはどうなったのか??

そして本物のお金持ち登場。
もちろんオーディオマニアには富裕層が多いが
はっきりわかるオカネモチというのはこの頃から頭角を現し始める。
要するにバブルの始まりの頃である。
ビリヤード台があるのも凄いがCDはLo-Dのセパレート。
でも一番驚くのはL-02Tが二台あって、FM東京用とNHKFM用に一台づつとなっているところ。
こりゃ本物のリッチマンだ。

そしてCDプレーヤーが48台。
赤穂浪士より多いとはこれいかに。
それも高額機というより普及価格帯でほとんどを占めるのだ。
いかにもこれから一気、の熱を感じる。
実際この翌年辺りでCDはアナログと逆転する。
ちなみに最安値は44,800円。
頑張ったものだ。


来たな、という感じのパッシブ。あるいはそれに順ずる物達のブーム。
CDの出力は高い。
だからプリは不要。ボリュームだけあれば充分。
いや、その方が良いという理屈はわかる。

本格的?AV時代到来。
この頃だと送り出し側はビデオでなければLD。
画面はブラウン管で29インチで大画面扱い。

お洒落な空間。おいしい生活?
ここから更にということでサラウンドも取りざたされる。
後年長岡先生は”いい加減なAVだった”と言ってVAを提唱。
まず完璧なV(画)を作る。そしてそれに見合うA(音)を用意する
という思想だ。
…と書くとスクリーンを下ろしてプロジェクター必須と思われがちだが
(その解釈でも間違いないが)
大切なのは従来から持っているオーディオシステムに
後付けでVを割り込ませていい加減なAVを構築するな、
ということだ。
これはどっちつかずに成る。
念のためだがよっしー的にはスクリーンは面倒。
部屋を真っ暗にするのも困難。
今では60インチ超えのテレビも安く買える。
ということでほどほどのサイズの画面(テレビ)の両脇にトールボーイ型スピーカー。
リアは壁付けのスピーカーでサラウンドはマトリックスで良いんじゃないかと
思っている。
アンプはHDMI接続で電源がテレビと連動。
お気楽お茶の間AVの為にはこれは必須となる。
9月23日

1985→1986と来たら1987なのだが真っすぐには進まないのが
よっしーの部屋の良いところ?である。
逆進化して1983。
ただし発刊は1982年の末。
今回はいわゆる評論家ごとのベストバイが特集だ。

CDは出たけれど…、の段階だから冒頭からアナログカートリッジだ。
マニアの方ならおわかりの通りのあの時代、あの製品群である。
得票数が一番多いのはDL-1000A。圧倒的。
石田先生がMC-2000に一票を投じている他
長岡先生はやっぱり、のMC-L10。
菅野先生、山中先生がSPUと、ある意味順当。
ここで目を惹くのは福田先生のAT-33E。
35,000円と、低価格とは言わないが中級機のローエンドみたいな感じ。
だが、当時から福田先生はAT-33E贔屓というか推し。
高忠実度一辺倒ではなく、いかに音楽を見せるかという
演奏装置的観点で高く評価をされている。
低域レンジの力強さ。解像力。コントラスト。
鮮度が高く若い音。
僕はこうした選出の仕方は好きである。

だから…という訳ではなく偶然なのだが少し前からよっしーの部屋でも
AT-33E初代が登板している。
なんら不満もなく快適である。
それで良いのか?という疑問を感じるところが
マニアの救いのないところか。
良いのだから良いのである。
(続く)
9月24日
ちょっとゆっくり進めたい。

カートリッジの次にはアナログプレーヤー。
CDプレーヤーは世に出て二か月くらいだったから対象外。
しかしやがてデジタルにシフトするのは目に見えている。
そんな中最後の打ち上げ花火へとアナログは向かっていく。
PX-100MがあればSP-10MK3がある。
TU-1000もあればL-07Dもある。
菅野先生、山中先生のトーレンスリファレンス推しも当然。
そんな中民主的な価格帯のGT-2000の活躍は目を惹く。
KP‐880や1100が台頭する前だから、この価格帯だとGTの圧勝ということだろう。
凄いのが出たんだな、と指を咥えて眺めていたよっしーだった。
後年入手できるなんて思っても居なかったのでした。
9月25日
そしてプリメインアンプだ。

プリメインアンプというのもベストバイを決めるのが
難しい物のひとつと思う。
というのも評論家諸氏がプリメインをリファレンスとして使用することは
まず無いと思うからだ。
まあ別にその観点で選べとは誰も言って居ないのだが…
さておいてこの年はL-02Aが主役になった感がある。
なにせ55万円のプリメイン。
それは凄いだろうが問題はセパレートも買える価格だという事。
プリとメインを繋ぐケーブルが不要だとか、ただそれだけで
プリメイン推しとするユーザーがいるのか?
多少は居たのだろうが…

そしてさすがに全員がL-02Aとはならなくて他のも出てくる。
オンキヨーA-820GTR。
サンスイAU-D907FEX.
共に175,000円のライバル機。
プリメインの実質的頂点の価格帯でもあり、
実際買いたい人にはリアリティのあるゾーンである。
そこでしかし、別の意味で非現実的かもしれない
アイワS-A60。
やったぜの34,000円。
推しているのは長岡先生だが、これはこのアンプを
書斎のサブシステムで使っていたという実績があってのこと。
S-A60贔屓のよっしーとしてはいつか長岡先生が書斎で使っていた
自作スピーカーを作って、組み合わせて使ってみたいと思うのだ。
9月26日

プリアンプだ。
CDが開花する直前。
あるいはプリアンプにとっては一番幸せな時代だったのかもしれない。
例によってオーレックスのSY-Λ88Uが一番人気。
皮肉を言うのではなく完成度がそれだけ高かったということだろう。
記念すべきプリアンプである。
そんな中長岡先生と石田先生が選んだのはC-280。
石田先生の場合自宅でも既に使われていた筈だが
長岡先生の方はPRA-2000を使いながら、
初めてその上級機という感じの音がしたプリということで
280を取り上げている。
しかしながら680,000円という価格が障害となって
先生がアキュをリファレンスとして導入したのはずっと後の事になる。
なお、菅野先生はマッキンのC-33を。
山中先生はレビンソンのML-6ALをベストバイとされている。

メインは票がばらけている。
L-08M+08PSは福田先生と神崎先生。そして斎藤先生が。
M5には石田先生。貝山先生。藤岡先生が、それぞれ一票を投じている。
後はマチマチとなる。
金子先生はSC-Λ99に。
長岡先生はHMA-9500Uに。
山中先生はKSA-100に。
菅野先生はMC-2500にとバラバラだ。
ある意味別れる方が自然であるし、読んでいて面白いとも言える。
この辺はお使いのスピーカーとの相性が絡むからなのかもしれないが。
9月27日

チューナーが出てくるだけで時代を感じて嬉しくなる。
やはりL-02Tが席巻する感じだがKT-1100にも二票入っている。
やはり現実的な路線というのも大切だ。
そしてF-120にも二票。
デジタルシンセサイザー時代の到来なのである。
ぐっと軽く小さいのも特長のひとつ。
やがてチューナーはおまけ的存在になって行く。
振り返ればこの頃FMは全盛を極めていたのだろう。
9月28日
で、チューナーの後にこれが出てくるところが昭和感満載なのだが…

いや、カセットこそ主役。それがこの頃のオーディオだ。
そしてTC-K777ESの天下であることもわかる。
777から777ESになり、そののちMK2化されるSONYのフラッグシップ。
今日に至っても人気がある。
対抗しえた機種としてGX-F91に二票。
Lo-D D-9に一票が入っている。
何しろ充実しまくっている時期の各社の製品なだけに
どれがベストバイなんて決められるもんじゃない。
なお山中先生だけはルボックスB-710とされている。
9月30日

そしていよいよスピーカーである。
オーディオとはスピーカーを鳴らす事とみたり。
…とするとスピーカーこそがオーディオの主役であり、
他の物一切はそれに奉仕するために存在する。
まああながち嘘ではないのだが。

そしてこここそ票が分かれまくる。
NS-2000が三票を集めているが
それ以外だとDS-5000が二票、ESL-63が二票。
SB-M1、XRT-20、インフィニティ4,5が各一票。

自分が使っている物を選ぶというのもあれば
読者が実際に買う事を考えてその時点の市販品から
相応しい物を選ぶというのもある。
もちろんそれはスピーカーに限った話しじゃないが。
…にしてもスピーカーというのは目立つ存在だから
各社評論家のリファレンス攻略には気を使ったようで、
置いてしばらく経つと”もう良いでしょう”と言って入れ替えさせようとする。
対抗手段としては海外製スピーカーにするか
自作スピーカーにするか、ということだったようだ。
(長岡先生談)
もうそんな勢いはどこにもない。
つくづく良い時代があったのだな、と思わざるを得ない。
そんな事を思っても何にもならないという生産性の無さが好きだ。
…そして9月も終わる。