5月28日
フナに始まりフナに終わる。
魚釣りとはそういうものなのか?
よっしーにはわからない。
そもそも釣りがわからない。
いや、やったら楽しそうだな、とは思うのだが釣り場まで出かけていくのが面倒で仕方ない。
庭に釣り堀でもあればやるかもしれないがそれ以外はダメだろう。
子供の頃身近なフナ釣りから始めた釣り人が大人になり、それまでの過程で色々なことをやりつくし
最後にはまた身近な釣りであるフナ釣りに回顧する、みたいな解釈か。
これをもじって、オーディオではロクハンに始まりロクハンに終わる、などという。
この場合のロクハンはスピーカーの16センチユニットの事を指す。
マルチだコンクリートホーンだ、と遍歴を重ねて最後は16センチフルレンジ一発に戻る…
実に格好良いではないか。
なぜ16センチなのか。10センチではないのか?20センチでは駄目なのか?とマニアなら言わない。
スピーカー工作など多少やってみるとわかるのだが10センチでは小さすぎるし20センチはどうしても
低音不足になりやすいサイズだ。
だから16センチ。
16センチの名器と言って真っ先に思い浮かぶのはダイヤトーンのP-610だ。これは間違いない。
しかしもちろん他社からも16センチは出ている。フォステクスもたくさん出して来た。
だがしかし、いかにも610の対抗馬というとこれしかない。
5月29日
これしかない。
パイオニアのPE-16である。
1966年、BTS規格をクリアしての登場。当時1,750円。
コルゲーション入りシングルコーン。アルニコマグネット。
インピーダンス8Ω。f0=80Hz。能率92dB。重量1100g。
突然どうした?
いや、出会いと言うのは突然なのである。
GWにほぼ毎回寄る京都のBBGオーディオ。
名門である。中に入ると往年のアナログ名器がずらり。
憎らしいくらいに値付けも適切。
何がいけないって、この店主の松島さんなる人のお人柄に触れると
どうしても手ぶらで帰ってはいけない気になるところだ。
この人に少しでも喜んで欲しい。その一心で何か買えるものを、と探してしまう。
そうしたら見つけてしまった。奥の方のショーケースに収まって静かにしている子を。
そう、それがPE-16だったのである。
写真では散々見たけど、実に見ごたえのあるマグネット…
周囲を取り囲むP-610系に対して控え目なお値段…
もちろん1970年代のオリジナル版であり'90年代の再発版ではない。
思わず手に取ってレジに向かっていた。
5月30日
さて、改めてPE-16だが見ているだけでも楽しい。この点でP-610を引き離す。
ただ、人気は610の方が断然高い。これは発売時期の長さであるとか先行した機種であるとか
世評の高さとかによるところだからどうにもならない。
持ち帰って、夢のロクハン対決を、とか思ったが実際には難しい。
平面バッフルだって手間はかかるのだ。
いっそ裸で鳴らしてサブウーファーを併用しようか、そうしよう、と思っていたのだがある時ふと閃いた。
それは…
5月31日
一回休み。
*写真はアナログオーディオフェアの会場風景