2月10日
2月11日
出かけて来ました。
と言うのは簡単だが、この男(よっしー)は滅多にお出かけと言うのをしない。
いや、出歩いているだろう、と言われるかもしれないが最近続けている
夏の北海道ツーリング以外は誰かの導きとかお誘いがあってのものなのだ。
それくらい奥手なのがよっしーと思われたい。
今回もpippinさんに手を取られての出撃。
ある意味情けないのだ、よっしーは。
さて、この日は上記お品書きの通り、都立大駅にある
ホーム商会なる名門でSAECの各製品のお披露目&即売会という訳だ。
物凄い場違いと感じながらも門をくぐると席はほぼ満席である。
これはスゴイ。
チラシにお名前が載っているから書いて良いと思うが
この方がSAECの橋爪健一さん。
僕よりちょっとだけ目上のおじさん。
もちろん営業職なのだが豊富な知識と的確な表現で
場を仕切り進行させて行く様はプロを感じさせてくれる。
で、まあSAEだからアーム…と言いたいがそんなことは無い訳で
各種パーツ、アクセサリーてんこ盛り。
まずはそちらのお話しから…
2月12日
SAEC、サエクと一般には呼ぶが正式にはサエクコマース株式会社という。
創業が1974年(昭和49年)。昨年50周年を迎えている。
その時点で発売されたのがトーンアームWE308Nであったり
1985年にはWE-407/23が生まれたりとサエクと言えばトーンアームやアナログカートリッジの会社と
見られがちだが実際にはその後40年はケーブル等の周辺機器をリリースし続けている会社である。
当日も電源ケーブル。電源タップ。仮想アースと定番周辺機器のオンパレードで各々が凄いパフォーマンスを示してくれた。
効果としてはレンジの拡大であったり音場の明確さであったりと居合わせた人々が一聴瞭然のもの。
ただしいずれもお安いとは言い難い。電源ケーブル17万円弱。仮想アース40万円と聴けばしり込みをしてしまうが
買う人はそれを4っつも8っつもと買ってしまうらしい。お金というのはあるところにはあるものなのだな。
手元に来た総合カタログを見ると己のみすぼらしさが際立つ気がしたが気のせいか?
そうは言うもののいずれも使う価値はありありなので買える人はかたっぱしから求められるのが良い。
幾ら買っても害は無いのだからその点安心だ。
しかしアナログプレーヤー大好き。とりわけアームフェチのよっしーにとってはトーンアーム、
WE-709こそが興味の対象でして…
2月13日
数年前にWE-4700が出ていて、当時100万円のアーム登場と言うことで皆を驚かせた。
開発に当たってはWE-407/23を三本購入して徹底分析したというが
逆に言えば手元にもう詳しい資料は残っていなかったということか。
アナログ全盛期に67,000円でリリースされていた407/23も令和の今だと100万円。
実は現在は更にアップして税込み1,595,000円と
ほぼ160万円になっている。
今回登場のWE-709は予価85万円税込み。およそ半値。
と書くと随分コストダウンされたように思われそうだがそんなことは無い。それは音を聴けばわかる。
まず4700が407/23の復刻であるのに対して709は新設計。
SAEC伝統のWナイフエッジ採用で、全体のシェイプは一見してSAECとわかるもの。
違いはというと主に軸受け周辺に見つかる。
それはラテラルバランスの機構だったりインサイドフォースキャンセラー機能のあり方だったりだ。
単にコストダウンのためにそうした、というのではなく、
過去の同社製品を振り返って現代の目線で改善を加えたと思ってよい。
ま、よっしーみたいにトーンアームと見れば涎が自動的に流れ出す人間の目で見ると、
なんだか'70年代のアームに散見したパーツが
一同に会したみたいな趣が感じられて微笑ましくさえあったが308や407、あるいは506の呪縛から逃れられるのなら、
709は”買い”である。長さも9インチで万能感に溢れている。
そして…
2月14日
そしてカートリッジXC-11。
一瞬C-11の現代版と思ったがXC-10の後継と思った方が良さそうだ。
XC-10は1985年発売で当時30,000円。
空芯タイプではない。コイル巻枠はスーパーセンダスト。
無垢のボロンカンチレバー採用。スーパーラインコンタクト針。
特殊軽合金削り出しボディに高剛性合金複合材によるボディベースと、これが3万円とは奇跡のようなお話しだ。
40年経つとどうなるか?
価格は税込み528,000円となった。これはやむを得ない。
そして11は10の単なるリバイバル版などではない。新機軸の斬新なカートリッジだ。
線材にSAECの誇るPC-Triple採用。
リングマグネット方式の発電によって超低インピーダンスながら0,23mVの出力を確保している。
安くは無いのだが現在のカートリッジの価格水準からするとこれでも中級という存在だから怖い。
念のためだがここでいう中級とは標準。スタンダードという意味であり、高級ではない、という意味とは違う。
音はアームだけとかカートリッジだけ、で決まるものではないので言い表すのが難しいが
予算150万円以内でアームとカートリッジを揃えたいという人には無条件でお勧めできるものだ。
2月15日
ということでいささか駆け足でお届けしたSAEC体験記。
繰り返しになるがオーディオはどれか一つのパーツだけで
音が決まるわけではないし、そもそも出るものではない。
ラックスマンのプレーヤーもアキュフェーズのアンプも素晴らしかったのだろうが個人的にはハーベスHL-5に着目。
このスピーカーの良さは知られるところだが、よっしーの部屋にはちゃんと対抗できるスピーカー、
ロジャースLS5/9があるではないか。
いや、本当に対抗できるのかどうか知らんが、この種のスピーカーの優秀さはやはり間違いないと改めて思った。
もっともそのHL-5も現時点で121万円税込み。
今だとそれもリーズナブルな方かもしれないが安いとは言い難い。
それでも喜びみも苦しみも共にするというのならこんなスピーカーが良いのじゃないかな?
この日集まったマニアはざっくり10人くらいか。
みんな熱心な人たちと感じたが、やはりマニア百態。びみよーに、あるいは大幅に違うから面白い。
物量の道を歩む人。お金を掛けずにはいられない人。もっと大きな音で聴きたい派のひと。それぞれである。
言うまでも無いが人は様々。同じ考えの人というのは厳密には居ない。ましてや趣味の道となれば、だ。
だから一歩間違うと同好の士なのに喧嘩になる。
それも仕方ないのだが避けたければ自分の尺度で人を図るような事をしないことだ。
さて、最後にホーム商会。
懐かしいN先生ご用達のお店であったしpippinさんご愛用のお店さまでもある。
だから、というのでなくこのお店は一流のお店だ。
どこでわかるかとういと僕のようなみすぼらしい者に対しても態度が変わらないというか一定である。
僕なんか相手にしても仕方ないということは駅前でティッシュ配りをしているお兄さんやお姉さんにも
一発でわかるほどで、貰ってやろうと思って手を出してもシカトされたりする。
そんなもん相手でも、いわゆる優良見込み客でもフラットに接客する。
当たり前と言うかもしれないが、案外これが出来ない店(別にオーディオショップの話しばかりしていない)は
普通に存在する。
買うならこうした店で買いたい。ただしお金は必要だ。
気持ちよく買わなければならないから値引き交渉なんてしてはいけない。
よっしーは残念ながら縁が無さそうだが、ありそうな人は是非店舗へ。
と言うことでこの章終わり。
*今回のお写真は一部を除きpippinさん撮影の物です