11月26日
オーディオとはスピーカーを鳴らすこととみたり。
他のすべてのコンポーネントはそのために存在する。ある意味スピーカーに奉仕する立場だ。
だからスピーカーの入れ替え率は低い。大抵のマニアがスピーカーだけはそう簡単に入れ替えない。
(例外はある)
よっしーのこの25年を振り返っても、長岡式共鳴管、ネッシー。ロジャースLS5/9。
ダイヤトーンDS-301。そしてSONY SS-G7。そんなものだし、今でも部屋にある物というとLS5/9と
SS-G7だけだが、前者との付き合いは25年。後者とでも10年になる。
果たしてこのままで良いのだろうか?という思いは絶えずあるし、迎え入れてみたいスピーカーも幾つかあるが
あちらが迎え入れて欲しいとは思わないとなると、これはどうにもならない。
やっぱりここは流れに任せるといういつもの自分流が良いのだろうな、と思っていたらちょっとした出会いがあった。
11月27日
何事にも例外はあるから、スピーカーと言えども割とコンスタントに入れ替えてしまうという人もいる。
「色々なものに接することが出来る方が楽しいから」という訳で、これは頷ける。
なるほど!と納得してしまう。
ただ、やはりそうした方は少数派であって、多くの人はスピーカーは固定して、そこに対するアプローチを
楽しむというか悩むというか。それが平均的なオーディオマニアみたいだ。
ここで話しは50年ほど前に飛ぶが、確か昭和50年頃のステレオ誌に藤岡誠先生が寄稿していた文があった。
それはアルテックの604との悪戦苦闘記みたいなものだった。
暴れ馬でもあり、ある意味ナローレンジにもなりがちなその名器を、どうしてくれようかと悩むある日、
プリをpioneerのSC-3000に代えたら救いが感じられた。更にメインをSM3000にして良くなった。
その後にプリをC3にしてメインをM4にして、ようやく思うような音になった…
みたいな話しだったと思うが何分にも半世紀前の事だからうろ覚えの部分が多い。
ただ、特にM4にして先生が感激されていたのを文章から読み取って、「ああ、やっぱりA級アンプってすごいんだな」
と、超短絡的な感想を持った私はその時中学生くらいだっただろうか。
それにしても良い話しだな、と思った。こんな風に、思い入れあるスピーカーに打ち込むなんて素敵だと思ったのだった。
後年藤岡先生と瀬川先生のやり取りの中で、互いにアルテックを。JBLを、普通ではない音で鳴らしていることで
尊敬しあっているのを感じて、「そうだろう、そうだろう」と、何がそうなのかわからないのに勝手に感動したのも私だ。
なんていうか、わかるのである。突き詰めていった時、「え?アルテックからこんな音が出るの?」とか、
「こ、これがJBLなの??」みたいに思わせる音が出ることがある。
僕的にはそういうのを一聴の価値がある音、というのだと思う。
さて、人の事は放っておいて我が事なのだが…
11月28日
それは初めて行くドフで僕を待っていた。
まあもちろん待っていたわけでもなんでもなくてお店の入り口に、いかにも「こんなもん買う人もおらんじゃろーが
ひとつよろしくね」みたいな匂いをぷんぷんさせて置かれていたのだった。
なによ?というとでっかい口開けた、大きな箱だ。

箱。
そう、まさに箱であった。要するにエンクロージャーである。
ブルーのバッフルにグレイの外回り。一見JBL。
だが違う。これはサンスイがその昔JBLと共同開発したと言われるJBLユニットの装着を想定した
エンクロージャーなのだ。
型番がちゃんとあって、それによるとEC-10。まるでアントレーのカートリッジだ?

メジャーを借りて穴のサイズを測ると、これは38センチユニット用である。
うーん…、とちょっとだけ考えて、「これ、頂くわ」とよっしーは爽やかにほざいたのであった。
部屋に入れてみると、これはデカい。
わかっちゃいた筈だがそれにしてもデカい。
なんだか免許取り立ての小僧がナナハン買ってしまったような感覚である。
どうすんの?これ、と思っても持って来てしまったものはどうにもならない。
で、ユニットは?

11月29日
ユニットは?
JBLだったら例えばD-130+075だろう。
なぜか075は持っているのだが130は無い。
それでは?
あることはある。38センチユニット。
よっしーの部屋マニアという人が居たらわかる筈だがヤマハの正体不明の38センチがあるのだ。
型番も消えかかっているがJA-3812と思われる。
口径だけ合っていれば良いってもんじゃないだろうと言われたってこれしかない物はこれしかないのだ。
とっとと穴にはめ込んでみるとジャストフィット。

どうせこれだでは音にならないのは過去の経験でわかっているのでツイーターを載せる。
せめてここは、ということでJBLで075。

アンプはSY99にHMA-9500で最初はDVP-S9000ESでCDを掛ける。
さて、音は…
11月30日
音は…
出た。あっさりと。出ないと困るのだが。
これが初っ端っからまともな音で却って驚いた。
実に澄んだ音だ。チャーミングと言って良い。
しかもこれだけでっかいスピーカーを仮置きだから仕方ないがリスニングポイントから1,5メーターくらいの所に
設置しているのに関わらずなぜか奥行き感など抜群。却って違和感が凄い。
しばらくそのまま聴くがここでツイーター交換。
075からヤマハJA-0506へ。
実はこれ、よっしーの持ち物ではなく、遥か昔にODAさんが置いていかれてそれっきりになっているもの。
勝手に使うのも憚られて日頃は冷暗所に保管しているのだがウーハーがヤマハなのだから、と思って引っ張り出した。
ネットワークもそのままでどうかな?と思ったがこの交換の効果は凄かった。
美しさの点で魅力10倍増?
仮組み。仮設置のスピーカーの前から離れられなくなってしまった。

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