10月15日
pro-jectというブランドが生まれたのはいつの事だったのか?
どうやら1991年の事らしい。
場所はウイーン。
主にアナログプレーヤーを商品としてきた会社、という言い方でよいだろうか。
海外製品に関してだと途端に疎くなるのがよっしーなのだが
失礼ながらREGAとの区別も最初は付かなかった。
念のためだがREGAは1973年イギリスで創業と断然歴史は長い。
ただ、まあいい加減に見ているとそれらは一緒に見える。
もっというとLINNだのなんだのも全部根っこが一緒に思えると言ったら怒られるな、きっと。
何が共通というとまずベルトドライブという方式だ。
音のためというのは詭弁で、ダイレクトドライブなんてのは往時の日本みたいな技術力が無いと難しいのだ。
(いや、そんなことは無い。音のためのベルトドライブなのだ)
あとはシンプル。アームなんかも基本はストレートアーム。ただしオフセットは付いている。
(曲がったアームは大田区あたりの工場のおっさんでないと作れないのはここだけの話しだ。嘘)
以上終わり、という感じ。
こんなことばかり書いているとファンの皆さんから殴られるからこの辺でやめる。
今回ご登場の個体はpro-jectのDEBUT3というタイプ。
…なのだがこれまたバリエーションが多いというかややこしい。
中でもフォノイコライザー内蔵。USBアウト付き。そしてシンクロナスモータータイプというのが
今回の個体。
特にシンクロナスモーターというのが少数派というか、同じDEBUT3でも初期にしかないモデルなのだ。
10月16日
別に威張って言っているのではない。正直DCモーターの方がバッテリードライブで楽しむことも出来て好きなのだが
ACモーターなものは仕方ない。
というか、今回それで大変な苦労をした。
実は買ったとき電源ユニット(つまりアダプター)無し。動作未確認ということで買ったのだが
このアダプターで苦労した。
pro-ject製品は現在ディーアンドエムホールディングス扱い。つまりデノンマランツ扱いで
そこで電源も手に入るということで大変結構なことなのだが、最初間違えて後期のDCモーター用のアダプター。
つまりAC→DCアダプターが届いてしまった。
幸い取り換えて貰えたのだが無駄な時間を過ごしてしまったわけ。
他の面ではベルトも生きていたし、シートも残っていた。
敢えて言えばインサイドフォースキャンセラーの錘が無いが、まあそんな事はどうでもよろしい。
さて、回ったら音を…なのだがカートリッジが無い。多分付いていたのだと思うがもぎ取られたか?
幸い売るほどあるので何にしようか?と軽く悩んだが自分の原点に返る意味でビクターZ-1S。
ところがこれが左チャンネルの接触がどこかで悪いのか、音が途切れたりなんだりとイライラさせてくれる。
それでもなんでもとりあえず音が聴きたいではないか。
だましだましでレッツゴー。
10月17日
音だが、最初はとにかく酷かった。
大抵の機材が最初はフルには性能発揮をしないが、これはちょっと…という感じ。
スムーズさに欠け、いたずらに角が立つ。
あるいは内蔵フォノイコをバイパス出来たらと思うがそんなスイッチはこの個体にはない。
(存在するタイプもあるようだ)
これは困った…と思うも打つ手はそんなにない。何しろ正しくカートリッジをセットしたら後はやること無し。
言い忘れたがアンプはAU-α907iMOS LTDでスピーカーはロジャースLS5/9だ。
しばらく我慢するがとりあえず針先は交換してみようとZ-1Sから楕円のZ-1Eへ。
そんなに変わらないだろうと思ったらずいぶん変わる。ここで初めて希望が持てた。
(Z-1Sのボディのまま、針だけEに交換の図。なお指掛けが無いので間が抜けて見える)
面白い物でその夜帰宅して音を出すと俄然良くなっている。
いや、激変とはこのことで最初の音はなんだったんだ、と言いたくなる。
念のためだが僕はエージングという言葉があまり好きじゃない。
時間を掛けないと良い音にならないというのは製品としては欠陥じゃないかと思う方だ。
ただ、最初の出音で判断しないくらいの常識?は持っている。
…のだが、
10月18日
…のだが、今回は変わり過ぎ。
もしかすると、だが内蔵フォノイコがある程度電気を食べることが必要だったのかもしれない。
あれをやって、これをやって、と思っていたのだが弄る気が無くなった。
日記としてはそれでは詰まらないのだが…
弄りだすとまたあれこれと始めてしまうから大人しく音を聴くことにする。
…という訳ではないのだが、これが何を聴いても楽しいから困ってしまう。
一体この音の好さというか楽しさはどこから来るのだろう?
もっとも、このプレーヤー、僕が良いと思う事は最初からしっかり取り入れられている事はわかっていた。
それは例えばストレートアームであったり(シェル一体型は理屈の上で絶対優秀)、
インナープラッターにベルトが掛かる高回転型であったりとか、
そのインナープラッターから生えて?居るセンターシャフトの径が恐ろしいほど細いこととか
色々である。
フォノイコが内蔵というのも良い点を上げたら微弱信号の通る径路の短縮という点で圧倒的に有利だ。
まあそんな理屈よりも要は結果なのだが、これはもう困るくらい優秀なのである。
もっとも、音というのはプレーヤーだけで出るわけではない。
今回は内蔵フォノイコを受けるアンプがサンスイの907MOS LTDであり、スピーカーはロジャースLS5/9だ。
そのロジャースも久しぶりに本気の位置に移動しての稼働。これは好い。
柄にも無い事を言うと空間表現が見事である。
それは特にワンポイント録音とかそれに準ずる物の場合に限る、とかいう話しではなく
極普通のソフトでも感じられる空間表現と言っても良いだろう。
ふと思い立って超久しぶりにLedZeppelinのLPを一気掛けしてみたのだがこれが良かった。
彼らがいかに計算してレコーディングをしていたかが如実に感じられるような鳴り方とでもいえばよいか。
ロックにハイファイは不要という説もあるが、そんなことも無いんじゃない?と今回のケースなど見ると
思ってしまう。