10月13日
9月にオルトフォンの500シリーズと300シリーズの
一斉拝聴みたいな事をさせて頂いたのが当方にミスがあり
300シリーズの内の二つ。310と305が抜け落ちてしまっていた。
大変申し訳ないしお恥ずかしいお話しだ。
そこでここで310と305の拝聴記となる。
ちなみに現在SONYのPS FL77には320が収まっている。
ということで常用の320から310へ。
何が違うというと針先で320はファインラインで310は楕円。
いずれも接合針である。
ある意味それだけの違い、それのみの違いなのだが音にはどう響く?
さすがにそんなに変わらないんじゃない?と思うと大抵裏切られる。
変わるのだ。これが(;^ω^)
なんというか音圧が上がったかのような鳴り方。鳴りっぷり。
やたらと元気の良い新入社員。電話の応対の声までデカくて周囲が苦笑い、みたいな感じ。
中域が張り出して、負けじと低域も量感で応戦、というところか。
なんだか新入生歓迎コンパに紛れ込んだような気持になるが、決して悪い気分にはならない。
元気が良いのは良いことじゃないか、とそんな気になる。
隠し事は無さそうだ。
それでよいと思う。定食のハンバーグは大きめサイズでないといけない。
ご飯の盛りは多めにお願いします。
そう。僕の好きな世界なのだ。
おめーらは何をゴチャゴチャ言ってやがんでい、の感覚。サイコーである。
ソフトと気分によって320から310へと差し替えて聴けば良いと思った。
さてそして…
10月14日
今度こそとどめのはずになる305登場。
違いは、というとやはり針先で305は丸針だ。
世の中には楕円信仰みたいなのもあって否定はしないが丸針の名器というのも
存在する訳で、あまり一概なことは言わない方が良い。
差し替えて聴くと、どうよ?
310を基準にするとずいぶん大人しくなった。
言い方を換えるとバランスが良い。
文字通りの大人感覚で、310兄さん、何をそんなに意気っているんだい?と冷静な対処をする三男坊か。
なんだか310が異端児みたいに思えてくる。
320と305は血の繋がりを濃く感じるが、では同じになるかというとならないんだな、これが。
見通し見晴らしが一歩後退。スケール感も縮小。
真面目で一生懸命な新入社員二号。
一日も早く一人前に、と先輩の模写模倣を愚直にやる姿は素晴らしいが
当然同じはならないというか客観的には別物。
あろうことか着るものまで先輩のコピーみたいにする姿勢は好感度抜群だが
好感度だけでは飯が喰えないのがプロの世界ということか。
でもね、これで十分なんです本当は。
僕が学生の頃聴いていた音というのは、これを更に地味にした音だと思う。
カートリッジ、プレーヤーが同等だとしてもアンプ、スピーカーが違うからだ。
それからしたら大変な進歩である。
四の五のいう方がおかしい。
マニアというのはそうした頭のおかしい人の事を挿す。
その一人が僕なのだが時々正気に返れと自分で自分に言い聞かせる。
そんな時305は好適な気がする。
黙って出されたものを頂戴しなさい。
そんな風に装置が語り掛けてくる気がした。