9月1日
ちょっと又リフォームが入る予定。
今度はオーディオのある部屋も絡む。
そんなこともあって色々ズレています。
すみません。
9月3日
40年経ったんだって…
信じられる?
9月4日
9月5日
不思議と縁があるブランドもあればその逆のブランドもある。
オーディオクラフト社というのは僕にとっては後者である。
不思議だが手元にあるオーディオクラフト社製品は?と考えると
ヘッドシェルくらいか?
しかしオーディオクラフト社は、特にオイルダンプワンポイントアーム他
トランス、プリアンプ。単体フォノイコライザーと
いわゆるアナログ関連の部分では一時代を築いたと言ってよいくらいの
名門である。
1978年頃の資料によれば目黒の柿の木坂に会社はあった。
代表は花村圭晨さん。
元々音楽評論家(ジャズ評論家?)だったらしい。
それが趣味が高じて商売にしてしまって大変なご苦労もされたらしい。
いや、まあ苦労するに決まっている。ワンポイントアームなんて…
時は流れ技術者の一人はマイソニックを興した。
エミネントなどカートリッジで名を馳せるメーカーだ。
クラフトにもカートリッジはあった。
そのウチの一つが昨日写真のみアップした、
オーディオクラフトAC-1である。
9月7日
オーディオクラフトAC-01。
アームはたくさん作ったが、カートリッジはオルトフォンを推奨するかのような
姿勢を通して来たクラフトが満を持してリリースしたMCカートリッジ。
アルミブロック削り出しボディ。自重7g。
ボロンストレート丸棒のカンチレバーで根元はアルミパイプに差し込まれるという
二重構造。
セミラインコンタクト針採用。
発電構造はオルトフォンタイプ。
出力やや強め。
…とかなんとか書いているけど、これ別冊FMfanの41号、長岡鉄男のカートリッジフルテストを
参照したからこそ。
いや、このカートリッジ、本当にネットにも情報が少ない。
1983年当時79,800円とそれなりの位置づけなのにも関わらず、だ。
理由はわからない。ブランドイメージなのか、宣伝が足りなかったのか。
まあそもそも発売時期がCDも出た後で、8〜10万という価格帯はそれこそマニアが手を出すエリアだから
他の物に行かれてしまったのか?
この時奇しくも80,000円でFRのFR-7fz。85,000円でビクターMC-L1000。
そして100,000円のDENON DL-1000Aと強者勢ぞろい。
その辺もあってAC-1は霞んだのかもしれない。
ただ、僕個人はこのAC-1に、かなり昔から関心は持っていた。
理由はというと、かなりハード系でダイナミックな表現をするカートリッジと思っていたからだ。
”低音は力強いがL-1000やAC-1を素手で殴りかかる力強さ、FR-7fxをグローブをはめて殴る力強さとすると
1000Aのはなめし皮の手袋をはめて殴るという上品さがある”というのが同号でのD,-1000A評に書かれていて、
これはL1000と同じ、ではないにしてもどこかよっしーが愛好するサウンド(のひとつ)を
鳴らしてくれるのでは?と考えても不思議ではない。
さて…
9月8日
第一印象は思ったよりあっさりとした…と
思ったがこれは針圧が足りていなかった。
適正針圧1,8gにして改めて…
ちょっとメリハリがついてきたような…
なんて失礼なこと言ってはいけない。
どんなものにもウオーミングアップが必要。
はじめはこちらが想像したよりは普通の音。
硬派の最右翼、みたいな事を勝手に思ったが良い意味でもっとノーマル。
…なのだが試みにここでちょっとアンプのボリュームをグンっと上げてみた。
するとスゴイ。
低音の押しだしは時に暴力的。
なんというかスピーカーが負けている感じがする。
これは嵌ると無敵に思う。ただ惜しむらくは中高域が付いてこない感じがある。
と、書いておいてなんだけど、これで中高域まで低音と同じだったら聴いていられないかもしれない。
この辺が難しいところだ。
あるいは強力なバックロードホーンスピーカーみたいなの物の方がマッチするのかもしれない。
このカートリッジを最適に鳴らすことを目指して装置も部屋も設えたら面白い。
いつも思うのだが惚れた装置があったら、それをより良く鳴らすことに一生懸命になる方がきっと良い。
僕も出来るだけの事を…と思ってそれまでSY-99にダイレクト接続だったものをHX-10000経由にしてみた。
すると…
9月9日
HX-10000経由にした方がマッチするみたいだ。
ただ、こうした事はなかなか難しいもので、お値段がどうのこうの言うのとはまたちょっと違う問題がある。
最後に一つ言っておくと、このAC-01。どうもどこか現代のカートリッジと似た音がする気がする。
マイソニックラボとそっくり、とかいうと面白いのかもしれないが、僕はなんとなくフェーズメンションの
カートリッジ群とかと相通じる匂いを感じるのだが変かな?
AC-01は、やはりMC-L1000の代わりになる物とは違う。L1000やF1000の描く世界というのはそれはそれで独特だと思う。
だが、AC-01はダイレクトカップルとは路線違いでずいぶん進んだところのあるカートリッジだったのだと思う。
果たしてそれが1983年頃にどれだけ評価されたのか…
それはちょっとわからない。
と書いてから気づいた。
今日は昭和換算で昭和99年9月9日だそうな…
9月10日
9月11日
そして時は流れる。
1996年。同じクラフトからAC-3登場。
13年ぶりといってもその間にアナログはほぼ消え(この時は、だ)デジタル真っ盛り。
よくぞ出したなAC-03、と言いたくなる。お値段は倍増の160,000円だが今思えば安い。
見て、手に取ると01より一回り大きいのがすぐわかる。
重さ8,5g。ボディはアルミ合金だが、いかにも剛性の高そうなつくり込み。
01の時代と一番の違いは磁気回路か。超Hi-μコア材使用。
従来のパーマロイには磁気飽和の問題があったのを超えるための特別のコアを開発したということだ。
ネオジウムマグネット採用で更にその前後にソフトアイアンヨーク材を配置。
これにより3Ωで0,3mV以上の出力を確保している。
やはり全体にAC-01の血を引くというか影を感じるというか、兄弟とは言わないが明らかに縁者と思わせる。
さて…
9月12日
さて、そんなAC-03の音はどうよ?
AC-01を拝聴していたのでそのまま03と入れ替え。
針圧は01の1,8gから03は2,2gへ。
針を下ろすと、おお、これはやはり01との血縁を感じさせる。
一言でいうと音の良いカートリッジだ。
バランスが良い。バランスという観点で01との差というか進化というかを感じさせてくれる。
個人的には01推しだったのだが10数年の時の流れは大きかったというかそうでないと困るというか…
一歩前進二歩前進という感じで01から03への2つ分の進化は確かにあったという事だろう。
改めてその音質というか品質というかは現行カートリッジと良い勝負を
(たぶん)することが出来るものだと思う。
30年前に16万円出す決断が出来た人は結局お得だったという事だ。
9月13日
閑話休題
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