8月27日

まずお
び。

8月中には…なんてお約束していた方もいましたが
例によって8月はよっしーに
遊び癖がついていて北の大地へ
旅立ったり、あるいはその準備やら
その後の色々があって、俗にいう約束を
反故にしてしまう…
という事になっております。

それからその他お品物を
お預け下さっている方へ。
拝聴順序が現在乱れておりまして失礼をしております。
ごめんなさい。

誠にルーズで申し訳ありません。
この場を借りてお
詫び申し上げます。




で、以下はその遊び(旅)の途中でも欠かさなかった
ドフ巡りの成果発表ということで
どうかお
しいただきたいのですが…


始めます…



フィディリティ・リサーチ社(以下
FR)は1964年に設立されている。

創業者はもちろん池田勇さん。

FRと言えば
MCカートリッジ。それも空芯である。

最終に近いFR-7では非磁性体巻枠も使わない
完全空芯。

出世作
FR-1はMK3まで到達して純銀製コイルを採用。
基本的にはマニア受けする製品群を持っていた。

その空芯FRが、なぜか
MMを出していた。
そう、
FR-5である。



ただし普通のMMではない。
トロイダルコア採用のMMなのだ。

でも、MMじゃん、というのは止めておこう。
MMの中でもFRの主張を崩さない物を出そうとしたんだ、と受け止めたい。

しかし何故MMも出したのか?

それはやはり針交換で比較的コストを
えて長く使えるという
ユーザー側から見たメリットを見逃せなかったのではないかと思う。

発売がいつなのかはっきりわからない。





'70年頃には出ていたのかと思う。あるいは71年だったかもしれない。

FR-5とFR-5
EがあってEは楕円針。無印は丸針。どちらも無垢ダイヤ。

後にFR-5
EXというのが出るがこれはいわゆるCD-4対応なのだと思う。

相互に針の互換性はあって、FR-5は12,500円。
FR-5Eは14,100円。EXが18,800円。

ちなみに同時期FR-1MK2が15,500円だったからFR-5も決して安いカートリッジでは
なかった。



さて音だが…


8月28日

音だが、巷では「MMでありながら
MCの様な…」とか書かれていたりするが
僕の感触では特にそういう個性は感じ
ない

というか、僕の場合そもそもMCがMMがという
垣根が無い。
それは良いことかもしれないが、良くないことなのかもしれない。
何とも言えない。

また、いつもいう事だがカートリッジの音色というのはシェルやリード線
込みで語るべきなので
一概なことは言えない。

今回は
SONYの懐かしいシェルに取り付けられていたのでそのまま聴く。
リード線含めて弄らない。
いカートリッジを迂闊に弄るのは本当にやめておいた方が良い。

で、音だが極めて
ノーマルニュートラル。これ一本で何とかしろ、と言われたらそれも可能な感じ。
さすがFRと唸ってしまう。

敢えて言えばいわゆるフラットではなく、アクセントめいたものも感じるのだが
それは”そうなってしまった”のではなく、”そのように
耳で音作りをした”ように思える。

ちなみにFR-5は
世界で初めてトロイダルを採用したMMカートリッジであり、
記念碑的価値もある。



なお、FR-5というのは数年前のGWドフ巡りの際某店で格安のを
一度見かけて
スルーしてしまったカートリッジである。

その時が2,500円くらいだった物でその後手を出せなくなった。

今回は2,500円からするとずっと高いが
相場より下という物に出会ったので
ようやくゲット。

音を聴いて、
やっぱり早く手に入れて置くべきだったと思った。

出会いってそんなもんだ。

さて…



8月29日



EPC-205CMK3

お、凄いな、と思われるかもしれないが
針無しジャンクだった。

1979年頃発売。当時3万円。

MK3というからにはMK1やMK2が存在するが初代の情報はあるような無いような…

更に始祖にあたる
200Cまで遡ると面白そうだが面倒なのも確か。

そこでMK2の一つ
である205C/ULあるいは同Hまでを見るにとどめるが、つまりはローインピーダンス型と
ハイインピーダンス型の
両方を出して併売していたということ。どちらも当時23,000円。

ローの方はインピーダンス
250Ωとかなり低い。
簡単にいうとローインピーダンス型の方がワイドでフラット。真面目な音。
ハイインピーダンスの方がバリバリ鳴る元気な音と、そんな方向性を持たせていたようだ。

針圧は
1,25g。チタンカンチレバーにサマリウムコバルトマグネット。

…とかなんとかいうよりも、このシリーズ最大の特徴はそのルックスだ。

なんとも
頭でっかちな感じの交換針のノブ。

個人的には嫌いじゃないけど好きにはなれない形だったのだが、これがMK3MK4となるとそうは思えないから不思議。

それは3以降
シェル一体型になってルックスが一変したからだと考える。

実際今回もその色と形にやられてジャンク品を買ってしまった。

ここで
MK3のスペックについて熱く語りたいのだが現実には針折れの個体では意味はあまり無い。
失われているカンチレバーは
ピュアボロンストレートパイプ。
チップは0,1ミリ角。針先実効質量が0,149mgだった。

しかし仮にカンチレバーが生きていたとしてもその時新開発だった
TTDDダンパーが経年でダメになるので
本来の音は期待できない。

なんとも
ましい存在のEPC-205CMK3だがとにかく見た目が良い。

さて、しかし針が無ければ音は出ない。JOCOから互換針が出ているが
高価だ。

ということで手持ちの
207から針を抜いてみる。

刺さるのか?と思ったが刺さる。

見た目にブラックが多くなってこの方が更に
格好良い。

だがしかし、さて
は…?



8月30日


音だが最初は
かった。

ああやっぱり駄目な個体だったのか。あるいは針が合わないのか…と落ち込むがここで
針圧変更。

205CMK3の指定針圧は1,25g。だが207の方は
1,75g。

考えてみれば207の針圧に合わせるのが
普通だ。

そこで設定しなおし。

するとこれは好い。

FR-5Eとの比較では明らかに
ハイが上がって、あるいはハイ上がりなのかもしれないが
嫌味が無い。それと、あるいはこちらの方がレコードの
素性を明らかにする鳴り方なのかもしれない。

どちらを良いと思うかは人それぞれだし、なにより205CMK3の方は
バチもんみたいなものだから語る資格が無いと
言われたらそれまで。

ただ、どちらが
MC臭い?音かといえば205CMK3改の方だと思う。
もう少し落ち着いて聞きたいという人には
FR-5Eの方が好適とかもしれない。




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