8月4日
たぶん、なのだがしばらくバタバタすると思う。
(写真のモンキーはよっしーのではありません)
さほどの理由ではなく、単にちょっと慌ただしいという事だけさ。
兵どもが夢のあと。
一夜明けると嘘のようだ。
そして、ほんのちょっと秋の気配が忍び寄る。
こんなに暑いのに嘘つけと言われるかもしれないが
立秋は近いのだ。
そして秋が立つとある日突然落ち葉が舞って秋になるのではない。
何事も密かにやってくる。
気配を感じるのが大切なのだ。
8月6日
いけない!DCアンプだ!
…なにがいけないのか、いつもながら意味不明である。
いや、世の中によくある話しだがわかっている様でわかっていない。
その癖つい知ったかぶりをしてしまう。
そんな経験を誰でもお持ちだと思う。
例えばインピーダンスだ。
どうだろう?心底理解して、なおかつそれを中学生でもわかるように
きっちり説明出来る人はどれくらいいるのだろう?
実はよくわかっていない癖に知ったかぶりをしてしまう。
いや、責めているのではない。僕なんかその典型だ、ということなのだ。
そう。だからDCアンプとは、なんていうと困ってしまう。
もちろんこんな時の必殺技。インターネットがある。
そうだ、こっそり検索してコピペすれば誰もわからない。しめしめ…
ところがそうはいかない。そんなことをしてもボロが出るものだ。
所詮受け売りは受け売りなのである。
と、まあこんなことを延々と言っていても仕方ない。DCアンプとは?
ここで結局長岡先生の解説を引用することにする。
別冊FMfan16号セパレートアンプフルテストよりマランツModel170DCのところにこんな文章がある。
「ひと昔前のアンプはアンプの出口、スピーカー端子の手前にスピーカーと直列にコンデンサーが
入っていた。
このコンデンサーを除いたのがOCLアンプである。
また回路にも、幹線道路ともいうべき主信号径路にコンデンサーが入っているのが普通だったが
これを取り除いたのが直結回路で、二段直結、三段直結から全段直結とコンデンサーを減らしていった。
しかしそれだけではDCアンプにはならない。NF回路のコンデンサーを取り除いて、直流(DC)までNFがかかるようにしたうえで
入り口のコンデンサーを取り除いたものがDCアンプなのである。
つまり幹線道路の途中にあった渡し舟、あるいは連絡船を鉄橋やトンネルに代えて直通にしたようなものである。
とは言っても支線やバイパスには渡し舟や連絡船が結構残っている。
DCアンプにもコンデンサーはまだかなり残っている」
と言うことでわかってもらえただろうか?
8月7日
わかってもらえただろうか?
いや、多分これだけでも足りないと思う。
いよいよネットで検索を掛ける。
つまりDCアンプとは直流(DC)領域まできちんと再生出来る(だけの能力を持った)アンプということ。
実際にDCを増幅してスピーカーに送り込んだら大変な騒ぎである。最悪スピーカーが飛ぶ。
だからDCアンプは危険なアンプでもある。
危険でないようにするにはアンプの動作を安定させる必要がある。
安定させるためにまず重要なのが初段ということになる。
そこで温度変化でドリフトしやすいトランジスターよりもFETの方が好ましいと、こうなる。
当初はなかなか無かったデュアルFETなんかも供給されるようになりDCアンプブームに拍車をかけるのだった。
まあ慣れない解説をするより時代の検証だ。
突然来るブームというのがあって、オーディオにもそれはもちろんあるのだが、
降って湧いたDCアンプブームみたいなのが起きたのが1977年前後だった。
その為か、従来型のアンプをDCモデル化してリリースなんてのも見受けられた。
今回のビクターJA-S41DCもその一つだ。
ベースになったというか無印の、というかJA-S41についてはもう説明不要と思う。
というのも、このサイトでも散々取り上げたし前後独立電源というユニークな発想とその成果で
長らく日本オーディオ史に記憶される一台。
その品番を引き継いでリリースされるのだから責任重大というかプレッシャーが強いというか…
か、どうかは全く知らない。
ただ、当時無敵という評価では無かったと記憶する。
だいたい評価の高かったアンプの二代目なんてのは厳しい事を言われると相場は決まっている。
さて、果たしてJA-S41DCの実力やいかに?
本当だったらここで無印S41を並べて本家対DCなんていうのをやると企画としては盛り上がるのは百も承知。
しかしこの暑い夏にS41を出してくるのはご勘弁。
熱中症で倒れても誰も褒めてくれない。
もうひとつ。この41DCの方はとりあえずノーメンテで聴いてしまう。
というのも状態が良くて”聴ける”と判断できるからだ。
ただしお決まりで接点の不良等はある。これは今後お手入れ予定。
先に手を下し始めると夏が終わってしまう可能性がある。だから聴いてしまう。
で、音だが…
8月8日
音だが…
これは好い。
どう好いか?
極めて明るくてカラッとしている。この夏にはこれくらいがぴったりだ?
年齢でいうと10代終わりか20代はじめか、という感じ。
ただし能天気ではない。この子は出来る子だ。
41や31(僕の最初のアンプだから昔散々聴いた)にあった、ちょっとウエットな感じからは遠く、
それらよりヤング(死語?)向きかもしれない。
狙ったのか、パネルサイズも左右にちょっぴり拡がりキャリングハンドル取り付け可能なデザインになっている。
ところで今回スピーカーはスキャンピーク10センチを使ったダブルバスレフ。俗名GTOスペシャルを主に使っている。
それには理由があって、このシリーズならではのラウドネスの効きの良さを確認したかったのだ。
謎なのだがこれまでこのビクターJA-Sシリーズのラウドネスコントロールを上回るフィーリングのラウドネス(等)を
積んだアンプというのに出会った事が無い。
これがラウンドネスだ、と言わんばかりに低音の押しどころをわかっている。
AI搭載ラウドネスかよ、と言いたくなる。
特に小型スピーカーを、暑い夏に暑苦しくない音量で心地よく鳴らす時、こうしたバスブーストは極めて有効というか
必須だと思う。
今回はぴったりと嵌った。この夏はこれでOKである。
8月9日
ノイズ。
雑音である。
今や世の中クリーンになったというか、雑音なんてものは知らない人が多い。
故障とか不調なんてのも知らないみたいだ。
だから「直せる」とか、「自分でなんとか出来る」とか、「工夫」という概念も無い。
これは実際日々感じていて、納得しつつ受け入れ難い気持ちになる事象である。
それはさておきチューナーだ。
今回登場はビクターJT-V41。
実は僕の初めてのチューナーがJT-V31だったこともあり、そのフェイスなど個人的親和性が高い。
写真で見てわかる通り、アンプJA-S41DCとペアを成す物だ。
当時はそんな風にプリメインと対になる形でのチューナー発売が当たり前だった。
実は無印JA-S41には相方が居なかった。
S41自体が突発的発売だったのでそこまではメーカーも考えられなかったのだろう。
その代わりJT-V45というのが存在して、それが疑似ペアみたいな感じかと勝手に思っている。
で、41DCになった時に満を持してJT-V41が登場。
こちらにもキャリングハンドル取り付け可能で、アンプとペアで並べるとなかなかに格好良い。
当時32,000円。激安だろう。
グリーンの照明は特に夏に向くさわやかさ。実はチューニングの指針の先端も同様の色に、
ステレオインジケーターもオレンジに光るのだが現状は切れている(その内直す)。
バリコンはAM2連。FM3連と十分。
で、音だが、以前にも書いた通りよっしーの家には今屋外FMアンテナが無い(昔倒壊してそのまま)。
そこで懐かしの300Ωフィーダーアンテナで受信しているのだが、これが「こんなに?」という位
受信レベルが低い。
なかなかノイジーだ。
ここで冒頭の話に繋がるのだが、ノイズもまた良しとよっしーは思っている。
クリーンで快適な生活は確かに良いのだが、ちょっとでもそれが崩れると途端に右往左往し始めるのは
いかがなものか?
ちょっぴりノイズが入ったFMは中学生の頃に友達の家で聴いた記憶に繋がり懐かしさがこみ上げる。
説明が遅れたが今回のアンプ、チューナーはHさんという方から寄贈を頂いた物である。
ガラス扉付きのラックに収められ永らく大切にされていたということで外観も含め大変程度が良い。
とても50年弱の年月が過ぎたと思えない程だ。
この場を借りてHさんに改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。
8月10日
もう少しだけFMの事を書いてみる。
FMの絶頂期というのはどの辺だったのか?
キリの良いところで1980年頃ということでどうだろうか。
もちろん、ある日突然消えて行くというようなものではないので、
気づいたら低調…というのがFMと限らず普通である。
高価で買えないレコードを掛けてくれるFMを受信してカセットに録音する。
これが1970年代的オーディオの流れとすると1980年代はもっとイージーにFMを扱う流れになったと思う。
ある意味当たり前なのである。放送というのは流れて消えて行くもの。だからそんなにムキになって録音しても仕方ないと言えば
仕方ない。
アメリカでは無数のFM放送局があって一日中音楽を流している。
そんな風に訊いて憧れていたらその方向に振れた。そういう事ではないか。
曲の掛け方も変わってきて、1970年代みたいに曲の途中でDJが喋ったら、あるいは殺されるのではないか?
なんてことでは無くなってくる。やはりある意味本家アメリカと同じになってきたのだ。
人々も昔ほどムキになって録音しなくなったのがこの頃で、記録の対象は動画=映像に変って行った。
ビデオの普及もFMには向かい風だったと思う。
故にチューナーも高額品は売れなくなったというよりリリースされなくなった。
ただ、ローコストでも十分な性能を持っていたから問題なし。
問題は無いが趣味の対象ではなくなったわけだ。
アナログレコードもカセットデッキも王権復古した?がFM放送はどうだ?
古い物がなんでも高くなる中でチューナーだけがカヤの外である。
昔を知る者の一人としては寂しくもあるが仕方ない。
夏休み。クーラーなんか無い暑い部屋で、普通にFMを聴いてエアチェックもしていたあの頃。
もう戻ることは無いのだろう。だから殊更懐かしい。
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