5月21日
GWの成果。栄光の第一弾はこちら。
SONYのPS-FL77である。
特徴は色々あるが、トレイが出てくる、フロントローディングタイプであるということ。
これはpioneerのPL-88F系統やPL-Xシリーズと同じ発想だ。
ただしFL77の場合はリニアトラッキングアーム+T4Pカートリッジであり、
pioneerの場合は独自のリア待機のスイングアーム形式+一応汎用カートリッジ対応(実質交換は難しい)
というところが違いである。
また、pioneerの場合は耐荷重が強烈であり、上にアンプ、チューナー、デッキと載せても平気なのだが
FL77ではそこまでの耐久性は無い。
この辺り、各社微妙な設計思想の違いを見せて面白い。
さて、このSONYのローディング機というのは結構長い間、よっしーにとっての憧れの存在だった。
それはkoyamaさん宅でよくこのタイプを見かけていたからである。
fl77を入手されていた事もあったし、よく記憶するのはPS-F1だったりする。
不思議な物でそんなことを思って臨むと出会うのがこのツアーの面白いところだ。
5月22日
出会った。ただしジャンクである。何しろ針が折れてしまっているから音出し未確認となる。
そんなもん気にする方がおかしい。ということでレジへ。
持ち帰って改めて状態検証。
とりあえずということで手に当たったT4Pを挿してレコードを掛けてみると、なんと片面だけは演奏できた。
しかし、すぐエンコ。
裏板を開けるとメカに簡単にアクセス出来るのはpioneer機と異なり優れたところと思う。
見るとトレーローディングはギア駆動だからpioneerみたいにゴムが伸びると息も絶え絶えというのとは
大変な違いだ。
ただ、リニアのアーム駆動はゴムベルト頼みなので、これだけは寿命がある。
用があったので秋葉原へ。千石でベルトゲットだぜ。
ということであっさり直るのだが実は若干のボディ側の修正とかはあった。
インシュレーターも一つ失われていたのでゴム足に四つとも交換。
多分音的にもこちらの方が良い。
あれやこれやとやって試運転。
一番嫌なのはリニアのアームが途中で立ち止まってしてしまうことだがそれも無い。
トレイ式特有の、ゴーっとメカが出ては引っ込む時の豪快な感じはあるが
演奏モードに入ってしまえば静かなものである。
上に物を置く気にはなれないが隙間に入れ込むことは出来るから十分十分と喜んでいる内にふと気づいたのだが…
5月23日
ふと気づいたのだが、妙に音が好い。
どう表現したらよいのか?実に軽快。クリアー…なのであるが、そんな陳腐な言い方でよいのか?
音の動きが良い。…うーん、それでも正確に言いえていない気がする。
これは一体…と思って調べたのだが、このプレーヤー、アームがバイオトレースなのである。
バイオトレースとは?
1981年、SONYはX800、同600、600C、同500を発売。
マイクロコンピューターの力を活用。
位置検出センサー、リニアモーターによて動作を電子制御する。
それがバイオトレーサーアーム。
これにより低域共振のピークを3dB以内に抑え、なおかつクロストークも改善。
ディスクの反りにも強い。
もちろん電子的なことだけでなく、ローマスのストレートアーム採用などの面もぬかりない。
まあメーカーのうたい文句だけ聞けば、それはなんだって素晴らしいってことになるのだが
かつて開発途中だったプレーヤーのアームに電子制御を入れた音を聴いた寺垣氏は
「一分一秒を争って、このやり方は中止すべし」と判断を下したくらいだから
よっしーなんかアームの電子制御には懐疑的もいいもんだった。
ただ、要は結果である。
それだけのせいかどうか知らないが奇妙な自然さを、このプレーヤーの音は持っている。
テクニクスのカートリッジを取り付けておいて何だが、これまで聴いたテクニクスのリニアとは
一味違う音がするのは確か。
可哀想に人気はテクニクスのリニア属に比べると低い。
おかげで価格は低迷。これは買い手にとっては良いことだろう。
更にいうと77の上級機に99が存在する。
これは選曲機能などを充実させていて、それなりに存在意義はあるが実を取るなら77だ。
ということで、図らずもSONYリニア機のベストを手に入れた感じ。
ここだけの話だけど、見つけたら買っておいた方が良いですぜ、お客さん(笑)