4月28日

かくも長き不在」というフランスのドラマ映画がある。

もちろん、「かくも長き…」というのは邦題なわけだが
実に格好良い言い回しだ。

そこでよっしーも、「かくも長き不在」をやってみた…

訳ではないのだがずいぶん
ご無沙汰してしまった場所がある。

それはこちら。

そう、
やまもとさんのスタジオである。

正式名称はStudio K'sという。



遡ること
25年くらい前。僕は結構頻繁にこちらにお邪魔していた。

押しかけていたと言った方が良いかもしれない。

そうした輩があまりに多いのに耐えかねて?(というのは真っ赤な
だが)
やまもとさんはある時からスタジオを予約制というか会員制に移行した。

いつでも気軽に行ける場所ではなくなったのだが
その代わり?
音と戯れる会というのが発足した。

何回かはよっしーも参加出来たのだが、こうした会は
基本週末に行われる。

すると
悲しきサービス業のボクなどはお邪魔するのが難しくなる。

その内疎遠なまま気づけば
20年

いや、こんな時代だからネット経由のやり取りは途切れないし
互いの動きみたいなものは
ずっと見られていた。

しかしお邪魔していなかったという事実に変わりはなく、
とにかく
大変久しぶりにその門を叩いたというかくぐったのである。

するとそこにはウイルソンオーディオの
システム6が待っていた…

Wilson Audio System6。



1999年の発売。

このスピーカーは上部と下部が
かれている。

上部は
Watt-6と呼ばれる台形?チックな筐体が載り、中域には17cmコーン型ミッドレンジを使用し、
高域には2.5cmドーム型ツィーターを使用。
下部は
Puppy-6と呼ばれ、20cmコーン型ウーファーを2個搭載している。

なるほど、
併せるからシステム、なのだな、と納得。

そしてやけに高級そうなスピーカーだな、と思ったら
320万円ペアだったそうで、これも納得。

意外だったのが写真等で見るよりもグッと
コンパクトだということ。305Wx1,016Hx470D mm

それでいて重量
73,5sというのだから密度の高さが窺える。

さあ、高級スピーカーだから良い音がする。

…それは間違いではないのだが一筋縄でいかないのがオーディオの常。

このスピーカーが舞い込んだ当初はさすがのやまもとさんも
手を焼いたようだ。


だがそこはベテラン。既にハイエンドの
かほりのする音がお邪魔した段階で充満している。


あ、肝心なことを書き落としていた。この日はよっしーだけがお邪魔したわけではない。
強者(つわもの)
マニアが10人余集結。

何をするかというとシステム6を使って、何をどうするとどう変わるかの
実験検証大会みたいな?ものだ。

まず現状でプリがクレルの
KRC-2。1994年発売で85万円のプリである。
これにクオード
405メインアンプ。
ソースだがこの日はいわゆるファイル再生が基本になった。



開会の宣誓などなく(当たり前)、スルッと会は始まったが、最初に出てきた音で
十分にハイエンドである。

広くて深い音場。良くも悪くも線が細いが、それはそれで一つの世界と言いたくなる。

これを、パワーはそのままでプリをダイナコの
PAS-4という真空管プリにチェンジ。

このプリはなかなか情報も出てこない珍しい部類の逸品だ。

プリ交換で音はどう変わる?

説得力が俄然増して来た。

個人的にはクレルの時の妙に
儚い感じも好きだったのだがトータルという意味ではダイナコやや優位か?

ここでプリはそのままに、この日持ち込まれた
真空管メインアンプにご降臨いただくことになる。

LUXMANの
3045。なんとモノラルアンプだ。これを二台。
それこそカスタムモデルみたいな存在で同じものを見つけるのは大変ではなかろうか?



スイッチオンでいきなり
発熱が凄い。
これからのシーズンに一般家庭で使うとアンプの向こうに
蜃気楼が見える気がする。

…と、ボケたが音は良い。実にしっかりとした世界を描く。

音がそこに
ある。そこに居るという感じが見事と思った。

ここで念のためだがクオードの405というのも優れたアンプであり、それで我慢出来ないなどというアンプではない。
むしろ
標準機としてマークしておいた方が良いアンプだ。

ただ、交換すれば、それは当然音は違うということ。


興に入ってシステム6のバスレフ
ダクトを交換してみたらどうだろう?という提案があり
さっそく試してみることになる。

それこそアンプのダンピングファクターに応じてチョイスしてね、みたいな作りになっているのだが
交換用のそれを見るとダクト長が
5ミリ違うかな?という感じ。
果たしてそんなんで音は変わるのか?

ところが変わるのである。思わず「うっそ〜」という声が参加者の口から洩れる。

これは見事なものだった。

やまもとさんも、「このスピーカーが
来て以来一番良いかも」とおっしゃる。


ここで改めてこの
会の意義だが単にパーツを差し替えて喜んでいるのではなく、
これをこうしたらどうなのだろう?という様なことを
実際に試してみて、複数の人間の耳で確かめ合う、
みたいなところにある。

そうした事が出来る場所とチャンスを提供しようということで始まったのが
音と戯れる会であり、
今回のはその分科会みたいに思って貰えると良い。



さて、このまま終わるかと思わせて
最後に今一度プリをクレルに。

きっとそうだろう、と思ったがここで最初に感じたクレルの可能性が一段とグレードを上げた状態で
現実に発揮された。

一段広い音場。
右に左に、は当然、
上に下に。前に後ろに、それもしっかりした音像が現れ音場が展開する様は圧巻。

ダイナコ+ラックスマンも良かったがクレル+ラックスマンが
微差でトップに立ったか?

いや、何が優れていたか、が大事なのではなく、複数の耳をもって色々実地検証をする
プロセスにこそ
が宿っているのだ。

その為のスペース提供であり時間共有。そこが大事だ。


久しぶりに充実の4時間弱を過ごさせてもらったのだが、なんとやまもとさん、
この夏この場所を閉じられる予定だとか…

ええ?そんな〜、と思うがそこはやまもとさんの人生で
人生計画である。

この先どうなる?気になるが
きっと新しい場所で新しいことが始まるのだろう。

だがしかし、
お茶の水のこの場所でこうしたことが出来る機会はあと僅か。

急げ!

と言いたいが誰でも押しかけられる訳ではない。

どしたらよいか?それは各自お考えください。

さて、よっしー自身
あと何回くらいお邪魔出来るのだろう?

そんなことを思いながら秋葉原の方に抜けて帰路についたのだった…



(今回はかなりのダイジェスト版でお送りしていますがご了承ください)


4月30日

ここで唐突に
話は変わる。

人間の
にはキリがない。よっしーも同様である。

幸か不幸か、可処分
所得にはキリがある。だから抑制が効いている。
多くの人がそんなもんじゃないだろうか。

これを書いている今、
DL-103初期型を使ってレコードを聴いているのだが
SS-G7からは僕としては過分な音が出ている。

なんて書くと、「良い音が出ているんですね!」なんて言われそうだがちょっと意味は
う。

僕の言うのは、「この部屋で、自分という人間の程度からしたら
ぎた音だ」という事なのだ。
音に自信なんて、持って
いない。これは本当だ。

ただ、世間的現在価格は滅法
い?SS-G7に、これまた相場は大層リーズナブルなDL-103で
今くらいの音がしてくれたら密かに(ここに書いたら全然密かにならないが)満足出来ようってもんだ。

メインアンプは
HMA-9500で固まって動きようがない。何かに差し替えてもこれに戻ってしまうという
MOSの
いを掛けられたようだ。

もちろん世の中には数多のメインアンプがあるわけで、それは経験しないのは勿体ないことかもしれない。
でも、それを言い出したら
キリがない

もうこのアンプに合うスピーカーをチョイスする、くらいの行き方でよいと思う。

プリだけは
分不相応が明々白々な感じがするSY-99だが、これは良い音がするはずと求めたのではなく、
単に学生の頃の
れを自室に招きたかったという側面が強い。

音は
横綱相撲みたいな感じで威風堂々。
なんとなく、なのだがG7の38センチウーファーではSY-99には役
不足で、46センチくらい持って来い。
あるいは38センチ
二発だ!とプリに言われている気もするが気のせいということにしておきたい。

いや、もしかすると軽量で丈夫なコーンを持った
フルレンジ一発の方が合うのか?

大昔の雑誌に
スワン×0,65なる物を発表したアマチュアが居た。ユニットはFE-83。
後の本家、フラミンゴよりもそっちの方が面白いかもしれない。と想像だけは
だから幾らでも出来る。

あるいは
パッシブのボリュームだけでフォノイコ(HX-10000)とかデジタルプレーヤーから
メインアンプに導いた方が良いという説もあるが、音が良ければそれでいいってもんじゃないだろう、と
ここは
開き直っておこうか。

…と、なんでこんなもん書いているんだ?

よっぽど
なんだな。

そーゆーことにしておこう。


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