スピーカーだがMAGICOのS1である。
一言でいうと大変高価なスピーカーだ。
それでいて250W×1090H×230Dと正にスリム&コンパクト。
値段が高いからでっかいスピーカーというのは昭和のお話である。
例えていうとよっしーはお菓子を買う時、値段の割に箱がでかい方を選ぶ。
その方がよっしーとしては安心なのである。
これは裏返すと味で選ぶ力がないことの現れとも言える。
味わいはサイズに必ずしも比例しないのである。
S1は2Way。ウーファーは18cm?でほぼ間違いないが
表記でいうと7インチということになる。
ツイーターは1インチだ。
能率は86dBと高くないはずなのだが
当日そんな事は全く感じなかった。
インピーダンスは4オーム。
そしてこれを鳴らす駆動系だが…
4月14日
駆動系だがこんな風にお洒落に収められている。
壁と間柱?の間に綺麗に隠れるから、一瞬どこに装置があるの?となる。
こうしたセッティングも、よっしーの憧れのひとつである。
ただ、一年中何かを繋ぎ変えるため裏を覗き込む性格だから
全く向かない。
向かないだけに実現できる方を見ると羨望の眼差しになってしまう。
さて、天板に乗るアナログプレーヤーから説明…と行きたいところだが
ここはアンプを紹介するべきだと思う。
アナログプレーヤーの下。ピカピカ光る物体?がアンプなのだ。
DevialetのExpert 250である。
である、なんて言ってもよっしーは詳しくないを通り越して未知の世界。
いわゆるインテグレートアンプ=プリメインアンプなのだが
DACを内蔵している。
そして例えばフォノ部はA級動作でスピーカードライブはD級アンプなどと
工夫を凝らしてある。
そして何よりもSpeaker Active Matchingだ。
「R SAMは、使用中の特定のスピーカモデルの正確な仕様を認識し、
DSPを使用して、毎秒96,000の検査ポイントの速度で、そのスピーカ用に特別に調整された駆動信号を
リアルタイムで提供することで機能します。SAMRの有効性のレベルは可変であり、
リモコンで選択した設定で調整できます」と、説明にはある。
要するに数多のスピーカーに対するデータを持っていて、
それを元にして最適なコントロールを、このアンプは仕掛けられるということか。
これはもう大変な時代が来たもんだ、というかとっくに来ていたのか?
さてさて、いよいよその音だが…
4月15日
さて、音だが…
というけれど音はお部屋に入った時からずっと流れていた。
理屈は後から知って帰宅後に学習してのものなのだ。
音だが、そこにはただ良い音が流れているだけ…
と言ったら”そこにはただ風が吹いているだけ”をパクったと思われるだろう。
だが、そうなのだ。大抵の場合良い音というのはただそこに風のように流れているのである。
肩肘張って登場するわけではない。なぜならそこにはいつも当たり前のようにその音が存在しているのだから。
いや、もう少し具体的に、と言われたら”万能感溢れる”ということになるのか。
聴かせていただく物はファイル再生もあればレコードもある。
なによりジャンルが多様だ。
JAZZもあればクラシックもあるのだがサザンのLPもずらりと並んでいる。
ああ、Merlionさんもそういう人。すなわち何でも楽しく聴ける人なのだ、と思って勝手に打ち解けてしまった。
なぜならよっしーもそうしたタイプの人間だからだ。
この日はオーディオマニアを迎えるということで、ソースをややハイファイよりに振ってくださったと思うのが
日頃はきっと青春時代を飾った音楽たちを、好きな音でゆったりと楽しまれているに違いない。
だからシステムにはチューナーも組み込まれている。
途中からジェットストリームのお話になったりキャンディーズの話題になったりと楽しいことこの上ない。
あまりに楽しいからよっしーは終始しゃべりっぱなしになってしまい、もっと音に集中すべきだったと後から反省。
それにしてもいざぎ良いシステムでアナログプレーヤーも一台きり。
(普通は一台か。(-_-;))
なのだがその一台がまた昭和のレジェンドみたいな組み合わせでSP-10MK2+WE-506/30。
これがSAECのターンテーブルデッキ、SBX-3に収まる様は見惚れるばかりだ。
WE-506/30はMTSサービルにて田中さんのメンテを受けた物。言うことなしである。
さて途中で…
4月16日
途中でスピーカーを繋ぎ変えていただいた。
何に?というとロジャースLS3/5に、である。
長いオーディオ遍歴の中で例外的に残されたものの一つ。
それがLS3/5であったと訊けばこれは拝聴させて頂かざるを得ない。
…いや、まあ単によっしーが聴かせていただきたくて無理を言っただけなのだが(;^ω^)
こんな風にS1の上にちょこんと載せた。
といっても嘘のようにジャストサイズ。
LS3/5で興味深いのは、このスピーカー、コンパクトなこともあって多くの方がサブとして、
あるいはメインとしてお持ちであるということ。
そしてその音が、結構に人それぞれで違うのだ。
良い音、と一口に言うが、やはりその人の好み。
目指すところの好い音、になるのだなーと思わせてくれる。
今回Merlionさん宅の3/5も勿論良い音なのだが驚くことにS1と何処か似通った音がするのだ。
これはやはりそういう事になるのかと驚いた。
もちろんS1の方が、より現代的な音ではあるのだが、彼我に40年以上の歳の差があるとは到底思えない感じ。
そして後から思ったのが、あるいはここにもR SAMの威力が発揮されていたのかも?
S1に最適化されたDevialetで鳴らすと、LS3/5もまたS1寄りの音になるのかもしれない。
もちろんこれはハイエンドに無知なよっしーの、単なる思い付きみたいなものなのだが…
4月17日
Merlionさんはそのハンドルネームからも想像の通り
日本を離れての生活もされていた。
しかし、青春期のオーディオ誌なんかも大切にお持ちだったから凄い。
もちろん近年復刻なんてのもお持ちだがとにかくある時代を
オーディオをやって過ごした人ならではのテイストがある。
例えばpioneer M22なんかの話しで盛り上がったのには驚いた。
拙宅にはメンテしたまま寝かしてあるM22があるから
今後お立ち寄りの際には引っ張り出しておこうか?
それにしてもM25でもダメじゃないけどM22なんだよな、
という所で心が通うところがスゴイ。
そんな話を挙げているとキリがないが、まあ楽しい時間だった。
ハイエンドスピーカーとアンプが描く世界は格段だ、とまとめてしまうのは簡単だ。
しかしそこに至るプロセスが(もちろんよっしーの中で勝手に)見え隠れする事が
音に一層の意味合いを加える。
子供のころに始まり、学生時代に経験を積み、
社会というものに出てその荒波に揺られながら40年弱。
その間ずっと傍らにオーディオがあった。
それら諸々全てを含めて、今の音なのだ。
音は人なり、というか、音はその人の人生を映すのだ。
すっかり長居をしてしまったよっしーだが
この駅路を歩くのは今日で最後ではないな、と感じていた。
Merlionさん、ありがとうございました。