2月14日
2月15日
先月の日記にSTAX SRD-Xというアダプターが登場した。
STAXのコンデンサーヘッドフォンは、こうしたアダプター、あるいは専用のアンプを介さないと
音を出せない。
それは一般のダイナミックヘッドフォンと音を出す仕組み自体が違うのでそうなる。
厄介だし費用も余分に掛かるのだが、それでも一旦コンデンサーヘッドフォンの世界に
浸ってしまうと気にならなくなるし、そうした手間がかかることすら誇りや自慢に繋がるのが
ファン心理というものである。
…などという必要もないくらいSTAXもファンの多いブランドだ。
コンデンサーヘッドフォン(正しくはイヤースピーカーというべきだがこのページでは
ヘッドフォンで通させていただく)の一号機SR-1は1960年に出ている。
当時で6千円だからそれなりの金額である。
対応するアダプターがSRD-1または2で2千円と2,700円。
専用アンプSRA-4Sが1万円。同6Sが15,000円。
下手するとスピーカーが買えてしまう。
以来脈々と製品はリリースされ続け、今年もヘッドフォン祭りを賑わしているのだからスゴイ。
さて、今回登場は、その専用アンプのひとつであるSRA-12S。そして…
2月16日
そしてヘッドフォンはSR-404なのだがこちらのご紹介の前にアンプの話し。
コンデンサーヘッドフォン用アンプとしてはその後1968年にSRA-3Sが登場している。
トランジスターと真空管のハイブリッドで23,000円。
続いて1974年SRA-10S登場。
58,000円。
こちらはトランジスターとFET使用。
この10Sについては過去においてよっしーの部屋でも取り上げているが
優れたアンプの一つと思っている。
そして今回、更にその後継であるSRA-12S登場だ。
2月17日
SRA-10Sから12Sへ。
一体何が変わったのか?
まず外見は瓜二つ。上の写真で判定が付けられる人が居たらスゴイ。
僕にも本当のところはわからないのだが
12SではオールFETのDCアンプ構成にしたということだろう。
他の設計思想=音を劣化させる可能性のある余計な機能は排除する。
と言ったような所は共通。
今回は音のことについては早々に触れてしまおうと思うのだが
両者の音は、かなり似ている。
ま、当たり前と言えば当たり前。
そこを徹底試聴して違いを克明に…
というのも面白いかもしれないが、
例えばSRA-10Sはよっしーがかなり手を入れて
格好良く言えば整備した個体だし
(依然ハムが残っているが)、
SRA-12Sの方も前オーナーの手であれこれと
メンテナンスを施された物なのだ。
そうした物同士を俎上に載せて違いについて述べても意味はないと判断する。
何よりも、SRA-10Sであるとか12Sであるとかいう物たちは
コツコツと手を入れていつまでも慈しむような姿勢で接するべきと思う。
…と、ここでそろそろSR-404に登場いただいて…
2月18日
SR-404である。(右はもちろんSR-3)
発売は1999年。
20世紀末。よっしーの部屋的には最新機種である。
SR-Lambdaシリーズの一員で同時期のSR-303や202と比べても
最上位機種ということになるSignatureの名称を冠している。
外観は独特というか、僕みたいな世代にとっては
「これぞSTAX!」とでも言いたくなるような四角い外装である。
手にした時、自分もいっぱしのSTAX使いみたいな気がした。
これをSRA-12Sに接続して…と、ここを読んだ瞬間、STAX使いなら変に思う筈だ。
そう、SR-404はいわゆるプロバイアス機。
SRA-12SはSR-3などのノーマルバイアス機の時代のアンプだ。
しかし、そこはそれ、この12Sは元の持ち主=STAXの達人の手によって
プロバイアス対応機にと改造されているのであった。
憧れのプロバイアスSTAX。
さあ、どれだけSR-3と音が違う??
2月19日
SRA-12S+SR-404の音だが一聴して解像度がSR-3と
違うと感じさせる物。
わっ!と感激してしまう。
しかし一発ではっとした時ほど気を付けなくてはならい。
ちょっと簡単に行ってしまうと404の方が明らかに能率が高いのである。
この能率の高さは武器でもあるが、聞き手としては冷静になって
臨まないとならないところだ。
それとアンプの通電。12Sもそうだし、後から引っ張り出した10Sも
通電不足は否めない。
本当に起き上がるまではある程度電気を食べて貰わないとならない。
それを行ったことにより12Sの方は特に良い意味で大人しくなり
404もますます本領を発揮すると共にSR-3でも良い音を聴かせてくれるようになった。
だがしかし、そんなもんじゃない。
何がそんなもんじゃないのかというと、
この12Sは現状で問題なく使えるが、これからもう一押し手を入れて
更に輝かしてね、という個体なのである。
そう。僕はバトンを受け取ったのだ。
物語は、これからリスタートするところなのである。
前オーナーはSR-44以来のSTAX愛好家。
なんでもSRA-10S+SR-Xmk3は修学旅行中に求めたとか、
その後はΛやΣも買ってあれこれ…と書ききれないくらいのお付き合いが
STAXとはある方なのである。
よっしー的STAX生活第二章は始まったばかり。
さらなることはまたおいおいと…