1月16日
1月17日
その昔、オーディオなるものに手を染めた頃、
カートリッジと言えばMMだった。
ムービングマグネットである。
その内MCなんてものがある事を知る。
高い上に針交換が出来ない。
そんな不条理な物のどこが良いのか?と首を捻ったっけ。
で、いつの事だかは忘れたがMMやMC以外にもカートリッジというのは
あると知る。
その代表格にコンデンサーカートリッジと言うのがあった。
コンデンサーカートリッジ。
昨年降臨の光電子カートリッジと並んでカートリッジ界のマイナー的存在だ。
第一号機はスタックスが出している。
東芝は後に続き、一時期結構な力を入れていた。
コンデンサーは二枚の電極を絶縁体を挟んで向かい合わせたもの、
この両極の間隔が変化するとコンデンサーの容量が変わる。
それを利用して信号を取り出すのがコンデンサーカートリッジだ。
その中でも電極に高い電圧をかける代わりにエレクトレットという電圧がかかりっぱなしになる素材を使うものを
エレクトレットコンデンサーカートリッジと言い、スタックスだとCP-Yがそれにあたるのだが
エレクトレット…では東芝の方が先だとも言われる。
カンチレバー自体に一方の電極の役割を持たせるのがスタックス流。
カンチレバー後端の金属片を一方の電極とするのが東芝流ともいえる。
針先チップに近い位置を電極とするスタックス方式は、例えるならビクターのダイレクトカップル
カートリッジと似た発想になっている。
一方の東芝方式は、ビクターMC-1に対するヤマハMC-1Sみたいな感じでカンチレバーの根本で
信号を動かす、みたいな感じか。
1月18日
以下は今回登場の東芝の(エレクトレット)コンデンサーカートリッジについての説明となるが
二枚のエレクトレット素子が直角に取り付けられていて、それぞれがLch、Rch用の一方の電極となっている。
そしてボディ側に内蔵されているICで増幅してインピーダンスを下げて出力させる。
ここで別の角度からカートリッジを類別すると速度型と変位型
(振幅型)に分けられる。
コンデンサーカートリッジは変位型であり、カンチレバーの振動速度には関係なく、
位置関係で出力が決まる。
この時ハイ落ちローブーストの形で主力されるのを独自のイコライザーでフラット化する必要がある。
だからスタックスでも東芝でも、それぞれコンデンサーカートリッジ専用のイコライザーを
リリースしていた。
1月19日
だから、というわけでもなく、よっしーは随分前にコンデンサーカートリッジを手に入れていたのだ、実は。
ただ、専用イコライザーになかなか手が出なかった。
東芝だとSZ-1000か同200があるが希少性故価格は上がり勝ち。
どうも気に食わない。
しかし光の復活を果たしたのだから次はコンデンサーだという思いは強くなる。
ふと気づいたがのプリメインでコンデンサーカートリッジ用のイコライザーを積んだものが
あるということ。
調べたらSB-510というプリメインがそれにあたった。
1973年頃の発売で75,000円。(65,000円という説もある)
なんとAUREXブランドの一号機である。
全段直結ピュアーコンプリメンタリーOCLという表現にも時代を感じるものがある。
実効出力は30W×30W。
なによりもオーレックスのアンプというのはフェイスに独自性を感じさせる物が多いのだが
これもそのひとつ。
とにかくスイッチが多い。
プッシュスイッチが22個並んでいる。
入力も豊富だしフィルターも完備。
アッテネーターもあれば帯域可変のトーンコントロールも付いている。
ついでにリアにはコンデンサーカートリッジとMMカートリッジの切り替えスイッチもあれば
フォノ2のゲイン調整ボリュームもあればカートリッジロードスイッチもある。
1月21日
更にというかプリアウト、メインインもあってセパレートへの切り替えスイッチも搭載。
とどめに、このアンプはいわゆるリレーを積んでいなくてブレーカーみたいなものを装備している。
それのスイッチが三つあるのだからアンプ全部で何か所接点があるのか?
はっきり言って後年メンテナンスとなると、スイッチなんてのは少ないに越したことはない。
今回の個体は完全に永年放置型で、まあ難物だった。
半田が一箇所、パターンごと道ずれにして?がれていたのは異例のこととして、
後はとにかく接点である。
万策講じてみたが未だに完璧ではない。頑固にもほどがある。
ただ、メンテ性は良好で、基板はスロットだったりネジ止めで端子はコネクター多用で
切り分けし易いなど親切設計?
まあ良いのか悪いのかわからないアンプだが肝心なのはコンデンサーカートリッジが使えるかどうか?
前述の接触不良のこともあり苦労したが結果的にはフォノ基板のトランジスターを一つ交換して
実用に至った。
で、音だが…
1月22日
音だが当初はSB-510での音を確認してから、と思っていた。
ただ、どうにもプリメインとしての510は調子がイマイチ。
そこでSB-510のテープアウトからSY-88に引っ張ってHMA-9500に送る。
この形で聴く。
まずは音が出て大感激。これは光カートリッジの時と同じ。
ふざけて言っているのではない。とにかく古い物だから回復不能の壊れ方をしていても不思議ではない。
ただ、案外普通の音だな、というのが第一印象。
これがコンデンサーカートリッジだ、というのはあまり無い?
だが、焦りは禁物。何しろ寝起きである。特にSB-510は何十年も寝たきりだったはず。
こんな時はひたすら電気と信号を喰わせるに限る。
するとジリジリと音質向上。
意外にもトロンとした甘みのある音だ。
コンデンサー…なんていうからもっと独自性のあるシャープな感じかと勝手に思っていた僕。
しかし特に弦などにはある種の麻薬的音色でもある。
ここにあと一歩華やぎというか切れというかが加われば…と思ってふと気づいたのが…
1月23日
ふと気づいたのがプリ。
これはもしかし…という事でSY-88からPRA-2000にチェンジ。
後の組み合わせはすべてそのままで、さて、どうよ?
これはもう嵌ったというかなんというか…
ぱーっと世界が拡がる感じになる。
切れ込み、華やぎという部分で88はどうしても2000に並ばない。
同じ東芝同士でうまくやって欲しかったし、PRA-2000にHMA-9500じゃあ
40年前の長岡先生である。
ただ、要は結果なのでありまして…
今までどこか丸まっていた部分が綺麗に突き抜けて、色気に華やぎが加わって、
ああこりゃ結構♪
1月25日
ホームページの更新。
一番面倒なのが画像である。
画像の処理やら挿入やらさえなければこんな楽なことはない。
だが、そうはいかない。
画像の無いホームページなんて誰も見ない。
だから十年一日のごとくのつまらない写真をせっせと貼っている。
もう一つ、僕の場合画像も句読点の一つになっている。
しかし、画像無いと楽だな、とここ数日の手抜き更新を振り返ると
改めて思うのである。
SB-510のフォノ基板。
ご覧の通りコネクター多用なので分離して抜き取るのも容易と思われる。
SB-510には悪いが、そうなる日も近いはず。
コンデンサーカートリッジだが本体が軽い上にアームが506/30だから
なおのことシェル重量が必要。
おかげでテクニクスのシェルの上にウエイト二つで6gというのが
載っている。
お供え餅みたいだけどお正月だから良いか?
いや、良くない?
真面目なインプレはこれからとなる。
いつも同じことを言うが古い機器相手の場合、
まず音が左右からちゃんと出ることが大事。
全てはそれからなのである。
1月26日
コンデンサーカートリッジについては何年も前から興味を持っていた。
しかし、”コンデンサーカートリッジ”、で検索を掛けた時出てくるページはそんなに多くない。
だが、充実したページが多い。
例えば真っ先に見つけてみていたのがこちら。
それから最近ではこちら。
多分皆さんもご覧になられている事であろう。
お二人とも電気のことがちゃんとわかっておられるので
コンデンサーカートリッジにおける(光カートリッジも同様か)
片チャンネル位相反転に対する考察なんかも見受けられる。
よっしーも研究検証をしてみたいものだが、
その前にSB-510の場合死んでいたトランジスタを適当な物に差し替えて
そのまま物ぐさして使っているようでは駄目だ?
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