12月6日
いつかは来る日だったが少しだけ唐突だった。
父が旅立った。98歳と11か月。白寿を目前にしての出発。
大正から昭和、平成、そして令和と駆け抜けた男が
最後に見た物はなんだったのだろう。
とにかく煩い人だった。
子供がそのまま大人の顔を得てしまったとでも言うのだろうか。
もう勘弁してくれ、と言いたくなる毎日。それがよっしー的日常だった。
だが、もうその声を聴くことが出来ないのだと思った時、
言い知れぬ寂しさが僕を襲った。
空っぽになった部屋とそこに置かれたベッドを見た時、
不覚にも涙がこぼれそうになった。
そんな自分に驚いている。
あれほど煩わしかった筈なのに…
こんなことをここに書くのもどうかな?と思ったが
これまでだって色々なことを報告してきたから書こうと思った。
旅立つ男をきちんと見送りたい。
12月7日
こんな時にこんなもん書いている場合じゃない、
という説もあるが心のざわめきが少しでも和らぐのは
普段通りのことをしている時なのだ。
本当に突然だったので、そんな事になるとは知らず
手に入れた物たちが届いている。
ビクターのターンテーブル。
それだけだと珍しく無いが、こちらは一味違う。
そう、こちらTT101様。
1975年当時15万円。
テクニクスのSP-10MK2とガチンコ勝負の意欲作だった。
見たか、ラボラトリーシリーズだゾ。
…は良いが残念ジャンクである。
まあジャンクでなければよっしーなんかの手に入る物じゃない。
ただ、101のジャンクはなかなかやばい。
検索してみると分かるが修理成功事例がほぼ無い。
これはどういうことかというと直らない、ということだ。
その辺を改良してコストも少々抑えたのが81だったりするのだが
この期に及んで普及率の高い物を手に入れても盛り上がらない?
で、能書きとしてはSTOPランプが点灯したままで
33も45も回転せず、だった。
ところが届いた物を操作してみると廻るではないか。
え?ラッキー、と思ったが世の中そんなに甘くない。
廻った。確かに回ったのだが廻る廻るよく廻る。
そう、超高速回転だ。
これも困るというか事例が少ない。
まあ、ボチボチやろう。
特殊なICがいかれているとお手上げだが
その時は中味を81にしてしまう?
まさかね。救いの手も歓迎したい。
12月8日
ヤマハB-6。
これはGWのツアーで確保済みの物で
この半年の間に写真に映りこんでいたりもしたから
目ざとい方はお気づきだったかもしれない。
電源入るが保護回路入りっぱなしということで
比較的軽症な部類と言いつつ半年放置になってしまった。
特徴的なデザインはそのままオブジェとして置いておくのも
悪くないと思わせるし、万一直らなくても
中にデジタルアンプの基板など仕込んで見ても面白いと考える。
ただ、もちろんノーマルのままの状態に戻すのが王道。
X電源搭載の意欲作だがパルス電源が当時は認められなかったというか
完成には遠かったというべきか。
でも、そんなに酷いの?という事を検証してみたいと思っている。
12月9日
なんともレトロチックな外観のこれは?
これは例の光カートリッジ採用だったオプトニカの家具調ステレオの
プレーヤー部分。
光カートリッジだけをもぎ取って
後はおさらばするつもりだったのだが見ているとなんとも
クラシカルというか愛くるしい。
ケースを作ってあげて電源ケーブル繋いで
出力端子を付けて…と、こんなこと考えているから
なかなか片付かないのじゃ。
12月10日
ゴミを見せるな、という無かれ。
これはオプトニカのレシーバー部分だ。
左側がごっそり空いているのは
光カートリッジ対応イコライザー部分を抜いたからだ。
もう後は用無し?
…なのだが、気の毒になってしまうから始末に負えない。
フォノ部分はAIWA PX-E860の基板でも入れてしまおうか?
それにしても汚れが凄くて、これはだいぶ掃除が進んだ段階の写真。
パネルを付けてしまえば目に触れない部分なのだが
そういう所ほど綺麗にしたくなるからアホですな。
12月11日
ツマミのお手入れ。
ほぼマジックリンだけで出来るからスゴイ。
ただ、爪楊枝も必要。
磨くのは上手だが写真が下手だな。いつものことだが…
12月13日
これについては修理ではなく単体使いが
出来るようにとリファインみたいなものか。
世の中にはよっしーは電気に明るい、みたいに思っている人が居るみたいだが
そんな事は無い。絶対にない。
今回なんかもびくびくしながら弄っている。
本当にやっと、アースの引き方が分かってノイズ面の解決がついた感じだ。
音だがある意味相変わらずだ。
結局気になるのはゲイン不足みたいなところか。
といっても実際のところ数値的なゲインはさして低くないと思う。
動的ゲインとでもいうべきか、下っ腹の力の入り方みたいな物が欲しい。
恐らくレシーバーの中のフラットアンプやら何やらと
ちょうど合うように設計されているのだろう。
それを勝手に親子泣き別れみたいな事をしているのだから
文句を言えた義理ではない。
後はイコライザーの素子などに手を入れて音調を
変えることが出来るか?だが、よっしーはそこまで回路に強くないのである。
この先どうするか?
その前にケースをちゃんとして、見られて恥ずかしくない程度には
格好をつけないとね、とおもうのだ。
12月14日
これはちょっと難儀…と感じたオプトニカ光カートリッジだったが
ふと思いあることをした。
いや、大したことではないというか非常に重要なことというか。
つまり針圧調整である。
このカートリッジ、針圧がわからない。
元になるセパレートステレオの取り扱い説明書を見つければ記載があるかもしれないが。
そんな時、大体1,5gくらいで掛けるのだが、本当の適正値は?と
探るのを忘れていた。
結果。1,5よりも軽く。試しに1gでもトレースはするがちょっと不安定。
1,2〜1,4gの間に適当なところがあるみたいだ。
その辺を弄っただけで、随分活性化がなされた。
希望が見えてきたのだ。
その後だが安定してきた。
これくらい鳴れば一応オーケー。
気になるところを探せばキリもないが、例えば低音のある帯域でのふくらみ。
あるいはアームとの関係かもしれない。
他にも、シェルにも疑問を持っている。
デザイン的には未来志向でかっこいいのだが音的にはベストか?
ちょっと疑問。
リード線も…と言い出すとキリがないが光でもリード線の影響は出るの?
出るんだろうな、きっと。
…ただ、今、僕はレコードをとっかえひっかえ、引っ切り無しに掛けている。
全ての音楽が鎮魂歌になっている。不思議なことだが…
12月15日
青い稲妻?