11月1日
11月2日
僕の光も光った(日本語的に変?)。
11月3日
光(光電式)カートリッジという形式そのものは
かなり以前からあったという事はこれまで繰り返し述べて来たし
知っている人には自明とでもいうべきことだろう。
ただ、その数は多くない。
トリオ、シャープ、東芝?
そんなところだろうか?資料が残るのは。
その中の一つ、シャープ=オプトニカの光カートリッジが
よっしーの部屋降臨である。
11月4日
光カートリッジにはpippinさん宅で以前聴かせていただいた時から
興味を持っていた。
だがしかし、昭和オーディオ本舗としては現行品に手を出す訳にはいかない?
いや、本当は金が無いだけだが(-_-;)、シャープの光カートリッジの出物があったので
手に入れてあったのだ。
カバーを剥ぐと構造がわかる。
手前に電球。
そしてカンチレバーにはシャッターが付いているのがわかると思う。
だが、これだけでは音は出ない。
そもそも本当に機能するものかのかもわからない。
ま、それでも良い、その内に、と思っていたのだが…
11月5日
その内に…と思っていたのだが先月GTOさんのところで
DS-E1+合研を拝聴したら、これは急がないと、と思ってしまった。
いや、まあ太古のシャープと現代の光では同じ土俵には上がれないだろうが
こちらは昭和の光ということで、それはそれで興味深いじゃあないか、と考えた。
だが、とにかく専用イコライザーが必要。
それは単売などされておらず、当時のコンソールステレオの
レシーバーとかアンプを探すしかないという事もわかっていた。
そこで本気でウオッチ。
本気を出すと見つかるというのは嘘で、たまたまタイミングがよかったのだろう。
オクでGS-5621というのを見つけた。
格安の出品だったが、これは拾ってきて出す方も
まさかそんな価値があるとは思っていなかった。
そして見ても気づく人は居なかったのだろう。
即決価格で一発落札。
アッという間に物は届いて、その外観は11/1の写真の通りなのだが
いや、これが汚れがスゴイ。
スゴイ汚れはよっしーの好物だが、なかなか立派なものだった。
ほこりが云々というのはあるが、レシーバーの中に落下物いと多し。
鉛筆だとかマッチ棒だとかは良いのだが、
結構金属製品が落ちていた。これはアブナイ。
とにかく掃除。そして点検。
果たして使い物になるのか?
レシーバーが大丈夫だったおして 光カートリッジ本体はどうなのか?
なかなかスリリングな数日間を過ごさせてもらえた。
鉛筆にはお名前が書かれていた。
で、音は出るんかい?
11月6日
で、音は出るんかい?
洒落ではない。音が出なければどうにもならない。
それも両チャンネル出ること。これは譲れない。当たり前だが。
このレシーバー。背面に光、MMの切り替えがあるのだが
まずはMMでテスト。
結果、ちゃんと両チャンネル音は出る。ただ、なんとなく片チャンネルが弱い?
言い忘れたがここに至るまでにレシーバーの接触不良などには
対処している。
そして光へ。
どうだ?
お!接続したら光った!
そうか、こんな風に光るんだな。感激した。
よし、では音だ。
…
ところが、これも片チャンネル出ないというか、なんともノイジーで
いかにもどこかがおかしいという音。
人生泣き笑いとはこのことで、光ったと思ったら輝かなかった、みたいな感じ。
ここでアーム等の接触不良を疑いテスターで検査などするが
特に導通が切れている感じはない。
となると更に嫌な感じだが、言っていても仕方ないので基板を覗く。
すると見つかるのはその時名石。次第に迷石となった日立のトランジスタ
2SC458だ。
これが8つ、フォノイコ基板に載っている。
まあやがては交換するしかない石だから、と2SC1815に全部交換。
さて、これでどうよ?
11月7日
簡単に書いたけどトランジスタ8個であっても交換するのは大変。
何しろ配線が飛び交っている上にマニュアルも
何もないから手書きで実態の配線図を書くところから始まる。
万一、「え?このぶらぶらしている線、どこの?」なんてなっても大丈夫なようにしておくのだ。
四苦八苦しながら作業を終えて、さあどうだ?
…だいたいこうした時の予感は当たるものである。
そう、症状は改善されていなかったのである。
これはさては…
改めてプレーヤーの接点のディープな点検。
テスターで導通が確認されても、それだけではダメなことがある。
微小なアナログ信号を通過させる場合は特にそうだ。
一番怪しい、アームとシェルとの接点。
ここを真剣に追い込み過ぎてピンが一本引っ込んだままになってしまったほどだった。
(分解して元に戻した)
それらにより、ついに左右の信号がまともに発せられるようになったのである。
めでたしめでたし。
しかしまだ音を語るに至らない。
というか、このベルトドライブプレーヤー。そもそも60Hz仕様のはずなんで
当方の環境ではまともに鳴らない。
ここで次のステップ。
各種配線を外して付けて、他のプレーヤーとの接続成功である。
11月8日
今そこにある装置から外部から信号を取り込む。
あるいは逆に引っ張り出す。
言うは易く行うはちょっとだけ難しい。
でも、やらないと先へ進めない。
少々悩みながら作業。
さて、どうにかこうにか接続可能になった。
プレーヤーはJL-B37R。そしてプリはSY88。
まずはMMでテスト。
OK。次は本命、光だ。
しっかり光るがそれだけでは不充分。
音が出るかどうか?だ。
さてその音は…
11月9日
まず、気づくのがノイズフロアの低さだ。
SN比が良いとかどうとかじゃなく、そこに静寂があるのだ。
この点において光は確かにMMやMCに差を付ける。
そしてこれは光全てが、とは言わないが、
この古代史ものの光カートリッジは奥行きであるとか高さ低さといった
表現に優れているようだ。
他方、どこかよそよそしさを感じる。
羽目を外さないフラット志向とでもいうのか。
感心はするのだがそれがリニアに感動に繋がらないきらいがある。
…と書いていて、これはpippinさん宅で初めて光体験(モニター)を
させて貰った時の感想と似ていると気づく。
もちろん、光すなわちそういう音、ではない。
現に先日のGTOさん宅では別の音がしていた。
ま、取りあえず昭和の光カートリッジ大作戦の第一幕は終わり。
繰り返しになるが音質を言う前に音が出るかどうかが
このような場合は先なのだ。
今後はレシーバーからイコライザー部分を引き抜いて…という事になるが
ちょっと休憩も挟もう。さすがに疲れてしまう。