6月14日
アクセサリー音痴。
長岡先生の言葉である。
うまいこと仰ると思ったものだ。
衣食住足りてその先にあるものがアクセサリーであり、
筆者の生活はそこまで行っていないと言うのだった。
ま、影響力の大きい先生のことだったから、下手に推奨したりすると
エンドユーザーが大挙して動いてしまう恐れもあり、そうしたスタンスも必須だったといえる。
翻って我が身は?
これがまた質実剛健というか、吝嗇が祟って、お洒落な生活には程遠い。
衣服なんかも2パターンくらいしかなくて、一日おきに同じ服装をしている。
しかも主体性が無いから、入れ替えて貰わないと夏でも冬服を着かねないというふざけた生活。
もうちょっと何とかならないかと自分でも思うのだが…
さて、そんなよっしーのところにお越しくださったお二人。
お一人はオーディオ仲間のpippinさん。
もうお一方もオーディオ仲間…
なのだが、Aさん、気づいたらGe3というオーディオ関連の会社に入られ、プロになっていた?
で、やおら何やら爆竹みたいな物を取り出され…
6月15日
怪しい爆竹みたいな物はこんな風にピンケーブルに
細い針金のような物を使って括り付けられた。
この作業は超困難とは言わないが、そこそこ手のかかるものみたいだ。
さてさて、それで音はなんか変わるのか?
装着前と同じディスクを、そのまま再生。
…
音が出て暫くの間三人とも無言。
面白いのは持ち込まれて装着されたAさんまで本気で驚いていること。
そう、それくらい音は変わるのである。
まず、「誰かプリのボリューム弄った?」と思うくらい
音量が上がった。
もちろん実際には上がったのではなく、上がったかのように聞こえたわけだが
この変化は本当に特筆ものだった。
音量アップ。の筈だが煩さは全くないので
更にボリュームを上げたくなるという不思議な現象が起きた。
以上はまずCDでの感想だったが、続いてアナログ=フォノケーブルにも装着。
予想されたが、同様の変化が確認された。
この音を基準にすると、それまでの音は
一生懸命に見せかけてどこか手抜きをしていた演奏ということになりそうだ。
音の実在感がグンっと増し、音がそこにある、という感じが強くなり
揺るぎの無い世界が現れた。
一言でいうとそんなことだ。
これには驚いた。
実はよっしーは、いよいよ次のステップとして
そろそろルームチューンなんて事でもやらないといけないかな?
と思っていたのだが、どうやらそんな事はしなくても良さそうだ。
そう考えると大変なコストパフォーマンスである。
なんだかキツネにつままれたような気もしたが
この音を失いたくはない。
そういうことでこの爆竹…
ではなく篳篥・朱(ヒチリキ・アカ)はそのまま。装着したままとなった。
当分の間聞きなれたディスクを聞き返してニヤニヤして過ごそう。
これは大変な儲けものなのであった。
6月16日
さて、ところでオフ会に向けてちょっと一ひねりをしてあったのでご紹介。
メインで鳴らしたのはSY-99→HMA-9500→G7という流れだが、それと別に
C-2X→AST-A10→AST-S1という流れを組んでおいた。
これにCDプレーヤーはCDX-2200。アナログプレーヤーはGT-2000Xを二台という構成。
組み合わせてから驚いたが、なんとオールヤマハである。
入り口から出口までワンブランド。
こんなことも珍しい。
そしてポイントはAST。
現YSTと呼ばれるヤマハの看板商品の始祖である。
ASTについては過去にも説明したり力説したり?しているのでその辺は省略。
僕にとってポイントの一つはAST-S1というスピーカーのプロポーション。
どこか憧れ続けている、LS3/5の代わりに…と思えるサイズ感。
もちろんS1は前面から見た時にA4サイズということなので3/5より少し大きくなってしまうだが…。
これを鳴らすには専用アンプAST-A10とカートリッジが必要。
で、音だが…
6月17日
音だがこれは良い(笑)
ゆったりと。しかも繊細に鳴る。
黙って聞いていると後ろのG7が鳴っているのかと勘違いしてしまう。
ここまで良い感じで鳴るとは持ち主様でも気づかなかった?
一つには組み合わせ。それからセッティング。
やはりほどよい空間というのは装置には必要なのかも?
諸々相まってうまく行ったようだ。
ご来客にも好評で、なによりそれが一番うれしかった。
雑誌、AV Front創刊号の冒頭を飾る広告がASTのだった。
時代も感じられてとっても良い。
二号の冒頭にもASTの。それもさっそく先月のとは
別広告。
景気良かったね。
力が入っている、というより、開発者が嬉しくって踊っている。
良い品物というのはこうでないと生まれない。
AVプリというのも時代。
時は29インチブラウン管がリビングに浸透していった時だった。
AV Front 3号よりの記事。
カンターテドミノのトラック6の暗騒音が再生できるか?と言ったようなお話から始まり、
ヤマハ発動機の協力を得てマフラーの研究データを貰い、そこにMFBスピーカーを
くっつけてみたという嘘のような展開。
管楽器づくりの経験も活かされ、ゴルフクラブ設計のために使う
高速度カメラを借りて…となると、大きな会社。
それもグループをたくさん持つ会社の強味を思い知らされる。
鳴り物入りで登場したASTだが、専用アンプとカートリッジが必要というのは
普及には足かせになった。
それゆえか、ハイエンドオーディオの革命児、とはならなかったが
AST内蔵のコンポが売り出されるなどして元は取れたことだろう。
やがてアンプもカートリッジ部分もスピーカー部も
一体型で当然のパワードスーパーウーファーの分野で
ASTは大活躍。
商標の関係でYSTとなっているが21世紀の今日も健在である。