6月3日
ちょっと休憩、というか体調もおかしい。
写真はDD-5。
お手入れをした。
これも町内会のため?
そんな感じ。
6月6日
アナログカートリッジなんてのは
星の数ほどある。
そして確かにその一つ一つが異なる音を持つ。
だがしかし、各々が天と地ほど違うのかというと
そこまでの差は無い。
だから次々とカートリッジに手を出すなんてのは
愚の骨頂と言えば愚の骨頂。
愚かしい…
しかし、であれば、その愚を極めてみるのも一つかもしれない。
さて、SATINからORTFONへ。そして再び日本へ。
日本の星といえばオーディオテクニカだ。
間違いない。
テクニカと言えばやはりVM。そして黄金のナンバーはといえば
15である。
AT-15Sa登場。
以前更に一つ前の15Sをご紹介したことがあるが
SでもSaでも僕ら世代にはちょっと古いカートリッジだ。
どちらかというと15EとかEaと言ってもらうと
ジャストの世代。
もっと若い人になると150シリーズということになる。
改めてAT-15Saとはいかがなカートリッジかというと…
6月7日
AT-15Sa。
1975年ごろの製品で当時25,000円。
同価格帯にSONY XL-45が。ビクターX-1があった。
そんな時代だった。そして25,000円は安くない。
重さ8,5g。結構重い。
ダイキャストボディの威力である。
超単純にいうとカートリッジのボディは丈夫な程よい。
となると重くなる。
やむを得ない。
…のだがシェル込総重量を考えると無暗に重くは出来ない。
だからどこかで落とし所を探すのだが、その点8g台はギリギリの線。
その他は以前に取り上げた15Sとほぼ同じである。
SとSaの違いは針先の形状だけ?と思える。
Saはシバタ針なのだ。
今みたいにSAS針だ、とかが出てくる前は針先といえば丸→楕円→シバタ。
みたいな感じでシバタ針は最強だったというか、同じシリーズであれば高価であった。
すなわち一番音が良いのか?その辺は注意が必要。
そしてもう一つ。カートリッジというのは諸条件で随分印象が違う。
ここも要注意。
というのもSaではない方の15Sの音。
これはある意味驚きのよそよそしさ。
ちっとも話に乗ってこない。商売女だったら即解雇級の冷淡さを感じて記憶に残る。
Saの音もその延長上にあるのではないか?恐る恐る針を降ろす。
と…
6月8日
と…
これはズバリ全然違う。
実に透明で力強く、明瞭。
ハイエンドに独特のスパイスをかけたかな?と匂わせるあたりが、伝統の15系ですが、何か?と
語りかけるようだ。
ちなみに後継の15Eaだともっと重心が下がった、安産型の?音になり
こちらは最後の15(150系が出た後も流通していたこともあり正にロングセラー)になる。
人々の記憶にもEaは残りやすかったがその点SやSaはアンラッキーだったかもしれない。
とはいえ、SaもEやEaとしばらくは併売はされていた。この辺もテクニカあるあるだ。
Saは直流抵抗470Ω。インダクタンス380mH。インピーダンス2,5kΩ。
Eは直流抵抗1200Ω、インダクタンス935mH。インピーダンス6kΩ。
Eaは直流抵抗750Ω、インダクタンス625mH。インピーダンス4kΩ。
だからどれが良い、という話ではなく、各々違うということ。
針先だけの違いではないということも言っておくが、これもまたテクニカあるあるで
針の互換性はあるからEaにSaの針を載せればシバタ針仕様に変身する。
その辺も楽しみだすとテクニカ沼に落ちるので今回はやらないし、やる必要がないくらい
Sa単体で素晴らしい音だ。
1970年代半ばで既にこの音が出ていたことに驚嘆するし、オーディオは進歩していない
という説に賛同したくもなる。
敢えて言えば、どこか官能的ではない、ということを感じる。
まあ、そんなのはイチャモンに近いと言えばそうだ。
あまりにもスキがないので何か一言言ってやろう。
いじわる爺のスイッチを入れがちな音と言える。
1970年代中盤の25,000円は大金なのだ。
変なことを想起させてくれる。
実に立派なカートリッジである。
6月9日
今回の巡回は、これまで縁がありそうで無かった物たちを捕獲する率が高い稀有な巡回だった。
これもその一つ。テクニカのAT-120Ea。
新品で買い求めていたとしても決して高くは無かったのだが、そうした買い方はしない(できない)のだ。
どこかで出会ったら…適正価格で…と思うとこれが案外無い。
ATは入り口の機種にこそ見るべきものがあるという都市伝説もあって、過去には北陸ツアーで
AT-100も手に入れている。ただしこれは針なしで色々な上位機種の針を組み合わせて楽しんだ。
100もあるが120こそ本当の入り口。
150系とは違う音を聴いてみたい。
…と思い続けて幾年。今回やっと適正価格の物に出会えた。
6月10日
ちょっとここで注釈。
突然だがDENON DP-3000登場。
実はこれもGWのツアーでゲットした物。
これについてはこの後また触れるがAT-120EaはDP-3000に東京サウンドのST-14という組み合わせで
聴いた。
ずっと同じ組み合わせで聴くのが試聴記と考えたら正しいが、いい加減こっちが飽きてくる。
そこでちょっと浮気?
ちなみにプリがSY-99から88に代わる。メインは同じくHMA-9500。
さて、AT-120Eaの音は?
予想通り、これも良い音だ。やはりテクニカはカートリッジのホームラン王である。
ちょっと気になるのが力感不足。
音は出ているし曲が別の曲に変わって聴こえるわけではない。
ただ、やっぱりここ最近聴いてきた2万5千円クラスとは差がつく。
ついて当たり前で、ちょっと安心したのも事実。
こうして聴き比べるとわかるのだが、
その違いというのは例えば楽器なんかの値段による音の差みたいなのと
非常に似ている。
どんな楽器でも音は出る。
ただ、当然音は違う。
その事実をどう見るか?だが、
端的に言ってしまうと、「良い思いしたかったら金を払え」って事になる。
こればかりは仕方ない。
試しに120にVMN50Hのシバタ針を付けてみると
これは確かにちょっとだけ音が高級になる。
ただし、それでも上級機とは異なる。
どこか一部の問題ではないのである。
あ、繰り返しになりますがDP-3000については後日
詳しく触れたいです。