2月1日
出会い。
僕とSY-99の出会い(実際には出会ってもいないが)があるとしたら
この週刊FM1979年16号。7/23〜8/5号ということになる。
この号では長岡先生のお宅に読者を招待、という記事が組まれ
四人のマニアが押し掛けている。
これがいずれも劣らぬハイレベルなマニアで、
何度読み返しても楽しかった。
で、この時の長岡先生のリファレンスが以下の通り。
カートリッジMC-1
アームEPA-100
フォノモーターSP-12
そしてプリにSY-99
メインがHMA-9500
スピーカーはD-7初代だ。
見えっこないが上の写真でラック右側の上段に納まっているのが
SY-99。
「さて、BH試聴会。筆者の方のラインナップは
プリを除けば読者と大差ない。
ユニットはすべて市販品であり、特注品は使っていない。
(中略)
筆者もオーディオが趣味一本だったら、もっともっとスゴイ装置を組んでいたに
違ない。
マルチアンプなんか組むのはわけはない。
倉庫にはディバイダーやアンプがゴロゴロしている。
(中略)
全ての高級機は自宅でテスト済みであり音は確認している。
頂上を見極めることは必要だからだ。
しかし筆者のプレーヤーはいまだに11万円である。
書斎ではBGM用に20万円のフルオートを使っている。
子供も勉強部屋に20万円のプレーヤーを置いている。
それなのにメインは11万円で頑張っているというのは仕事だからである。
超高級機を並べ、特注品をそろえて悦に入ったとしても
これは成金趣味であり、一般ユーザーとは完全に断絶してしまい
仕事にならない」
いや、もうこのくだりには惚れ惚れしてしまい
ほとんど暗記してしまうくらい読み返した18の夏…
2月2日
「というようなわけだから
筆者の音と読者の音とはまったく同じでなければいけないのだが
試聴参加の四人の感想ではかなり違うということである。
(中略)
その原因の第一は部屋だと思う。
(中略)
第二はプリアンプにSY-99を使っているということだろう。
約50万円のプリだから、これは筆者の主義にも反するわけで
いずれデンオンPRA-2000あたりに換えようと思っているが
確かにSY-99の音は独特、というより本物だ」
…という風に書かれていて、この時のこの一行が、
後年までよっしーを縛ることになった。
よっしーはこの1979年の時点でもオーディオマニアだったと言ってよいと思うが
1976年〜77年ほどの傾倒ぶりからすると一歩後退。
だからSY-99が登場した瞬間というのは見逃しているのだが
長岡先生が入れた50万円のプリ、ということで
強く印象を残した。
それにしてもPRA-2000あたりに換えよう…って
あたり呼ばわりされているPRA-2000だって20万円もするのに
先生ったら…と、これもまた記憶に残ったというか
残らざるを得なかった。
2月3日
AUREX オーレックスのプリSYシリーズ。
まず脚光を浴びたのはSY-77だろう。
1977年。あるいは1976年だったか、の発売。
138,000円。
薄型プリ全盛の時代にあって、これも薄型。
ただし寸法のレコードホルダーを目指したりはせず
音質にこだわって、薄型の中にあっては比較的大きめの筐体を
もっていた。
450W×93H×379D。9,5Kg
参考までにビクターP-3030は420W×61H×348D 5,8Kg 70,000円
オンキヨーP-303が450W×83H×370D 7,5Kg 80,000円
ラックス5C50は442×101H×400D 8,2Kg 160,000円
やはり価格と重さは比例するのか?と妙なところで感心する。
時代的にMCが浸透していく時期だったからMC対応を始めたプリも少なくなかったが
例えば上記4機種の中ではSY-77だけが純然たる?MMオンリーの対応。
SY-77の寸法を改めて見ていて興味深かったのは幅が450な点。
SY-99まで、この寸法は継承されている。
ラックに入れるにはベストなサイズ。
ただし77や88はともかく99はなんとなく幅が寸足らずに見える。
高さ93は、実は同初のモノラルパワーアンプSC-77に合わせてのこと。
まあそれこそ目立つところのないプリだが音に秀でるものがあったということで
SYシリーズが評価を得るきっかけとなった。
長岡先生もパイオニアエクスクルーシブC3からSY-77にリファレンスをチェンジ。
またパワーアンプもヤマハB-1からパイオニアM-25に変更。
短期間だがSY-77+M-25というのが越谷スタンダードとなった。
2月4日
77は88へと進化する。
1977年登場。
当時180,000円。
サイズは77とぴったり一緒。
重量は1Kg増の10,5Kg。
これは電源トランスが二個になったためと思われる。
77と発売時期は一年くらいしか違わないが
88はMC対応。ヘッドアンプ搭載だ。
MMへの対応もぬかりなく、インピーダンス、容量とも五段階調整可能。
ただし77にあったトーンコントロールは省略。
シンプルに徹した、一種のイコライザーアンプである。
ガラエポ基板に分厚い銅箔、というのは88から始まった。
抵抗類も一見してわかる高級品。
そして新開発のVコン(マイラーコンデンサー)を徹底使用。
長岡先生をして、雨後の筍のごとく、
いもむしの運動会のごとく、と言わせたのが88だ。
そもそも音の良さで評判になった77を更に磨き上げたのが88なのだから
これは好評。
だった上に別冊FMfan16号の集中テストで取り上げられた個体は
新開発のコンデンサー二個入りの試作機で
異次元の音の良さを誇ったようで、
これがそのまま長岡先生のリファレンスに納まってしまったという
おまけつき。
この新開発のコンデンサーというのが
後のΛコンデンサーのことではないか?
とまことしやかに言われるが真偽のほどは不明である。
ただ、後に長岡先生の88はΛ四発入りに改造された筈で
影響でマニアがこぞってΛを探し求めたとか求めなかったとか?
いずれにしても、この88とメインアンプHMA-9500の組み合わせが
’77年的リファレンスとなったのは有名なところ。
そして…
2月5日
発売の順で言うと88の次は99となるのだが
88の系譜を先にここで…
1981年だったか、SY-88はSY-Λ88にチェンジ。
239,000円。
ずいぶんな値上がりに見えるが中味からしたら安い。
そして一見マイナーチェンジだが実際は別物と考えた方が良い。
450W×93H×386Dの寸法は変わらないが重量は11Kgとまた増えた。
接点を少なくすることがこの頃のオーレックスの命題?のひとつで
ヘッドアンプとイコライザーアンプの間と
イコライザーアンプとフラットアンプの間にロータリースイッチが入るだけ。
トランス二個から始まるセパレート電源は88以来のもので更に強化版。
ガラエポの基板で銅箔の厚さは1000μと300μとオーレックスらしさ炸裂。
しかし何より凄いのはΛコンデンサーが58個も使われていること。
高額なパーツであり、通常は惜しみながら使うものが
これでもかと、情け容赦なく?注ぎ込まれている。
問題の音だが先代の88とも、また99とも異なるパールトーンとされている。
Λ88について、僕は聞いたことが無いので当時の雑誌情報による物になるが
歪感の無さは驚くほど。なのだがあと一つパッション不足、ということか。
この点各評論家先生の言も揃っているので確かと思いたいが、
例によって貸し出された個体の問題という説もあるので
本当は使っている人の言葉を聞きたいものだ。
やがてΛ88はΛ88Uへとチェンジしていくのだが…
2月7日
Λ88は、そしてΛ88Aへ
1981年秋、登場。
265,000円。
寸法変わらずだが重量9Kgと初めてのダイエット?
これは、それまで二基だった電源トランスが一基になったためと思われる。
変化としてバランスコントロールが通常のヴァリオーム式からスイッチ式になっている。
これも接点の不確かさを減ずるための方策だ。
いたずらにΛコンデンサーを詰め込む?ようなことはせず、
μΛ-Uコンデンサーなどを必要に応じて配置。
何より、力強さを備えて、88シリーズの。というよりSYシリーズの集大成とでも
言いたくなるようなバランスの良さを作り上げたのが大きい。
このΛ88Uがいかに高く評価されたかは、それこそ評論家各氏がこぞってリファレンスに
迎え入れ、ベストバイでもトップに推したことからもよくわかる。
さて、だがしかし、ここに一人、Λ88Uをベストとはしなかった評論家が居た。
そう、長岡鉄男氏である。
誤解しないでいただきたいが高く評価している。
しかし自身のシステムには…ということだ。
別冊FMfan33号。カートリッジフルテストの冒頭でリファレンスプリについて触れられている。
この時PRA-2000一号機がダウン。
エポキシ固めの副作用で基板が壊れたようだ。
次期リファレンスをどうするか?ということでいくつかのプリが検討された。
「SY-Λ88U。このプリはPRA-2000とP-L10の中間的存在といえる。
どこから見ても問題のない優等生。
中低域の厚みと安定感。音楽の骨組みをしっかりと再生して
じっくりと聴かせるといった点ではPRA-2000を上回る。
しかし(前記の)細かい音とスピード感。音像、音場の三次元的展開といった点では
やはり差があり、カートリッジの差を見つけるといった立体顕微鏡的な能力では
PRA-2000が有利である。
SY-Λ88Uは10日間使ったが、結局PRA-2000に戻ってしまった」
「SY-Λ88Uは、シンプルな回路構成といい、接点の驚異的少なさといい、
超高級パーツの採用といい、厚くて強靭なガラスエポキシ基板といい、
あらゆる点でPRA-2000をはるかに上回っているのだが、音質面では一長一短の
感じになっているのはなぜか、筆者にもよくわからない。
全くの推測だが、基板に問題がありそうな気もする。
基板は厚すぎても良くないのではないか。
また大型の一枚基板というのは全体が共振しやすいので
これが音に影響するのではないか。
細かく切って一枚づつシャーシに固定していく方がいいのではないか。
かなり非科学的な推測だが今のところそれくらいしか思いつかない。
あるいは筆者の耳は悪い音に惹かれるのかもしれない」
2月8日
…と、77、88、99とリファレンスに使った長岡氏だったが
Λ88およびΛ88Uはその座に納まらなかった。
一方、既に書いたようにその他評論家各氏においてΛ88Uは絶賛。
ステレオ誌'82年3月号の私のベストワンはこれだ、において6人中5人までが
Λ88Uを推した。
この時一人だけSONY TA-E900を選んだのが長岡先生。
「プリは多士済々で、ベストワン候補も何機種もあるのだが、逆に考えれば
ベストワンがないともいえる。
ちょっと思いつくものを挙げてみると、古くなったがオーレックスSY-99。
当時としてはアッと驚く50万円。重量は今でもNo1。
しかし中高域のサエはもうひとつ。
これは発売当初からそう感じていたし、原因は厚すぎる基板。大きすぎるパーツ。
スペース不足(中身の詰まり過ぎ)にあると考えた。
この考えは今でも変わっていない。
相撲取りでいうと北の湖。ひょっとすると朝汐、高見山か。
同じオーレックスのSY-Λ88Uになると、もう少しバランスがよくなり、
北の湖を少しスマートにしたというか、あるいは隆の里か」
と、例に寄っての名調子なのだが関取に例えるあたりが上手いというか
テレビ大人の長岡先生が書斎で大相撲をつけっぱなしにして原稿を書いている姿が
目に浮かぶ。
ちなみにTA-E900は「正に千代の富士だ。現在の千代の富士よりさらに一回り大きくなった
千代の富士かもしれない」と絶賛。
しかしE900は天板に入出力端子があるという使いにくさ(よっしーは一概にダメだと思わないが)
天板の鳴り。なにより60万円という価格が引っかかってリファレンスには収まらなかった。
2月9日
さて、ときに理想のプリアンプというのは存在するのだろうか?
究極のプリアンプを探して…
ロードムービーが撮れそうだ。
人生の伴侶みたいなプリアンプを探す。
これはなかなか難しそうな気がする。
もちろんメインアンプだってスピーカーだって、理想の物を見つけ出すのは簡単ではない。
しかしプリアンプの難しさというのはそれらの難しさとは一味違うものがあるように思う。
だからキャリアのあるマニアほどこう言うのである。「プリアンプは難しい…」
さてしかしプリアンプ。
アナログディスク全盛期のそれは、確かにフォノイコライザーを搭載して
カートリッジの微少信号を増幅するという大きな役割を背負っていた。
だがしかし1982年にCDが登場して、それがメインソースになって行くと
今度はプリアンプ不要論さえ出てきた。
プリアンプ大好き人間のよっしーでさえその考えに一部賛成で、
例えばフォノイコのHX-10000からパッシブボリューム→メインアンプ、という
信号経路の方がベターな気もするのだ。
2月10日
だがしかし、やはりプリは恋人なのである。
極端に言うと僕レコードプレーヤーとプリアンプだけあって、
他の物がなくて音が出なくても、それだって良いとか言いかねないくらいの
プリ好きだ。
そして今回はSY-99が来た。
それでSY-99の音はどうなのか?
みんなが一番訊きたいのはそこであって
他の情報はどうでも良かった?
すみません…
SY-99の描く世界は座っただけでウン万円の、高級クラブのそれだ。
(もちろんよっしーはそんな所行ったことはない)
間違いのない物をお届けする、という気概に満ちている。
最高のサービスを提供して当たり前です、とアンプが語っている。
。
外すということを知らないのでは、と思う。
そこが良いけどそこが憎たらしい気もする。
これを基準とすると、今までは居酒屋オーディオだった気さえする。
居酒屋オーディオ!
我ながらうまい言い方だ。
しかし勝手だが、やはりそれはそれで良いものなのだ。
極上のサービスを受けるわけではない。
しかしそこに憧れの女性と座って、差し向かいで呑んだり食べたりとという楽しさは
高級店でのプロ相手の時間とは意味が違う。
どっちが良いのかは人によって違うだろうし、
ケースバイケースとしか言いようがない。
そんなわけで、よっしー的には、「今日は銀座だな」と思えばSY-99を。
そしてそうではない気分の時にはその他のプリを使うことになりそうだ。
なんとも贅沢な…
2月11日
SY-99の音、だが当初は実はLINE入力の方が
「いい音」、と感じやすいところがあった。
ではフォノはイマイチ?
…仮にそうだとしてもフォノイコは別で受けてSY-99に入れるのもあり。
例えばHX-10000→SY-99、みたいな感じだ。
…しかし書いていて自分で具合が悪くなりかけた。
あまりに贅沢というもんだよ、それは。よっしー君。
せっかくプリがフォノイコを搭載しているのだから
それはそれで活かしたい。
色々やっている内に、それは当方の使いこなしの問題だったことが
判明してきて一安心?
いや、一安心している場合じゃない。恥ずかしがれ(汗)
SY-99の凄さのひとつは大変なハイゲインであるということ。
故にMCカートリッジもMM入力で使えてしまう。
そしてSN比がいかなる場合でも優れているので
そんな使い方をしても何をしても描く世界が崩れることがない。
もうひとつ。ボリュームが極小音量まで綺麗に絞って使えるようになっているのも強味。
しかし、SY-99のフォノの使いこなしに関しては
まだちょっと課題が残る感じ。
ま、あんまり一気にやるもんじゃない。
楽しみは取っておくことも大事。
SY-99のダイナミックテスト。
いつもお力添え頂ているTさんにまたもやご提供いただいてしまった。
ありがとうございます♪
2月14日
PRA-2000にしてみた。
やはりこれにはこれの良さがある。
2月15日
ふとロジャースLS5/9を鳴らしてみたくなった。
PRA-2000に差し替えてあったのでそのまま使う。
するとこれが何ともパッとしない音だ。
装置のせいではない。日頃の管理が悪いというか
プリもスピーカーも休眠明けである。
…と、理解を示すものの、我慢に限界がある。
ロジャースの下にスペーサーを入れてみたりするが
この場合は焼け石に水。
とにかくこのスピーカー、鳴らない、となると
本当に表面をなぞるだけの音しか出さなくなる。
やぁ〜めた、と思ったのだがプリをSY-99に換えてみたらどうなるか?と
悪戯心が起きた。
結果だが、これはちょっとPRA-2000には気の毒な結果となった。
ドライブ力という言葉は、よくパワーアンプに使われるが
この場合はプリのドライブ力がまるで違うというべきか。
一発でロジャースが叩き起こされた。
これには驚く。
思い出したがSY-99は大変なハイゲインなのだった。
同じくハイゲインで多血症のプリに
カウンターポイントSA3があるが、あれとはまた違う
ドライブ力だ。
ある程度回転を上げてからクラッチミート、ではなくて
ポンっと走り出した瞬間から物も言わずに平然とフル加速。
SY-99はそんな感じなのだ。
これには参った。
それにしても機器は寝かせてはいけない。
色々なことをやりながら6時間以上経過した時の音は
鳴らし始めとは別物。
まああんまりこういう事は歓迎したくないのだが…
(無駄に電気代がかかる訳でして)
2月16日
なんだ、値段の高いヤツの方が良かったのか、なんて言われそうだ。
展開としては当たり前過ぎてつまらない?
今回は仕方ないとお許しくだされ。
それよりも機器がなかなか暖まらず、
調子が出てくるまで時間が掛かって仕方ない。
まあ夏になれば熱くて困る訳で、
人間っていうのは勝手な物だ。
2月17日
さてしかし、その時点でのロジャースはちょっと
男らしすぎるというか、はっきり言うと
どこかガサツな音だった。
これはきっとあれだな、と思ってスピーカーケーブル交換。
何をどう使って、なんて事はいちいち書かないが
出てくるのは20年前と変わらないケーブルだ。
勢いでバイワイヤー。
こういうことをして音がちっとも変わらない時もあれば
ころっと変わる時もある。
後者の体験をすると、いわゆる電線病に罹患することがあるのだが
僕は幸い貧乏性なので罹りたくとも罹れないのだが
今回の音の変化はスピーカーケーブルとしては久しぶりのもの。
急に音の高級さが増した。
ただ、ちょっと増しすぎてソフトフォーカス?
いえいいえ、暫くそのまま使わないと…
ああ、めんどくさい。
それがオーディオなのだが…
2月18日
それにしても…と思って、デジタルプレーヤーから
SY-99に繋ぐケーブルを換えてみるなど柄にもないことをしたが
気になる点は解決せず。
これってもしかしたらプレーヤー自体に問題
(トラブルでなくても余程相性が合わないなど)
があるのか?と思い至った。
この時実は大変大変久しぶりにSONY DVP-S9000ESを
使っていたのだ。
なんでそんなことをしていたのか?というと
日頃主に使っているパイオニアDV-AX10がコントロールエラーみたいな
ことを数回起こしていたからだった。
だがしかし、こうなるとDV-AX10で音を確認していみない
訳にはいかない。
念のためDV-AX10の電源ケーブルを一回抜いて挿しなおす。
一種のリセットのつもりだがさて…
これで音が出ると、あっという間に日頃よっしーの部屋で
聴ける音が戻って来た。
それはまあ当たり前と言われたら当たり前なのだが…
AX10から聴ける音は、やはり落ち着いている。
今となってはこれも古い器材だが、やっぱりトータルで
DVP-S9000ESを凌いでいると思う。
考えてみれば50万円対20万円である。
差がなければ困ってしまう。
どうも今月の日記は、結局値段の高い物の方が
良い結果を出すという詰まらない展開に終始してしまっている
気がするが仕方ない。
そしてAX10もDVP-S9000ESも、どこか挙動のおかしいところがあるのも
現実。
当たり前と言えば当たり前なのだもう少しの間頑張ってほしい。
2月19日
で、ディスクプレーヤー探訪の旅に出そうになったがさすがに冷静になった。
そう。もうファイル再生の時代なのである。
そこでT-4070を通してのハイレゾ他を聴く。
これはもう流石バッチリの安定感である。
ちなみに、だが僕はアナログ大好き人間ではあるが
機器の入れ替えやらちょっとした調整をした後は
基本デジタルでチェックをするのが習わし。
不確定要素少なく安定している。
それにはやはりデジタル優位だと思うからだ。
SY-99もハイレゾ喰わされて、「なんじゃこりゃ?」と
叫んだとか叫ばないとか…
時1979年。そこにはハイレゾどころかCDも市場には無かったのだった。
2月20日
ファイル再生が上手くいったので安心してアナログの確認に入る。
考えてみると変かもしれない。
ファイル再生で充分なのに、何で今更レコードに針を落とすのだろう?
しかし、どうしようもない。
その行為自体に大変な安らぎを覚えてしまう自分がいるのだから。
今月の日記の主役はSY-99のはずなのに
案外ご尊顔を晒せないで居た?
今後気温の上昇に伴い、静音ファンの使用は必須。
ひとつ面白のがメーターで、これは不調かな?と思っていたのだが
もしかしたら自然治癒かな。
2月21日
今宵はフォノをもっと楽しんで…と
思っていたら急に寒さがぶり返した。
冷え切った環境でアナログ盤に針を降ろすことは
とっても罪深いことに思われたので方針変更。
やはりデジタルのディスクが掛けられないのは不便ということで
急遽ヤマハCDX-2200に登板願った。
1986年製というのはCDプレーヤーの中でも結構古い。
そんなんで良いんか?と訊かれたら、結構良いと答えるしかないだろう。
色々言い出したらキリがない。
それに我が家では組み合わされる装置達も
SY-99(1979年)HMA-9500(1977年)SS-G7(1976)とオールドファッションも
良いところ。
それからしたらCDX-2200の1986年なんてのはルーキーみたいなもんだ。
しかしこれだけ寒いと機器も調子を出さない内にタイムアウトになってしまう。
春よ、来い!
2月22日
SY-99だがプリアウトを三つ持っている。
1は常時繋がっている。
2と3はセレクトした時だけ繋がるコンデンサーアウト。
ということは1に何も繋がず2と3とそれぞれ別のパワーアンプを
繋げば2系統のスピーカーを切り替えて鳴らすことが出来る。
99は音質優先と言いながらも88よりは機能を盛っているのだが
それも良い。
ヤマハにC-1という40万円のプリがあったが
あそこまで行くと盛り過ぎの感がある。
さてさて、新しいプリが来て大はしゃぎ?
…とならない所が年寄りの嫌らしいところだ。
どこか冷静な目で見ているからかわいくない。
事細かには書かないがひっかる所というのは散見する。
これはSY-99だから、ということでなく、
何であれ新たなる物を導入した時には付いて回るところだ。
一気に途中を省略して現状をお伝えすると
AU-α907i-MOS LTDのパワー部に繋いでいる。
華やぎ、という点ではこの組み合わせ、なかなか良い。
考えてみたら907MOSのMOSは東芝のMOS?
相性が良くて当たり前?
2月24日
これを聴きたくなったんだ。
2月25日
なんで又ぽんせんべいなんだ、という話しは後に譲ろう。
そのぽんせいべいを鳴らすアンプは
SY-99+AUα907iMOS LTDのパワー部だった。
それはやはり綺麗な音だった。
同じ組み合わせでG7を鳴らした時と同じく、である。
それはそれで良い音だ。
だが、今のよっしーは何となくなのだが飢餓状態なのだ。
くっそー腹が減って堪らないぜ、と言っている人間には
懐石料理よりはラーメン、チャーハン、ギョーザであろう。
それと同じ?心境と言ってわかってもらえるか?
まさか、と思って性懲りもなく9500に繋ぐ。
すると、これはもう第一音からして世界が違う。
チャーハン!と座ってすぐに言ったらマッハのスピードで
厨房からチャーハンがぶっ飛んで目の前に来た。
そんな感じだ。
実にパリッと鳴る。
しかし一方で喜べない自分もいる。
一体いつになったら、この部屋は9500の呪いから
解き放たれるのだろう?
魅入られた、と言っても良いのかもしれない。
もういい加減卒業したいのだが、一周廻ってすぐ戻ってきてしまう。
念のために言っておくがサンスイのMOSが日立HMAに劣るとか
そんなことではない。
907MOSを。東芝のMOSをより良く鳴らす組み合わせはまた別にあるのだろう。
そして、いくら907OSが優秀であっても、今回などあくまでも
パワーアンプダイレクトとして907のボリューム(全開だが)も通しての音で、
SY-99のボリュームと、二重にボリュームを通過するという点もよろしくない。
907MOSには気の毒な使い方だった。ごめん。
しかしどうしても9500なのかという思いもするのだが…
2月26日
SY-99だが、とにかくボリュームが使い易い。
早朝深夜でもオーディオ装置に灯を入れよう、という気になる。
それはグンと音量を絞ったところから実用になるからだ。
何しろ1979年のプリだから、約10年後に始まった
超高級ボリュームのプリへの搭載には間に合っていないが、
比較しても使い易さでは負けない気がする。
2月27日
それにしたって、なんで又ぽんせんべい?と思われるかもしれないが
それについてはやはり又後日。
取りあえずツイーター交換。
パイオニアのS-180Dだかに付いていたリボンを外して
JBL075へ。
それは良いのだが管理が悪いから接触不良発生。
そこでアッテネーターの裏ブタを開けてケイグでクリーニング。
これで解決。
2月28日
久しぶりにPRA-2000を使ってみた。
SY-99からPRA-2000へ。
音だが、なるほどこれは人気があったのがあらためて良くわかった。
実に若々しくてピチピチと音が飛び回る感がある。
SY-99の方はやはり落ち着きがあるというか無暗にはしゃいだりはしないのだ。
何より異なるのはやはり低音でSY-99は低音出過ぎである。
凄いといえば凄いが全体に大変太い音という印象になる。
この音作りは、あるいはNS-1000Mであるとか、往年の598スピーカー達みたいに
ともすると低音が出しずらいスピーカーにこそ必要なのかもしれない。
それにしても世の中理屈通りにはならないというか、
PRA-2000は基板は薄いしコネクターはたくさん使われているしということで
論理上はSY-99の圧勝になる筈なのだが、一概にそうとも言い切れないところが
オーディオの面白いところである。