7月10日
時間を少し遡る。
ご厚意でとあるオーディオサークルの会合に
参加することができた。
まず、このオーディオサークルが凄い。
大変歴史がある。
1995年設立。もう27年目だ。
そして長いだけでなく中身が素晴らしい。
例会は既に500回以上。
分科会が120回以上。
プロの演奏家をお招きしてのコンサートもあればウオーキングの集まりもある。
忘年会、お花見、バーベキューとお酒だって呑む。
地域との連携もばっちり。
これはもうメンバーの頑張りが無くては成り立たない世界。
実に見事である。
と、それは良いが今回の会合には特別ゲストが居た。
それはFIDELIXの中川伸さんだったのだが…
7月11日
とっくに見られた方も多いと思うが
この日の様子については milonさんが挙げていらっしゃる。
だからそちらをご覧いただく方が良い。
この日はFIDELIX社の新作スピーカーを聴くことができて、
しかもアナログプレーヤーはPL-31E/TSが登場という
ウニトロいくら食べ放題みたいな内容であったことがおわかり頂ける。
これからリリースされるスピーカーはコンパクトなもので
実に見事に妙な癖が無く、音場感も優れていたものだった。
そしてまだ音を聴くことは(その日は)叶わなかったが
ついにFIDELIXのダイレクトカップルカートリッジMC-F1000が
出来上がるということでモックアップまでは持ち込まれていた。
詳細は正式にオープンとはなっていないから書かないでおくが
MC-L1000以来のダイレクトカップル機の登場ということで
(テクニカのART-1000ももちろん存在するが)待望の一本ということになろう。
以上2時間くらいの講演が終わりお開き。
…なのだがファミレスで二次会となった。
そうしたらなんの偶然か、あたしゃレジェンド中川さんの正面の席に
なってしまった。
いや、それは光栄極まりないのだが、本当はこの会を主宰した方々が
囲むべきではないのか?とビビったが皆さんそんな狭量な人ではない。
かくしてよっしーはレジェンドの真正面に。
もちろん周囲の皆様含めて話が弾むように気配りはさせて頂いたつもりだが、
時に全てを忘れてしまうほどに中川さんのお話は面白かった。
やわらかい頭。自由な発想。伸びやかな心。
そうした物があってのここまでのオーディオライフなのだということが
よくわかった。
愛好家であると同時に発明家でもあり
ここまでの人生、いつだってハッピーと、
正確にはハッピーになるようにと心を導いて来られたのであろう。
FIDELIX社の「製品ポリシー」を見るとこんなことが書かれている。
FIDELIXは技術的な先進性を常に求め、他社でできるものは避けた
ユニークなものだけを製品化してきました。
(中略)
製品ポリシーですが、高価すぎる「これ見よがし」なものは、ごく一部の恵まれた人のためだけにしかなりません。
かといってコスト重視の大量生産品ではFIDELIXのこだわりが生かせません。
そこで、一般ユーザーに手が届く価格帯の中で、物量ではなく最大限の技術や知恵を詰め込み、
最高レベルに準じた性能を目指しています。
全編は同社ホームページできっちり読めるのだからそちらを見ていただくのが良い。
よっしーが痺れるのは、“高価すぎる「これ見よがし」なものは、
ごく一部の恵まれた人のためだけにしかなりません”なんてくだりだ。
物量ではなく技術や知恵だと、高らかに掲げてそれを実際に行える人って
そんなにいない。
それをやっているから、やはりFIDELIX中川さんはレジェンドなのである。
ホームページには27歳でFIDELIXを興されたとある。
今でいうスタートアップか。
そんな風に新しく業を起こす人を、もっと増やさないと
日本の再興は望めない。
いや、まあ国をあてにするようじゃあベンチャーは無理か。
レジェンドにも益々長生きして頂き
我々に夢と希望を与えていただきたいと言ったら
願いすぎであろうか。
とにかく恐縮至極の数時間でありました。
この場を借りて感謝申し上げます。