6月29日

ダイヤは続
く。



こちらは?

そう、SONY 
XL-88D

こちらもダイヤモンドカンチレバー採用。

いや、それだけで留まらない。

なんと、針先のダイヤモンド
チップまで一体で作られている(!)

これはもう針先チップの振動伝達は理想に近くなる。
あいまいさゼロの世界だ。

徹底したというか呆れるほどだ。

コイルはお家芸の
8の字コイル。発電力倍増。空芯で尚且つコイルの巻き数も増やさずに
出力を上げられるというのは大きなメリット。

見た目はAT-1000と比べるとある意味大人しいし形もオーソドックス。

なのだが
色目がちょっと独特というか、というにはちょっと明るめで
なかなか良い色だ。
しかしオーディオの世界ではあまり見ない色ともいえる。

シェルが同社の
SH-500で、これが写真等で見るよりも迫力のある外観で
組み合わせるとすごみが出てくる。

いかにもSONYらしく
シリコンカーバイトを使って不要振動除去。
ネジやナットはステンレス。リード線は純銀リッツ線とゴージャス。
お値段
15,000円と安くはない。

シェルと合わせて
165,000円。さて、その音は…??


6月30日

さて音は?

直前に
AT-1000に触れているから嫌でも似た音を想像する。
何しろ
同じくダイヤモンドカンチレバーだ。

しかし一音が出た瞬間にそれは単なる幻想でしかないと気が付く。

あまりにも音がう。



どう違うか?

AT-1000が大変常識があって、能力があっても前面には出さない奥ゆかしさを備えた人間とすると
XL-88Dは、もう我先にと前に出て来て主張をしまくる騒々しいヤツということだろう。



なんというか全ての出音が
眼前に迫りくる感じ。音場もなにも、そんなことな二の次と言わんばかり。


思わずリスナーが後ずさる…


そうか、
迫 「力」とはこういう「力」のことだったか、と改めて理解できた。



好みはきっと分かれるだろう。
しかし一方の雄というか、ここまで
徹底して攻め込んだ作りというのは貴重だと思う。

それにしても
超個性派。
それがXL-88Dだ。





AT-1000、そしてXL-88Dと当時の超高級機を拝聴する機会を得た。
いつもながら感謝の一言である。



それにしても本当にアナログ
全盛期の各社の競争はスゴイもんだったと感動。


サファイヤ、ルビー、ダイヤモンド。本当に宝石店のショーケースを見る思いだ。


それらは
価格上昇にもつながる訳で、フラッグシップ機に限られることになるのだが
そうした物を開発して得られる様々なものが、その後普及価格帯にもフィードバックされるわけで
やはり意味のあることなのだ。

もっとも、その後すぐ
CD登場となり、各社一斉にアナログからは手を引くことになるので
最後の打ち上げ花火と言えばその通りなのだが。


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