6月26日
テクニカのAT-1000。
1982年ごろの製品だが、当時お値段20万円。
失礼ながら、ただのステレオカートリッジである。
そのころ同社のAT-33Eが3万5千円。
ビクターのダイレクトカップル、MC-L10が6万円。
DENON DL-1000が10万円。
DL-1000の10万円で充分スゴイが、AT-1000はその倍なのだ。
DENONのプリアンプPRA-2000が20万円だった。
それと同額なのである。
それでも1982年ごろの価格なのだから現在だったら幾らコース?
60万円くらいは軽くいくのだろう。
まず見た目だが、ザ、ゴールド。
ゴールドラッシュである。
そうか!このゴールドが純金なんだ!だからこの価格…
と思ったがさすがにそれは違った。
あ、あ、あ、イミテーションゴールド♪
ということで純金ではない。
だがカンチレバーはダイヤモンドだ。
なるほど、だから高いのか…
(続く)
6月27日
ダイヤモンドカンチレバーだから高い…
ちなみにダイヤモンドカンチレバー採用の有名どころ
ダイナベクターKarat Nova 13D(だったか?)のそれは2,5ミリ長で15万円。
1,5ミリ長のDV-17Dは6万8千円。
やはりダイヤは高くつく。のは事実。
嘘でもないがそれだけでこの値付けなのではないのだ。
ここで真面目に解説。
AT-1000のダイヤモンドカンチレバーは0,25ミリ角。
長さは4ミリ。
テーパーカットされていて先端は0,18ミリ幅。
ここに0,06ミリ角楕円チップを付けている。
磁器回路はサマリウムコバルト磁石と
パナジウムパーメンダーヨークを採用。
3,5Ωの低インピーダンスだが0,1mVの出力を確保。
ダンパーは水平方向を二層ダンパーで
垂直方向をバーチカルスタビライザーで制御。
なんのこっちゃ?と思われるかもしれないが
要するに全体にまじめにオーソドックスに、
徹底的に詰めて作られたカートリッジ。それがAT-1000と思われる。
自重7g。専用シェルAT-LS1000が付属して計20g。
扱いやすく収めているのも大人の見識。
まあよろしい。そろそろ音なのだが…
6月28日
音だが…
おお、さすがゴールドの煌めき!!
…ということではなく、極めてオーソドックスなもの。
ある意味大人しい、とさえ思える。
これは高級品あるある、でもある。
どういうことかというと真面目に、正攻法で…と詰めていくと、
音もそうした方向に振られるということか。
だがつまらない音とか、そんなことではない。
申し遅れたが今回のAT-1000はご来訪の方のご厚意で持ち込まれたもの。
そんなことでもないとこんなカートリッジの体験はできない。
一応装置の説明だがフォノイコライザーはHX-10000。
プリはPRA-2000。
メインはDCP-5500×2のBTL接続。
スピーカーはG7。
プレーヤーはMU-31D/TS+EPA-100と
GT-2000+WE407/23の二台。
まずまずの組み合わせかと思うがAT-1000にとって最善かは不明。
トランス受けの方が良いかも?とか言い出すとキリがない。
あくまでも限られた条件下でのインプレッションだが傾向としてはやはりポピュラーよりはクラッシックの方で本領発揮みたいなところは
見受けられた。
特に優秀録音盤を掛けた時の音場再現性には目を見張るものがあって、これは長く忘れることが無いだろう。
それくらい素晴らしかった。
さてしかし、ダイヤな日々はこれで終わりではなく…