5月1日
舌の根も乾かない内にまた何かを始めてしまったワタシ…
テクニクスSP-10は世界初のダイレクトドライブターンテーブルである。
…なんて話をしても仕方ないし、以前アーリーDD対決なんてのもやったから
その辺は省略。
よっしーのSP-10はジャンクを買ってきて、「これ、怪しいの半田じゃね?」と
勘が働いて全半田を当てなおしたら治ってしまったという
ふざけた一台?
まあそんなことはどーでもエエのじゃが、いつだって問題はキャビネットだ。
SP-10MK2、MU-41、MU-1800、SP-10、MU-31D…
単体ターンテーブルを他に入れるとそのあと必ずキャビに悩むことになる。
これは古来から普遍の悩みだろう。
面白いものでSP-10もMK2になると急に市販のキャビネットも多彩になり
メーカーからもその他各社からも色々なものが供給されて
今でもお金さえ払えばそれらを中古として手に入れることは容易。
それが初代SP-10用となると事情がまるで違う。
そう、「無い」のである。
それが何故なのか?は想像するしかないのだが
初代SP-10の時代、これを買って使うのはプロか
ベテランのアマチュアしかいないだろうから入れ物は任せておこう、
という発想だったのではないか。
1950年代〜1960年代の、プレーヤーとは
フォノモーターとアームを買ってきて
キャビネットは自分で組み立てるものという考え方の余波?が
SP-10初代の登場時は強くあったのだと思う。
まあそれは良いがプレーヤーのキャビネット作りくらい
かったるくて面白みに欠けるものはない。
人よりはたくさん作っているよっしーが言うんだから
間違いない?(嘘)
5月2日
さて、広告にあるSL-100Wは初代SP-10が搭載された希少な
アームレスプレーヤー。
同時代に他にもSP-10+EPA-99の組み合わせをキャビネットに収めた
SL-1000というのがあるがSL-100W以上にめったに見ない。
SL-100の100という型番も珍しいというか
SP-10、SL-1000の系譜はたくさんあるが100というのはこれっきり。
おそらくSL-1000との混同を避けるために
100としてお尻にWをつけたのだろう。
で、そのWは言うまでもなくWアームを意味するのだが
まあこのキャビネットはでかい。
627W×512D×200Hもある。
Wアームプレーヤーも色々なアーム配置が考えられるが
使い勝手を考えるとセカンドアームは奥が良い。
すると奥行きが50センチを超えてくるのだがこれは仕方ない。
幅はもう少し削れる…と言いたいが、奥にロングアームを
せっかくなら設置したいと思うと600超えになってくるのだな、これが。
そんなこんなでプラッターの左側に余分なスペースが生じるが、
それを小物入れとして生かしているのはさすがである。
広告の文言を読むとプレーヤー二台にするより経済的で合理的、
みたいな書き方だが本当にそうかは怪しい気もする。
そしてテクニクスではよりスマートにWアームを実現できるようにと
プラスアームなる物を後からリリースしている。
左側の写真はSL-1200初代にPLUSSARM101Tが搭載されたものだが
こちらの方が断然スマートに見える。
ちなみにお値段はSL-1200が59,800円でプラスアームが18,000円。
そしてSL-100WはSP-10搭載のアームレスで138,000円。
かなり強気の値付けに思えるのは僕だろうか。
5月3日
SL-100Wだがネット上にもあまり情報がない。
そんなに買う人がいなかったんじゃないかと思う。
何しろ大きいし安くなかった。
となるとなるべく画像など掲載すべきだろうということでアップする。
*こちら上面からの図。
画面右手がフロント側ということになる。
画面で下にあたる側にあるくぼみが小物入れスペース。
この個体、SP-10抜き(持っているから必要ない)、アームボード欠品。
底板も無いという状態で、かえって構造が分かりやすい。
積層合板とかではないのでスカスカしているが現実にはこの方が扱いやすい。
底面からの図。
独特のインシュレーターは外してしまってある。
配線の処理。アーム下を弄る時の利便性など、
積層合板にはない良さ?がある。
補強その他やる余地もあるが、下手にやると持ち上がらなくなる?
インシュレーターは不思議な感じのものがついていたが、おそらく底板ごと
フローティングするような感じなのだろう。
邪魔なので取り払ってあるが問題ない。
さてしかしこのままでは音が出ないので取り合えずSP-10とWE-308を載せてみた。
音だが安定傾向というか安産型というか、華やぎよりも落ち着きに重点を置いたような鳴り方だ。
ただ、さすがに急造のこの状態ですべてがわかる訳じゃない。
そこで工作に移る。
5月4日
工作に移る…は良いが本当に面倒くさい。
今回はフォノモーターの抜き穴はやらなくてよいのだがアームボードは作らないとならない。
実測で元にあったであろうサイズに12ミリ厚合板をカット。
四隅はネジで固定出来るようになっているからその穴も開けておくのだがこれが面倒。
アームも位置を計測して穴をあけるのだがこれも楽しくない。
だったらやるな、と言われそうだが穴あけなんかは本当に心が躍らない。
誰かどうにかしてくれないか?
…というボヤキはさておいて、夢のダブルアーム仕様試作品が航海に出た。
右にSAEC WE-308N。奥にSAEC WE-506/30。セミロングだ。
308にMM、506にMCなんて具合に配備してPRA2000のPhono1と3に振り分けたりすると
昭和のマニア垂涎の世界みたいでたまらない。
ちゃっちゃっとやっての進水式みたいなものだから確かなことは言えないが
やはり全体に安定志向な鳴り方だ。
それでもしばらくする内に少々活気づいてきたのはWE-506にDENON DL-103SLを取り付けた頃からか。
なんちゃってハイスピードサウンド的なところがある103SLだが、この場合元気付けに良い感じ。
そしてセミロングアームにはハイマスで重針圧なカートリッジがお似合いと思うのは偏見だろうか?
5月5日
それにしても最近G7の音に切れがない…と思っていたら
まさかのツイーター断線…
左右ともというところが悲しい。
原因はあれかな?というのもあるのだが
それを言ってもはじまらない。
一本一万円くらいで直してもらえるだろうから問題は無い?
現在代替のツイーターをつないで使っているのだが
これも悪くないじゃん?って感じなものだから
喜ぶべきなのか…
複雑な心境である。
5月6日
ほらね。こーゆーことを平気でやる奴の言うことなんて
信じちゃだめだよ(笑)
いや、まあなんとかツイーターをこの位置に持ってきてみたくて。
このツイーターなによ?っていうと
RITのRIT-MAG25というツイーター。
導入直後のG7のあまりの鳴りの悪さに?koyamaさんが送ってくれた物。
しばらくはG7の天板に載せて鳴らしていたが、そのうちG7も覚醒して
(なにしろ何年寝かされていたかわからない位だったから当初は酷かった)
RITは配線を外していた。
しかし野性の勘が?RITはきっと身代わりになる、と呟いたので
G7純正ツイーターの跡地に嵌めてみたのが上の図。
ちなみにRIT-MAG25というのは25ミリマグネシウムのドームツイーター。
4Ωユニットで93dB。
帯域としては2000Hz〜25kHzとさらにスーパーツイーター載せたくなるようなスペックだが
色々な意味でG7に合うとみたらこれが正解。
随分快活に鳴るので純正ツイーターじゃなくても良いかという気になっているアタシ。
5月7日
RITだがG7にマッチしている。
良かった。
能率はやや高めに感じるのだが、低いのを持ち上げるよりも
高いのを下げる方がまだ簡単。
アッテネーターを今絞ってみた。
そしてメインアンプは安全をとってHMA-9500にしてある。
やっぱりこの音がよっしーの部屋には必要な気がする。
MOSの呪いか。
これでは進歩が無いではないか、と落ち込むやら落ち着くやら…
複雑な心境だ。
5月9日
これはなにかと言われたらRITのツイーターの台座である。
純正とかそういうことではなく、これに付いた状態の物を
頂戴したのである。
もう何年も前のことだ。
見る人が見るとわかるが、この台座、実に合理的に、
よく出来ている。
ハンドメイドなのか?各部材のバーコードシールまで貼られているのは
ご愛敬だが。
で、RITはG7に直接マウント(と言える状態ではないが)となったので、
余った台座がもったいない、とこんなことをしてみた。
スーパーツイーターFT-90Hを載せてみた、の図。
コンデンサーはFOSの0,047。
これをG7につないでみよう。
もちろん悪ふざけ企画だ。
それより何より写真ではわかりにくいが
台座はペーパーを当てられて、ニスが軽く塗られている。
それだけのことで木材というのは途端に美しく見えるから不思議。
大切にしたいものである。
5月10日
で、載せてみました。の図。
FT-90Hの能率は低くない。
それをアッテネーター無しで繋いでいるのだからある意味酷い。
しかしたまには良いじゃないか。そんなのも。
オーディオはしょせん遊びである。
いたずらに求道的になってもつまらない。
音だがそんな滅茶苦茶なことにはならない。
どちらかというと聴感上というより視覚的効果で
ハイが伸びているような気分になる。
というか、ここ最近ツイーター切れの、それこそ切れに欠ける音を聴いていた
(ような気がする)逆恨みから、やたら高域を補強したくなるという、
正に子供のような気持ちなのだ。