1月27日
1月28日
NS-1000M。
正しくはNS-1000 Monitorと呼ぶべきなのか?
1974年登場。そして1997年まで売られていたというから
超ロングセラーである。
当初108,000円/1本。
これがよく売れた。
セール的にも大成功。
それは良いが国産他社が挑んでもその牙城を崩せず。
故にちょっと違う角度からの攻め落としに掛かった?
最終的にはバブル期の598スピーカー達に集約されていったのだが
書いていると恐ろしく長くなる。
第一このページを読むような方なら詳しくご存じのはずである。
これと言ったマイナーチェンジもせずに23年間売られていたのも
スゴイが、スウェーデンの国営放送のモニタースピーカーに採用されたりとか
半ばプロ用の世界で評価されてしまうと、僅かであっても改定は難しいのだろう。
それにしても20年以上に渡り同一規格の物を作り続けるというのは
簡単なことじゃない。そんな物今後は出てこないかもしれない。
日本を代表するスピーカーの一つと言って間違い無し。
しかしオーディオマニアのリファレンスとして現用されているケースは
案外少ない。
意外とお目にかかれない。
それが今回は…ということで大変な興味を持ってお邪魔する事になった。
1月29日
さて、1000M。
よく言われるのは大変美しい音はするが低音不足。
全体に躍動感はどうなのか?ということだが
この種の話しというのは100%真実であると共に100%嘘でもある。
それは1000Mに限った事では無く、この世の多くの物は
都市伝説に冒されていると思った間違いない。
著名な物ほどそうした物に纏わりつかれることになるが
それはもうメジャー故のものであり
有名税みたいなものと思うしかない。
いや、今回1000Mに対峙してつくづくそう思った。
”俺はこいつと付き合っていくんだから”と腹を括った時、
機械はちゃんと応えてくれる。
名器は名器の神髄を発揮してくれるのである。
具体的にはどんなことなのか?
それを書いて行ってみたいと思う。
1月30日
スピーカーだけで音が出る訳ではない。
まずアンプ。
プリはLUXMAN でC-06。
メインはNAKAMICHIでPA-70CE。
70CEはスピーカー寄りのセンターに裸の状態で設置されていて
温度の面などで大変有利。
PA-70CEだが、これはPA-70の特別仕様。
オリジナル70の発売が1987年。
CEは1988年。
それにしてもごっついアンプだなーと思ったが
パワーは225W+225W。
軽く500Wは行けそうな構成で敢えて半分くらいのパワーに
抑えているところにこのアンプの凄みを感じる。
回路構成はSTASISと呼ばれる純A級動作アンプと
AB級動作のアンプがスピーカーをパラレルに駆動する形を録っている。
何しろ景気も好くてオーディオもまだ元気だった時代だから
このような物がリリースされて来る。
お値段当時42万円。
安くは無いが中身を考えたら滅茶苦茶お値打ちだ。
プリのC-06も1988年の発売だから世代的には同一。
当時26万円。
このプリはデュオバランスアンプという方式を採用。
ペアバランス動作となっている。
リアを見ればバランスアウト端子も存在。
ボリュームが気になって触らせて貰ったら、実に素敵なフィーリング。
32ポイントの四連アッテネーターだ。
これがよく26万円で出せたな、と不思議にさえ思えるが
出ていた物は出ていたのだ。
ただ、フォノイコは別にORTFON EQA-999が用意されている。
MC2、MM1系統が自在に使える。
そしてMCにはトランスで対応している。
なるほどC-06とEQA-999でワンセットと思うと
実にクレバーな組み合わせである。
1月31日
更に上流。プレーヤー達だ。
左席に座るのは。PL-31E/TSと呼ばれる
milonさんチューンのpioneer PL-31Eである。
超低抵抗のスピンドル。
DCモーターをバッテリーでドライブ。
お手製(!)のピュアストレートアームなど
milonさんのオーディオ人生の集大成みたいな
渾身の一台だ。
外装の仕上げには幾つかのバリエーションがあり
この個体はブビンガ材が使われている。
そしてもう一台はヤマハ GT-2000。
こちらもSAEC WE-407GT搭載と気合の入った一台。
…と書いて来て気づいたが、どこにお邪魔したのかを
まだ明かしていなかった。
こちらロメパパさんのお宅である。
ロメパパさんと言えばGTの会にご登録頂いてから
かなりの年月が経つ。
ご縁というかなんというか、最近ではSNSでの繋がりもあって
この日はまたしてもpippinさんのお導きで訪問が実現したのであった。
その音のほとんどをアナログでお聞かせ頂いたのだが
まあ良い音である。
これこれこうした器材をこう繋いだから良い音だ、
などという軽々しいものではない。
これはもうセンスと長い間の経験の積み重ねの賜物。
そうとしか言い様が無い。
病的なまでに追い込むというのとは違って、
年輪を感じさせる寛容さを持ち合わせたものなのだが
仕事が綺麗であり、その綺麗さがそのまま音に出ていると言って
過言ではない。
1000MのバッフルがTAOCのスタンドに面一でキチンと設置されている。
適材適所で各部に硬質ゴムも用いられ、機器は美しくセッティングされている。
カートリッジは沢山あるのだが、例えばシェルに対して面一で納まるように
神経を使っている。
挙げていくとキリが無いが、ロメパパさんは電気よりもメカに精通しているタイプで、
メカが正確に働くようにセッティングされていない状態というのは
許し難いのかもしれない。
XL-MC5に鎧。
この鎧もmilonさん特製。