9月1日
9月2日
夏だ!汗だ!工作だ!
…という歳ではなくなったようだ。残念ながら。
だから今年は工作は無し…のつもりだったのだが
晩夏を待つかのような頃合いで「これならできる特選スピーカーユニット」
2021年版Onkyo編がやってきた。
いや、本当の事を言うとそんな計画は無かったのだがGTOさんに背中を押された。
バイオミメティクス振動板であるとか低歪渦巻形状エッジとか色々あるのだが
何しろ現在販売中の品でもあり、それらが何なのかは調べてもらえばわかる事だから省略。
それより箱をどうするか?だ。
また例によって段ボールで作るか?
あるいは平面バッフルという選択肢もある。
だが、それらも手間がゼロなわけではないし、結局仮の住まいになること間違いなし。
では木で箱を作るか?
しかし面倒なことはしたくない?
図面を書いてハンズさんに丸投げして、素敵なカット済み部材が届くのを待つのなら
良いが、それはブルジョアのやることで、よっしーのやることではない。
金持ちはコメを喰え。貧乏にはムギを喰え。である。
もうひとつ問題が設計。
サイズは?形式は?バスレフ?ダブルバスレフ??
考えることだけは止まらないから余計にこんがらがる。
9月3日
ここでもう一つの着眼。
単純に言って10cmフルレンジだと程度の差こそあれど
低音不足は予想される。
これをスピーカー単体で持ち上げるのも一考だが
電気の力を借りてはどうしていけない?という見方もある。
ふと前を見るとAIWA S-A60があるではないか。
例えばこれのDSLを上手く働かせるには低音は滑らかに落ちながら
ずっと伸びている方が良いだろう。
そうした時、ここは密閉ではどうですかい?と客引きのおじさんが囁く声が聞こえた気がした。
そうだそうだ。そうしようそうしよう、と思ったら次にサイズ。
10cmなのだから小型キャビネット、もあるが、多分上手く行かない。
ある程度の寸法にしてしまった方が良い。
さて、どれくらいの大きさ?
超大雑把に言ってダブルバスレフの作例で300×250×450〜500くらいか。
そこまで行かなくても一回り小さいくらいが無難。
そこで決まったサイズが…というのは真っ赤な嘘で、実は板のカットをしたくないとか
金を使いたくないとかの事情からダイソーに走り、厚さ9ミリで200×400みたいな板を
ざっくり買ってきた。
これをなるべくカットしないで…という横着な事情から、200W×218D×418Hという
サイズが生まれた。
9月4日
一応組み上げて眺めてみると、このプロポーション、市販のよくあるゴミ箱にそっくりだ?
ゴミ箱を買って来てユニットの取り付け穴だけあけた方が楽だったか?
ただ、コストを考えると今回の作例は片側税別500円くらいで(もちろんユニット別)
出来てしまっているので、これを凌ぐのは無理?
ま、これにてあっという間に音が出せるようになってしまう訳で、仕事の速さと費用の低さだけは
日本一?
ふざけるな?
いやいや、何と言っても試作一号なのだ。まずはサイズと形式の確認としたい。
で、音だが…
9月5日
音だが極めて優秀で驚いている。
驚いてはユニットに失礼だが、ユニットではなく自作エンクロージャーがあまりに
いい加減な状態なのにこれだけの音が出る事にビックリしていると
思って欲しい。
まずエンクロージャーの説明をしよう。
板厚9mmでしかも反り歪みも簡単に見つかる
100均の板。
その反り等を一切矯正等せずに、木工用ボンドで貼り合わせただけの箱。
現状吸音材もゼロだし、ユニットの取り付けパッキンは使っていないし
ケーブルを通す穴であるとか隙間風が吹いているに違いない。
天板については載せて別のスピーカーで重しをしているだけで
まだ接着もしていない。
それで音が…というのは、いかにいい加減なよっしーでも
憚られる。
だが、現実に充分な音がしているのである。
もちろん一番の争点は低音。
S-A60のDSL使用前提で、果たして結果は?
信じがたいことに30Hz台でもレスポンスがあり、40Hz附近なんて楽勝なのである。
これはなかなか不気味、である。
もちろんDSLの効果なのだが、全く出ていなければブーストは不可能。
出ているからこそ推せるのである。
実際DSL無しでも、普通程度には低音は出ている。
恐らく音量をうんと上げたら問題ないレベルだ。
ただ、僕はこれをなるべく小音量で楽しみたいわけなので
DSLは積極活用したくなるのだ。
9月6日
小口径スピーカーで豊かな低音を、なんて言っていると
これまた昭和のオーディオ誌みたいだ。
でも、たっぷりした低音は、わかり易いオーディオの魅力のひとつ。
単純な楽しさ。これは大事だ。
電気的補正で低音を補うのもなかなか良いもんだ。
スピーカー単体で完璧を目指さなくてはいけない道理はない。
むしろ変な事になる懸念さえある。
長岡先生の作例で、コントロール20などという物もあった。
これはFE-206Sを密閉箱に入れて教科書通りの
低音超だら下がり特性を求めた物。
もちろんそのままではカンカンになってしまうので
アンプ側でローを+20補正する前提ということでコントロール20。
ま、20dBアップなんてのは容易でないので見事に失敗。
…というか確信犯だろう?これは(笑)
後年ユニットをFE-207にしてバスレフ採用とした
F-77コントロール10が発表され、
こちらはなんとか実用になったようだ。
どちらも箱はガチガチに補強されているのがミソ。
ローブーストしてパワーを掛けて、となるとエンクロージャーが
弱弱しいのはいけない?
…と言いながら、今回のよっしーの作例は書いた通りの適当なもの。
もちろんこれから少しは真面目に追い込みをするが
本当はなんでもガッチリ固めれば良いとは思っていない。
で、とか何とか言ってここ数日は音を出しては
低音出るなーと
ただニヤニヤして進展無し。
冷静になれば突っ込み処満載なのでいい加減になんとかしないと。
なんとかするとなると、ちょっとこのスピーカーの話題からは
離れないといけないかもしれないですね。
9月8日
何でもそうだが多少はまとまった時間っちゅーもんがないと
なかなか進展しない。
特に製作物はそうだ。
吸音材を適当に放り込でみた、の図。
吸音材自体は以前にもご紹介した
クリエコンポジットという立派なもの。
粘性音響工学から生まれた低反発ウレタン樹脂スポンジ。
無数の気泡を持ち、そこで音の振動を熱に変換して吸音する、というもの。
上手く使うとエンクロージャーのサイズが何倍にも
大きくなったのと同等の効果があるとされる。
と言ってもどれくらいの量を、どう使うべきか、
これはカットアンドトライしかない。
ということで適当に多めに入れてみた図が上の写真。
確信犯的に入れたが、やっぱり多すぎか、
何が変わるって音が今一つ面白く無くなった?
これを書いている今、ほんの少量を残して引っ張り出してしまった。
まあこんなのは達人スピーカービルダーに任せるべきで、
よっしーなんかが中途半端にやってもどうにもならない。
ただ、色々弄っていると気がつくことがまた出て来る。
9月9日
念のため補足だが吸音材クリエコンポジットが悪いわけじゃない。
入れすぎ厳禁ということで当たり前だ。
さて、次に気になるのがエンクロージャーの補強。
なにしろ現状は100均で買ってきた9mm厚の板を
それこそボンドで貼り合わせただけの代物なので
ペナペナなのだ。
言っておくがペナペナが常に悪いわけじゃない。
エンクロージャーは”上手く鳴らす”ことが大事。
しかし、弄れるウチに弄っておきたい。
そこで…
適当に補強してみた(笑)
(吸音材が減っているのもおわかり頂けよう)
何をしても音は変わる。
ちょっと意外だったのは高域の荒れた感じが
見事に減退したこと。
そして全体に歯切れは向上。
ただ、DSLオンの時に特定の音域で軽いピークのような物を感じるようになった。
この辺はなんとも難しいもので
〇〇解析みたいな物でもしないとわからない。
いや、やってもわからない?
結局カットアンドトライに尽きる気がする。
9月10日
よし、今夜こそはスピーカーをちゃんと弄ろう、と思って帰宅すると
どうしても音を出してしまう。
エンクロージャーの補強案とか、
いっそ改めて作る(12〜15mm厚合板で)とか
夢想は果てしないのだが、手つかずだ。
そして、ふと気づくと音が大分よくなっているのだ。
?と思うが、考えてみたらスピーカーユニットには
初期のランニングが不可欠だった。
ずいぶんきめ細かく鳴るので耳もそちらに向かう。
どうもこれまでは10cm密閉にAIWAのDSL使って
低音ダバダバばかりを楽しみ過ぎていたようだ。
いや、その方針に変更はないのだがトータルで聞けるレベルになって来たということ。
DSLもラウドネスも入れないでいると低音は教科書じみただら下がり。
もちろんうねりはあるのだが聴感上は気にならない。
やっぱり面白いのはDSLを入れた時で、一旦下がり掛ける低音レベルが
60Hz台から逆に盛り上がり始め(笑)
40Hz台はもちろん30Hz台でもきちんとレスポンスする。
そして、更に言うと結構現状で楽しめてまともな音がしてしまうのだ。
こうなるとこのエンクロージャーをそのままに
もう少し綺麗に修正して使った方が良いのか?
当初の思惑と少しずれてしまったが
これが世の中。これが人生?