8月23日
シュアーV-15Type3。
書いただけで眩暈がしてしまった。
今更なにを言おうとしているのだ。
それくらい名のあるカートリッジである。
よっしーがオーディオなる物を知った時は
名声が既に行き渡っていたMMの名器。
Type3というからには2もあったし1もあった。
2が良い。いや、やはり初代だ、という声もある。
3の後には4も出たし5まで行った。
4なんか立派な物で人気者の3をの後に出て
しっかりMMのリファレンスにもなった。
凄いもんだ。
5はもうMC全盛と言って良い時代に出たが
MCなにするものぞ、と言わんばかり。
…なのだが結局Typ3が一番人気というのは不変。
いや、後になって却って確固たるものになった感さえある。
それは一体なぜなのか?
…実はよくわからない…
伝説というのはそういう物なのだ、というのが
あるいは正しい答えなのかもしれない。
我が国に限定して物を考えると
Type3神話を補強した物のひとつに
ジャズ喫茶ベイシーの存在というのがある。
菅原さんはType3一筋の人であり
そのことが一層、我が国に置けるType3信仰を強固にしているのだろうか。
8月24日
ここまで書いたら何が出て来るか、バレバレである。
そう、こちらVN35MRB。
俗称、ベイシー針だ。
菅原正二さん監修で製作はJICO。
本数限定で当然だがそれなりのお値段がした。
なんでそのような物がよっしーの所にあるのかというと、
例によってお借りした物だ。
日本一、特別あしらえや限定品。特注品が似合わない男よっしーが
その様な物を買うお金があるはずがない。
さて、これを挿して、果たして手元にあるType3針と音の違いは出るや否や?
…なのだがその前に一つふたつ。
まず交換針というお話し。
MMは針交換がユーザーの手によって簡単に出来る。
カートリッジにおいて一番の消耗品である針を刷新出来ることは
大変ありがたいことだ。
ただ、それはあくまでも交換針が売られていれば、のお話しである。
8月26日
交換針が手に入らなくなってしまうのは困る。
困る、が、メーカーは一定期間ちゃんと針を供給している。
しかし永遠は保証しない。
例えばType3なんかでもリリースからすでに40年位が経つ。
そんな物の針供給なんか出来るわけがない。
…なのだが現実には交換針は手に入る。
それはシュアーならシュアー以外のメーカーが針を作って
売っているからだ。
有名どころではJICOがある。
これは大変ありがたい話しだ。
そうで無ければ世界中でMMカートリッジが燃えないゴミに
なってしまう。
サードパーティーからの供給があればこその昭和時代のカートリッジ達なのである。
さてしかし、そうなったらそうなったで純正針信仰みたいな物も出て来る。
マニアというのは真にどうしようもないものだ。
針があるならあるでそれで良いじゃないか?
…いや、そうも行かないからマニアの世界なのである。
ま、それはわかる。
だが今回の物などは特別監修品なのである。
否が応でも期待が高まるではないか。
さて…
8月27日
さて音だが、良い意味で大変カッチリした感じがある。
表現が大変丁寧なのだ。
どこかMC的?
ここで比較対象としてよっしー手持ちの針を挿してみる。
それもJICO製であり、シュアー純正とかではない。
多分今時世の中の多くのType3にそれが刺さっているのではないかと思う。
すると…
これもなかなか良いじゃないか(笑)
まあそうでなくては困る。
ただ、聴けば双方で違いはある。
僕のJICOの方はベイシー針に比べると
大づかみというか大らかな表現になる。
正直ベイシー針だからJAZZなどに向く、ややワイルドな表現かと
勝手に想像していた今回の限定針は、かなり真面目な仕事っぷりなので
驚く。
…と書いてから気づいたが、これまで幾つかの場所で聴かせて頂いた
高級な針のついたType3は、どれもカッチリした仕事をしていたではないか。
手間暇かけた針からは手間暇を感じさせる音がする?
あながち冗談でもないのだ。
8月30日
もったいぶって更新を遅くしているのではない。
単に暑さについて行けないのだ。
情けねー。
改めてシュアーV-15Type3。
運命の名器というか、そもそも名器とか大スターというのは
運命だか宿命だかに翻弄されるようにして生まれる。
そんなものだ。
…この話、過去にも何度か書いていると思うが
特にカートリッジなんかは自分が惚れるものに夢中になれるのが
一番良い。
*長岡先生の受け売りでもあるが…
他のメーカー。他のブランドなどに浮気せず、ひたすらひたすら…
それが良い。
DL-103一筋の人というのも多い。
MCの覇者が103でMMの覇者がType3なのかもしれない。
Type3を愛して止まない人であれば今回のベイシー針みたいなのも当然手に入れるだろうし
やっぱりオリジナル…といって大切に使っている人もいるだろう。
服を着替えるみたいに針を替えてType3を楽しまれるのも良い。
そして言うまでもないが針だけが変化の要素ではない。
シェルがシェルリード線がというのもあるし
究極はボディのエポキシ固めもある。
俺はTyp3と決めたのなら、そんなバージョンも持っていても良い。
そして妙な感じだった8月が終わろうとしている。
ネタは尽きないのだが、果たしてそれで良いのだろうか?と
考えてしまうこともたまにはある。