6月1日
話しをAIWA S-A60に戻そう。
A60がセパレートや高級プリメインを凌駕する存在かどうかは置いといて
実に小粋で音も良いアンプなのは確かだ。
もっと小さいアンプも世の中には数多あるが、A60より小さくしても仕方ない気がする。
何より機能面での充実っぷりが違う。
DSLもあればラウドネスもあってトーンコントロールもある。
総動員するとウーファーがバタバタ言うから要注意。
一応ローカットフィルターも付いている(!)
入力はフォノ、チューナー、AUXとこの時代の王道でありTAPE一系統も加わる。
あ、MIC入力端子もあった。ヘッドフォン端子ももちろんある。
ミューティングもあればその隣にMM/MC切り替えがある。
ということでいよいよMCも聴いてみたくなるではないか。
あんまり大げさなのは…ということでここはジャケットサイズプレーヤーの
出番。
…だがSL-7がただ今エンコ中(汗)
そこでSL-QL1。
なのだがこれも出してみたらエンコ。
ただ、これの場合原因はわかるのですぐ立ち直る。
当初P-202系MMカートリッジで試験運転。既に十分良い音だ。
いよいよ、ということでEPC-310MC登板。T4PのMCと言えばこれしかない。
慎重の装着して、さて音だが、申し分無い。
310MC独特の若々し過ぎるくらいの若々しさが感じられる。
白いシャツを漂白し過ぎた、というかハレーションまで起こして眩しいくらい、
という音色がこの季節に合っている。
…という事がわかるくらいにA60のMC入力も優秀ということだ。
6月2日
6月3日
で、これは…?
これは、そう、あれである。ほら、あれだよあれ。
スピーカー。
…いや、それはわかるわね。
Liniaumと書いてある。リニアムと発音すれば良いのか?
小さい割に発売時ペア10万円と安くないのだがその割には結構売れたとか。
なにより近年山本さんがスタジオに納めた事で俄然人気再燃しているようだ。
リニアムドライバーのツイーター搭載。
「二個の円柱フィルムを立てて中央で接着。
円柱両サイドはフレームに固定。
磁気回路とボイスループの作用で前後に振動させる。
この時二個の円柱に挟まれた空間で空気を押し出したら引き寄せたりする。
面積を持たない発音体とされている」
*オーディオアクセサリー誌の長岡先生の記事より抜粋
…ということなのだが、そこはさすがよっしーと言うべきか、
これをどう使うかというと…
どう使うかと言うと…サラウンドのリア(サイド)用である。
サラウンドのリア(本当はサイドに使っているのだが面倒なのでリア、とする)
の理想形のひとつは無指向性。
サービスエリアが広いほど使い易い。
予てよりその思いはあったのだがいかにせん実現は難しく…
そんな時ふと思ったのが、このリニアムツイーターを擁したスピーカーを
使ったらどうなるか?ということ。
たまたま出物があったのを奇禍としてゲット。
哀れリニアムA1はいきなりサラウンドリアに回されたのであったが、さて…
6月5日
しかし我ながら凄いと思うのは、手に入れるに際してリニアムの能率とかまるで気にしていない事だ。
能率的に低すぎればどうにもならないのに、である。
だが、オーディオ歴45年くらいは伊達じゃない。
不思議とマッチするのである。これはもう野生のカンとしか言いようがない。
音だがこれは傑作である。
岩に染み入るナチュラルサラウンド。
サラウンドと感じさせないサラウンド。
免許皆伝と自分で言ってりゃ世話が無い。
なによりも低音再生の心地よさ。
やっぱり音楽は低音の支えが有ってナンボなのだ。
フロント二本だけで充分な快楽なのに、スパイスとしてリア(サイド)二本を使う
この贅沢感。
とにかく楽し過ぎてメインシステムに灯を入れるのを忘れそうだ。
6月6日
ちょっと一休み。
ネタが尽きる事は無いのだが
ネタに潰されそうな気に、時々なる。
さて、気づいた人もほぼ居ないと思うが
少し前に数日間KPの会会員名簿が
壊れていた。
やっちゃったな、と思って直そうと思うが直らない。
こうなると頼みの綱はバックアップなのだが
よくある話しで?ここしばらくサボっていた。
これは困った…と思ってしばらく考えて、少々前だが
USBメモリーに確かにコピーは取ったと思い直して探してみた。
すると確かにあったのだが数年前のではないか。
結果をいうと、やはりそれを元に修復が出来ただが
それはここ最近KPの会の更新が数える程だったから
なんとかなったのだ。
喜んで良いのか悲しむべきか?
まあ悲しむことは無い。
既にBBSだの申請登録してのやり取りなんてのは
SNSに取って替わられて久しい。
KPの会にしてもGTの会にしてもHMAの会にしても
既にその役目を終えて有名無実の存在になり掛けているのだろう。
…というような事はとっくに思っていたのだが
しかし今回KPの会会員名簿を修復する時に
メンバーの皆さんから寄せられたお写真や情報を元に
お作りしている各ページが、実はなかなか興味深く、
読み応えがあるのだ。
いや、書いている本人が読み応えとか言っちゃあいけないが
本気で感心感動してしまった。
改めて考えてみるとSNSなどはリアルタイムの
情報のやり取りにこそ力を発揮するが
それをしっかりとどめてアーカイブするような用途には
今一つ向いていないのだ。
その点オールドファッションな各会会員様ご紹介の
ページは「あらためて読む」と言った接し方をする時に
大変力を発揮する。
そう考えると僕が地味に作るページにも
存在意義があるような気がして
明日への活力にもなるのだった(笑)
6月7日
6月8日
リニアムA1。
これもなかなかにコンパクトな部類だ。
ルックスは面白いというかずんぐり感が強調される
垢ぬけないもの。
当然のように?手に入れた個体はエッジが風前の灯状態。
これでもサラウンドのリア(差信号用)としては
使えていたが正常ではないことは確か。
しかし良い時代でゴム系エッジがたくさん出ている。
さっそく張り替えた。
上の写真にあるように、サランネット受けがネジ隠しになっているだけで、
ゴムを抜いてネジ四本外すとフロントバッフルが取れて、
更にネジよっつ外すと内付けのウーファーが
外せる親切設計。
まだまだ慣れないエッジ張り替えだがなんとかなった様で
改めて音出しに漕ぎ着けた。
取りあえず、ということでS-A60に繋がっていたLS-5Vを外して
A1を接続。
さて…
と思ったら凄いだぼだぼの低音が出てビックリ。
慌ててDSLオフ、とかラウドネスOFFとか
色々やってみるが未だ低音出過ぎな感じ?
なんだこれは?
お陰でリニアムならではの音場感なんてものを
楽しむどころの騒ぎじゃない。
一晩悩んで思ったのはアンプとの相性が
この場合よろしくないという事。
そこで…
6月9日
そこで…といっても画期的なものは出てこない。
毎度おなじみPRA-2000+HMA-9500だ。
ところが音を出して驚いた。
何故ってまるで別物である。
素晴らしいクオリティ。
これはもしかして…と思うとやっぱりそうで…
なにがやっぱりでなにがそうなのかというと
いわゆる優秀録音盤との相性が特によく、
逆にいうとそれなりの録音のものはそれなりにしか鳴らさないという
とんでもない性格の方だった?
ちょっと話しは逸れるがスピーカーってヤツは
何を掛けてもニコニコとしている。
要するにどんなお料理を並べられても
「嬉しいっす、旨いっす」と言って食しているような子もいれば
箸もつけずに「下げて頂戴」とか抜かすような子もいるもので
S-A60+LS-5Vが前者だとしたら
PRA-2000+HMA-9500+リニアムA1は後者に該当するみたいなのが
この時点での状況だ。
どうもそのツイーターの形式などから
勝手に特異な世界を描くスピーカーだという先入観を持ってしまっていたようだが
実はかなりノーマルなスピーカーだったということか。