5月10日
マイスター降臨
5月11日
向こう岸、見ているだけでは渡れない。
コシノジュンコさんのお母さまのお言葉だったかと思う。
その通り。
つまり、シェルリード、つけなければ音出ない。である。
早いものでモスビンさんのシェルリード御殿訪問からひと月が
あっという間に経った。
良い物なのだからさっさと買って付ければ良いものを
そう出来ないのがよっしーである。
せっかくのリード線。付けるならまずはF1000はじめ主力級からと
思うからなおさら怖気づく。
向こう岸、見ているだけでは渡れない。
わかっちゃいるけど渡れない?
そこでよっしーは考えた。
そーだ!だったらマイスターごと自宅に呼んでしまえば良いではないか、と。
しかし、そうおいそれとお越し頂けるわけがない。
どうしたら良いのか?
閃いた!
ガーデンパーティー大作戦である(笑)
*本当にやるヤツも珍しい?
続く。
5月12日
この日のお品書きだがホタテの
…という話を真面目にしても致し方ない。
するならリード線の話しである。
何がどう…という事をさて置いてリストアップしてみよう。
まずAT-F3MK2での試聴機は…
F3U+LH15
1.付属リード線
2.テクニカPC-OCC
3.KS-LW-4000LTD
税別価格:5,000円
4N-OFC+ゴールドニッカスハンダ(100g8,000円)
3.KS-LW-8000LTD
税別価格:5,000円
海外製 8N-OFC+ゴールドニッカスハンダ(100g8,000円)
4.KS-Stage303EVO.U
税別価格:30,000円
PC-TripleC 単線鏡面仕上げStage3+KS-RemastaEVO.Uブレンド
5.KS-Stage403EVO.U-VK
税別価格:50,000円
PC-TripleC 単線鏡面仕上げStage5+KS-RemastaEVO.Uブレンド+ VK松ヤニ
6.KS-Stage903EVO.U-VK
税別価格:200,000円
PC-TripleC 単線鏡面仕上げStage9+KS-RemastaEVO.Uブレンド+ VK松ヤニ
7.KS-Stage901EVO.U-VK
税別価格:200,000円
海外製高純度OFC単線鏡面仕上げStage9+KS-RemastaEVO.Uブレンド+VK松ヤニ
8.KS-Stage900SR-T-VK 試作品
税別予定価格:400,000円
導体 KS-Remasta0番 単線鏡面仕上げStage9
+KS-RemastaSRTハンダ+VK松ヤニ
9.KS-VWS-Legend/SR-NVK×8+1
税別価格:600,000円
1920〜30年代絹巻き赤エナメル単線
+ビンテージハンダN(ナチュラル、ニュートラル)+VK
続いてDL-103+LT-13aで…
1.LT-13a付属リード線 圧着結合
2.LT-13a付属リード線 半田付け
(KS-RemastaEVO.Uブレンド+VK(ビンテージ松ヤニ))
3.旧KS-VWS-REX.U/N
税別価格:25,000円
1920〜30年代絹巻き単線 +ビンテージハンダN(ナチュラル、ニュートラル)
精密ナイフによる仕上げ
4.現行KS-VWS-REX.U/N
税別価格:25,000円
1920〜30年代絹巻き単線 +ビンテージハンダN(ナチュラル、ニュートラル)
彫刻刀( KS-Remasta No.5)による仕上げ 25,000円
5.KS-VWS-Tempest.I/NVK
税別価格:50,000円
1920〜30年代絹巻き単線 +ビンテージハンダN(ナチュラル、ニュートラル)
+VK 彫刻刀( KS-RemastaNo.5)による仕上げ
6,.KS-VWS-Tempest.1/SR-NVK
税別価格:80,000円
1920〜30年代絹巻き単線 +ビンテージハンダN(ナチュラル、ニュートラル)
+ VK 彫刻刀( KS-RemastaNo.4)による仕上げ
8..KS-VWS-Legend/SR-NVK×8+1
税別価格:600,000円
1920〜30年代絹巻き赤エナメル単線 + ビンテージハンダN(ナチュラル、ニュートラル)
+VK彫刻刀(
KS-RemastaNo.4)による仕上げ
…である。これは今後ご検討される方にとって一つの足掛かりになればと思う次第。
ひとつひとつのリード線の感想を…とも思ったがいささか冗長になりすぎて
却ってわからなくなると思った。
そこでよっしー流の感想である。
リード線で音は変わらない、とか、自分にはわからない、とか
どうせだったらピンケーブルやスピーカーケーブルの方が変化が大きいだろうと
思うかもしれないが、それは無い。
絶対に無い、と言ってしまっても良いと思う。
逆にピンケーブルやスピーカーケーブルの方が変化が分かりにくいケースはいっぱいある。
それに対してシェルリード線は100%変化すると言って過言ではない。
何故なのか?恐らく一番弱い信号の通り道であり信号の上流に位置するからでは無いか?
ま、後は体感するしかない。
しかしその体感をやってみると、例えば「これがそのカートリッジの音」と
信じて聴いていた音が、「もしかすると、これってテクニカのリード線の音聴いていたんじゃね?」
となるから面白くも恐ろしい。
念のために言っておくがオーディオテクニカは愛すべき会社であり、シェルを買ったりカートリッジを
買っただけで立派なリード線まで付けて下さる本当にありがたい会社だ。
そのリード線たちだって、今の在庫が終わり次のロットになったりしたら、
現在の値段では到底供給出来ないのではないかと思う親切価格である。
ただ、これをKS-Remastaのエントリーモデルで良いから換えてみると
音は豹変するのも事実なのだ。
より高価な物は、シェルリード沼に落ちてからじっくり選べばそれで済む。
面白いのは線材が同じでも作り方で音が違うということや、
線材にマッチした作り込み方をしないとよい音に近づけないことだろう。
理屈の上では当たり前だろうがトライアンドエラーで作って行く作り手の苦労たるや
想像を絶するものがある。
20万、40万、60万は無いだろう、と思うだろうが(普通は、だ)、F3や103を
愛して止まない場合はカートリッジと同額。倍額。三倍額くらいは充分あり得る。
5万円のカートリッジに5万円のリード線の組み合わせと、付属リード込み10万円のカートリッジで
どっちが良いですか?という質問に答えるのは簡単ではないが、その答えが簡単で無くなってしまっているところが
既に意味深なんじゃなかろーか?
さて、そろそろ拙宅のカートリッジの話しである。一般論ばかりしても仕方あるまい。
5月13日
そろそろ拙宅のカートリッジの話しである。一般論ばかりしても仕方あるまい。
まずMC-F1000。
このカートリッジについてはもう多くを語りたくない。
というか、よっしーにとっては神棚カートリッジみたいな存在になてしまっていて
実用品とは考え難いからだ。
なんでそうなる?というのは過去の日記をお読み頂いた方にはおわかりいただけるとおもう。
断線したL1000が直って帰って来た。
この例えが良いかどうか?だが、それは30年前に亡くなった母が元気で生き返って
玄関から入って来たかのような感慨があった。
夢なら消えないで欲しい。
だから音が出るだけで充分。
疲れた?ごめんごめん。もうお休み。うん何もしなくて良いからね。
F1000の前に出ると親ばかを通り越してほとんど痴呆だった。
故にシェルの交換すらせずに数か月が経過したが、さすがにそろそろ腰を上げたい。
そこでシェル交換してすぐにリード線も交換を…と思った次第。
シェルだが説明不要だろう。PH-L1000。
当時15,000円。L1000とペアで買った人が少なったのか?希少価値で値が上がる一方である。
重さ16gは使いにくい。L1000と合わせるとほぼ26gになる。
それでもF1000にはやっぱりこれだろう、という事で採用。
そしてシェルリードであるが…
数あるリード線の中から選んだのはKS-LW-4000LTD。
4N OFC導体+ゴールドニッカスハンダ。5000円の品。
これで決まりだ。
これで決まりだ。は良いがその場でF1000にあれこれ挿して抜いてをやったわけじゃない。
前回、今回と別のカートリッジ群で色々聴かせて頂いた結果経過。
そして何より、先行して貸し出し試聴を受けていたpippinさんのレポートを
ちゃっかり参考にさせて頂いた(笑)
そんでもって取り付けはマイスター自らということで、至れり尽くせりの人任せである。
さて、その音だが…
なのだが先に書いた通り、F1000は猫っ可愛がりの対象だからそもそもの音をそんなに聴き込んでいなかった。
故に多くを語れないのだが4000LTDはある意味高音質のスタンダードと確信しているので
そのまま決定。差し替えもせず。
で、それはマイスターがお帰りになった翌日に起きるから困るのだが(別に困らなくて良い?)
改めて一人で…とPH-L1000+MC-F1000+KS-LW4000LTDをWE-407/23を搭載したGT-2000無印に付けてみた。
受けはHX-10000→PRA-2000→HMA-9500MK2と来てG7を鳴らす流れ。
深く考えず構えず椅子に腰かけてぶったまげた。
これは素晴らしい。
…と自室の音を表現するのは恥ずかしいのだが、これは良い。
超高分解能なのだが有機的で温もりもある。
なにより凄かったのが広大な音場。
この音をお客人と共に聴けなかったのは大変な心残りとなってしまった。
でも、まあ良いか。出るものは出たのだから(笑)
さて次…
5月14日
さて次…
マイスターにはもう一本お願いした。
なにかと言うとZYXである。
ZYX。
考えてみるとこちらとの付き合いも長い。
2001年頃だっただろうか?ネットを主体にZYXのブレイクがあった。
たぶん本当に最初のきっかけは山本さんのところにスケルトンZYXの試作機が
納まったあたりだと思う。
その試作機(銀線)は後に僕の所に来てくれた。
ほぼ同時期にAE86さんはじめいろいろな方のところにスケルトンZYXが
納まり始めた。
そんなこんなで、あるいは長岡派がL1000の後継に使うのがZYXか〜?
みたいな捉え方をされたのも事実。
ただ、まあもちろんそんな事は無くて、L1000はL1000。ZYXはZYXなのだ。
僕個人の事をいうと、失礼ながらL1000ばかり使う訳には行かないし、みたいな
いわゆる「抑え」みたいなつもりで導入申し上げたのが正直なところだった。
だが、蓋を開けてみたらとんでもない。超優秀とはこのことで、そこからヘビーローテーションが
始まる。
しかし好事魔多し。
滅多に針を飛ばさないよっしーが、このZYXに限って飛ばしてしまった…
で、手元にあるのは二台目であり量産品(と言って良いのか?)の
ZYX R1000 CosmosVintageスケルトンなのだ。
その後ZYXは躍進の一途でラインナップも充実。
驚くような高額商品も出ていて、それは先月モスビンさんの所で拝聴したりもしている。
とうてい手が届かないような物の話しをしても仕方ないので自分のZYXの話しに戻るが
その二台目ZYXも大して使わない内に針を飛ばしてしまった。
確かカートリッジキーパーの中にあった針先ブラシが動いてZYXにのしかかって駄目にしたのだと思う。
その頃は仕事の方でも何かと大変な時で、ZYXの件は立ち直れない事になってしまった。
で、しばらく手付かず。直す気力体力お金全てが足りなかったのだ。
そうこうする内にJICOでカートリッジの修理が始まった。
おお!と思い早速お願いした。
どうせなら、とSASチップの移植をオーダー。
当時はそれで税別12,000円と、今からみたら格安だったのだ。
JICOさんからもどってきた時は感動した。音が出た。それだけで喜んでしまった。
だがこの二代目ZYX。その後そんなに使われることが無かった気がする。
何故だ?
5月15日
何故だ?
多分今一つ音がぐっと来なかったのだと思う。
音が悪かったのか?というとそんな事ではないのだ。
不幸は先代の試作機と比較される事から来ていたと思う。
その時のZYXの音が僕にはとってもとっても合っていたのだと思う。
比べるとどうも二代目は今イチみたいな変なバイアスが掛かってしまっていたのだろう。
積極的に攻める訳でも無く、三回目の事故が怖い、みたいなビビりをここでも発揮して
特にこれという実験も挑戦もなにもしていなかった気がする。
今回シェルリード線の交換ははもちろんなのだが、この際シェルも検討したいと思った次第。
まずリード線なのだが結論をいうとKS-LW-8000LTDに決定。
4000と違って8N導線が採用されている。4000より更にシャープに感じられる線とみる。
これでZYXに元気になってもらおうと思って、それはリード交換でも達成できたのだが
まだ何かが違う感じ。
やっぱりシェル交換となった。
といってもよっしーは何もせず、やるのはマイスター。すみません。
で、これまでのシェルはSAECのULS-3X。説明不要のセラミックシェルだ。
自重18gはなかなか重いが、なにせスケルトンZYXは自重が極めて軽い。
ここに軽いシェルというのもあるのだが、アームを選びすぎる事になる。
シェル込カートリッジ重量というのは19gくらいに収めるか。だめなら23g前後まで持って行ってしまう
方が良い。
どうしようか迷ったが、ここでV24Cさん特製の炭化ケイ素シェルにご登場願った。
重さは18gでSAECと一緒。
正直ポリカーボネートの超軽量カートリッジがそんなにシェルを選ぶとは思わなかった。
シェルに敏感なのは、やはり剛体の金属ボディを持ったカートリッジ群なのだ。
ところがこれが変わった。
理由はわかるようなわからないような…
とにかくシェルと一口に言っても色々と音を変えてしまう要素があるものだ。
ルックス的にはどうしても先端が飛び出してしまって格好は今一つ?
だが、それだって吉と出るか凶と出るかわからない。
ま、結果、ZYX改は息を吹き返したと思う。
やはりこれもマイスターが帰られた翌日、PL-31D/TSターンテーブル+SAEC WE-308の
プレーヤーに取り付けてHX経由の音を聴いたがビックリさせてくれた。
F1000がクラスのアイドルみたいな、文句なしの人気者だとしたらZYXは少し大人し目の
文学少女風か。
実は綺麗だよね、とか陰で言われるのだが本人は興味なしで我が道を行く風。
聴きに行けば聴きに行くほど、味わいという物をわからせてくれる。
そう言えば昔ZYXの事を、「ニュアンスの鬼」と名付けたのは自分だった。
F1000が一層の輝きを得たのも喜ばしいが、ZYXのこの躍進もありがたい。
宗方コーチ曰く、「絶対の信頼がおけるセカンドサーブがあって初めて
強烈なファーストサーブが打てる」(この表現は多分原作と違う)。
わかるだろうか?
僕にとってセカンドサーブがZYX。
ファーストサーブがF1000ということなのだ。
その二つが一日にして確立してしまった。
マイスターの腕恐るべしである。
この日は他にもピンケーブルの聴き比べもさせて頂いた。
線材はベルデンで、モスビンさん製作の88760と
現在では入手困難な83652の聴き比べ。
それぞれに味わいがあると感じたが、後から思うに、
これは例えばCD→アンプ間で使うのとプリ→メイン間で使うのとで
また意味合いが異なるのだろう。
そう考えるとシェルリード線がわかり易い別の理由にも行き当る。
つまり使用場所と目的が明確なのである。
そんなこんなの盛りだくさんの内に日は暮れる。
しかしマイスターに降臨して頂くとこんなにも事がスムーズだとは…
すっかり味を占めたよっしーなのであった(笑)
「おとうさん。マイスターを食べ物でつるなんてサイテーね、あなた」
…と言ってはいないことを願いたい…
5月16日
ちょっと柔らかい話し。
一体何を聴いていたのか?
写真にはたくさん写っているが実際には3〜4枚くらいしか聴いていないと思う。
複数の人間が複数の装置を聴く時、ソフトはどうしても
限定的になる。
何かを固定して置かないとわけが分からなくなるからだ。
もうひとつ。上にあるような物は
割とポピュラーというか、大抵の人がそのどれかに
引っかかるように出来ている。
これも大事なところで、朝から晩までゲテモノばかりを
幾ら音質優先だからと言って聴いては居られないものだ。
中には迷盤もあり得る。
迷盤とは、名盤と世間はいうのだが
音質的にはどう考えても今一つとしか思えないような盤だ。
今度こそ鳴るのかな?と思って針を降ろして裏切られる。
それがまた 楽しいのだからマニアというのは本当に仕方ない。
この日活躍したのはマイケルジャクソンで「スリラー」。
冒頭の擬音の聴こえ方。特に音場の拡がりなど
一つポイント。
そこまで狙わなかったのにヘビーローテーションになってしまったのが
松田聖子さんで「PRESENT」
僕はイントロ部分のシンバルの感じなどに耳を傾けていた。
案外色々な事がわかるものだと変に感心していた記憶がある。
…ということで明日はハード側のお話しなんかしてみたい気分。
5月17日
お邪魔したりお越し頂いたりというのは色々効能があるのだが
最大のものは自分の出している音に対して客観的になれるとういことだろう。
人は慣れていく生き物なので、自分の音だけ聴いていると、それがオールになってしまう。
趣味だからそれで良いと言ってしまえばそれまでで、やはりそれでは了見の狭い音となる。
うちの音。ちょっとおっとりしているかな?というのが端的な感想。
そこで多少細工はするのだが結局は元に戻っていく?
これはもう、多分今の自分の好みがそうなのだろうと思う。
メインにしているスピーカー。G7のキャラクターもあると思う。
このスピーカー。128,000円払ったら38cmウーファーと立派なキャビネットが買えて
ついでにちゃんとしたスコーカーとツイーターも付いてきた、みたいな部分がある。
それはなんだかGT-2000を138,000円で買ったら立派なプラッターやモーターと
すごいキャビネットもあって、なんとアームまで付いていた、みたいなのと同じ感じだと思う。
だから中にはツイーターとスコーカーを別物にしてしまう人もいるのだが
「うーん、そこまでするのは自分の場合は…」とか思ってしまうのだ。
ただ、本当に38cmウーファーには38cmウーファーで無いと描けない世界があるのは良く分かる。
それを教えてくれたG7には感謝しかない。
さて…