5月3日



昔僕はこちらのことをGT御殿なんて呼ばせて
頂いたことがあった。

かしい想い出である。

しかし
20年の歳月が流れて、今は、
そう
JBLの館と呼ばせて頂くのが相応しい
気がしたのだった。


5月4日

そもそもpippinさん(このお写真見たら皆さまおわかり
頂けてますよね)愛用のスピーカーは
4341
その前は
4343をお使いだったのは周知の事実。

今更なにをしてJBLの館??

いや、今回
4310が加わっている。



もっとたくさんのJBLを持っている人を俺は知っている?

なるほど。しかしそういう問題ではない。当然だが。


JBL達が。そう。どちらも今の季節の。初夏の空気の如くやかに
実に
力強く揃って鳴る。

そこに凄さがあるのだ。

なかなかこうは鳴らないのは挑戦された方ほど
よくわかるはず。



さて、
新規参入4310

CONTROL MONITORと書いてある通り。これは
モニタースピーカー。
比較的コンパクトなサイズのモニターということになる。

1971年頃の登場。当時で175,000円というから高価だ。


すこし脱線するが僕がオーディオに興味を持った1970年代中頃。
JBLというのが、将来
到達すべきゴールであって、憧れの品として
4343があり、4350があった。

それは山で例えたら
ヒマラヤ級であり、エベレスト登山みたいな
それこそ前人未到の領域的な存在だった。


比較するとコンパクトモニターは、
まだ現実性があって親しみが持てた。

だが、そこは小僧。

このスピーカーは
何で上にウーファーがあるんだ〜?みたいな所から始まるのだ。
(今更説明はしませんよ。まさか皆さん知っているだろうから)

それなりの数が出回ったと推測されるが、なにしろ
50年も昔のスピーカーだ。

まともな状態で現存する物に当たる確率は絶望的に低い。

今回pippinさんがゲットされた物は
恐ろしいくらいにコンディションが良いもので
これは
JBLの神様が、人には相応しき贈り物、と呟いて手配を掛けてくれたと観るのが正しい?



と、JBLに詳しくも無いよっしーがこれ以上語るのは問題があろうが
見ればわかる位に状態が良い。
往時のコンディションを保ちつつという意味で、だ。


さて、音だが、それで音が悪いわけが無い。

量感はもちろんあるのだが音が実にい。動きが早い。
要するに過渡特性が良い感じの音だ。

聞けばウーファーは
スルーで使われているとか、全ユニットアルニコであるとか、
ああ、そうだったんですね…と言いたくなるような音である。

底板にジャストサイズの
スタンドが用意されているのもpippinさん的。
この辺がちゃんと合っていないと価値観が落ちるものだ。



駆動系は豊富なのだが端的にいうとプリはLNP-2L
メインはマランツ#9もあるのだが今はFIDELIXの
cerenateが担う。
しかも贅沢にも
左右独立させての二台使い(!)

音が良いのはもちろんだが熱くならない。
消費電力低目ということで
特にこれからの季節は大活躍必至。

更にヤマハ
B-2Xがその上に鎮座。

ここで
鎌倉オフマニアなら(居るのか?そんな人?)、「あれ?」と思うだろう。

B-2Xというのはかなり以前のpippinさんのそれこそリファレンスだったが
その後は…という訳だ。

それは正しくて、今回のB-2Xは以前の物とは
別個体。買い直しである。

pippinさん、最近他にも
C-2XHX-10000と買い直しが多い。

家を出た人がやがて男女問わず故郷へと帰って来るように、
pippinさんのオーディオも
里帰りを始めた?

これは半分その通りなのだが、出会う個体出会う個体以前の物達よりも
音も程度も良くて
実にラッキーなオーディオライフのご様子。

贅沢にも繋ぎ変えて貰ったりすると
4310がまた別の顔を見せるのがわかる。

細やかな気配りに
cerenate先進性を感じれば、B-2Xからはオーディオ全盛期の
気合の入った機械ならではの音を感じる。

早い話がなん通りもの音を楽しめるわけで、ここに
4341だとかRogersのLS3/5(初期型!)まで
加わると音の酒池肉林となるわけだ。


さて、しかし今回の鎌倉オフは
ひとつのテーマを持っていた。
使命と言って良いかもしれない。

なにか?

それは


5月5日

今回の鎌倉オフは
ひとつのテーマを持っていた。
使命と言って良いかもしれない。

なにか?

それは
最新の光カートリッジの試聴である。



*このケース。なんとアルミ削り出しらしい(汗)

光カートリッジ。

その
原型は昔々に存在した。

光電子カートリッジなどと呼ばれたが東芝、シャープ、トリオが
リリース。

光源とフォトトランジスタの間にカンチレバーが入り
光量の変化をフォトトランジスタ
が読むという形。

メリットは振動系の
軽量化単純化。
ただし
専用アンプが必要になる。

色々調べたが基本的な動作原理は昔の物と変わらない。

ただ、やはり変わったのが発光部が
熱をもたないという事と、フォトトランジスタなど
受光部の
精度向上だろう。

それがあって初めて、「よし、今この時代に光カートリッジをやってみよう!」と
なったと思う。

ちなみに会社はデジタルストリーム。ブランド名で
DS Audioと言った方がわかりやすいか。

太っ腹にも光カートリッジ及び専用イコライザーアンプをセットで無料貸し出し!

DS-W2カートリッジ
40万円。
DS-W2イコライザー
80万円。

合わせて
120万円



*本当は天板は素通しではないそうです。
これはデモを兼ねてアクリル?天板。


5月6日



合わせて120万円…

これで凄く良かったら
るな、どうしよう…

と言いたいが、これだけ高価だと、どんなに良くても買えないから大丈夫(^^♪
という
妙な安心感が出て来る私は、やはり貧乏人です。はい( ;∀;)

さあ、迎え撃つはMCの雄。あるいは従来アナログの雄
MC-F1000

土台となるプレーヤーは
PL-31E/TS。超低抵抗の軸受や理想的なストレートアームを
持つ銘品。

フォノイコライザーは
HX-10000を使用ということで万全の体勢。
そうでもしないと渾身の光カートリッジに申し訳が立たない?



さてさて、
彼我の差やいかに?


まず光カートリッジで聴くと同じレコードが、
スッと静かになってしまうのが
わかる。

背景が鎮まるというか、
本当の静寂。真の闇みたいな物が感じられるのだ。

よって音も大変
クリアー。個々の楽器の聞き取りテストでもやったら大変有利。

低音楽器の
明瞭さは特に心に残った。

感動の内に
F1000にチェンジ。

さあ、どうだ?

…ところがこれが
大健闘。ある意味大変安心させてくれた。

どこがどう違う?

静寂さにおいては光カートリッジには及ばない。
音のクリアーさにおいても光優位。

…なのだが、不思議な物で
トータルでの音楽として聴くと一長一短であり
従来型にも見るべきものがあることがわかる。


陳腐な言い方なのだが従来型の方が
音が活きて感じられるのだ。

光カートリッジが
電気自動車。あるいは水素カーだとすると
従来型は
内燃機関。ガソリンエンジン。

どちらが正しいと言われると前者なのだろうが
嗜好品に善悪を持ち込むのはちょっと違う。


5月7日

…と、例によって分かった様な事を書いているが皆さんは決して信じてはいけない。

というのは、例えばこれを気に入ってしまったらどうしよう?
という
貧乏人バイアスがよっしーの場合は掛かっている。

気に入ってもとうてい買えるものじゃない。

120万円である。
家屋敷田畑女房子供全部売り払ったって
足りないに違いない。

となると、あれはきっとそんなに大したことはない。
あっては困るという激辛ラーメンではなくて
酸っぱい葡萄の真理が働くのである。

こういう品物は120万円でも買って買ったことを忘れてしまうような
人間が買うべきものであって
下町の庶民向けではそもそも無いのである。


もうひとつ。別な要因を探るなら、僕なら僕の耳が
従来型のアナログの音に
毒されて?しまっていると言うのがあるだろう。


何十年の間耳馴染んだ世界から簡単に出られない。
そういう人向けではない。

逆に
日頃ハイレゾだなんだとクリーンなオーディオの世界に
浸っている人がアナログを久しぶりに始めるなんてパターンには
大変
マッチするとみる。



後は
ソース

今回聴く限りはいわゆる
クラシックの方が合う。
ビジネスのターゲットとしても
高額所得者であるとか、退職金をたっぷり貰えた世代に
クラシック
ファンが多い気がするからちょうど良いのかもしれない。


それにしても、こんな高額商品をモニターと称して
貸し出しをしてくれるなんて凄い。

広めたいという
気概を感じる。素晴らしい。

富裕層の方には一も二もなくお奨めしたい。



5月8日

常軌を逸したとしか思えない
物量投入のフォノイコライザーも素敵。



最初は冗談かと思ったのだが、どうやら本気の本番製品だ。
超強力電源搭載は間違いなさそう。

しかし何より素晴らしいのは、この光カートリッジであるとかイコライザーとかの
回路の情報が公開されたことだ。

なぜにそんなことを?と言えば
多くの人に光の世界を覗いて欲しいからで、
それ以外無い。

後に続くものがいなければこうした物は枯れてしまうのだ。

だからオープン。

本気で感動してしまう。

そんな事出来るかどうかわからないがアマチュアが
自作してもよい。

昔STAXなんかも公開できるものはしていたしパーツの頒布なんかもしていた。

だいたいがオーディオなんて、そうした規模感のものではないのか?

メーカーとユーザーの間に高い垣根があるなんてのは本来の姿ではない。

DSオーディオさんのこの
姿勢は本当に素晴らしい。

…ということでひとしきりDSオーディオさん賛歌を唱えた後はお楽しみ?
アナログタイムである。



綺羅星のような色々なカートリッジ達の音を、多様なレコードで、ああでもない
こうでもないと言いながら聴き進めていくのであった。





今となると大変希少な
も出て来る出て来る。さすがである。

プレーヤーは主に
PL-31E/TS使用だがEMT様も奥にお控えとなれば拝聴しない訳にはいかない。



それはそれで大変な説得力があって、これはもう往年の大女優というか
横綱相撲ここにあり、みたいな凄さを感じる。

手軽にカートリッジを取り換えて、とはいかないし、ある意味大変ストイックな世界なのだが
それを覚悟して余りある物を得られるのは確か。



さて、いよいよ大団円。
他にも
17万円!の除電器=イオナイザーの効果は凄いが価格も凄いというお話しとか
色々あるのだが一部割愛。



いつもながらにpippinさんの音は素晴らしかったのだが
今回は
五月晴れの日に五月晴れの音というオチ迄ついた歓待を受けた。
余談だがウチに帰って音を出して落ち込んだのは内緒です(汗)

印象的だったのはやはり昔のGT御殿時代の機材のリターン。

またそれらが活躍しているから憎い。



*無理を言ってB-2Xの内部画像も送って頂いた。
言い忘れたが今回の日記の写真の大半は
pippinさんご自身ご提供の物である。

主役のアナログプレーヤーは
PL-31E/TSが完全に定着。
ここにMC-
F1000が加わり、シェルリード線もモスビンさん製の物で
ブラッシュアップされ、と着実に進展。

ますます高みに上られてしまった感がある。

僕を置き去りにしないでね、と、それだけを願いながら帰路についたのでありました。



オマエはまだ修業が足りん!」と観音様もお冠に見えた…



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