4月1日

さあ新年度入りだ。
ダラダラモードとは
おさらばしたい。

…ということで?
AT-UL3

とっても小粋な
MCカートリッジ。

ONKYOのミニコンポのプレーヤーに付属だったことで知られる。

もう一つ、知られるのは
koyamaさん愛用の一本であるということ。

世評の確立した、誰もが認める名器を愛用するのも一つだが
「これの良さは
俺しか知らんじゃろ」というような隠れ名器を
捜すのもオーディオの楽しみのひとつ。

昨年の夏だったか、お邪魔した際にはAT-UL3が
恐ろしい程良い音を出していた。



で、よっしーもちゃっかり一本頂戴してしまっているのだが
それほどの音は出せていなかったのが本当のところ。

所詮分家。本家には遠く
及ばない?

しかし、ずっとそのままというのも悔しいので腰を上げた。

まずシェルの見直し。
これまでテクニクスのシェルに取り付けられていて、
ウエイトの付加も出来る仕様とはしてあったが
何しろ元の重さが重さというか
ストロー級と言いたくなる軽さである。

扱いにくいという事もあり、今回思い切って
18g級の炭化ケイ素シェル
一度は取り付けてみた。

しかし、どうも改善より
劣化が目立つ。

さて、どうするか?



シェルの問題と別に、この個体のカンチレバーの寝方が気になっていた。

カートリッジというのはなかなか
バラつきの多いパーツで
特にアルミカンチレバーの先端の曲げ具合などは
品質管理の難しいところだ。

単純に言うとカンチレバーが寝過ぎに感じるということは
バーティカルアングルに影響が出てそれが音にも出るという事になる。

解決するにはカートリッジの先端側を下げるかリード線側を持ち上げるかという事になる。
しかも結構な傾斜を作らないと駄目だ。

そこでふと思い出したのが、この
古い。ビクターのだったか?
シェルである。

なんとももっさりした外観で、およそスタイリッシュなUL3には向かない?

ところがこのシェル。カートリッジ取り付け部が滑り台の如く
傾斜をしていて
カートリッジを自然と?凄い
前下がりでセッティング出来るという
特異なシェルなのだ。

重さも妥当。

これで音は?

…これがなかなか良い(!)

シャッキリスッキリ鳴っている。

この4月は
これでいこう?


4月2日



さしたる数のレコードでも無いのだが
それでも、「ん?これ
最後に針落としたのいつ?」みたいなのがある。

Sssshという不思議なタイトルのTenYearsAfterのアルバムも
高校生の頃に買ったと思うのだが
掛けてみてビックリの盤質状態。
まるで新品である?

聴かなった?

そんな事は無い。
ただ、確かにヘビーローテーションでは無かったが。

それはさて置き、物持ちが良いというか
45年位まえのものでは無いか?これなんか。

この歳になると非常に不思議な気がする。

更に、
ライブ盤なんかで、
しかもその時
その場所に自分も居たなんてのを
掛けてみるのだが、気づけば
35年前だったり
40年前だったりするのだ。

一体その間自分は何をしていたのだろう?

色々あった気もするが、
なにも成し遂げていない気もする。

人生そんなものなのだろう。

そう思える年齢になったということでもある。

さてしかし、この春…


4月3日

手段が目的となる
ことを趣味という。

それからすると昨今の
レコードクリーニングブームなんかは
趣味の確立を思わせる。




やり方や主義主張はそれぞれ違って良い。

全員が同じことをやるとディストピアの出来上がりだから
マチマチばらばらはユートピアのの証でもある。

僕の場合は
OYAG愛用なのは既に書いた通り。

で、呆れる程綺麗なレコードがあった反面、やっぱり
こりゃ
い!と言いたくなるようなものもある。

写真のなんかダブりで買った税込み105円(時代がわかる)盤
なのでやむを得ないが、いや、
こりゃ凄かった。

汚れで針がまともに進まないというのは
かなりハードルが高い。

ところが
OYAG+針圧3,5gカートリッジで
見事に綺麗に?なってしまった。

馬鹿みたいにのめりこむものでは無いが
音の入り口はレコードなのだから
盤の状態がよくなって困ることは一つも無いのじゃ。


4月4日



analog誌最新号で怪奇と幻想のジャケットと題して
ミトマニア」の12枚、というのが取り上げられていたので
その内の一枚、「
悪魔狂詩曲」(邦題)を久々に引っ張り出してみた。

ジャケットの凄さもさることながら
録音も優秀。

これを譲ってくれた先輩マニアの方曰く、どうしてこれが
外盤A級セレクションに入らなかったのか
不思議?との事だったが
本当にその通り。

まあ
外盤ジャーナルで取り上げられた時に
ちょっと荒れるところがある、みたいな書き方だったので
その辺が引っかかったか?
ではある。

そうした事を基準にレコードを選ぶ必要は無いのだが
たまにはこうした、いかにも
現場まるごと録
みたいなのも聴いて置いた方が良い。


4月5日



え〜、このレコードこんなに
れているの?
なぜ?
不思議…みたいなのがある。

まあ
手垢(そんなベッタリしたものじゃないのだが)とかが
遠因だったのかな、とか想像を巡らせるしかない。

しつこいようだがOYAG+針圧3,5gの針通しが
大変調子よくて、盤はバンバン(洒落ではない)綺麗に
復活

写真のレコードなんかもちょうど
40歳か。

随分ちゃんとした音で録音されていたんだな、
なんて思う。

そうした事がわかる程度には進歩したのだな、
とは思うのだが、さて他は?と思うとこの
40年何をしていた?

…四月のせいだろう。最近そんなことばかり思う。

そして繰り返して思うのは、人は
結局そう大したことはしない
ということ。

あるいは伝記の本を作られるような人たちでも
本人たちはなにかを成し遂げた気には、さっぱりなって
いなかったのでは?と
思ってしまう。

であれば、我々凡庸が何をか言わん…であろう。

長い(はずの)時間を掛けてやったことは気づけば
近所のワンブロックを回って来ただけ

そんな感覚こそ人生なのかもしれない。


さておいて、
AT-UL3のその後。

クリーニングの終わった盤をせっせと掛ける役をしてもらっているが
ある時点で
ブレークスルーという感じで
安心して聴いていられるようになった。

これまではリハビリが足りなかった?

ただ、鋭角な感じではなく、ちょっとソフトタッチで
線が柔らかく抽象派的な鳴り方になっている。

これも大変興味深い事だが
それはそれでウチに取って
貴重なトーンのひとつであって
大変ありがたいものだ。




4月6日



一回休み、の図。

うーん…シェルが
すぎた。

…っていうかカートリッジが
ストロー級なんだよね、これも。

ま、一回休み。なので。


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