12月20日
ちょっと休憩。
似たようなものばかり出て来るので識別が難しくなるが
これはSONY製。
PS-LX525Pというヤツ。
カートリッジ(針)にもSONYのロゴが輝く。
この針は今でもND-155Gという型番で売られている。
まあ皆様にはお分かりの通り、元をただせばVMのあれである。
AIWAのPX-E800辺りに似る所もあるが
プラッターは金属。
細かいところでは、それなのにモータープーリーは
樹脂製。
12月21日
SONY PS-LX525Pって、ところで何よ?
僕も詳しい事は知らないのだが、どうも'90年頃の
リバティーシリーズ用のプレーヤーみたいだ。
極まれに見かけてもほとんど売れないでいる。
理由は?というと電源を同シリーズのアンプから供給する形のため
アンプが無ければ使えないからだ。
確かに。
しかし、ここにはおおむね12V位を供給すれば作動するだろうことは
先刻ご承知。
そこで適当な電源アダプターを使えるようにしてみたらビンゴ。
いつから寝ていたかしらない525Pはあっさり回り始めたではありませんか。
いつから寝ていたか本当にしらないが、ベルトもカートリッジも無事。
この種の物は針が逝っちゃっているのが多いのだがご丁寧に針カバーが
付いた状態だったので無事だった。これは大きい。
ベルトは想像だがバブル期の品物という事でその後の物達より
品質が良いのかもしれない。(単なる想像)
中を見ると今の時代の物と構成は似ている。
大いに違うのはモーターの制御基板がモーター外に大きく出ている点。
今の物達はモーターの中に基板が入り、外にICが一個出ている感じ。
進歩でもあり省力化であり生産性の向上でああろう。
だからと言って昔の物がダメということでは勿論無い。
それよりモーターにマブチと思いっ切り書いているのには笑ってしまいました。
さて…
12月23日
さて、回って音が出た。
この際はそれだけで感動してしまうのだ。
だって回らなくても不思議ではないですぜ。
回ってベルトも針も無事。それだけで大きな幸せを感じてしまう。
これでは大成しない?
ひとつ感心したのはこの種のプレーヤーにしては異例にプラッターがフワフワしていないこと。
もちろん意地悪くプラッターの端を刺激すればふら付きは感じる。
しかし本当にフラフラする物は演奏状態でうねうねと波を打ったりするのだから
それと比べたら雲泥の差である。
しかし音はパッとしない。
穏やかと言えばそれまでだが少々意味合いが違う。
取りあえずランニングを兼ねてそのまま聴くが我慢が出来なくなってくる。
まずプリ迄の間の延長ケーブルを止めて直結に。
何しろ短いフォノアウトケーブルが付いているもんで使いにくいので
ついつい延長を使ってしまうが、こんな弱い信号のところに狭窄物は禁物だ。
(この機種はフォノイコ内蔵とかはしてない)
そこでダイレクトに繋ぐ。
もちろん悪くなるなんて事は無い。しかし激変かというとちょっと違う。
ここで最終兵器?登場。
12月24日
ここで最終兵器?登場。
なにかと言えば電池である。
12Vの電源アダプターで動作するということは直流12Vがあれば大丈夫な理屈だ。
手もとにあるのは単一電池6本を収めた9V電源だけだが試してみると動く。
この手のモーターは9〜12Vで動くのである。
というか、そもそもこのプレーヤーをゲットする時からバッテリードライブ構想が
あったのだ。
目論み通り回転してウハウハ。
だが音を聴いて驚く。
俄然シャッキリしたというか寝ていたのが起き上がったかのような変化だ。
さて、この変化がどこから来るのか?
いや、そりゃ電源から来るのはわかるのだが。
少し前にAT-PL300とPX-E860の音の差を取り上げた際、あるマニアの方から
電源の違い。正確には電源基板の違い。採用されているパーツの違いでは?
と指摘を頂いていたのだが今回みたいなのを目の当たりにすると
なる程!と頷かざるを得ない。
数年前のことだがmilonさんのサイトでベルトドライブに興味をもつのと並行して
ある方が古いDD機のメンテナンスをした際、電源基板のお手入れをしただけで
驚くほど音が変わったと書かれているのを読んで、自分もデンオンやパイオニアの
プレーヤーのお手入れをしたりした。
残念ながらその時はDD機の電源基板メンテナンスの前と後の違いというのは
さほど感じるに至らなかったのだが今回はわかり易い変化があった。
12月25日
興に入って電池をアルカリからマンガンへ。
なるほど違う…と言いたいが、ここがこうだと断定できるだけの
自信はない。
それより何よりクリスマスだの年末商戦だの言っているこの時期に
大型家電量販店でマンガン単一電池六本なんて買い物をするもんじゃない?
見渡せば景気の良い買い物をする人たちばかり。
「ああ、よりによってこの人アルカリ電池を選ぶお金も無いのね」と思われたかどうか。
良い音のためには電池が必要なんです、と説明しても
誰も信じてくれそうにないな…
12月26日
さすがに年末進行。
あんまりシビアな事をやろうというモードではない。
引き続きこちら…
なのだがそれはそれでオーディオのイロハを楽しむようなところがある。
今度はシート。
純正はもちろん薄いタイプ。
それが悪いとは言わないが定番JP-501。
あるいはLinfof工房の物など試して一定の変化は感じる。
しかし、どこか一発大きなチェンジを感じたい欲求に駆られる。
ふと思ってシートを外してみた。
直置きはなんとなく盤にわるい気がして嫌なのだが
まあ物は試し。
ところがこれが結構良い。
それはオマエの耳がタコだからだ、と言われるかもしれない。
しかし大枚叩いて何か買ってよくなったかも?
では困るがシートを外すだけならノーコストである。
それでウキウキ出来るのなら、それは正真正銘の安上がりというものだ。
12月27日
まあどーでも良いと言えば良いのだがこの年の瀬に元々はジャンク扱いの
プレーヤーを電池で回してウハウハ喜んでいる自分は一体なんなのか?と思う。
前述の通り専用電源形式だからドフでもチェックのしようがない。
動作未確認、となるわけだ。
これは売れないだろう、と見ていたら案の定980円が480円に下がった。
その段で初めて財布を開いた。
お主も悪よの〜(笑)
そして最初から電池で回す心づもりで居たのだ。
実はどんがらになってしまったPX-E860を含んでこの手のプレーヤーだけで
六台くらいになっている。
どれもがバッテリードライブ可能だが他の五台はACでも回るのだから
後回しにした。
逆にいうとACの欠片も積んでいないのはこのSONY機だけなのでピュアDC向けとも言える。
フォノイコも積んでいない。
これも究極でいうとプラスに働く。
使わない場合、存在するだけでマイナスになる。
もう一つ、えらく貧相な接点のスイッチでフォノイコ有り、スルーを切り替えるのも
問題がある。
そう考えるとなにも付いていない、このSONY機が一番素材としては良いのだ。
大艦巨砲主義を良しとする向きからは見向きもされないし
多分20年前の僕も相手にしなかったと思うのだが音は普通に良い。
もちろんこれが最上級とかそういう事ではない。
だが、いけてしまうものはいけてしまう訳で、こりゃもう仕方ない。
儚さ、切なさ、爽やかさと言った要素では秀でてしまう可能性すらある。
何というか、穢れがないのだ。
12月28日
RD50もうちに来て一年になる。
その割に進んでいないという説もあるが
これはひとえに部品の入手難故である。
そう考えるとホンダを弄るなんていうのが
いかに甘っちょろいか良く分かる。
しかしここへ来てアクセルワイヤー入手他前に進む要素が
出て来た。
そうなるとエンジン始動に気持ちは向かう。
大幅に割愛して話を進めるが
キックでエンジンは掛かるがすぐ止まってしまうという状態だった。
プラグを抜けばすぐわかるが被ってしまうのだ。
一回ミスれば都度プラグを抜いて…だから面倒。
それでも遂にタコメーターが三千、四千、五千、と上がる様になった。
…と、ここで嘘のようだがオーナーのS君が寄ってくれた。
キックして苦闘しているところを
後ろから声を掛けられたからそりゃあ驚いたのなんのって…
しかしそれよりも驚いたのが、オーナーが来た途端にRDの回転が
より一層上がったのである(!)
近所迷惑でごめんなさい、なのだがついに七千回転オーバーまで行った!
…今日はこれで止めるが、どうやら大丈夫そうだ。
もちろんこの後キャブ他整備するが一つの節目を超えたとみる。
しかしオーナーの威力って凄いんだな…
ここで話は唐突に変わるが、S君いつの間にか自室にオリンパスや
KEFを向かい入れ立派なオーディオ野郎になっていた。
*マニア、ではない。オーディオ野郎、である。
アナログプレーヤーはGT-2000だそうで、おやおや、という感じ。
じゃあちょっと、という事でオーディオの話しも少々。
誤解されないとイイナ、と思いながら最初にトレンドの?(笑)
バッテリードライブSONYを聴いてもらうが
「こんな安いのでも十分な音がするんだね」と合格を頂いた。
繰り返すが彼はオーディオ野郎だけどオーディオマニアではないと思う。
理屈ではなく聴覚で判断できる人だから却ってよかったかもしれない。
ただ、昔々機械関係の仕事もしただけあって
センタースピンドルとプラッターの精度には的確な目を向けていた。
「この種の物には上下に波打って回っている物が多いけど
これは違う」と看破。
恐れ入りました。
12月29日
40代までの生き方と50代以降の生き方は根本的に違います。
40代まではその人が何を持っているかという事で評価が決まります。
50代以降はその人が何を持っているか、ではなくて、その人がどういう生き方をしているか。
どういうタイプの人間かということが問われます。
動物の世界には「サルの生き方」と「オオカミの生き方」があります。
サルの生き方とは、どれだけ子分がいて、どれだけの物を持っていて、
どれだけの体格をしているかという持ち物にこだわる生き方です。
オオカミは決して持ち物で自分の位置を決めません。
自分がどういうタイプのオオカミであるかということにこだわります。
例えば何かピンチに陥った時に自分はどういう振る舞いをするか、
何にこだわって何を大切にして生きていくかということを考えています。
人間も同じです。
サル型の人間とオオカミ型の人間がいます。
サル型の人間は自分が何を持っているかにこだわります。
だからもっとたくさんのモノを持ちたいと願って生きています。
オオカミ型の人間は自分はどういうタイプの人間かということにこだわって
生きているので、何を持っているのかということは一切関係ありません。
「Have」にこだわるのではなく、こういう時はこうする、という「be」にこだわります。
50代はサル型の生き方からオオカミ型の生き方に切り替わる時代です。
何を持っているから偉いとかカッコいいとかいう時代から、どういうタイプの人間かが
問われる時代になります。
どういう生き様をするかということにこだわる時代になるのです。
↑少々長くなったが「50代でしなければならない55のこと」中谷彰宏さん著/ダイヤモンド社刊
より思いっ切り引用させて頂いた。
人間、をマニア、と置き換えると面白い。
オーディオマニアもサル型とオオカミ型に分類して出来ないこともない。
念のためだがオーディオを買う事を否定しているわけでは無いので念のため。
そもそもオーディオという趣味の一部に「楽しいお買い物」という要素がしっかりある。
しかし、自分はどういうタイプのマニアなのか?と考えてみるのはこの際なかなか興味深い。
50代だからこうしなければいけないとか、60代だからこうであらねばならない、なんてものは無い。
ただ、ある意味人間の原点回帰というか本音回帰をし易いのがそれくらいの年齢であるという
見方もある。
僕には僕の本音があってそれが透けて来た気がする。
さて、あなたの本音は…??
おお、一応年末らしいネタが書けたではないか(笑)
12月30日
ごめんなさい!
もうやりませんから!
…って、誰に誤っているわけ?(笑)
AT-PL300USB。
同じPL300だがUSB端子を持ちレコードのデジタル化に一役買うタイプである。
なんて近代的な…と思ったら案外前のだったのでビックリ。
ベルト無し。針無し。ダストカバーのヒンジ無しということで
ジャンク。
元々純然たる部品取り目的なのでそれで一向に構わないのだが
一応音を聴いておこうと思った。
針はDENON DP-29Fから拝借。
元々この個体、シートがDENONの物になっていたりして不思議ちゃんでもある。
極めて普通に音を出すが、やっぱり良い音だ。
AT-300シリーズ恐るべし。
最初はプリのフォノに繋いでいたがせっかくのフォノ内蔵プレーヤー。
そちらも、と思いLINEに繋ぐと途中から音が右に寄って行って…
それで驚くほど初心じゃない。
(可愛げが無い)
これはもうリアにある切り替えスイッチの接触不良しか考えられない。
奇しくも先日書いたがこのように微弱な信号の通り道に接点があるのは
好ましいことじゃない。
スイッチ分解まではやり過ぎと思ったのでパーツクリーナー噴霧で
勘弁してもらう。
結果だが見事蘇生。
内蔵フォノイコ経由の音も立派なものである。
あんまりこんな事ばっかり書いていると
高価な装置は要らないとでもいうのかい?と
叱られそうだがそういう話ではない。
ただ、我慢して聴いています、なんてレベルではない。
これ、イコライザーはプリのを通しています、と言って
騙される人もいると思う。
(そんな意地悪な事をしてはいけませんヨ)
一見シンプルに見える基板だが裏返すとチップ部品てんこ盛り。
USB経由で信号を出すためにこうなるのだろう。
しかし、それで300USBが300に劣るとも思えない。
ただ、この個体は軸の抵抗が大きいというか粘つく感じの回り方だ。
バラつきに経年変化と色々ある。
その辺を全部極めていると更に台数が増えるので
そういうことは絶対やらない。
多分やらない。
きっとやらない。
やらないんじゃないかな…
多分…
12月31日
大晦日である。
別に嫌いじゃないのだが、どうもある時以降
この時はこうして過ごさないといけません、みたいなのが
苦手なのは事実。
家に居るとあれしてこれして、のオンパレードだ。
故にフルオートプレーヤーは極めて便利。
何しろ一々針を上げなくても良い。
呼ばれたらそのままにして離席して大丈夫。
家庭内安泰のためには年末はフルオートが良い。
AT-PL300USBについては引き続き内蔵フォノイコで聴いているのだが
嘘でしょ?というくらい不満が無い。
何故だろう?と考えてみると、多分拙宅の今の(近年の)状態というのが
ストライクゾーンが大変広い傾向にあるのだということ。
なんていうと格好良いが、要するにシビアでは無いということだろう。
違いを出して喜ぶというより、取りあえず音が出ていることを楽しむモード。
そんな風に思って欲しい。
世の中どこを見ても高音質であり、驚きの音があり
聴いたことのないような音があるようだが
そんな話しを読んでいるだけで疲れてしまう。
そのせいか、どんな音が目標ですか?と訊かれたら
左右から違う音が出てステレオになってくれていたら良いです。
とか答えそうなのが今の僕だ。
なんだか年の瀬に投げやりな感じになってしまったが
本当の気持ちなのだ。
好い音は各人各ご家庭の中に既にある。
在るものを無いと言い張って探しに出かけるような真似は
何かと無駄が多い。
では、みなさん良いお年を!