7月1日
月も変わったので話題を変えようじゃないか。
ということでこちら、マランツPM-8100SA Ver2である。
PMとくればマランツではプリメイン。
SAと付いているからきっとハイグレードなのだ。
Ver2ではないSAは2000年発売。当時69.800円。
上にPM-14SAであるとか17SAがあった時代の製品。
マランツの型番の由来は良く分からないところがあるが8100とか
桁が増えると普及品の価格帯という事は確か。
パワーアンプ部は電流帰還型を採用。
ローノイズスルーレートを目指す。
お題目としては次世代CD対応である。
ちょうどこの頃SACD、DVDオーディオという規格が打ち出されたところだったのだ。
その辺は又後で触れたいが、リアパネルを見てとにかく驚くのは
WBTのスピーカー端子が採用されているところ。
SAの証という事になるが、これには感動する。
実際使ってみると抜群に使い易い。
Ver2になって何が変わった?
高級パーツの投入。グランドの見直しのようだ。
価格は75.000円と少しアップして2003年登場。
フロントルックスは好みが分かれるところだろう。
伝統のシンメトリーデザイン。
だが、一番目立つセレクターつまみとボリュームつまみが
離れすぎている気が、個人的にはする。
お陰でちょっと愛嬌がある顔つきとなっている。
細かい事は後に譲るとして、取りあえず音を出したくなった。
最近の流れを汲んでアナログを繋ぐ。
GT-2000にはシュアーM75MBType2が付いているので丁度良い気もした。
フォノもMMには対応しているアンプだ。
繋いで弄ると、まず残留ノイズに驚いた。
もちろんアナログで、針を降ろさない段階でボリュームを上げた時の話しだが
近年あまりそういう体験をしていないからビックリ。
で、音を出す。
無事出たが(出ないと困る)、取りあえず元気というか
情け容赦ない感じの音の出方だ。
これは良いとか悪いとかいう事でなく、そういう設定。
あるいは思想。設計、ということだろう。
そこへ持って来てシュアーM75MBという出力高目で元気系の相棒だから
一層その傾向が強まったと推測する。
今のところ想像だが、出力高目のMCなんか、却って相性が良いかもしれない?
さてしかし、このアンプ明らかにデジタル時代の物。
いつまでもアナログだけ繋いでいたんじゃ文句が出そうだ。
そこで…
7月2日
パイオニアPD-HL5。
1998年発売。当時65.000円。
ご存知ターンテーブル方式のCDプレーヤーだ。
不要振動の排除、不要ノイズ低減、ジッター追放と多くの効果がある。
クリーンレーザーピックアップ採用。
信号読み取りの低歪化を目指している。
24bitDACやレガートリングコンバージョンなどは説明不要だろう。
重量8.1kg。420W×128H×374Dと正に普及機の中の普及機という佇まい。
ルックスは可もなく不可も無くという感じ。
もっとも、観て面白いCDプレーヤーというのも案外少ないのだが。
電源ケーブルはインレットタイプなのでここでも音が変わると思うが
取りあえずはその辺に転がっていた電源ケーブルやピンケーブルを使って
PM8100に接続。
で、音だが…
7月3日
音だが最初の印象はかなり悪かった。
なんとも不明瞭な感じ。
何を言いたいのかわからない。
これは困りました…
と、思いながら数日経ってやっと良さが分かって来た。
なんというか、これは音楽するプレーヤーだ。
とっても丁寧にひとつひとつ、楽器の音色を描き出してくる。
そこに価値を見出せないと、一緒に暮らせないタイプかもしれない。
7月4日
ふにゃ〜、という感じで疲れてしまったので画像も何もない。
そして外の風が気持ち良いので、柄にもなくそれを感じていたりする。
だったら音など出さなければ良いのだが極小音量でも出さないと気が済まないところが
既に中毒である。オーディオ中毒。
スピーカーをケンウッドLS-9070にして、ちょうど良い塩梅だ。
そんな訳で細かいお話しはまた後日。
7月5日
この好きもんが、と思われそうだが軽く体調不良。
多分気温差にやられている。
気を紛らわすのにはこんな作業が一番?
でも、もう寝る。
7月6日
色々構想は有るのだがさすがに進まない。
漫然とLS-9070で音は出している。
そして十分な音だ。
前にも取り上げた話だが片岡義男さんの小説の中で
日本の夏にはスリムな単気筒バイクが似合うというような一節があった。
スリム繋がりで9070というわけでは無いのだがこれからの季節には
細身のトールボーイの方が良く似合うと思う。
アンプも出来ればプリメインが良い。
プリメインでなくても良いけどスリムなのとかコンパクトなのが良い。
7月7日
実験中。
7月8日
何の実験?
実はBTLである。
Balanced Transformer Less接続。
ブリッジ接続。
わかるようなわからないようなお話しである。
正相と逆相でスピーカーユニットを引っ張り合いする。
そんな感じか。
ま、まともな説明は他のところに幾らでもある。
魅力も感じるBTL接続。
これをやるにはステレオパワーアンプが二つ必要。
そんな物はとっくに揃っているが、大げさなのは遊びでは良いが
現実には邪魔くさくて仕方ない。
ところが最近ヤマハAST-A10が二台揃った。
密かに一般スピーカー用フラットアンプカートリッジも二つ揃えた。
ま、ここまでは簡単?
BTLで問題になるのは逆相信号をどう作るか?である。
一般には逆相信号を作るアダプターを使う。
自作しても良いが実に面倒臭い。
ところがこの問題を一発で解決できる機会が我が家にはある。
NEC CD-10。これである。
齢30年。未だに現役なところだけで評価して頂きたい。
このプレーヤーは正相と逆相の出力を普通に持っている。
それも逆相を作るためにトランス使って、なんて事は無くて
DACの段階で両方を平等に作っているのである。
リアに二組のピンアウトがあるが(バランスアウトもある)
一組は正相。一組は逆相なのだ。
普段はその内の半分しか使っていない訳で、実にモッタイナイ話である。
CD限定にはなってしまうが、これで逆相信号の確保はオーケー。
素晴らしい、ピュア正相信号逆相信号が得られる。
残る問題は音量調整である。
CD-10→4連ボリューム→ステレオパワーアンプ二つ、でBTLはあっさり実現する。
実はAST-A10にはインプットボリュームが付いている。
だからCD-10→AST-A10だけでBTLは出来てしまう。
ただ、このボリューム、なかなか使いにくい。
感度の設定がCD直結向けには出来ていないのが第一。
そして何より二台のボリュームを常に弄って音量を合わせるなんてのは
正気の沙汰ではない。
試してみたもののすぐに嫌気が差して止めていた。
ところがここでマランツPM-8100SAVer2降臨。
このアンプ。知る人は知っているが、6chプリ+2chパワーアンプという構成なのである。
良かったら他にステレオパワーアンプを二台買って、SACDやDVD-Aの5.1をお楽しみくださいませ
という奇特なコンセプトのアンプだった。
この際内蔵のパワーは使わなくて良い。とにかく6chプリは貴重である。
今回はサラウンドLRとセンター、そしてサブウーファーとなっている端子に
CD-10から入力。
そして6ch分のプリアウトがあるので、そこから各々をAST-A10へ送る。
なんと完璧な方法ではないか。
もちろんいわゆるAVアンプがあれば同様の事は出来る。
ただ、それじゃあ面白く無い。
PM-8100SAVer2を6chプリとして使い、AST-A10を二台使う所に楽しさがあるのだ。
それはさて置き音はどうか?
7月9日
どうか?の前に接続に間違いが無いか確認は大事。
機器の破損にもつながる。
そして、そのような使い方をしてAST-A10は問題ないのか?そこも肝心。
ま、取りあえず問題ないようだ。
スピーカーはLS-9070。
で、音が出た。
音が出ただけで感動してしまった。なんと完璧な結線であろうか(笑)
そのレベルじゃあどうにもならないと言われたらその通りです。はい。
しかし、まずCDはCD-10なのである。齢30歳。音が出るだけ凄いと思って欲しい。
リモコンだって生きているんだぜ。
AST-A10だって同じようなものだ。
それが二台揃ってBTLをやっている。まさかこんな事を30年後にさせられているとは
同じ製造ラインに居た時思いもしなかったであろう。
そしてマランツPM-8100SAVer2。
こんな事でも無ければ一生2chだけ使って終わりだったはずだ。
まさかこんな使い方をされるとは思わなかったであろう。
さて、音はどうか?
考えてみると同じ組み合わせでBTLであるかそうでないか、を検証しないと本当の事にならない
事に遅ればせながら気づいた。
しかし、その程度の印象であればBTLをやる意味は無い?
そうかもしれない。
というか実際BTLで凄く良かった、となってもちょっと困る。
というのも組み合わせは限定されるし一般性は僕の環境では低いからだ。
取りあえず押し出しはやはり強くなっている感じ。
反面の粗さというのは、あると言えばある、無いと言えば無い。
しかしこれじゃああまりに詰まらない。
取りあえずスピーカーをLS-9070からG7へチェンジ。
もっとも聴きなれた環境に近づけよう。
それで数時間。
どうやら良いところがクローズアップされ、気になるところは減退したようだ。
もっとも、こういうのは耳の慣れの問題もあるから簡単に信用してはいけません。
そもそも寝ていた機材が起きるまである程度時間が掛かる。
その辺が絡むからややこしいのだ。
7月10日
最近には珍しく機器の電源を入れたまま外出して、ひたすら通電。
最大の問題はCD-10で、このプレーヤー電気を通しておかないといけない。
その猛烈に発熱するICがマウントされていたりするので放熱にも注意が必要と
使い手泣かせでもある。
なんだかんだで音質は向上。というかこの組み合わせでこれだけの音が出たら十分だ。
CDプレーヤー10万円クラス。アンプは全部足しても正価で20万円に届いていない。
大さもAST-A10二台でHMA-9500一台程度とベストなサイズ。
PM-8100SAVer2はプリアンプと考えるともう少し薄いと理想的サイズなのだが
元来がプリメインなのだから仕方ない。それでもPRA-2000辺りよりわずかに小さいのだから
素晴らしい。
音の為にはストーブと間違えそうな大きさのアンプを並べて、というのは
よっしーの趣味ではないのだ。
庶民は庶民に相応しい暮らしをしなくてはならない。
遊びだからこの辺で止めても良いのだが、あと一歩、どうにも納得がいかないのも確か。
そこで柄にもなくケーブル交換。
PM-8100SAVer2→AST-A10はMITを宛がってあるからそれで良いとして、
気になったがのCD-10→PM-8100SAVer2への接続ケーブル。
いつもの倣いでその辺に転がっていたピンケーブルを使ったが、これをISODAに換えてみた。
今回は随分音が変わる。
変わる=良くなるではなく好くなると解釈して欲しいが、音が締まって華麗さ、華やかさが出てきた。
やっぱりこれ位の真面目さは必要か、と反省。
勢いでPM-8100SAVer2が唯一の脱着式ケーブルだったのでこれもテクニカの物に交換。
今度はちょと締まり過ぎの感じがしたのでFケーブルを使った自作のものに交換。
程良くほぐれたかな、という気がした。
ここで俗にいう優秀録音盤なる物も掛けてみる。
おお、なかなか良い感じじゃあありませんか。
ということでいつまでやるかは分からないが一応の成功を収めたと思う。
7月11日
自画自賛だがAST-A10をBTLで使うという発想が良かった。
というか、これをやるつもりで二台買いそろえたのだが。
CD-10を使う発想は遥か昔からのもの。
両者を結び付ける事が出来たのはマランツPM-8100SAVer2が来てくれたから。
後は細かい事だがAST-A10にボリュームが付いているところもミソ。
微妙なところで左右バランス調整を取る時、この接続だとこれが無いと大変困る。
また、何度も同じ事を書くがメインアンプにボリュームが付いている事自体
使い勝手の点でとっても大切。
今回もこれが無かったら、小音量で聴くのに大変不便。
そろそろ一旦まとめよう。
憧れの?BTL。
迫力は増しても荒れた音になったら嫌だな、と思ったが杞憂に終わった。
とんでもない。内に秘めたパワーという感じで実に真面目な音だ。
むしろ音量を上げても煩くないので聴きやすく気持ちが良い。
音場の見通しの良さの向上も挙げておきたい。
パワーアンプが左右完全に独立になる意義は確かにあるのだった。
また、グランドが音楽信号に絡まないのも効いているのか?
あと一つ。位相反転回路を調達(自作?)して、他の組み合わせでもBTL出来るようにしようかとも
思ったがやらないだろう。
理由はと言えばデジタルのDACの段階で位相をひっくり返してくれているのが理想であり
今回CD-10を使った物はそれになっているからだ。
今更だがこのCDプレーヤーはピュアBTL対応仕様だと気が付いた。
そういえば同時期発売のA-10Xを二台使って…なんて事がアピールされていたっけ。
7月12日
ディスクプレーヤー。特にCDプレーヤーは熱く語る対象では、もう無い気もする。
無頓着な僕でも、今やNASの時代だと思う。
お皿を回して(ハードディスクも広義ではお皿かもしれないが)再生するなんてのは
酔狂とも言える時代が来てしまっている。
逆にいうとCDプレーヤーというのは愛くるしい存在になってきたわけだ。
ひたすら高音質を狙うというよりも独特の音色を愛好する世界。
それならそれで良いわけだ。うん。
そう考えるとCD-10なんかなかなか好適なアイテムだ。
まず、ハイエンドには程遠い。そこが良い。僕にはちょうど良い。
長岡先生が永く愛好した事もあり、教徒には良く売れたがアンチにはゲテモノ扱い。
そこも良い。
念のためだが、20万円、30万円、50万円のプレーヤーに勝つわけでは無い。
限界は何となくわかる。
しつこいようだが、そこも良い。
何故って、話は最初に戻るが、上を目指すならCDプレーヤーは不要だから
今更そこを争っても仕方ない。
要するに、どこか強烈な個性を持つ物以外、2019年の今CDプレーヤーに存在意義は薄いと
思うわけだ。
しかし、このプレーヤーがBTL用プレーヤーだったとは(別にBTL用ではないが)永い間気づかなかった。
正確には、気づきながら試さなかった。
実に申し訳ないというか勿体なかった。
僕の所では、たまたまCDプレーヤーがたくさんあって、登板時間が長く無かったから今日も元気だが
多くの個体はそんな事を試す間もなく引退したのだろう。
俗に、アマチュアライクと言われる作り。
90,3,23の文字が見えるところからこの個体はCD-10としては後期の製造とわかる。
TA8406PというICがあっちっちになる事で有名。
近いうちにヒートシンクでも貼り付けるか。
何となく、聴いているCD達。
7月14日
DSN-80降臨。
という事はDL-80MCがある訳だ。
話はGWに遡る。
早い段階でDL-80MCは手に入れていた。
ただし針折れ。
帰宅後当然交換針を捜すが適当な物が見つからない。
要するにあっても高くて手を出す気になれないでいた。
そんな時koyamaさんから針情報。
ちゃっかり話に乗らせて頂いた。
早い話が又お世話になっているわけだ。申し訳ない。
振り返ると僕とkoyamaさんの縁結びはパイオニアの
PC-41MCという針交換可能な高出力MCだった。
以降針交換可能なMC。高出力MCと言えば全自動的に
koyamaさんが思い浮かぶように出来ている?
さて、DL-80MC。
これはDP-47Fに搭載されていた物で
いわゆる単売はされなかったカートリッジだ。
出力1.6mVと高いのでMM入力で使える。
そして前述の通り針交換可能。
針交換可能なMCは他にもあるが、DL-80MCが変わっているのは
端子版まで含めた形で針アッセンブリーが外れるところ。
ついうっかり壊しそうで怖いが、この方式だと
コイルやコイルから端子に行く細い線が断線した時も
針アッセンブリーを交換すれば立ち直らせられるというメリットがある。
大変な長寿命が約束されたカートリッジ?だが
よく言われるように各社から針交換可能なMCが出そろった頃は
既にデジタルへの移行期であり、
果たしてそれほどカートリッジを使い倒す人が居たか?
疑問ではある。
あまり意味は無かったとされる形式だが、DL-80MCのやり方だと
振動系からなにから全部リフレッシュできるのだから
優れた方式と考えて良いと思う。
7月15日
さてさて、いかが料理して進ぜようかと思ったが
取りあえずシェルはPH-L1000。
アンバランスな気もしたが、実は重さの関係でこうなった。
GT-2000+WE407/23で聴こうとすると、どうしてもシェル込20g以上にもって行きたい。
そこでPH-L1000。16gある。
重いからよい、わけでは無いが今回はこれでシェイクダウン。
PRA-2000のフォノ1に入れて、メインアンプはせっかくAST-A10が二台出ているので
という事で左右一台づつの左右セパレートで使ってみる。
音はどうか?
第一音が出た時から、大変な個性を感じた。
非常にタイトに引き締まった世界。
これはもう体脂肪率が極めて低い、ぎゅっと引き締まった音だ。
思わず自分のたるんだ腹を見下ろしてしまった。
これはこれで聴き続けたいきもするが
もう少し手綱を緩めた音も聴きたくもなる。
恐らく、シェル、リード線、更にはアームも違えれば見せて来る世界も変化すると思う。
もう少し「逃げ」のあるシェルとの組み合わせ。
アームももう少しほっそりしたタイプにしてみても良い。
そんなこんなでカートリッジというのは本当に面白いオーディオパーツなのである。
ただ、焦って弄ると破損にも繋がるのでしばらくはこのまま聴く。
湿気の多いこの季節には、ある意味大変似つかわしい。
クールで滲みが無く、見透しの良いサウンドなのだ。
7月16日
とかなんとか言いながら、馬鹿に付ける薬は売り切れたということで
さっそくシェル交換。
これまたGWに各地のペナント代わりに買ってきた
パイオニアのシェル。JP-503だろうか?を引っ張り出す。
重さ8.7gと適当。
ただしシェル込重量はぐっと軽くなるのでCP-1050のお出ましとなる。
結論をいうとこの組み合わせの方がノーマルな音がする。
どれが優秀という話じゃなくて、組み合わせの問題だ。
DL-80MCの素性からして、こんな感じの方がマッチするのだ。
わかりにくかったらDP-47Fがどんなプレーヤーだったかを
調べた方が良い。
このページと限らず、このカートリッジはこんな感じ…みたいな
事を書いているサイトはいっぱいある。
みんな嘘は書いていない。
しかし鵜呑みにするのはいかがなものか?
アナログカートリッジというのは諸条件でかなり音が違ってしまう。
また、音の印象というのは同一人物同一装置でも
固定されたものではない。
その辺を鑑みて読むなら読んだ方が良いということ。
今回は、ちょっと大げさな組み合わせ変更だから
良いも悪いも音が違ってくるのは当たり前。
ただし、念のためだがその機器本来の本質みたいな物はある。
DL-80MCは人に例えたらふっくらふくよか、ではなくて
細身で華奢。性質はクール。
仕事は出来るが、私定時で帰ります、の感じ。
食べ物に例えれば熱々みそ味鍋焼きうどんではなくて
かつお出汁を活かしたさっぱりソーメン?
やっぱり今の季節にはマッチした一本と思う。
7月18日
ちょっと前から弄っては蓋を閉めて、を繰り返しているのはこちら。
パイオニアのDV-S10Aなのだ。
いや、先日PD-HL5なんか聴いたものだから、
ちょっと聴いてみたくなった。
それは良かったのだが、ディスク回転時に何とも言えないメカノイズが聴こえた。
うーん、これは手を付けずにお別れを、と思ったのだが
持ち前の修理魂が、それは無いだろう、と俺に言う。
勉強のためと、ダメ元の精神で開腹。
いや、これはやっぱり勉強になる。
ただ、一発解決とはいかない様で困ってしまう。
もっと困るのは、音が良いのだ、これが(笑)
以前より書いているがいわゆるDVDプレーヤーで気合が入っていた頃の製品は
優秀。
物量万歳ではないのだが、金の掛かり方の違いが音に影響しない訳がない。
しかも不当に安いのだから文句なんかこれっぽちも出ない。
良い時代だったね。
7月20日
色々計画はあるのですが
時間も体力も追いつきません(涙)
しかし、適当に(悪い意味ではない)聴いている限り
何でもそんなに大げさな違いはないもんだと思った。
7月22日
疲れている時に趣味で更に疲れるような事はしない方が良い。
…と、わかっちゃいるのだがやってしまう。
予てより懸案の5.1chマルチである。
そんな物が懸案?と思わるかもしれない。
っていうかオマエ前にも何回かやってんじゃない?というのは正しい。
というか、永らくお読み頂いてありがとうございます。
もちろん色々やっている。
今回のはある意味退化。オールアナログ接続によるSACDまたはDVD-Aマルチチャンネル再生である。
アナログ接続のマルチも過去にやっている。
その時はAVアンプ使用。それは良いがスピーカーが実に間に合わせの感があった。
ところが昨年末ケンウッドの9070シリーズ一式登場。
サブウーファーまで含めて同一シリーズのスピーカー群である。
そして今回マランツPM-8100SAVer2降臨。
このアンプは2chのプリメインであると同時に6chプリ+2chパワーアンプを内包するという
珍種である。
更にパワーアンプとしてヤマハAST-A10が二台あるとなったら接続しないのは嘘だ?
さて、軽く振り返るとSACDであるとかDVD-Aであるとかが登場した頃。
あるいはそれから数年後、ピュアオーディオのマルチ再生が取りざたされたことがあった。
その頃よく話題になったのは、センターチャンネルとサブウーファーの扱いだった。
要するに普段から使っているスピーカーやアンプでマルチを出来ないか?ということ。
フロントとリアだけなら良い(リア用パワーアンプとスピーカーを適宜用意すれば済む)が
センターとサブウーファーは鬼門。
センタースピーカー無しでマルチをやりたい、という事でセンターチャンネルやサブウーファー用の
信号をフロント左右に入れてしまうなんて事が研究されたのだった。
今さらにそのやり方についてここで語っても仕方ないし、僕なんかみたいに変なところで
諦めが良い人間?は、まあマルチはマルチでセンターでもサブウーファーでも置くか、
みたいなノリでやってしまうのだった。
その後数年が経ち、NR-365とDV-800AVをHDMIで接続したらあら不思議。
苦も無く4,0でもなんでもできてしまうではありませんか。
現代のAVアンプを使うと何でもできるのだな、と変なところで関心もした。
そして令和。
ある意味先祖返りのアナログ接続5.1。
なぜ?
7月23日
なぜ今さらアナログ接続のマルチ?
なんというか、姿の見えるマルチをやりたかった。
6chプリがあって、パワーアンプがあって、多機能ではなくて、みたいなのをしてみたかった。
AVアンプも良いのだが、多機能過ぎて一体全体今何をやっているのか?
あるいは本当に狙ったことが出来ているのかわからないのが気がかりだった。
今回みたいなのだと単純に信号は入って出ていくだけ。
基本的に全体音量の調整以外出来ない。
ただ、AST-A10やサブウーファーは全部個々に音量調整は持っているので
その辺でバランス調整は可能。
その程度が僕が安心して使える限界である。
さてしかし、ピュアアナログマルチは良いが結線は大変。
今回はDV-800AVのリアからピンケーブルが六本PM-8100SAVer2に行って
そこからまた六本のピンケーブルで信号が配分され、五本分のスピーカーケーブルが接続されるのだから
リアを見ると壮観。
というか二度とやりたくない。
汗水垂らして結線して、いざ音、となるとフロントしか音が出ない。
首を捻る事数度で諦めてDV-800AVにモニターを繋いだら800AVの設定その物が違っていた事を発見。
この様にモニターが無いと不自由なのも困ったことだ。
元来5.1なんてのはAVサラウンドの環境との親和性が最も強いので、画面なんてあって当たり前という
ことなのだろうけど。
何より致命的なのが、手持ちのソースが少ない(笑)
この組み合わせを活かすならSACDかDVD-Aのディスクを仕込まないとならないが
それはさすがにご勘弁。
今やハイレゾサラウンド音源はダウンロードをするものだ。
ただ、そうなるとHDMI接続の世界になってしまうので今回のパターンには使えない。
という事でほぼ意味のないトライアルなのだが、仕方ない、一度はやってみたかったのだから。
7月25日
音だが、まずマルチについて。
マルチなんて気取った言い方をするが、要するにサラウンドである。
音に囲まれたい。音に包まれたいという話。
オーディオマニアには真面目な人が多いので、そういう人たちからするとサラウンドなんて
発想自体が邪道だろう。
ただし僕は根っからのサラウンド好き。これは40年くらい前からの事なのでお許しを。
ただ、サラウンドの効果みたいなのは、そもそもソースによってかなり違う。
5.1を思いっきり楽しんでいる風のソフトもあれば、思いのほか地味なバランス設定の物もある。
だからある程度の種類は持っていないとバランスを取る基準みたいなのが養えなくなる。
テストトーンだけで決めるわけにはいかないと思う。
次に音質だが、ソースにもよるが装置によるところも大きい。
極めるとなったら、なんでも掛かるユニバーサルプレーヤーで尚且つ高音質のもの。
そして5.1をコントロール出来る、これも音質の優れたプリ。
更に良質なパワーアンプを5ch分と…
要するに専用の部屋と専用の装置を別途用意するしかないというのが結論。
そんな事はこれまでの経験でわかってはいるのだが、三度だか四たびだかわからないが
やってしまうのがアホなところである。
アホと言えばもう一つ。
こんな遊びは夏にやるもんじゃない。
あっちが出ない。こっちが変だとうろうろするので暑くて敵わない。
7月26日
で、音だがやっぱり難しいというのが現状。
真剣にやるならもっと突き詰めないと駄目だ。
しかし良いところもある。
まず、今回はスピーカーが完全に同一シリーズで統一されている。
これは良いことだろう。
次に、例えばリアの音を下げたいと思ったらリア用にふっているAST-A10のボリュームを
下げれば良い。
リアだけではないが、AVアンプで距離の設定だとかスピーカーサイズの設定だとか
個々の音量調整なんてやっていると発狂しそうになるのは私だけ?
今回のは大変わかりやすく、なんといっても扱い易い。素晴らしい。
ただ、肝心の音質に関しては一考の余地あり。
DV-800AV、PM-8100SAVer2、AST-A10そしてLSシリーズ各々は
本来もっと良い音がする子達だ。
今回のチームだと今一つなのは、やはり僕の愛情不足。本気度不足だろう。
それでもなんでも、PM-8100SAVer2の持つ、6chプリ+2chパワーという機能を
使うことが出来たことが嬉しいのであった。
さて、ここで遊びのとどめに入る。それは…
7月28日
PM-8100SAVer2はそれ自体2chのパワーアンプを内包する。
だから5,1の内フロント2chは8100内蔵のアンプで鳴らし、
他のチャンネルを鳴らすための2chパワーアンプ×2也を用意すれば
SACDあるいはDVD-Aのマルチを楽しめますよ、というのが開発コンセプト。
これは実に素晴らしい物だが多分試して人があまり居ないだろうということで
挑戦してみたのが今回の企画。
しかし、そうするとパワーアンプ部だけ見ると8100の物とAST-A10の混在になる。
これは音本位で考えると引っかかる。
そこで満を持してAST-A5登場。
AST-A10が二台あるのにこの上A5とはいよいよ気がふれたか?
気はとっくにふれているから心配ない。
どうしてA5があるのか?というとASTのカートリッジ集めのためさ。
ASTカートリッジというのは下手に単品で探すより、それが差さっている上に
ジャンク扱いのASTアンプをゲットする方が簡単という特性を持っている。
今回のA5もジャンクだから当然だが汚れて傷んで、なによりボリュームのガリが酷かったが
当然ながら簡単に直っている。
遊びの最後に、PM-8100には5.1プリの役割に徹してもらい、パワー部はASTアンプで統一してみようと
相成った。
更にピンケーブルが増えたが、毒食わば皿まで、である。
で、音を出すとかなり音が違うのでこっちが驚いた。
驚いたという事は好くなった、ということで、爽やかに、それでいて厚く鳴り始めた。
この上は…というのもあるのだが、とにかく夏にやる所業ではないと思っている。
さてやマルチ。
自然な繋がりであるとか何とか言いだすと、これはなかなか難物であると改めて思った。
そもそもソフトが、なぜにこの信号配分?みたいな謎を感じるのがほとんど。
リア、と言っても、俗にいう4chオーディオのリアと違い逆相成分を主に受け持ちます、なんて訳じゃなく
ある意味フロント側と対等の役割を担っている。
つまりは、この場合のマルチは、正にあちこちから音が聴こえて来る、状態が正しいのだ。
それを違和感なく受け入れられるかどうか?が分かれ目になろう。
あるSACDのレビューを読んでいて、あちこちのスピーカーから分離した状態で個々の楽器が鳴るのが面白くて
それぞれのスピーカーに近寄っては聴く、みたいな事を繰り返しているというのがあったが、
あるいはこの人はとっても正しいマルチの聴き方をしているのでは?と思った。
マルチトラックで録られている物を通常は2chに落として音源は作られるのだが
5.1であれば少なくとも5chのマスター(そんな物はもちろん無くて、マスターはとんでもない数の
マルチトラックで録られている)を手に入れることが出来るわけだ。
それをどう料理してどう聴こうと、聴き手の自由である。
どうも僕を含めてオーディオマニアにはその種の観点が欠けてしまっているようだ。
7月29月
一応総括だが、AVアンプに頼らない5.1は、僕のようなアナログ人間。あるいはアナクロ人間には
大変わかり易く扱い易い。
結局PM-8100SAVer2には6chプリの役目だけ担って貰ったが、この状態で左右バランスコントロールや
トーンコントロールなどが活きているのはいざという時ありがたい。
次にパワーアンプであるAST-A10とA5だが、音もさることながら各々がボリュームを搭載しているのが
やっぱり都合よい。
目に見える形でマルチのバランスコントロールが出来るのは何物にも代えがたいメリットだった。
センターに関してだが、センターが鳴っているという感じは希薄で、肝心な音だけ下方に沈むという
ことは無かった。
これはソフトによるところも大きいだろうから一概には言えないが、リアはともかく
センターと左右のスピーカーはシリーズを統一しておくに越したことは無いと思う。
サブウーファーはフロントにLS-9070を使う限り不要と思える。
ただ、一応信号配分の関係上設定したという感じ。
最後の最後に繰り返しになるが5.1の信号配分は、僕が聴いている音楽ソフト達に限定していうと
フロントと対等の役割になっていた。
そのせいか、リスニングポジション後方に置くよりも、サイド。それも僕の耳よりも
前に置いたくらいの方が楽しく聴けた事を報告しておく。
ただ、設置は真剣に考えると本当に難しい。居住空間としてのスマートさと
音としての理想の配置を両立させるのは至難の業であろう。
7月31日
5.1から2.0へ。
それはさて置き大変な暑さだ。
プールで熱中症とか、嘘でしょ?と昔は思ったが
最近は納得している。
何もしないでエアコンの効く室内でゴロゴロ読書などするが正しい。
…なのになんとなくLPの選別なんか始めてしまった。
さて、7月も終わるぞ。