9月1日
AT-25。
1978年発売。
当時39.000円。
この機種には予てより興味を持っていた。
ポイントの一つはコアレスの純トロイダルコイル。
パラトライダルコイルもあるが、純粋なトロイダルを称するのは
このAT-25系のみ。
次にシェル一体型。
シェル一体型は1976年のテクニクスEPC-100Cの成功を見て
各社が後を追ったがAT-25もその一つと見て良いと思う。
ただ、テクニカのシェル一体型としてはMCのAT-34がやや先行して発売されている。
ルックスも25は34に似ていて同時に開発が進んだのでは?と
思ってしまう。
25では他にも左右のコイルの間にシールドを入れた点などでも
後の100系の先駆けとなる。
カンチレバーはベリリウムで0.09mmの角柱に楕円針という構成。
テクニカの新しいMM時代の幕を開けたのが25と思って良い。
ただ、その後の100系が綿々と続いたのに対して25は姉妹機の23及び
シェル別体の24を生んで終わった。
理由はよくわからないがシェル一体はブームみたいな形で
終わったし、100系が120、130、140、150みたいにシリーズ化したのに
対して、そこまではならなかった孤高の存在という面があったのかもしれない。
ルックスは好みのわかれるところだろうが個人的には好きな形だ。
重量17.3gも適当で使いやすい。
さて、音だがパッと聴くとモコモコした感じで驚く。
これはずっと150系のカートリッジを聴いた後だと尚更となる。
どちらかというと15系寄りの音なのは確かだろう。
力が無いというのともちょっと違って、ハンマーでもウレタンハンマーを
更に布で包んで殴るような感じか。
ところが質感は大変高い。
上質のアダルトサウンドというところ。
特に弦楽器の、いかにもボウが弦を擦っている感じなんかは絶品。
ポピュラーで眼前で音が炸裂するのを観たいという向きには不向きかもしれないが
生楽器の音をじっくり聴きたいという場合は代えがたい味のあるカートリッジとみた。
…と書いておいて一応注釈だが、この25と限らず40年位経過している
カートリッジであることをお忘れなく。
多少お疲れのところがあっても不思議ではない。
その点だけはご考慮頂きたい。
9月2日
AT-180ML/OCC。
このシリーズは初代(/OCC無し)が140、150、そして170と徐々に発売され、最後に間をおいて
180が登場した。
MLを型番に謳っていることからお分かりの通りML針を採用。
ボロンの採用もテクニカでは一番早かった(170で採用。150はベリリウム。140はアルミ)
パラトライダルコイルは従来通りだが、ボディが相当違う。
アルミナ系ファインセラミック使用。
剛性3.4倍。音速1.8倍と理想的。
留めにマグネットを二つ用意。
ここにウイスカーの強化複合材を投入。強度を高めている。
更にということで電気的フラックスコントロールシステム採用。
振動系の高域共振現象を抑えるもの。
発電コイルの内側にもうひとつ別にコイルを巻き、相互の誘導回路により
高域共振を抑えるというわけだ。
書くと簡単だが大変な技術であり手間暇である。
このシリーズは一気に揃わなかったのだが、詰め切れなかった部分を170や180では
徹底的にやったのかもしれない。
180は'85年の発売で、4万円。
さりげなく書いたがMCのAT-33MLが38.000円の時代のヨンマンエンなのである。
かなり高額なMMカートリッジであることがわかる。
あるいはテクニカVMの頂点作りだったのかもしれない。
これの改良型が180/OCCで'87年発売。
巻き線材その他にPCOCCを採用したのだった。
価格は4万円と据え置かれている。
9月3日
AT-ML180/OCC。
音だが大変良い。さすが当時の頂点。
非常に良いので、敢えて難癖を付けたくなる?そんな音だ。
なんだ?それは?
なんというかオールスター勢揃い。珍味名品を片っ端から集めて折り込んだお弁当。
そんな印象を持った。
何だか憎たらしいのである。
わざといちゃもんを付けているという事をご理解頂きたい。
それで何が悪い?と訊かれたら答えようが無い。
国産MM型の雄として標準機にするのには良いが一緒に暮らすと言われたら
考えてしまう様な…ということか。
書くと数行だが大変悩んで長時間聴いての結論である。
”私のどこがイケナイの?”と訊かれたら”悪いのはボクです”と
言うしかない。そんな世界だ。
さて、ところで目ざとい方はすぐに気づかれたと思うが、このML180/OCCに
宛がわれているシェルは、なんとAT-LS1000である。
大変希少なシェルなのだが当時12.000円。(今思えば格安!)
アルミ削り出し。なのだが贅沢にも大きなアルミブロックからの削り出しの様。
当然普通のシェルの数倍高価になるが内部に至るまで歪み、汚れが無い造りになる。
音も違って来る訳だ。
それでいて重量13gというのも優れもの。
多くのカートリッジやトーンアームに適合しやすい重量。それが13gだ。
9月4日
シリーズ、オーディオテクニカの約40年を巡る旅?もいよいよ終盤。
AT-150ANV降臨。
これは限定品。オーディオテクニカ創業50周年記念モデルだ。
限定500個販売。
テクニカとしては初めてサファイヤパイプカンチレバー採用。
純チタン削り出しハウジング。更に制振材料ネオフェードを貼り付け。
チップはもちろんML。コイルはPCOCC。
通常品としてAT-150MLXがあった時代だからそれを基本にしつつ
ほぼ別物と言える内容にした限定版。それがANVということになる。
コイルインピーダンス2.3kΩ(1kHz)/2.1kΩ(1kHz)
直流抵抗530Ω/610Ω
コイルインダクタンス350mH(1kHz)/360mH(1kHz)
重量9.5kg/8.3g
/の後ろがMLXのスペック。
カンチレバーはアルミが良いのか、ベリリウムが良いのか。あるいはボロンが良いのか。
宝石カンチレバーはダイナベクターが有名だがもちろん他社からも出ている。
テクニカも1981年発売のAT-1000でダイヤモンドカンチレバー採用。
お値段は当時としては驚異の20万円。
その後63.000円のAT-37Eでルビーカンチレバーを採用している。
宝石カンチレバーと訊けば無条件で音が良くなるような気がするが
比重は大きくなるのでその点では不利だったりする。
メリットになるかどうかはわからないが共振のモードなどは金属系のそれらとは異なるので
音が違うという事は言える。
もう一つはボディのチタン削り出しだが、よくぞやりましたね、と言いたくなる。
チタンは軽く丈夫で錆びにくい事で有名だが難切削物としても高名。
下請けの親父さんは多分泣いたことだろう?
さて、しかし音としてはどうか?
9月5日
さて、しかし音としてはどうか?
結論を言うと大変優秀。
優等生である。
ただし醒めた目の優等生とは違う。遊びにも付き合うが、何故かオール5の憎いヤツ、みたいな存在だ。
より一層わかり易く、とMLXとVM540MLをオブザーバーとして迎える。
MLXも良いカートリッジだがANVを聴くとオーバーシュート気味なのが良く分かる。
何か困難があった時、ちょっとハイになって飛び跳ねて対処してしまうのがMLXX。
VM540MLの場合、折り目正しく対処するのだが時々膝やくるぶしが、くにょん、とコケているのが
わかってしまう所がある。ただ、それを極力見せない様に努力するタイプ。
それらに対してANVは正直に仕事をしてごまかさないタイプ。
物凄く仕事が出来る。
ただし、出来ない事は出来ませんでしたと正直に申告もしてしまうところがある。
面白い物でカートリッジも人間と同じで生まれながらに背負っている物。背負わされている物がある気がする。
テクニカの150系なら150系で、150系はこんなキャラ、みたいなのがある。
AT-150→150Ea→150MLXと、それを守りながら着実に進化した。
こういったことは例えばDL-103系にも同じことが言えるし、テクニカで言えばAT-33系などもそうだ。
それは宿命とでもいうものなのだろう。
ただ、実はこんな事も出来るんですよ、というのがメーカーにもあろう。
こんな芸当も出来る150、として生み出されたのがAT-150ANVだ。
そしてそういう物は大抵の場合限定品という形で産み落とされる。
仕方ないのだが、普通に手に入らないのが唯一の難点であろう。
9月6日
阪神淡路の時は家電しかない時代だったので
気になった人の所へは掛けてみた。
ただ、ずっと話し中の状態でどうにもならなかった。
3.11の直後は、気になる人は居たものの電話はもちろんメールもしなかった。
万一僕の役にも立たないメールを受信した途端にバッテリーがアウトになったりしたらと
考えたら怖くて操作できなかった。
後から考えても、それは正解だったと思う。
今回も、気にはなっても沈黙しておく。
(絶対にそれが正しいという意味じゃない)
SNS上でつながりがある場合は本人さんの書き込みを観て
安堵するというのがあるのだが、当然すべての人とSNS上でやり取りしているわけでは無い。
それは仕方ない。
更に言うと自分の知り合いだけ無事なら良いって問題でもない。
取りあえず雨も風も大地の身震いももう要らない。
大自然よ、頼むからしばらく静かに。お願いだ。
9月7日
そんな風にあっちこっちで色んな事が起きている時になんなんだが
この8月は例年以上にオーディオが充実した楽しい夏だった。
ご来訪多謝という感じで、きちんと音を出してのオフというのも久しぶり。
玄関開けたらkoyamaさんというのも、なかなか画期的な出来事だった。
今も思い出深い。
limitedさん招致も実に久しぶり。不義理の帝王を許してね、というところだが
いやはや会ってみるとお互い”濃い”(笑)
そして、名前は仮にGさんとしておこうか。もうばれていると思うがテクニカのカートリッジいっぱいは
Gさん所蔵のお品である。
皆さん暑い中ありがとうございましたと、その一言である。
図らずもアナログ中心。アナログ大会となってしまったが、これもVM540MLの取り持つご縁か。
しかしアナログ大会というのはオフ会の企画としてはやり易くてありがたい。
何して遊ぼう。これして遊ぼうが決まっているのはやっぱり良い。
…なのだが、改めて人をお招きする大切さにも思い当たる。
オーディオは極めて個人的な趣味だから、自分さえ良ければそれで良い。
人目を気にするのは変であるという見方もあって、僕も賛成だ。
最終的には個人の好みに戻る。
しかし、同好の士と触れ合うのはやっぱり欠かせない。
幾ら仲良しでも音に関する感想は微妙に異なる。その受け取りの違いも含めて
楽しめるか、だ。
この感覚の違いばかりはゼロにならない。
同じ物を食べても、受け取りがずれるのは仕方ないというか、それで当たり前である。
極端な例で言うと、同じ音を聴いて、ある人は大人しいと言い、ある人は耳を塞ぐ。
刺激的過ぎるという訳だ。
この様なズレばかりは致し方ない。
今回8月の例で言うとそんな極端な話は無いので良いのだが
それでも緊張はする。この緊張感は大切だ。
9月8日
テクニカのカートリッジ達も、シュアーのカートリッジ達も
ご来訪の方達と一緒に聴いた。
その時のインプレッション+事前、事後のよっしー単独拝聴を
合わせて日記は書いてある。
複数で聴く良さもあるし、個人で聴く良さもある。
それはさて置きカートリッジの試聴となると大事な物の一つは
当然ながらプレーヤー自体。
今回活躍?したのは最近活躍のバラック的プレーヤー。
パッと見ると驚く事間違いなし。
キャビネットは2×4材を組み合わせた物。
プラッターと軸はパイオニアMU-41の物。
モーターはDCタイプで、これはアイワPX-E860の物。
アームは気楽に載せ替えられるから、どれ、と決まったものでは無いが
最近はEPA-100が居座っている。
こんなプレーヤーで客人を迎えてカートリッジの試聴までして良いのかとも思うが
音は何故か良いのだ。
そのポテンシャルは強者お三方にも一応認めてもらえた様。
何がどう良いか説明が難しいが、音が実に開放的である。
ベルトドライブだから、なのかあるいはDCモーターが良いのか?
それはわからない。
後はこの空気の抜けの良いキャビネットが良いのだろうか。
プレーヤーのキャビネットはガッチリ、重く、鳴かない物が良い?
そのはずなのだが疑問もある。
あと一つはトーンアームの下方。
ここは抜けるなら大きく抜けていた方が良いんじゃないかと漠然と思っていた。
また、アームベースはただ重ければ良いとは言い切れないのでは?という疑問も
予てからあった。
そんなこんなの永年の疑念を晴らしたのが?今回のプレーヤーだ。
僕自身、軽いカルチャーショックを受けている。
9月12日
何だか妙に疲れている?
気だるい、というのだろうか。珍しいことだ。
急な気温の変化についていけない?
そんな柄ではないのだがこれも加齢か。
だったら音を出さないのも一つの手なのだが
これがまたストレスに繋がる。
困ったおじさんである。
さて、いつも同じことをいうがCDの音圧というのはどうして
あんなに高いのか?
プリで絞るとか低能率スピーカーを使えば良いとかいう問題とは別なのだ。
CDプレーヤーのゲインを落としてくれたらと思うが規格がある様子。
過去の経験ではポータブルCDプレーヤーが、その点は良かった。
腑抜けと言われてもそういう音を欲する時もあろうってもんだ。
イライラしていてふと気が付いた。
ヘッドフォン端子とヘッドフォンボリュームのついたプレーヤーを使って
そこから音を引っ張ったらどうか?
取りあえず利便性の点からもこれは正解。
インピーダンスがどうとか考えだすと色々あるが
今ここで言っているのはBGM領域でのお話しである。
対決するオーディオ?では話は違ってくる。
9月16日
リッピングした方がCDの音が良い。
今更何を言ってんだいと言われそうだが改めて。
まあ高速で回転させて、エラー補正をして…なんて神業だもの。
最近のご家庭ではCDが掛かる機会が無い上に
それを読み込ませるドライブすら無かったりする。
時代は変わっているのだ。
9月18日
舌の根の乾かぬ内になんだいと言われそうだが
ディスク再生も良いもんだ(笑)
支離滅裂だがそう思った。
たった一晩二晩でなんだい?と思うでしょう。
理由その一。
大きなイベントが終わった。親の責任はそろそろ終わりにして頂けるかな?
理由その二。
どんな機械も寝かせてはいけない。
引っ張り出して置いておくだけで音が変わるというとカルトだが
ちょっとした理由はある。ただ、深くは書かない。
人間述べて似合う事とそうでないことがあるから自粛する。
写真に写っているのはNEC CD-10だが、これがベストと思って使っているわけでは無い。
実際問題今は違うプレーヤーを使いその音を聴きながらこれを書いている。
ところでGT-2000のプラッターをお探しの方がいる。
余っていて譲っても良いという方がいらしたら
私宛にメールしてみてください。
9月19日
CDネタでお茶を濁している?感じ無きにしも非ずだが
本当はアナログカートリッジの追試が待っている。
気合が要るのでちょっと一休み中。
ところでカートリッジは良いが盤は何を使っていた?
特に斬新な物は無い。一部を上に画像で紹介。
基本的には、色々な音が含まれる物。帯域の広そうな物。
更にわかり易い物をチョイスすることになる。
特に人さまと一緒の時はその辺に気を配る必要がある。
仮にバイオリンソロが好きだとしても、さすがにそれだけでは
世の中納得しない。
そのせいか、上のなんかはやや派手目な物が目につく。
一枚だけ古楽みたいなのが入っているのだが
それについては過去にも何度も引っ張り出しているので詳細はカット。
シンプル録音で全体に優秀録音盤だが
B面二曲目で女性ボーカルが声を張り上げるところなんかは
ちょっと難物。
今回の物達は全部大丈夫だったが、場合によってはトレースしきれず歪む。
また、感極まってボーカルがセンターから右に左にずれる録り方になってしまっている
のだが、ここの音場表現もチェックポイント。
そんなこんなで気合が必要。
涼しくなってきたのだけは追い風だが気力が追い付いていないのだ。
9月20日
さて、アナログもうひと押し。
テクニカVMがいっぱい。
ということは針とボディのスワッピングが楽しみ放題?
ただしこれは本気になるとドツボに嵌る。
何故って順列組み合わせで何通りになる?
それもあってしり込みしていた部分があったが
ある条件下でやってみる事にした。
それは何かというと現行で無いボディに現行の針を挿してみるというもの。
逆パターンも面白いのだが、現実問題現行VMのボディに
旧シリーズの針を挿して喜ぶ人はあまり居ない。
それよりも旧ボディで交換針は代替で現行品になるのだが
いかがなものなのか?と悩む人の方が多いと考えた。
純正針の廃番は痛いが、それでも代替品の提供がされているだけ
テクニカVMなんか良心的だ。
前置きはこれくらいにしてやってみよう。
まずAT-150ANVのボディにVM540の針。
…
なるほど悪くない。
ある意味純正組み合わせ(チタンボディ+宝石カンチレバー)
よりも煌びやかに、派手に鳴る感じは、それはそれで行ける。
ただ、純正AT-150ANVに戻してみると
やはりこちらの方が一段高級なのも良く分かる。
オーバーアクションはしない。
だが、ちゃんと活き活きと再生する。
遊びにも付き合うが成績抜群という見立ては間違っていなかった。
やっぱりAT-150ANVは150に有るまじき
…というかアナログにあるまじき、ハイレゾみたいな音がする一品なのだ。
ということで次に行こう。
9月21日
続いてAT-150MLXにVM540MLの針。
先に150MLXの音を再確認。
するとやはりこれも良い音だ。
明らかに演出があるのだが心地よい。
バスドラのストト…、なんて決まる感じはたまらない。
さて、ここに現行の針。それも同じくML針を挿すとどうなるか。
(これはML540の針を挿した図↑)
面白い事にというべきか、当たり前というべきか音はコロッと変わる。
MLX純正組み合わせに比べると大変ノーブルというか大人しいというか…
VM540の針は、やっぱり良くしなるというか
スキーでいうと斜面のコブを綺麗に、たくみに拾いつつ乗り越える感じ。
MLXと比べてどうか?というとMLXの音を愛する人は
やっぱりMLX純正の針で聴くべきだろう。
ただ、どちらが良いかは各人の好みで決定すべきとも言える。
それにしても針の支配力は凄いというか、どうもボディがどうこうという以前に
針で音が決まってしまう感じ。
実はこの辺の事はGさんと一緒の時にも確認済み。
古い普及品のMMでも良い針を探してくると俄然音質向上という事が
あるというのも頷ける話となる。
9月22日
さて、このシリーズもそろそろ終わりにしたい。
テクニカ旧ボディ+最新ML針シリーズ第三回。
お出まし頂くのはAT-150E。
面々と続く150シリーズの始祖だ。
旧15Eaが時代を反映するアダルトチックなサウンドだったのに対し
一変というかエネルギッシュで若々しい音に変身。
ただ、ちょっと派手で、その辺を調教したのが150Eaというのが定説。
しかしこの度聴かせて頂いた感じでは、決して荒い音ではない。
それより豪放さに惹かれる気にさえなる。
改めて針を降ろしてみると、やはり押し出しの強さは天下一品。
低音楽器の圧力に関してはMLXをも押しのけてナンバーワンかもしれない。
元々先代15Eaもそうした傾向はあるのだが、ふんわりした15に対して筋金入りの150という
違いはある。
そして高い方は大人しくさえ感じる。これも15と150Eで似ているところ。
…というか、正確にいうと低音が目立ってハイが大人しく感じるという事か。
ここでVM540MLの針を装着。
どうなるか??
うーん、これはこのシリーズの中では異色の成功例となった。
AT-150ANVもAT-150MLXも、やはり純正針との組み合わせがベストという結論だったが
150Eに限ってはVM540MLの針を使った方が良い結果だ。
押しの強さはそのままに、スコーン、シュワーンと抜ける抜けの良さが出て来る。
とても同じカートリッジとは思えなくなった。
150Eをお持ちの方でそろそろ針交換という場合は
考えてみても良いかもしれない。
…という事で三日続いたが、やっぱりアナログカートリッジというのは面白い。
MCは確かに良いが針とボディを組み合わせて遊べるのはMMの、
いや、VMの特権?
やらないと損かもしれない。
9月25日
とかなんとか言っても、僕のVMと呼べるのは例えばVM540MLだったりするので
これを愛さないとどうにもならない。
そこで、という訳で…
シェルにPH-L1000を奢らせて頂きました、の図。
MC-L1000の相方として開発された炭化ケイ素シェル。
あまりに贅沢な気もするがVM540の伴侶として起用。
音はどうなる?
これはやはり純度が上がるというか実に仕事が丁寧になる。
僅かにあった滲みみたいな物が消えて、実に美しい。
今も聴き惚れているのだった。
過分な組み合わせという気もするが実はある方のご厚意のお陰で実現した。
この場を借りて改めてお礼申し上げる次第です。
本当にありがとうございます。
9月27日
季節が良くなったせいか、あるいは歳のせいで腑抜けになったのか。
後者だとしたら問題が多い。
おっしゃ!と新しい事。それは些細な事でも良いのだが、に
取り込もうというパワーが感じられない。
いかんな、こりゃ。
そんな時に何か言うもんじゃないが、どうしてこのいい加減極まりない造りの
プレーヤーが、あるいは後方に見える真面目な造りのプレーヤーを
凌ぐような音を出すのか?謎である。
GTプレーヤーとは腐れ縁であるし悪くいうつもりはない。
多分これからも付き合う。
ま、良いライバルが出来たという事だ。
念のためだがGT-2000にはWE-407/23を積んでいるし、
足もピンポイントベースを宛がっている。
不足はない筈だ。
なんでかね?
あ、そー言えばGT-5000だっけ?が出るみたい。
DDではなくベルトになっている。
やるか、いよいよGT-2000のベルトドライブ?(嘘)
9月29日
うーん…、アナログネタは小休止してCDネタと思っていたのだが
三日天下というかCDはラックからまた引きずり降ろされた。
プレーヤーの回転による音の違いなんてのは
分かっていても手を染めない分野にしていたのだが…
またしても色々考えるところが出てきてしまった。
…なのだが、そうそう時間が有り余っているわけじゃない。
取りあえずMU-1800のプレーヤーを楽しむと、
これがやっぱり良いのだ。
DDだから云々ではなく、合う物は合うということか。
思う所多々ありなのだが、それは今後書いて行きたい。