3月1日
驚いた事にもう三月だ。
この二か月何をしていた?という感じ。
三菱HV-S11だが、また不具合が出た。
テープをローディングしてくれない。
結論を言うと上の写真にあるローディングモーター(なのか?)
関連のグリスをパーツクリーナーで洗い流したら解決。
こう書くと簡単だが、そこに至るまでは結構長かった。
何しろこちとらVTRの素人である。
一時はメカアッシーを本体から切り離してのメンテも覚悟した。
一度本気やらないと駄目だろうと思った。
もう少し若かったら勢いでやってしまったかもしれない。
ただ、僕みたいに詳しくない人間は迂闊に分解すると失敗への
片道切符を握らされる可能性大と心の声が呟く。
三日位試行錯誤した末にグリス除去してみたら直った。
三日も掛けてその結論かい、と言われると返す言葉も無いが
その間色々学習出来た。
知れば知るほど、よくもこんなロジックを考えたと感嘆する。
使う側はテープカセットを”ほい”と放り込むだけであとはお任せ、
なのだが機械の方は実に綱渡り的な動作を毎回毎回やっているのだ。
だから、どこかで一発しくじってしまうとアウトだ。
素晴らしい事にしくりじを感知するとそこで保護回路が働いてストップしてくれる。
電気屋さんでは莫大な数のデッキ修理をこなした様だが
そりゃ無理もない。
全盛期は冷蔵庫や洗濯機並みの普及率があった?訳で、
それらと比べたら遥かにデリケートな物なのだから
それはそれは大変だっただろうと思う。
繰り返しになるがオープンテープの方が遥かにトラブルは
少なかっただろうと思う。
また、あっても手当てはし易かっただろう。
オーディオのカセットはどうだったかと言うと
ビデオカセットと比べれば遥かにトラブルは少なかったと思う。
比較すれば断然シンプルでわかり易い仕組みだったからだ。
CDプレーヤーが、物凄い精度の読み取りをしているのにも驚嘆するが
ビデオデッキには別の観点で多いに驚く。
ビデオデッキの修理ばかりを楽しんでいるマニアもいるわけだが
ある意味究極のメカトロニクスに魅入られてしまったのだろう。
さて、これで完璧か?
到底そうは思えない。
実はメカ動作が完璧にスムーズになったと喜んでモニターに繋いだら
画が出ない(汗)
ヘッドの汚れか?
だったら話しは簡単なのだが違う。
暫く通電しておいて別のテープを入れたら見事に再生。
これは映像基板のチェックが必要だろう。
噂のHIC基板の電解コンデンサーの交換もやらないとならない?
ただ、そうなると盛大な分解をしなくちゃいけない。
根性入れてやらないと駄目だな、これは。
3月2日
関係者の方が見ればわかるが
実に無茶苦茶な修理になってしまった。
メカの方は小気味よい位にカションカションと動く様になったのだが
今度は起動直後に映像が乱れがち?なのが気に食わない。
取りあえず(というには簡単じゃないが)鬼門のHICチップの修理。
ほぼ確実に実装電解コンデンサが噴くということで
僕の個体も例外ではなかった。
これはS-VHSの画に影響する物なのか、
あるいは程度によっては普通のVHS画像にも影響するのか?
よーわからんが直さないではいられない。
結果どうだったか?
特に症状改善にはならなかった気がするが(笑)
取りあえず壊さなかっただけでも褒めてあげたい。
この辺で手打ちとすべきか。
映像の不備にはテープ自体の程度も絡んでいる。
素直に退却すべきなのだろう。
3月5日
アナログプレーヤーの音を決める要素は幾つかある。
今更言うまでもない事だが。
その一つに回転がある。
何が大切って、正確に回る事。まずこれに尽きる。
パッと聴いて音程が揺れているのがわかるのは勘弁してほしい。
だが、まあよっぽどの事が無ければそんなプレーヤーには出くわさないのだが
より正確に、そして静かに回そうという事でアイドラーからベルトへ。
ベルトからダイレクトドライブへと進化した。
更にはサーボだのクオーツロックだのと切り込んで測定の限界までまっしぐら。
そんな事がかつて行われ、成し遂げられた。
目出度し目出度し…の筈なのだが、それでは納得がいかないという人が必ず出て来る。
ダイレクトドライブこそ究極、で良いと思うのだが、そこにはコギングと言ったような問題があるからダメだと
仰る。
要するに、超細かく見て行くと、それは本当は滑らかな回転ではなく、行きつ戻りつを繰り返していて
それが音には出て来るというのだ。
嘘か真か分からないが、とにかくスムーズな回転が大切という事で、例えば4極より16極。20極と
モーターに工夫をして間欠を少なくする努力が行われたりした。
あるいは慣性質量のたっぷりあるターンテーブルを用いる事で細かいサーボの影響を極力避ける方向も打ち出された。
もちろん逆にサーボを細かく掛ける為にターンテーブルは軽量で、なんて主張もあった。
この辺はもう一長一短というか、どれが絶対に良いと言い切れるものでもなく
21世紀の今日に至っても結論は出ていない。
3月6日
ということで、OTTO TP-L1降臨である。
なにが、ということで、なのか?
このプレーヤー、ベルトでもアイドラーでもないということでダイレクトドライブなのだが
ターンテーブルのスピンドル直下にはモーターのローターが無い。
では、どこにあるのかと言うと、ターンテーブルの円周(の下)にある。
グンっとモーターの回転子が拡がった様な感覚で、120極のモーターである。
ターンテーブル側にマグネットリングが設けられ、それをドライブする訳で
どこかアイドラーやベルト(インナーターンテーブルにベルトを掛けるタイプ)に似たフィーリングだ。
それによって何が期待されるかというと、まず、モーターの間欠が極めて少なくなるということ。
なにしろ120極である。
次にドライブする部分が外周よりということで、いわゆるモーターのトルク自体は弱くても済む。
ちなみに三極交流でFGサーボが掛けられている。
この方式は、先にTP-L3(1978年?発売。39.800円)で先に採用された。
L3の方は価格的にもシスコンに対応、みたいな位置づけ。
それに対してL1の方は62.000円と高級…とは言わないが中級機的値付けで出ている。
それでも、この新しい技術の開発コストなどを吸収出来る値段とはとても思えないのだが
ブランドイメージなどもあるから、そうは高く設定できなかったのであろう。
ただ、現物を見るとブビンガ突板の外装など大変美しく独創性を感じさせる。
見ていても誇らしげな気持ちになれるプレーヤーである。
アームはS字でオーソドックスな物だが一説にはラスター製だとかなんとか。(GST-1に酷似している)
まあ三洋が一々アームを作る訳はないから多分外注だろう。
ダストカバーもテクニクスSL-1200系と同じじやないかとか何とか、この辺はなかなか業界の構図が見えて面白い。
3月7日
さてや、動作確認…と思うと電源オンでターンテーブルは回らない。
あれ?と思うと、このプレーヤー、セミオートでアームを内周に向けて動かすと自動的に
ターンテーブルが回る仕組み。
更に演奏が終わるとオートリターンするという親切設計。
なんだかちぐはぐな感じがするが、そういう位置づけにしないと販売オーケーにならなかったのであろう。
ちょっと不憫だ。たた、オートリターンはなかなか便利。
で、いよいよ音出し。
音出し…と思ったら片チャン音が出ない。
アームネック部分の接触不良だ。こんなのは驚くに値しない。
接点を磨き上げて導通オーケー。
他にも幾つか気になるところはあるが、まずは現状の音を聴こう。
カートリッジはAT-130E/Gが付いていたのでそのまま使用。
音が出て、ちょっと驚く。
何がって、なんだかとっても綺麗な音だ。
噂には聞いていたがこれほどまでとは…
全体に非常に軽快。爽やか律子さんならぬ、爽やか三洋さん。
とにかく気持ちが良い。
これは例えたら入社したてのフレッシュマンの仕事っぷり。
老獪なベテランではなく、観ていて気持ちが良いヤツ、というノリだ。
よくある流れとしてはここで他のプレーヤーと比較しながら…となるのだが
そんな事をする気にならない感じ。
これはこれで良いのである。
3月9日
それにしても優秀。というか素晴らしいプレーヤーだ。
もっとも、あの頃はこんなクオリティのプレーヤーがゴロゴロしていた。
そんな、折り重なる波の様な新製品ラッシュの中に、このプレーヤーなどは埋もれてしまった方だろう。
リニアモーターなどと言うのも江川三郎先生が自身のプレーヤーにTP-L3のそれを採用しなかったら
全く名前を残さなかった可能性がある。
僕自身、遠い昔からリニアモーターに興味はあったが出会いが無かった。
なんというか、思い続けていると何十年の時を経て巡り合ってしまうものだ。
実物を手にして使ってみると、単にリニアモーター採用というだけでなく、例えばアームの高性能さにも
舌を巻くし、全体的なプロポーションの良さに関心してしまう。
何より、L1の良いところはブビンガ突板の、ちょっと他に類を見ない美しい仕上げだろう。
リニアモーターを抜き取ってプレーヤー自作なんて事も考えていたのだが、見惚れて、やめた。
この辺でもう一度音の事に行きたいのだが、その前にこの個体特有の汚れのお話し。
いや、実は最初に見た時、金属部分は全体にブロンズ仕上げだったのか?と思った。
シャンパンゴールド?と見間違えたのだが、これ、全部ヤニ汚れだった(笑)
近年類を見ないヤニコーティングで、却って保護の役割も果たしてくれたようだが
各部をマジックリン、あるいは水の劇オチ君。またはエタノールで湿布して拭き上げるという手間仕事で
遊びながら半日仕事だった事を報告する。
しかし、裏表無く、これだけ一切合切をヤニで埋めるというのはなかなか出来そうにない気がするのだが
お陰で落とせば昔の輝きが取り戻せる。
ただ、くれぐれもレタリングの剥がれには注意。
*おそうじ中でまだらになっているわけだが、
ブロンズ色がヤニ汚れ。アルミの地肌が見えているところが正しい?カラー。
アームベースが写真の左と右で色が違うのがわかるだろう。
もちろん左が清掃済みの部分。
パイプも錆かと思ったらヤニ汚れで、却って腐食はあまりしなかったみたい。
そしてさっぱりしました、の図。
とっても綺麗♪
3月11日
お約束でひっくり返して裏板を剥いで中も拝見。
この裏板が薄っぺらい樹脂製なのは我慢するが、インシュレーターがそれに直付けというのは
感心しない。
まあ生産コストその他の関係でこうなるのだが、ちと惜しい。
インシュレーターは実に一般的な物。ただ、四つとも高さ調整機能を持っている。
内部だが実にすっきりしている。
電源トランスも特に大きく無いし(小さいから悪いわけではない)、リニアモーターの基板もコンパクトで
楚々としている。
もっとも、デッカイモーターが鎮座している風景は無い訳で、やっぱりユニークだ。
あとはセミオートの機構が右に左にと言う感じなのだが、これが全部機械式なのが微笑ましい。
光学系で検出、なんてのと違って何年たっても壊れない?
…ことは無い、な…
クオーツロックを外すとピッチコントロールが効くのだが
このボリュームがもしかすると接触に問題あり?
やたらとシビアなのだがちょっと変かな?
ターンテーブルを抜くとかっこう良いカバーが見える。
素敵なのだが樹脂製でちょっと安っぽいが仕方ない。
3月12日
昨日は3.11であった。
もちろん忘れる筈がない。
ただ、3月11日だけ話題にするような感覚が個人的に馴染まない。
また、日本中。世界中で今こうしている間にも色々な事が起きている事も考えたい。
10年1日のごとく。あるいは20年1日のごとく同じ事を言い続けているが、アナログプレーヤーというのは面白い。
リニアモーター。果たして存在意義はあったのか?
あった…としておこう。
あったとしたらどこにあったのか?
これはターンテールの外周よりをドライブ出来るというところにメリットがあったと思う。
これにより同じトルクであればより強くターンテーブルを回せる。
逆に考えると低トルクであってもターンテーブルを回せる。
モーターのトルクは強い方が良いのか弱い方が良いのか?これは意見のわかれるところだ。
一度定速になってしまえばモータートルクというのはそんなに要らないという説はある。
ただ、レコード盤の上というのはカートリッジから見るとウルトラワインディングロードで
大変な制動が掛かる世界というのも言える。
するとトルクは必要?
だが、これを律儀に超一定速で回そうとするとターンテーブルは小刻みに行きつ戻りつをすることになる。
それもどうかという事で今度はイナーシャという考え方が出て来る。
大きな慣性質量を持つターンテーブルを使ってトルクムラを抑え込んでしま追うという事だ。
かつての江川先生の実験でTP-L3のモーターを使った場合でも、イナーシャは大きい方が音が良かったという
報告はある。
イナーシャ万歳?
しかしそれと別の問題も出て来る。
果たして軸受はどうか?重いターンテーブルを支える軸受は作れるが果たして音は良いのか?
良くないかもしれないという事でマグネットフロートだエアーフロートだという仕掛けが出て来る。
書いているだけで疲れてしまったが、アナログ全盛期というのはこんな問題に本当に真剣に取り組まれていたのだった。
さて、TP-L1。リニアモーター。
この開放的な音が、リニアモーター、軽いターンテーブル、負荷の小さい(はずの)軸受の成果だとしたら
ひとまず成功していると言える。
更なる…となると、せっかくベルトドライブ並みにモーターから解放されているこの軸受の研究など
してみたい物である。
いや、ちょっと待て。その前にこの価格相応でやむを得ないが貧弱な下半身をなんとかしてからの方が良い?
こうして馬鹿はまたしても深みに嵌っていくのであった。
カバーを剥いでみた、の図。
リニアモーターと電磁ブレーキが拝める。
美しい木製ボディの下に鋼板?が隠れている。
ただし、そんなに分厚いものでは無い。
これはオート機故の配慮か?
音質のため、というよりその線が濃い。
ただ、肝心の軸受はそれなりの厚みのあるブロックを持っている。
…なのだが、そこに樹脂のギアーがくっついているのが
このプレーヤーのビミョーな生い立ちを語る。
ここの噛み合いでアームのリターンが行われる。
なんか見たことが…と思ったらAIWA PX-860で同種の物を見ていた。
3月13日
歳は取りたくないというのもあれば、歳は取ってみるもんだ、という説もある。
良い事の一つは力が抜けて来ることだろう。
脱力だ。
何事も脱力は大事。あちこち力が入っていると良い成果は出ない。これは真面目な話し。
仕事もそうだが趣味も同じ。
肩肘張らずにやると見えて来るものも増える。
レコード演奏家なんて言葉があって、僕自身はそんなものには程遠いというか
そもそも縁が無いわけだが、それでも、つくづくレコードというのは演奏するもんだと思う。
この辺の楽しみというか馬鹿らしさがデジタルファイル(CDを含む)の再生だとなかなか難しい。
アナログレコードはカートリッジ一つ換えるだけでも調理が簡単に出来る。
…というほど簡単でもない所があって、これがまた面白い。
例えばここ数日お気に入りのPC-110(だと思うのだが)はPIONEER製だからというだけの理由で選んだ
プラスティックのシェルに取り付けられている。
昔だったら頑なに使わなかったと思うのだが、この辺が年の功である。
これが相性抜群のレコードも少なからずあるから楽しいのだ。
正しい××というのは確かにあるのだろうが正論だけで成り立たないのが世の中ってもんなんです。
3月14日
プレーヤーの音と言うのはプレーヤー単体で決まるものでは無い。
なによりカートリッジが変われば音は変わる。これは当然。
何を持って良しとするかは、限りなく好みの問題だ。
アームとの相性というのはあるが、これは主にシェル込カートリッジ重量の問題が大きい。
早い話が軽量軽針圧を信条とするアームに、あまり重い物をぶら下げても上手くいかない。
目下色々なカートリッジをTP-L1で試しているがZ-1+PHL-1000ではちょっと荷が重い感じ。
悪くはないのだがベストと思えなかった。
AT-130Eは良かった。AT-100ボディ+AT-150Eaの針も悪くないが素直に130の方が少し良いかも?
テクニクス系があと一つで、Lo-D MT23は良かった。
今はパイオニアPC110かな?を付けて、これは良い感じ。
あんまり大げさな使い方はしたくないと思っていたがレコードスタビライザーも載せてみた。
ヤマハYDS-3。
これは何より片面ブビンガなのだ(!)
TP-L1に、ルックス的にこれよりマッチする物はあるまいと考えた。
3月15日
歳を取って良かった事シリーズ第二弾?
難しい話について行けなくなった(笑)
正しくは、こ難しい話しに、か。
色々調べたくなると、当然の様にネットで検索する訳で、すると必要以上の所まで覗く事がしばしばある。
すると、まあ熱心な人の多いのに驚いてしまう。
ご熱心なオマエに言われたくないと思われるだろう。同病相憐れむ?
いや、熱心の方向も色々あるようだ。
何事もほどほどにしておいた方が良い、と僕が書いても説得力ゼロか。
しかし、思うに若いオーディオマニアなんてのはゼロに近いのだから、熱心なのはほぼ例外なく高齢者?
気力、体力、財力が僕なんかとは格段に違うのだなーと妙な感心の仕方をしてしまう。
我が国の将来は明るい!
…本当だろうか??
その様な事はさて置き、新しいプレーヤーが来れば
カートリッジをとっかえひっかえやってみたくなるのが人情?
色々やって、今はテクニカのAT-150Ea/Gだが
さすがに価格の違いが音に出るというか差を付けて来る。
言い方を変えると、それだけの価値のあるプレーヤーということで
立派なものです。はい。
3月17日
こんな事をしてみたりした。
Y31-ST1GM。
荷が重いかな?とも思ったが、そこはお試し。
これで聴いてみると、なるほど滑らかさが増す印象。
ただ、起動がスムーズで無くなるなど心配なところが残るので撤去。
それよりも、優秀なはずのこのプレーヤー。
…なのだがあと一つ信頼置けない感じが残る。
何しろ永い眠りから目覚めたところだ。
当初から気になっていたのがクオーツを外した時の
ピッチの不安定さ。
33回転、45回転それぞれ速度調整出来るのだが
そのつまみがやたらシビア。
この可変抵抗も取り換えたいのだが
作業は極めて面倒くさい。
いっそバイパスするとどうなるか?
クオーツを掛けている限りストロボは滲まないのだが
どうも気に食わない。
もう一つは基板上の半固定抵抗。
時代とコストの面から仕方ないが、オープンタイプの物が使われ、
見るからに汚れが目立つ。
外見だけなら良いが、これでは接点も怪しいものだ。
取り外してクリーニング、も良いが
取り換えてしまうのが吉、だろう。
3月18日
一概には言えないが、この時代のターンテーブルの健康診断をするのなら
トランジスタやコンデンサーより先に半固定抵抗やらマイクロスイッチなど
接点を持つパーツを疑った方が良いみたいだ。
今回のTL-P1の場合は現時点で暴走などはしていないのだが
眠りからたたき起こされて暫く経ったので
そろそろ気を付けておきたい。
それはさて置き毎日のように回す。
今はデンオンDL-103。
実はちょっと前にZYXを使ってみたら実に精彩を欠いた音で、
こりゃMC族とは折り合いが悪いのか?と案じていたが103はオーケー。
ZYXも次回は良い結果が出るであろう。
それにしても30年位は眠らされていた筈のこのプレーヤー。
思わぬ形でセカンドライフに突入で
喜んでいるのか、もう結構ですと言っているのか?
それは神のみぞ知る。
3月19日
サンヨーは大きな会社だった。
その中のオーディオブランドがOTTO。
もっと評価されても良かったと思うのだがAUREXやLo-Dと比べても
マイナーさで優って?いた。
リニアモーター採用プレーヤーなんかもつぶさに調べると
たくさん出て来るのだが軒並みシスコン用的位置づけ。
中にはリモコン対応なんてすごいのもあったが
売れるどころか残存機を探すのも一苦労みたいな有様だ。
悲劇のブランドと言っても良いのだろう。
さて、色々調べてみると輸出ではFISHERなんてネーミングでも売られていた事が判明。
海外販社向けネーミングみたいだ。
TP-L1も名前は全く違うが同型機が出ていた。
しかし世界中にしても何台売れたのか?
極めて怪しいものである。
3月21日
幾らなんでもお彼岸に雪というのは珍しい…
ところでDL-103で聴いていたら、どうも片チェンネルが弱い?
色々確かめて、遂にはPRA-2000の1号機と2号機の入れ替えまで
してしまったが、今一釈然としない。
だが、まあプレーヤーでもプリでも無さそうなので
103とシェルの接続の不備かな?と思っている。
それはさて置きMCヘッドアンプをチェックしなくては
ならなくなったのでテクニカF3登板。
軽い気持ちで出したのだが、これが結構相性が良い。
どんな物にも相性というのはある訳で
アナログプレーヤーの場合、特にアームとシェル込カートリッジというのは
その辺が絡む。
それが楽しい訳だが、この調子でやっていると延々カートリッジ交換日記になってしまう。
そろそろ飽きて来たので脱却したい。
3月22日
意味もなくネタを引っ張る趣味は無いのだが
103をF3にしても片チャンネル音が出ない時があった。
これはもう患部はここしかない。
結構しぶとくて難儀したが、そこはそれ、クリーニング。
MMでは問題を感じずMCのみというのもよくある話しだ。
この個体みたいに長期間カートリッジ付きの状態で放置されると
こういうことになり易いのだ。
変な物を写すな?
すみません。
左は適度にコンパウンドが残った綿棒。
これはなかなか貴重な存在?いや、真面目な話し。
右はメラニンのスポンジだが最近は針先のクリーニングにこれを使っている。
3月25日
きっちり接点を磨いてこれでオーケー。
…の筈がやっぱり変。
調べたら、なんと代替で使ったPRA-2000二号機の
セレクタースイッチに接触不良が…
考えてみると一号機のこの辺は先だって分解クリーニングを施したが
二号機は手付かず。
その癖ボリューム分解清掃とか、バランスボリュームバイパスとかは
二号機だけやっている。
こーゆー脈絡の無いメンテをしていると、今回みたいな事に遭遇する?
一号機に差し替えたら、実にばっちりと左右のバランスが取れる。
オマエみたいに古臭い機材ばかり使っているヤツはそーゆー目に遭う。
俺なんか新品だし〜
と思うのは甘いかもヨ(笑)
オーディオ機器というのは本当に接点が鬼門。
部屋が装置がソースが、という前に接点を確かめよう?
案外真面目なお話しだ。
3月26日
良いお天気。
小室哲哉モデル?
リヒテルさんが実際に弾いたフルコン二台。
その部屋の片隅にたたずむNS-1000X。
駆動アンプがa750というのは良いのかどうなのか?
3月27日
失礼ながら地方都市なんてのも滅多に体験出来ないので
新鮮な事この上ない。
それと、新幹線。
出張で日々乗っている人からするとお笑いだが
未だに乗る事を考えただけで緊張してしまうし、ドキドキする。
あ、いや、たまたま目に留まったので撮っただけですよ。
なにしろ仕事だったのだから(笑)
さて、すっかり部屋に馴染んでしまった?TP-L1。
カートリッジだが最近はすっかりローコスト普及機に嵌ってしまっている。
価格が安いから侮るという典型的な間違いを、僕も永くしていた訳だ。
安かったのはプレーヤー付属などで数をはく事が想定出来たからで
中身まで安物では無かった。
やっとそういう事が実感としてわかるお年頃になったということか。
3月28日
このプリは放熱孔など持ち合わせていないので
埃等の侵入は無い。
ただ、当然熱は籠る。
どうしても電解の被覆など後退気味になる。
無理もない、ほぼ40歳である。
しかし本当にアンプが安直な手入れなど拒んでいるように思える。
どんだけ金掛かっているんだ、オマエは。
お父さん、とってよ、この花びら…
ま、ウメに桜ということで…
3月29日
SY-88を問診台に載せるためにC-2X登板。
具合が悪くなっていたら困ると思いながら繋いだがとんでもない。
前へ出て来る主張の強い音と言う意味ではこれが一番か。
ここで気づいたがスピーカーについてここ最近触れていない(汗)
昨年末以来スピーカーはSB-7000。
歴史に残る一台だがお歳もお歳。いかがなものかな?と最初は心配したが
とんでもございません。
こんなもんが40年以上前に作られていたなんて…
とにかくこのスピーカー。ユニットが鳴っている感が希薄。
リニアフェイズの威力という事で片づけて欲しい。
メインアンプはHMA-9500で決まりだと思う。
SB-7000の音は綺麗で優しいし素晴らしいとしながらも
ちょっと大人しい感じで迫力不足、みたいな感想が多いが
その場合は9500だ、と決め付けて置く(笑)
プリはどれでも良さを出す。
C-2Xだと押しの強さが気持ち良い。
3月30日
桜が満開。春を迎えた。
何故こんなにもキチンキチンと暖かくなり、暑くなり、そしてまた寒くなるのか。
自然の営みには感嘆するしかない。
対して、50何回目かの、その春を迎える自分の進歩の無さには驚嘆するばかりだ。
うんと昔の遠い春。入学なんて物が何度かあった。
入社なんてのもあった。
当時は入学するとステレオ。とか、駄目でもラジカセ、とか、買ってもらうのが大きなご褒美で
それが無いと困ってしまうというような、つまり今だと携帯スマホみたいな立ち位置に、オーディオ装置は居た。
テレビ買ってくれとか言ったら一笑に付されただろうし、バイク買ってくれとか言ったら
オマエハ不良になるのか?と泣かれたかもしれないが、そこはステレオ。音楽を聴くんだったら…と
リクエストを受ける側も表面上納得できる要素があったも強かったのだろう。
さてしかし、装置はそういう訳で何とかなっても、ソフトが追い付かない。
レコードは2.800円だ。40年後の今日のCDが同じ価格であることを考えると
いかに高額なお買い物だったかわかるだろう。
だからせっせとFMエアチェックなどに勤しんだ…という事を言いたいのではなくて
そうまでして買い求めたい何かがあったという事が懐かしいという事なのだ、今日言いたいのは。
なけなしの小遣いを貯めて、何か月かに一枚だけやっと買えるレコード。
欲しい物は山ほどある中で、どれに投資をするのか真剣に悩む。
下手すると半日、一日と掛けてやっと買って帰る。後生大事に小脇に抱え、やっと家に帰りついて、
恐れ多いからすぐには針を落とさずに、先に夕飯喰って…、なんて風にする。
今の自分に、それだけドキドキさせてくれる物が存在するかどうか?
そう考えると、過ぎ去った日々がやっぱり懐かしく思えてしまうし、あれが正しかったのではあるまいか?と
懐疑的になってしまうのだ。
ソフトを幾ら持っていようが、あるいは装置が少々立派になったとしても、
実はそんな物は枝葉の問題としか言いようがない。
あれがあって、これもあって…というのは、正に老人趣味なのだなーと改めて思う今日この頃なのであった。