9月1日
気づいたら9月になっていた。
シリーズ、備忘録なのでこれだけだと意味不明でごめんなさい。
鬼門のチップ、CP-602。
裏から見る↑
どーでも良いがちっこいパーツ。
CB50。
9月2日
アセトンにチップを浸ける。
これで樹脂系の被膜を剥ぐ。
一昼夜で大分剥離するがあと一歩。
やはり二晩は置いた方が良い?
如何にもこの時期の空。
夏が去り秋が来る。
9月3日
半田付けですか〜
…これを?
今更ですがハードル高し。
9月4日
ちょっと休もう。
…といっても日記的には写真とキャプションばかりで
読み物としては休んでいるような感じだが水面下の方が忙しい。
それはお前の勝手だろう?と言われたら、はい、その通りです。
半田も奥が深いし、マトリックススピーカーもこれまた
奥が深い。
趣味とは時間の掛かる物。
気長にお付き合いください。
9月5日
この写真を載せるのはどーか?とさすがに悩んだ。
しかし、まあそーゆー事で(どーゆー事?)…
元々が大変良い感じでなっている物を切り刻むのは勇気が要ったが
いつまでもやらず終いもよろしくない。
ということで切った貼ったでユニットの距離を縮めてみた、の図。
あまりに適当な仕事なので相当音質劣化があるかと心配した。
もちろん厳密には問題ありあり。
しかし思ったほどのことはない?
それは何故か?については今後触れると思う。
なによりマトリックススピーカーとしては向上したか?それが問題。
これは僅かながら良くなった。
…と思いたい、というところか。
やっぱり上下方向でのユニットの距離は近い方が良い。
左右方向はもう少しだけ広げたい気もするが
これは箱自体を変えないと実現しない。
9月6日
マトリックススピーカー。
どーでも良い人にはどーでも良い。
僕も段々どーでも良くなって来た?
なんでもそうなのだがマトリックススピーカーの研究(というほどの物じゃないが)
なんてのは時間が掛かって当然。
長岡先生だってMX-1から始まってMX-9、10までたどり着くまで相当掛かった。
それも、あっちは仕事。こっちは道楽である。
それでも、この段ボール+ガムテープの張りぼて。フランケンシュタインスピーカーは
良い音がしている。
真面目なスピーカーが、取り付けネジの頭のダンプまで考えていたりするのと
比べると、おめーは創作というものを冒涜しちょるのか?
と言われそうな世界なのだが悪くないのだ。
多分内容積がたまたまジャストフィットだったとか
このフルレンジユニット(一本250円!)が大変優れているとか
その辺が効いているのだろう。
ソロボーカルから日本の自衛隊までオールマイティー。
木製でこれを超える物を作れるのだろうか?
目下の懸念はそこである。
9月7日
それにしても初代MX-1が出来た後の長岡先生のはしゃぎっぷりは凄い
というか微笑ましい。
これに似た事はスワンが出来た時に起きるのだが
それ以前ではMX-1が一番。
ただ、作ったけど音がさっぱり広がらないという便りも寄せられている。
これについての回答は、まずソースの事に触れている。
特に初代MX-1の形式だとマルチモノはどーにもならない。
で、実は装置の問題にも触れられているのだが、それについてはやんわりと
という感じ。
それは仕方ないというか、装置のグレードが悪いとなると
買い替えに走らなくてはいけない訳で、あんまり安易に奨められるものじゃない。
ただ、MXが装置にも敏感というのはこの後更に露骨にわかってくる。
高額だから良いとも限らない訳で、この頃のプリはSY-99だったのを
PRA-2000に交換して、マトリックスに対しては効果が上がっている。
後年の例でいうと初代PMA-390が抜群。
パワーアンプでは結局HMA-9500あるいはMK2が効果的だったわけで
これが9500がいつまでも先生のリファレンスであり続けた理由の一つとなっている。
いずれにしてもマトリックススピーカーは年季の入ったマニア向けというのが結論で
嘘だと思う人はいつでも自宅に招待すると繰り返されているのがおかしい。
9月8日
…という事で重い腰を上げてプリ交換。
いや、ここ数か月はヤマハC-2Xを使っていた。
ほどほどに使わないと体調を崩す。
正確にいつからだったか?は思い出せないが
使っていた。
それをPRA-2000に交換。
ポイントは、それでマトリックススピーカーの鳴り方が変わるかどうか、だ。
もったいぶらずに結果を言うと、なるほどこれは効果がある。
上下、左右、手前奥と拡がりが出るというか明瞭になる。
単に広がるというだけでなく、狭い物は狭く出る。
また、音の動きが明瞭になる。音が軽く、見通しが良くなる。
まあ当たり前なのかもしれない。
PRA-2000+HMA-9500。
往年の長岡定番組み合わせだから。
念のためだが、それらの要素をもってプリの良しあしなど決まるものではない。
使ってみてC-2Xの方が良いとなったら断固それを使おう。
評論家や世間が何を言おうと関係ない。
実際、厚みや良い意味での音の重さに関しては
C-2Xの方が勝っている。
ルックスは僕の中では五分五分だが、人によっては完全に好みが出るところだろう。
…という事よりも何よりも、このいい加減極まりない造りの
マトリックススピーカーが実に如実にプリの違いを露わにした事の方に驚いた。
唖然とするほどだ。
これが何故なのか良くはわからないのだが
パワーアンプからユニットの端子へダイレクト接続というか
狭窄物の無いフルレンジの良さが出ているのかもしれない。
そうとでも考えないとやっていられない。
もう一つ思ったのが能率。
低すぎず高すぎず。
G7辺りよりは低能率なのだが超低能率でもない。
このスピーカーを使うとC-2Xが大変ハイゲインで
PRA-2000がボリュームAカーブのお手本みたいな音の出し方なのが
良く分かる。
それぞれの設計という事で良いのだが
あるいはC-2Xみたいなアンプは損をしているのでは?と思った。
やはりアンプのボリューム角というのはある程度上がったところで
適切な音量が得られる方が使いやすいのはもちろん、音の点でも有利みたいだ。
そんなこんなを考えさせてくれる今回のマトリックススピーカーには
改めて乾杯をしたい。
9月10日
割と万能の感があるマトリックススピーカーだが
どうせなら効果てきめんのソフトを聴きたいという気持ちになるのは
ある意味当然。
まあ何でも良いのだが、長岡先生曰く”音場の宝庫”というこれが
やっぱり出て来る。
即ち大砲の音を聴いても仕方ないというのは勝手だが
ちょっと皮相的でもある。
どっかーん、が聴きたいのではない。
例えば音の移動感など楽しみたいのだ。
飛んでいく砲弾の描く軌跡が手に取る様にわかるとか、
着弾の位置が三次元的に違うのが見えて来るとか、
聴きどころはいっぱいなのだ。ある意味果てしない。宝庫とはよく言ったものだ。
9月11日
音場とか定位とかいう単語が出て来ると途端に自信を失う。
自分でも音場音痴なのか、あるいは音場過敏なのか
未だに良く分からないのだ。
昨今よく言われるのが、オーディオというかステレオでは
左右のスピーカーのセッティング命。
究極は0.1mm単位での調整まで話は行き、
成し遂げると部屋のあちこちにリスナーが動いても
部屋には微動だにしない音場が現れるという。
多分本当なのだろう。
…と、他人事の様にいう辺りがいかにもよっしー的だ。
一度は垣間見てみたい素晴らしい世界だが、自分には無縁な気もする。
そこまでの執念が無いのが致命的である。
まず、ベストの位置にスピーカーを置け。
なるほど。しかし現実の生活の中でそれが出来る物なのか?
どうもオーディオにデカい面されている感があって癪に障る。
おめーはそこに居て良い音出せ、と、僕なんか言いたくなる口なのだ。
さてしかしマトリックススピーカー。
これにおいてはセンター定位が限りなく実像に近くなる。
実はやはりここにマトリックススピーカーの意義があると思う。
左右スピーカーのセッティングも位置も距離もくそも無くなる。
どーだ。ざまーみろ。
第一、一体型のアンサンブル形式だから左右も何もない。
実に潔い。文句のつけようが無い。
…と、半分は冗談だが半分は真面目なお話しだ。
”MX-1は音場の忠実な再現というメリットの他に、
センター定位の確実性というメリットがある。
モノラル信号に対しては、MX-1の左右ユニットはまったく動かず、
中央上下の二個のユニットだけが鳴る。
従て音像と音源が一致している訳で
つまり実像であり、リスナーがどんなに動き回っても
音像は微動だにしない。
これは通常のステレオスピーカー配置では絶対にありえぬ事である。
首を左右に振るだけでも、モノラル信号、センター定位はふらつく。
これは音像と音源が一致しないための(虚像であるための)
宿命的なものである。
もともと生の演奏では主役は常にセンターにいる。
この主役を中心にして音場が構成されるのが本当であるのに
従来方式のスピーカー配置ではセンターにスピーカーが無く
センターの音像は常に虚像であるため、どうしても生とステレオとの間の違和感が残る。
MX-1ではその違和感がないため、極めてナチュラルで、リアルなのである”
(週刊FM 1979年17号より)
そう。やはりここにMXスピーカーの本当の意義があるのである。
一言でいうと”強靭な定位”。それを実現するための一番の近道。
…が、マトリックススピーカーなのだ。
徹底したステレオ主義者?からすると、前述のような究極のセッティングが
出来ていないからそうなるわけで、ちゃんと出来れば通常のステレオスピーカーで
そういう事が出来るのですぜい、という事にもなるのだろうが
個人的には凄腕がなくともソリッドな音場を実現出来るマトリックススピーカー
万歳という感じだ。
変な話し、マトリックススピーカーであれば隣の部屋へそれを持って行けば
すぐまたその部屋でしっかりした定位、音場を味わうことが出来る。
どうだ、音場を持ち歩けるんだ。凄いだろう。
…と俺が凄んでどーにもならん。
しかし、これはやっぱり真面目なお話しだ。
もちろん、そうなったらそうなったで
別の問題はそもそもある物で、MX-1誕生記事の冒頭を読めば
それが何かわかる。
”マトリックススピーカーの原理は決して新しいものではない。
かなり昔からあったし、実際にソニーからローコストのステレオラジオという形で
出たことがある。
(中略)
本格的なスピーカーシステムとして作ってみたらどうなるか。
理論的には充分にハイファイとして。あるいは超ハイファイとして成立しうるものである。
しかし、それには入力のL、Rのf特とレヴェルが完全に等しいこと。
各ユニットのf特と音圧レベル、指向性、歪率が完全に等しいこと、
といったウルトラシビアな条件が必要なのだ。
この条件が守られないと、どうしても逆相成分が残って、違和感が生じる(はずだ)”
週刊FM 1979年 14号より
もちろん、それらの影響は通常のステレオスピーカー再生にあっても
影響が出るものだが、マトリックススピーカーではよりシビアに出るという事。
その点において、やはりマトリックススピーカーにはマトリックススピーカーの
シビアさがあるのだが、僕としてはくそ難しい事を言って行うステレオ再生よりも
マトリックススピーカーを使う方が、なんだか好きである。
ま、何でも良いが定位、音場の学習にもマトリックススピーカーは
好適という事は言える。
9月12日
やったぞ。親父、俺はやったぞ!
…久々にこのセリフを使う。
なにが親父なのか意味不明だが、何かをやった時。
それも他人からみたら実にどうでも良い事をやり遂げた時
このセリフを使う事にしている。
SONY WM-D6。
俗称ウォークマンプロフェッショナル。
昭和の大発明、ウォークマン。
それはご存知の通り再生専用なのだが
プロフェッショナルは録音も可能。
ウオークマンの名を冠するものの、内容としてはTC-D5Mの流れ。
つまりデンスケの末裔。
録音機能があるというだけでなく、その音質はウオークマンとは
一線を画するもので、一説にはD5Mをも上回るという。
そのD6は発売二年でDolbyC搭載のD6Cにマイナーチェンジ。
そのまま延々と2000年代まで生産が続けられた
超長寿モデルとなった。
そんなこんなで世界中に愛用者も多いのだが
固有のトラブルを抱える物が、これまた多い。
何かというとモーターの暴走である。
俗にいう倍速再生だ。
本来の速度の倍で回転。スピード違反である。
これが何故起きるのか?
DCモーターの制御ICがおかしくなるのだ。
その辺も今では広く知られ、後継のD6CではCX20084という
ICを交換せよ、となる。
もちろんとっくにSONYにパーツは無いが、良い時代で
ネットを通じての入手も最近は割と容易。
それは良いのだが問題はD6。
D6はDolbyCやヘッドの違いだけ、というのは表面的なこと。
当然ながらその他の中身もビミョーに違う。
D6ではCP-602というチップがDCモーターの制御を行う。
これがいかれるとDCモーターには規定の倍の電圧が行く。
単純計算で回転速度は倍になる。
さてしかしD6CならCX-20084を交換すれば済むものの
D6のこのチップはそれこそ入手不可能。
これで多くのD6が単なるコレクションと化してしまっているのが実情。
よっしーのD6も、正にそのお仲間。
重い腰が上がったのがこの夏。
DD-5やらTC-D5Mの手入れを始めたところで
D6も何とかしたくなった。
それは良いが、とにかく難題。
ところがところが面白い物で、正にこの2017年の6月ごろ、他国において
このCP-602チップの解析をした人が居たのである。
*チップトランジスタ交換中の写真。
修理のための。それも途中で泡食って撮る写真なので
いつもにも増してピンボケなのはお許しを。
思わず、”インターネット万歳””立て万国の労働者”と言いたくもなるじゃないか。
細かい話は省略するが、これをやるにはまずチップ表面を覆う樹脂を剥がす事。
これはアセトンに浸けて置けばぷにょぷにょになって容易に可能。
そこでパーツたちとご対面。
後はそこに在るトランジスター一個と、念のためFET一個を交換すること。
…は、良いがこれらは小さい表面実装部品。
よっしーには大変ハードルが高かった。
しかし、いつかはやらねばならん事。
ジャンクパーツで練習を重ねた上でいざ本番。
やっとこさっとこ、何とかパーツ交換が出来た…
はずだが、チップを基板に戻して動作させてみるまでは成否はわからない。
元に戻してだめだと落ち込みも深い。
その場合はまた押入れの肥やしかい、D6君、と呟きながら
電池を装填してテープセット。
いざ!
…、な、なんと正常回転である(!)
直ったのである。D6は直った。
これまでは何を掛けても、”ワレワレハカセイジンデアル”
みたいな感じのヘリウムガス再生だったのがまともに戻った。
いやはや感激もひとしおというもので、感にいっている。
トータルではまだ問題が残り、完全には遠いが
取りあえず倍速回転でなくなっただけで
凄い進展である。
また記念日が一つ増えたと言っては大げさか。
9月13日
WM-D6。正常回転。
それは良かったが、あれこれ問題は残っている。
例えばワウフラ。
今時それは無いだろうという位ふらつく。
基本はゴムベルト。
これを甘く見てはいけないのであって、出来れば純正品が手に入ると良いなー。
他にもヘッドフォンだと右チャンネルが出なかったりとかある。
よせば良いのに調子に乗って弄っていたら、再び倍速回転が始まった(!)
もう真っ暗になって、やり直すべく基板に目を向けたらFGサーボからの配線が外れていた。
これじゃ暴走するはずじゃい。速攻で半田付けしたのは言うまでもありません。
それで定速回転復活で二日続けて感激出来たのだからおめでたい?
とにかくこれらの機材は半田面に無数の配線が走っている。
設計上やむを得ないのだが経年変化で簡単に半田から外れるから写真はいっぱい撮っておこうね。
ラインアウトは左右ちゃんと出るので音を聴くが、これはなるほどワウフラッターさえ直れば
一級の音だ。高評価も頷ける。
9月14日
このサイトを本当の意味で読んでくださっているのは
世界でおおよそ100名様くらいと思っている。
細かい分析をした訳じゃない。ただのカンだ。
その100人の人に向けてキーボードを叩くのじゃ。
さて、予てより何かとお世話になっている、とある方から大変貴重な情報を頂いた。
スイングジャーナル最新ステレオプラン’71に、なんとマトリックススピーカーの
作成記事があったというのだ。
ユニットはコーラル フラット6が二本(和信号用)
フォスター FE-103(16Ω)が二本(差信号用)
これをマトリックス接続。
ユニット四本が同一の物では無いこともそうだし、
差信号用スピーカーは側板に取り付けられて真横を向いて
その代わり反射板が取り付けられている。
この反射板の開き加減で差信号の強さ、拡がり方が調整出来る設計だ。
“例えばFM東京4chリスニングタイムの女性アナの声は
ただの2chで聴くと声が小さく歪っぽくなるが
この奇妙なシステムで聴くと、ボックスの後ろ、あるいは部屋の外から
話しかけて来るような不思議なムードが出る”
…という事で正攻法のマトリックススピーカーというよりも
一種の音場型スピーカーの様な仕上がりとなった様だ。
そして
“更にヘリクツをこねると103はフラット6に対してはドロンコーンとして働き
常に大振幅で揺さぶられている。
そこへ差信号が載るのだからこの差信号は機械的に位相変調を
掛けられているわけだ”
と続く。
この表現は後年は使われなくなったが
実際にマトリックススピーカーとしつこく付き合っていると
肌で感じる物だ。
ただしMX-9や10の様に和信号用キャビと差信号用キャビを
仕切ってしまうタイプではこの現象は起きない。
和信号用ユニットと差信号用ユニットは仕切った方が良いのかどうか?
これは一概に言えないし、それぞれメリットデメリットがあるという事は言える。
この様な事は実際に色々己で作って試してみないと
理解する事は出来ない。
いずれにしても、1971年の段階でこのような物が生まれていたことは
興味深い。
情報をくださったTさんにはこの場をお借りして
心より感謝申し上げます。
9月16日
いちいち書くことでもないが、ちょっと足踏み。
WM-D6も更に弄りたいが、慌てると壊す危険性があるので自粛。
マトリックススピーカーの本番作製も進まない。
簡単な筈なのでやってしまえば良いのだが…
理由の一つが、今のフランケンシュタインスピーカーが
充分良い音で鳴っているということ。
苦労して、これより劣る物が出来てしまう可能性もあるので
なんとも悩ましい。
マトリックス云々を抜きにして音が良い。
もちろんコントラバスマリンバの再生なんて無理なのだが
そういった事を除くと、これでなんの不満があるのか?という気分にさえ
なってしまう。
つくづく安上がりな性格である。
意外や意外。少々音量を上げても簡単には破綻しない。
破綻させようとムキになったら、それこそ隣近所との関係の方が先に破綻する?
もちろん99%は極小音量で聴いているのだが
聴いていて飽きない。
こうなると何か理屈をつけないとならない気もするが
段ボールがエンクロージャーとして優れているとか
ユニットが段ボールキャビにマッチするとか
こじつければ色々出て来る。
もうひとつがバッフルの面積。
510×360だから(奥行きは170)大して大きくないと言えばそうだが
ユニットに対しては充分広い?
案外馬鹿に出来ない要素かもしれない?
9月18日
祝・敬老会。
ビクターDD-5。凱旋?
メディアの主役はカセット。
それで正しいのだ!
皆さん来年もここで逢いましょう。
90歳以上の人口が200万人突破。
なるほど…
9月19日
WM-D6。
近年マレにみるワウフラという事で放っておくわけにもいかない。
基本。で、ベルト。
良くある話でこういう事(カセットの修理)をやっていると
ベルトが増えていく。
しかし幾らあってもピタッと合わないとどうにもならん。
ここで隠しネタだが、石川町のシンコー電気のレジそばには
ゴムベルトがブラ下がっているのだ。
お母ちゃん、元気かな?との思いもあって時々バイクを走らせる。
まあ本来は純正でないとアカンのだが、まあ取りあえずということで。
前よりは良くなったがサイコーではない。
何かとやりがいのある個体だ。
9月20日
断っておくが当分大した事は書かない。
(いつも?)
あまり頻繁に読みに来ない事をお勧めする。
ん?基板になにやら奇妙な物が。
ここに何故こんな物が…?
本当はここにあるべき物みたいだ。
どうもここ最近イジェクトの塩梅が悪いと思ったら…
フライホイールプーリーを外す時はスプリングに注意。
というのも留め金の端に、写真の様にスプリングの一端が引っかかっている。
どうでも良い事書くな、と言われそうだが
同じ事をやる仲間同士で、ひとつでも多く情報は共有しておいた方が良い。
9月22日
工作へと進むべきなのだが、その前に以前作った四本マトリックスが
気になった。
で、音を出してみるとこれが酷い。
あまりに変な気がしたので思わずユニットの結線でも
根本的に間違っていたのでは?と確認までしてしまった。
だが、どうやらミスなんて無い。
とにかく今日はこれを聴いて
段ボールマトリックスがいかに音が良いか
改めて思い知ってしまった。
一体なぜなのか?
詳しい事は後に譲るが、久しぶりにおったまげた。
9月23日
いや、しかし久しぶりに驚いた。
あまりの音の酷さに愕然。
…しかし考えてみると以前は”素晴らしい”とは言わないまでも
普通に聴いていたんだよな?
とにかく先入観その他を排除しようということで
全ユニットを抜き出して結線確認。
更にユニット一つ一つをバラバラに鳴らしてみたりと
フルチェック。
どうやら間違いはなかったようだが、
そのことが尚更ブルーな気分にさせてくれる。
しかもチェック中の音が、やっぱり旨く無い。
…なのだがややしばらくして、あるところでブレイクスルーというか
あっ!と驚くところまでは行かなかったが
急に音質改善?
やはりスピーカーというのは休ませてはいけないのか?
あるいは僕があまりに短気すぎるのか?
ただ、だからと言って段ボールマトリックスを超えるどころか
並ぶところまでも至らない。
その点については取りあえず諦めることとした。
ここで改めてマトリックススピーカーの結線について。
四本マトリックススピーカーでは図90の結線と図91の結線がチョイス出来る。
図でリアスピーカー扱いになっているのが差信号用ユニットと思えば良い。
差信号を強く出すなら図91の結線。
長岡先生のMX-1などはこの結線で発表されている。
図90の結線よりも図91の結線の方が差信号用ユニットの音圧は上がる。
ただ、アンプの負担を考えると図91の結線では16Ωユニットが欲しくなる。
だから普段は図90の結線に逃げる事が多かったのだが
今日は久しぶりにという感じで図91の結線に挑戦。
アンプによってはアウトだが、実際にはよっぽどの大音量にしなければ実用にはなる。
これで聴いて音はどうよ?
驚いてばかりいるが、これも驚き、アッと驚く広大サラウンド。
スピーカーから音が出ているとは思えない世界。
やったぜベイビー(古!)なのだが人によっては差信号過多と思うだろう。
そしてソースは当然の様に選ぶ訳で、位相差による拡がりを捉えた
ソースで無いとお手上げ。これは仕方ない。
…という事で作った意義が残った訳で、ほっと一息。
ただ、音質面では疑問も残るのが本当のところ。
250円秋月ユニットでこの形を作るのが良いのか?
また悩みが増えたのであった。
9月24日
日々疲れるので、だったらこんなもん書いていないで寝なさいという
説もあるが、一種のストレス解消なのでつい書いてしまう。
効果抜群の四本マトリックス。
それは良いが、さすがに差信号強すぎという感じで
風呂場の音場ならぬ、エコールームの音場みたいに思える。
そこで差信号用ユニットに行く配線に抵抗を入れてみる。
最初はその辺に転がっているというだけの理由で10Ω。
これはさすがに大きすぎるみたいで、音場が委縮する。
次に4.7Ω。
10Ωよりは全然良いが、ちょっとまとも過ぎる気もする。
そこで2.2Ω。
これがなかなか良い。
ちょっと風呂場的な所もあるので、3Ω台くらいに適切な値があるのかもしれない。
さて、この様な事をやっていると予てより頭の中にある思いが甦る。
それはマトリックススピーカーというのも
音場型スピーカーの一種ではあるまいか?という事。
もちろん、マトリックススピーカーの目指すところは、正しい音場再現。
しかし、正しい、とは何だ?
何をもって正しいとするのかはビミョーなところだ。
基本的には広がらないよりは拡がる方が好まれる。
せっかくのステレオ再生なのだから当然だろう。
そう考えると今の状態位の広がりは妥当。
なかなか面白いのだ。
9月26日
どうも無気力が続くと思ったら、要するに体調不良らしい。
本当に具合が悪くなる一歩手前に居た(居る)わけだ。
とっとと寝よう。
その前に一つだけ。
ウオークマンプロフェッショナル、WM-D6にはモーターの倍速回転という
持病があるという事は有名だ。
これはCP-602というチップが壊れる事で起こるのがほとんどだ。
このチップは一つのICとMOS-FET。そしてトランジスター
及びコンデンサーで構成されている。
だから、その構成部品が何であるか?さえわかれば
後は根性で直す事が出来る。
しかし、普通はわからない。
僕はたまたま某海外サイトで、それをやった人を見つけて
さっそく修理をしてみたところ成功した。
ラッキー。
…なのだが、今日気づいたが我が国でも
更に細かい解析を成し遂げた人が居たのだった。
しかもこの方の方がアップが早かった。
気づかなくってごめんなさい。
勝手にリンクを貼るのも考え物だが
WM-D6を愛する一人でも多くの方がこの情報をキープして
修理に成功して欲しいと思うので今回は貼らせて頂く。
ここをクリック。
9月27日
悩んだ末がこれですか?と言われたら
返す言葉もありません。
ま、良いじゃないですか。
またしても段ボールスピーカー。
ユニット六本のマトリックススピーカー。
まず、サイズその他は、原器MX-1と同じである。
深い意味は無いのだがMX-1は10cm用としては
ちょっと小さい気がしている。
8cmなら良いかと思った。
本当はもう少し大きくても良いと思うが、それはこれから
判断する事だろう。
まず、音質だが、やっぱりこれはユニットの違いと
言わざるを得ない。
秋月の8cmユニットは優秀なのを再々確認出来た。
マトリックスの効果についてはこれから書きたい。
自分でやっといて言うのもなんだが、
これが結構疲れるのだ。
もう少しのんびりやりたいと思う今日この頃。
9月28日
さて、音場。
これは実にバランスの良いサラウンド。
優等生的と言って良い。
萎縮する訳でなく、エコールームになる訳でも無く。
よし!上がり!
…でも良いのだが、馬鹿だから次々興味が沸く。
(だから疲れる)
ここで直近で効果の大きかった四本マトリックス。
図91の結線を試してみる。
元祖マトリックススピーカー結線となるわけで
六本あるウチの二本のユニットは休眠状態となる。
これでどうよ?
これも良いから困る(困らなくて良い)
敢えて違いを言うと後者の方がいかにも音場のリアリティがやや向上。
ただし前者の方が音の佇まいは自然。
そんな言い方となる。
ここで六本マトリックスの意味を振り返る。
これはまずバランスアンプの使用が可能。
マトリックススピーカーと言いながら
マトリックス結線をしないで差信号を生み出せるからだ。
そして8Ωユニットと16Ωユニットの混成とすることで
四本マトリックスの結線も、三本マトリックスの結線も自由自在。
これは単にユニットを六本にするだけでは駄目で
8Ωと16Ωというインピーダンスの異なるユニットを両方用意する事で
成立する技だ。
この変幻自在の面白さが優位な所でもあれば
ややっこしくて厄介と思えるところでもある。
実際よっしーは、これをやっていると頭の中がこんがらがって嫌になってくる。
自由度が高いという事は即ち不便にもつながるという矛盾。
人生そのものだ?
利便性とは別の観点で、マトリックススピーカーの
差信号用ユニットを、正相用、逆相用と二本配備して
差信号も空間合成では駄目なのか?という質問は、
例えばステレオ誌84年1月号付録の小冊子でも
訪問した読者から長岡先生に投げかけられている。
O「マトリックスなんですけど、左右のスピーカーはRマイナスLが
出ていますよね。
それを一つのユニットで出しているわけなんですけど
Rと-Lという感じではいけないんですか?」
長岡「それはどうかな。複雑になるばっかりだしね」
O「ユニットを最低六発入れる事になるんですけど」
長岡「それと、電気的に合成した場合と、スピーカーからの場合だったら、
これは随分違いますよ。
L+Rのみ電気的に合成してしまうと消えちゃうん部分があるわけだよね。
それをLとR別々に出すと両方出て来る。
(よっしー註:和信号の部分の解説と思われる)
LマイナスRの方(よっしー註:差信号の部分の解説)はどうかというと
消えなくちゃいけない部分が今度は消えないで残っちゃう。
かえって消しちゃった方がいいんだよね。
それと、低い方についてずっと楽なんです。
低域がキャンセルされて無くなるから。
ただし、レコードの反りには不利で、レコードの反りは元々逆相で
出て来るから。引き算じゃなくて二倍になって出て来ちゃう」
O「わかりました」
長岡「細かい信号を拾わなくちゃいけないしね。
ごく細かい信号になってくると、
今度はLとマイナスRのユニットで音が違うと思うよ」
…という事で簡単に言うとこの時長岡先生は六本マトリックススピーカー構想には
否定的。
ここで一言、「面白そうだから貴方がやってみて報告してくださいよ」
とか何とか言っていたらその後の流れも変わったかもしれない。
よっしー的見解を述べると、六本マトリックス(差信号は空間合成)の方が
良い意味でおおらかさがあって、それはそれで良い。
ユニットの数が増える事による音への影響だが
ユニットの数が少ない四本マトリックスの方が、装置に対してシビア過ぎて落ち着かないともいえる。
六本マトリックスの方が却って色々な意味でのバラつき(アンプの左右信号差とか)に
左右され過ぎないので、相手にしていて疲れない。
…という感じか。
結局四本マトリックスと六本マトリックスはどちらが良いのか?決着は着かず、
両方作って持っているのが良いという事になる。
9月30日
なんか変だな、と思ったら四本マトリックスの方の結線にミスがあったみたいだ。
お前の注意が足りないからだと言われたら
はい、その通りです。
しかしマトリックススピーカーの結線ミスというのは結構ある。
四本も厄介だが六本はもっと厄介。
長岡先生が六本版を修正作らなかった訳がわかる。
その四本マトリックス。結線ミスを正してほっと一息して
今日、たまには、と、いかにもマトリックススピーカーに不向きなソフトを
再生してみたら、盛大なる風呂場の音場である。
大幅に加工されたソフトを掛けているからだと思いたいのだが
もしかして又どこかに間違いがあるのか?
もういい加減疲れて来ました。
ただでさえ疲れているのにサ…