6月1日
止めて置こうと思うのだが、ついつい更新してしまう。
病気の一種だろう。
少し前からSP-10MK2の不調を感じるようになった。
無理もない。齢41歳である。
だがしかし、本体側の基板を見ると戦意喪失する。
集積度は高く、何がいけないってスルーホール基板だ。
道具その他身構えが必要だろう。
そこで、というわけでは無いが電源の方を先に弄る。
理由はというと、こちらは普通の基板だから。
そんな理由で手を付けるものでは無いし、本当はトラブルシューティングに乗っ取って
やるもんだ。
それは承知。
ただ、トラブルシュートと言っても簡単ではないし、最後は計器が必要になる。
随分悩んだが素人は素人らしく行こうと決めた。
まずは電源ユニットの電解コンデンサー交換。
…という辺りが本当に素人っぽい。
なんでも電解コンデンサーを取り換えればよいってもんじゃない。
ただ、素人なりに考えると、コンデンサーの不良は潰しておかないと
連鎖的にトランジスターやらICやらに悪影響が行くのは確か。
液漏れで基板パターン損傷なんてのも頂けない。
どのみち40歳ともなればやらない訳には行かないので
電解から着手。
目視も大事だと思うのだが、この機種のトランジスターなんか
立派だと思うのは、足が真っ黒なんてのは(ざっと)見たところ無い。
そこで、トランジスターを外して計測して、代替を用意して…
なんてのは第二次攻撃に決定。
で、電源ユニットを見ると、これは液漏れでしょ?なんて電解がある。
やっぱり最初はここから、ということでやってみた。
案の定三本ほど液漏れ的コンデンサーを見つけた。
ついでに半田は片っ端からやり直ししておく。
予防整備を兼ねる。
結論をいうと、これでは不調は治らない。
予想通り。
ただ、電源ユニット各端子からの出力電圧は正常という所までは
確認したので、SH-10Eについては(取りあえずは)疑わない事にする。
さてしかし、もう少し立派な半田ごてとか、小手先とか
ペンタイプのフラックスとかくらいは用意しないと
スルーホール基板なんか相手に出来ない。
ま、休み休みです。
6月2日
なるほどね〜
6月3日
変な所で慎重なものだから、分解して組み立てる、の練習をしている。
まあ、でも案外大事だと思うが。
ネジの位置。コネクターの通り方。収まり方。
もちろん基板の状態はしげしげと眺める。
目視では電子パーツの中の状態まではもちろんわからない。
でも、例えば液漏れなどはわかるし、素子の足の状態なんかから読み取れるものもある。
軸なんか変な事になっていたら嫌だな、と思ったが、見て触れる限りは大丈夫。
写真だと大げさに見える部分もあるが、実際には綺麗な物だ(と思う)。
で、組み上げて不作動だったら困るなーと緊張したが、ちゃんと回るので一安心。
…というか、取りあえず今のところ変な音揺れは無い?
開けて締めたら直ってしまった?
いや、さすがにそこまで甘くないだろう。
(実際ストロボは切れたままだ)
言い方を変えると、これくらいが手の入れ時。
本当にやばくなってからでは素人にはきついのだ。
電解コンデンサーは全交換(大した数じゃない)。
フィルムはその後、やるかやらないか?
トランジスターは下手に換えてしまうと面倒なので、抜いて計測して、そこで判断。
あ、半固定抵抗もやらないと。
なんて事を考えている時が幸せなのだ。
しかしSP-10MK2はやっぱり恰好良いなー。
6月4日
あるいは直っちゃったかな?という位調子よかったのだが
やはり、極まれに、回転が”うにょ〜ん”という感じになる瞬間がある。
はっきり言って気分が悪い。
色々考えるが、取りあえず電源ユニットをキチンとしようという事で
又分解して先日は手を付けなかった可変抵抗にメスを入れる。
取りあえず一つを外してテスターを当ててみると、実に数値が落ち着かない(汗)
これが全てとは思わないが、42歳の可変抵抗が劣化していない
なんて事は、やはりあり得ないのであった。
さてさて…
☆追伸:HMA-7300のマニュアルをお探しの方がいらっしゃいます。
お心当たりの方はよっしーまでメールいただけると幸いです。
6月5日
可変抵抗交換。
しかしパーツというのは40年間に随分小型化が進んでいるのであって
足が届かないとか、変な所で苦労することになるのだった。
改めて電源ユニットSH-10E各端子からの出力電圧を調整&測定。
もっとも、元より出力電圧自体は正常だったのだが
これがあるいは可変抵抗の劣化で瞬間的に揺れたりなんか
する事があったのではないか?…なんて想像するのだった。
心安らかに…、でもないのだがレコードを掛け続ける。
なにせ疑惑の目、ならぬ耳で聴くのだから馬鹿みたいだ。
こんな時こそオーディオチェックレコードを聴けば良いのだろうが
とてもそんな気分じゃない。
中断していたレコード虫干し、ならぬ、一応全部針を通してみようプロジェクトを再開。
なのだか南こうせつのレコードが続く。これは結婚した時かみさんが持ってきた物だろう。
しかしこれはこの際好適というか、大変心が落ち着く。
このおっちゃんが若い女性に大人気だったというのが良く分かる。
さて、これで直っていたら嬉しいのですが
ただ今ロングランテスト中
(別名レコード鑑賞中という?)
6月6日
SP-10MK2。もしかしたら直っちゃったかもしれない?
だとしたら大変結構なことである。
だからと言ってケース内にある基板には手を付けなくて良いのか?というと
それではいかんという気はする。
目視でわかるのは素子の足が黒くないとか電解が液漏れしていないとか
そこ辺りまで。予防整備も兼ねて、やるならやらねばと思う。
ただ、僕は自分の腕を信じていないので、下手にやって壊したら嫌だな、とかは考えてしまうのだ。
いわゆるオーバーホールを終えないと、本当の意味では安心して使えないのかもしれないが
売り物を作っているのではなく個人の持ち物なのだから、都度点検→整備でも良いわけだ。
それはさておき、DDの制御というのはなかなか難しいものなのだと改めて思った。
何を今更?
いや、まあ生産直後ならともかく30年40年と経てば素子の変化もあり、それらは動作を乱し
それが音にも載ってくるだろう。人間の聴覚とはかくもシビアなものなのだ。
よくDDはDDの音がすると言われて、僕自身はピンと来ないのだが、もしかすると劣化したDDを聴いて
ベルトやアイドラーの方が良いと思っているのかも?なんて思ったりした。
疑い出すと際限もないので止めておきたいが、どんな物も劣化はする。これは確か。
SP-10シリーズだと初代が一番安全だろう。
MK2はこれでもかとパーツが山盛り。これは開発当時にはやむを得なかったと思う。
MK2Aというのが後に出て、こちらは随分整理されている。
MK3は究極のDDの感があるが基板を外部ユニットに移したことが裏目に出たか、発熱その他の
影響もあって部品の劣化は進みやすい。
とどめにカスタムICの問題があって、おいそれとは手を出せない存在だ。
とかなんとか言ってもDDは日本が世界に誇るテクノロジー。良くぞこんなもん作ったと感心しきり。
使い勝手という面でも素晴らしい。特にSP-10MK2なんか瞬時に定速に入り、ブレーキでスッと止まる。
超短気人間にはやっぱり最高である。
願わくば本当に、取りあえずは直っていて欲しい。
SP-10MK2にはJP-501が(見えないけど)良く似合うと思う。
それからスタビも、なぜかテクニカのが似合う。
不思議…
ただ今カートリッジはテクニカAT-F3初代が活躍中。
6月7日
暇なヤツだとお思いでしょうが、ええ暇です。
いや、そうでもないか。時間が無いから燃える部分というのはある。
いい加減にFX直しやがれという声も聞こえて来る。いやいや、すみません。
愛車は相変わらずCB50のままなのだが、まあ良く走ること。
と言ってもツーリングなんて夢のまた夢で、近所の買い出しが99%だが、ブロロロロ〜と疾走するのだ。
高回転まで回る事、素晴らしい。気づくと12.000回転突破で、これは既にレッドゾーンだから本当は駄目。
ただ、油断すると回ってしまうのだから仕方ない。
吹き上がりの速さは2ストに遠く及ばないのだが、頭打ち無く回るという点ではこちらの圧勝。
本当に走るのは超高回転域のみだが、反面4.000〜6.000回転でもストレスは無い。これが4ストの良さ。
こう書くと大変乱暴な運転をしているように思われるかもしれないが、実際の速度はたかが知れている。
ただ、凄い走りをしているような錯覚を起こさせる。音、振動で臨場感抜群。
これに乗ってサトー電気に部品をちまちま買いに行くのである。
先日は思い切ってオーディオグレードの電解なんか買って、さて幾ら?と緊張していたら
なんと650円くらいである。実に平和。それで良いのだ。
(ちゃんとチューブラが買えてしまう辺りがサトーさんなのだ)
ついでにいうと原付CB50のランニングコストは限りなくゼロに近い。それで良いのだ。
6月8日
しかしヤフオクの出品者だってもう少しまともな写真を撮るわなー。
…置いといて。ヤマハAX-640である。
1990年発売。
…と、そこまではわかるがあとの情報がほぼ無い。
このネット時代に立派なものである。
バブル絶頂期だし、オーディオビジュアルに元気があったので
毎月リリースされる新製品がものすごい数で、その中に埋もれてしまったと
いう事だろう。
もう一ついうとヤマハは特に、なのだがこの頃AVアンプの方がリリースが多く、
ピュアオーディオプリメインは確かこの年も二台だけ。
その後もゼロではないのだが案外プリメインを出していない。
これは調べてみて驚いた。
更にヤマハからDSP-AX640なんてのも後年リリースされていて
検索掛けるとそちらの方がたくさんヒットするという。
名前の付け方に問題があるというか、生みの親もAX-640の事なんか
忘れていたんじゃあるまいか?と思えるくらいだ。
不遇のアンプ。
サイズは435W×139H×330Dと標準体型。
重量9kg。
身体に優しく、かつ軽すぎない。見事だ。
当時49.800円。
正体不明のアンプでもなんでもそっこーで音出ししてしまうのが
よっしーの凄い所だが、さすがに様子見ということで自作5センチダブルバスレフを
繋いでおく。
期待ゼロパーセントでCDを掛けてみて驚いた。
いや、驚いては失礼だが本当に驚いた。
実に立派な。豊かな音だ。
これは昨年だったか、同じヤマハのAX-700V辺りの第一音とはエライ違い。
AX-700Vは母体がAX-500という49.800円アンプの筈だから
ランクはほぼ一緒で歳の差二歳くらい。
それでこれだけ違うというのはバブルの成せる業か?
6月9日
AX-640だが本当に資料が無い。
こういう時燃える。あるいは萌える?自分はやっぱり変人だ。
そんなところで力むのだったら他の事をすれば良い?
正論である。しかし、こんな時、正論はどこかへ飛ぶ。
結果、AV FRONY 1990年6月号にやっと1ページを見つける。
レポーターは小林貢先生。以下端的にまとめる形になってしまうが…
まず、この時期はAVアンプがたくさんリリースされていて、ピュアオーディオ用プリメインの
発売が細くなっていたのがわかる。
少し前(1987〜1988年頃)は798アンプが花盛りだったが、あれは一般の人が使うには
マニアックになり過ぎた。
手軽に買える価格帯、5万円クラスに登場したAX-640だが2ランク上の機種にも負けない内容を持っている。
中低域にクラスを超えた厚みがあり、かつ中高域のクリアさや美しい響きを受け継いでいる。
…という事でテストレポートとはいえ紹介記事だから当たり前だろうが随分高評価だ。
最後にASTスピーカーにも対応云々と書かれているのだが、これについては又後に触れたい。
とにかくAX-640というのはなかなか優れものと、僕も感じるのだが一方でライバルも居た訳だ。
同価格帯でいえばマランツPM-50が45.000円。ビクターAX-S550が43.500円。
ケンウッドKA-5010が45.400円。ソニーTA-F222ESRが50.700円。
いずれもファンの残る名品達で、それらの中にAX-640は埋もれた感もある。
だが、多分負けることのない名器と僕は勝手に思うことにした。
しばらく付き合うつもりだが、まずはスキャンピークスの5cmユニットを使った自作ダブルバスレフで好結果が出たので
一気にG7などを繋ぐ前に、とコンコルド105を試してみた。
自作5cmであれだけ良い感じだったのだから…、と期待に胸を膨らませて音を出したが、どうも相性が宜しくない?
早々に諦めて自作5cmに戻す。するとこれが良いのだ。
偶然の出会いだろうが、事実だ。
6月10日
もうしばらく小型スピーカーで楽しみたかったのだが
時間もあまり無い。
G7をAX-640に繋ぐ。
予想通り、良い音だ。
ただ、G7は今の時代の水準からすると割と能率が高い。
深夜ひっそりと、という時ボリュームを限界まで絞ると
ギャングエラーが出る。
バランスコントロールで補正…
なのだが、これがなかなか微妙な作業。
ミューティングでも付いていれば使うのだが…
と思って気が付いた。
この機種にも、ヤマハの好きなコンティニュアスラウドネスが付いている。
ま、連続可変型のラウドネススイッチと思えば良いのだが
このコンティニュアスラウドネスの効きを強くすると
全体のボリュームが下がる仕掛けだ。
なんとなく詐欺みたいな(失礼!)ギミックだな、と笑っていたのだが
つまりこれを少し効かせればマスターボリュームは、そのボリューム角を上げられる。
つまりギャングエラーの無い領域でボリュームを使えるわけだ。
我ながら良い事に気づいた。今日は良い日だと気をよくしている。
お陰で快適、快適である。
6月12日
一応天板を剥ぐってみる。
掃除する前のショットだが経年を考えると大変綺麗。
メインの石は東芝の2SA1301と2SC3280かな。
ヒートシンクはしっかり鳴き止めされていて見事。
コンデンサー付近の接着剤の雑な感じは相変わらずだが。
このアンプOPアンプが色々出て来る。
プリ部はNJM5532SDと。
そして前後にバッファーが入っているのだがこちらは
(CDとチューナー入力に)μPC4570G2-T1。
プリを通った後にはまた同じOPアンプ。
あるいはこれらが音作りの肝になっているかもしれない。
電源のレギュレーターもプリアンプ用にはOPアンプが入っていてNJM78M15FAだ。
アンプの音は何で変わる?
色々な要素があるが(というほど多種ではないが)、OPアンプの交換なんてのは
かなり効果がある気がする。
まあ、しかし採用されているOPアンプ達もそれぞれ優秀な気がする。
それを差し替えて、果たしてどうなる?
その前に、ということで基本的な確認。
例えばCD入力とTAPE入力で音は違うか?
TAPE入力ではバッファーのOPアンプを通らない筈。すると音は違うはず。
だが、なかなか微妙な違いである。
CDダイレクトも同様。
果たしてそれでどれだけ…というのはある。
だが、このダイレクト、付けないと売れ行きに影響したのだろう。当時のアンプでは常備薬となっている。
そしてスピーカー端子。このアンプではA、B二組の端子があるがA端子はASTスピーカー用のカートリッジを
挿した時とそうでない時の兼用になっている。
今はG7を繋いでいるのだから余計な要素の無いB端子を使った方が良かろうと繋ぎかえる。
以上トータルで、確かに音は僅かに変わる。
ただ、僅かに、であって、隣室で聴いていても違いがわかる、なんてレベルじゃない。
実は他にもいくつかの事をやったのだが、終いにどうでも良くなった。
素のままには素のままの良さがあって、それを楽しめば良い。
ああでもない、こうでもないとやられて果たしてアンプは幸せか?
考えたら嫌になった。
AX-640。とにかく刺激的な音のしないアンプだ。
なにかしようと思っても、サラッと流されてしまう感じ。
これはこれで良いのだと思う。
オーディオマニアと訊くと、カッキンコッキンの硬質な音がすると決めて掛かっている女性も多い。
たまたまそういう経験を数回しただけだと思うのだが、一旦思い込むと、もういけない。
そんな人には喜んでもらえる音の筆頭なのが今回みたいな音ではあるまいか。
どこまでも優しく。何をしても怒らない。
理想の旦那様のひとつの形かもしれない。
6月13日
AX-640。
何となく鳴っていれば良い、なんて大人っぽい事も思ったが
どうにも気が済まない。
ムキになるいわれもないが、その美しいルックス。
そしてイマイチ無名な所が引っかかった。
改めてルックスだが昨年のAX-700VやA-200Xより断然良い。
実にノーマルな感じ。
ルックスというのは好みがあるから良いも悪いも無いのだが
他社比で、やはり洗練されていると思う。
そして名が無い。
後年の例でいえばSONY TA-F222ESJなど49.800円でMOSのシングルプッシュということで
長岡先生がご贔屓にした事もあって名が高い。
このアンプにはそういう事が全くない。そこが気に入った。
そこで改めて取り組む。
まずスピーカーだがG7に固定。
送り出しはCDに限定してDV-AX10。
設置はラックに入れてしまうと弄りにくい事もあって床の上。
…というのはさすがに躊躇われるのでTAOCのボードを敷いてその上。
取りあえず、この当たり障りの無さをなんとかするのが課題。
どうするか?と寝床でも考えておいて、まず電源コードから検討。
…と言ってもこの時代のアンプはACコード脱着式ではない。
切って取り換えるのはやりすぎ。
という事でオス⇔オスのケーブルでACアウトレットから電源を取るという
実に1980年代チックな手法に出る。
危険を伴うので詳しくは書かないが(調べればすぐわかる)、これをやると元の電源ケーブルの
先端に100Vが出ているのですぐに感電出来るというオプションが付いている。
だから元の電源ケーブルの先っぽにはメスのプラグをしてビニールテープでグルグル巻にしておくこと。
これをやらないと最悪感電死するのでそのつもりで。
実はオス⇔オスの電源ケーブルは作ってあった。
オヤイデで買ったぶっといケーブルでホースの様なヤツ。これに片側3Pのホスピタルグレードのプラグ。
そしてもう片側には防水仕様の2Pプラグを付けた物。
実に頼もしそうなのだが、ケーブルが大変硬質でおいそれと曲がらない。
取り回しに問題を感じて、せっかく作ったのにしまってあった一品だ。
これを使ってAX-640の音はどうよ?
これは変わった。レースのカーテンを剥いだかの様だ。
アンプの中を見るとわかるが、大抵のアンプはサービスコンセントを持っている関係で
電源ケーブルから一旦実にか細い配線を通ってトランスその他へ給電される。
だから電源ケーブルだけを交換しても意味はないという説も理解できるのだが
現実に音は変わる。
ただ、変わる即ち好みの音になるかどうかはわからない。
今回は効果があったということ。
次に…
6月14日
次に足。
あまりにも定番の弄りだが、このランクの機器の足はプラスティックモールドで本当におもちゃみたいなのが
一般的。AX-640ももちろんそうだ。
即ちダメと限らないが引っ掛かるのは確か。
TAOCのピンポイントベースまで引っ張り出したが、非現実的と思ったので結局は木片で三点支持として
元の足を避けて持ち上げる形に落ち着く。
これの効果は、電源ケーブルの時ほど顕著ではないが全く効果が無いわけではない。
ややすっきりしてくる。
足については、更にその下のボードやらラックやらとの関係があるので一概に語れない。
更に上にウエイトを付加するかどうかも関係してくる。
ただ、木片を挟むかどうかくらいの遊びはしても罰は当たるまい。数百円で済むので498のアンプには適切。
余談だがこのアンプ発熱は少ない。ただ、良く触ってみると電源トランス付近の下側だけは熱を持つ。
その意味では嵩上げして上げる事は通風。ひいては放熱の為にはプラスになる。
ここでスピーカーケーブル交換。
それまでは極細い赤黒ケーブルを使っていた。
正直ケーブルを太くすれば音が良くなるなどと1980年代的な事は考えたくない。
だが、現状で納得行かないとなると何か試してみたくなるのは心情。
そこで3.5のキャプタイヤに交換。
出たな長岡アイテムという説もあるが、残念ながら僕はキャプタイヤ信者でもなんでもない。
ただ、安くて太くて重いという意味では常備している。
どうかな?と思ったが今回は正解。
段々と主張を感じる音になって来た。
ここで一言、だがケーブルだってウオーミングアップは必要。
取り換えた瞬間で判断をするのはどうかと思う。
少しはお付き合いしないとね、という感じ。
もう少し高級なケーブルもあるが498のアンプに、そんな物使うか?と思うと躊躇してしまう。
以上で相当変わったと言えば変わったが、どこか限界を感じる。
ここでそろそろ…
6月15日
一旦、という事でアナログも繋いでみる。
GT-2000+WE-407/23+EPC-22HでMM入力。
PX-2+VC20でMC入力と両方聴いたが実に立派で驚く。
良く、この手のアンプのフォノはおまけフォノイコなんて言われるが、そんな事は無いんじゃない?
いや、凄く良いんですけど?僕の耳は安上がり??
と、アナログの部分は軽くまとめるつもりだったのだが、本当に優秀。
CDよりもアナログの方が…なんて、これまた前時代的発言はしたくないのだが
このアンプ、もしかするとライン系よりアナログの方がマッチしている?
6月16日
アナログが、ラインが、で思ったのだが優秀なこのアンプの泣き所が極小音量時のギャングエラー。
これは水準よりやや悪い。
もっとも、これはこの個体が悪い方へバラついている可能性もある。
あるいは僕が極小音量に拘り過ぎるのかもしれないが深夜ひっそりと…という時に困るのは確か。
コンテュニアスラウドネスを使って解決という変則技で対策していたが、これをやると随分音が甘口になるのも確か。
ここでリアパネルをしげしげと見ると、アクセサリーセンド&リターン端子が付いている。
何も使わない時はジャンパーピンで接続されている。
ふと思ったのが、ここに減衰器を挿入してしまえば良いのでは?ということ。
といっても大した仕掛けじゃない。要するに固定抵抗で適度に減衰してしまう=アンプのゲインを下げてしまう
という方式だ。
あっという間に作ってジャンパーピンの替わりに挿入。
一応マイナス13dBということで落とし過ぎかな?と思ったがそうでもない。
もっと落として。例えば20dB位落としてアンプのボリュームをグンと上げて使えるようにしても良い。
ただ、音質への影響を考えると、どれくらい落とすのが適切かはやってみないとわからない。
今回の場合で、深夜相当ボリュームを絞った時にも左右の出力差が影響しない範囲でのコントロールが可能。
一応の目的は達成したようだ。
それにしても、いつも思うのだが、どうしてアンプのボリュームというのはもっと上げた位置で使えるように
設計しないのか?
一説によると、一般ユーザーはボリューム角が浅い段階で、グンっと音量が上がるアンプを音が良いアンプと
認定する傾向があるというから、そのためか。
昔Lo-DがHA-630などゲインコントロール付きのアンプを出したりしたが、さして話題にもならなかった。
大変親切な設計と思うが、あるいはユーザーの方で使っていてトラブルが発生してメーカーが嫌になったか?
その辺は良く分からないが、どうも肝心なところで不親切なアンプばかりなのは気になるところだ。
今回のやり方ではCDダイレクトを押すとこのアクセサリー端子も飛ばされるので急に音量が上がって驚く。
自分で仕掛けをしていて驚いてはいけないが、つまり深夜でなければCDダイレクトを押せばこの減衰器はパスされるわけで
これは好都合。ただしCD端子以外はこの恩恵には預かれないのは言うまでもない。
6月17日
ということで快適な筈なのだが上記の減衰方法で、音質はイマイチ。
ボリューム角を上げられるのは良いが、どこか病院食を食べているような音になる?
ま、この種の問題は案外複雑で、本当はスピーカーケーブルに抵抗かませるのが良いとか
ボリュームの前に抵抗入れるのが良いとか色々だ。
また、減衰量によるところもあるだろう。
結局昔作った、別の減衰器をCDからのケーブルに挿入してほんの少し減衰。
これで良かろうということにした。
音はちょっとだけマイルドになる。
…って、気づけばAX-640の穏やかさを助長する方向に走った?
しかし、実はこれが正解なのだ。それぞれのアンプに個々の持ち味がある。
それを勝手に違う方向に向かせるのも趣味の一つだが、意向に合う方向で使うのが本当だろう。
という事でそろそろ終わりにしておきたい。
始めの内はAX-640をAX-640で無い何かに変えようとしている自分がそこにいた。
この上はやはり中に手を入れて、OPアンプ類の交換などしてみると、それは実現するかもしれない。
しかし、それこそAX-640がAX-640で無くなってしまう危険性があるし成功するとは思えない。
ひとつ心残りはASTカートリッジが無いのでAST(YST)スピーカーを繋いで試すという事が出来ないということ。
もっとも、ASTスピーカーを持っていなければどーにもならんので、これは何時かやれたら、ということになる。
あの時代のAST(YST)を是非一度は体験したいという思いがあるのだ。
6月18日
ふと気づけば1979年頃のA-5に始まり1985年頃のA-200X。1987年頃のAX-700D。
そして今回のAX-640と
ヤマハのローコストプリメインには縁がある。
で、なんとなくAX-700Vを引っ張り出して重ねてみる。
わかっては居たがサイズはもちろんコンストラクションもそっくり。
スイッチの位置なんか瓜二つ。
手慣れたやり方ということだ。
デザインというのは好みがあるからどちらが良いも無いが、やはりAX-640の方がバランスが良い。
AX-700Vは敷地面積に対してスイッチ、つまみが大きすぎる。
中を見ると基板その他の在り方もそっくり。
敢えて言えばリレーの位置だとかヒートシンクへの対策など、後発のAX-640の方が優れているのは
わかる。コストの掛かり方も少し違うのだと思う。ただ、足だけはAX-700Vの方が知恵がある仕様だ。
AX-700Vにあって640に無い物は内蔵DACである。
逆に640にあって700Vに無い物はASTカートリッジスロットだ。
それぞれ時代を反映していて面白い。
AX-700Vも音を出してみようと思って接続。
久しぶりに聴くのだが全体的な傾向はAX-640と似たところがある。
当たり前か。同じ親から生まれた同系列機なのだから。
ただ、やはりAX-700Vは、どうも投げやりというか本当に仕事が雑な感が否めない。
コピーした資料の角はきちんとそろっている方が良いんじゃない?と言ったら
フンっとそっぽを向く。そんな感じだ。
この辺が640だと育ちが良いというか仕事にソツが無い感じになるから面白い。
どう考えても上司の覚えは640の方が良いなー、なんて思いながらしばらく聞いてふと思った。
そう、700Vの方は内蔵DACを使った方が音が良かった記憶が…
ここまでプレーヤーはDV-AX10を使って来たのだが結線の関係でCD-10にチェンジ。
これのデジタルアウトをAX-700Vに導いてみると…
これは激変としか言い様がない。やっぱり。
まるで別物と言って過言ではあるまい。
全ての要素で内蔵DAC経由の音の方が良いのだ。
うむむ…という感じだが、半年前に自分で書いた事を思い出す。
DACとパワーアンプをインテグレートな感じで結合させる事は、やはり大変なアドバンテージになるのではないか?
ということ。
AX-700Vの内蔵DACが取り立てて優秀とは思えないし、時代的にも相当古い物であることは確か。
それでもDV-AX10のアナログ出力を700Vのアナログインで受けるよりも遥かに良いのだから
そうとしか考えられないではないか。
…ここ数日、アンプの音は何で決まるか?ローコストアンプの音をより良くするにはどうしたら良いか?
などと、つらつら考え書き出しても居たのだが、内蔵DACを使った時のAX-700Vの音を確認したら
なんだか馬鹿らしくなってしまった。
反則を使われた気もしたが、要は結果だ。
ちょっと脱力しつつアナログ接続でAX-640の方の音も聴く。
やはりアナログで導く場合は640の方が少し優れている。640の名誉も守られた訳で
それは良かった。
6月19日
アンプの使いこなし、なんてのは永遠にそれで飯が食えそうな、
業界としては不変のお題の一つだろう。
そう、それは毎年六月号になるとエアコンの点検修理を取り上げるオートメカニック誌の如く…
さて、アンプの使いこなしと一口に言っても色々だ。
取りあえず天板を開けたりしない範囲。つまり内部に手を突っ込んだりするのは
雑誌では(雑誌によるが)取り上げられない。危険だからだ。
そこで外から、となる。
それぞれ意味はあるが、その辺にだけ過敏になるのも考え物。
ウエイト…はあまり考えたくないのだが変化があることは認めた方が良い。
実際、今目の前で鳴るAX-640は拙宅に来て以来では一番良い音を出しているが
これは上にAX-700VやCD-10を載せたが効いている分もあろう。
合わせて15kgくらいが載っている。多分、適切な重量だ。
ただ、特にCDプレーヤーをこんなところに載せて使うもんじゃない。
これを書いている今は隣にTAOCのボードをもう一枚敷いて、そちらに移動している。
さて、それよりなにより超基本的な事なのだが、機器にはウオーミングアップが必要だということ。
実は僕はこれが大っ嫌いで。というか歳と共に嫌い感が強くなった。
毎回毎回、ある程度通電しないと真価を発揮しません、なんてのは欠陥商品ではないかと
突っ込みたくなるのだ。
昔は熱くなるアンプは良いアンプ、なんて単純に思っていたし、チンチンに熱くなるくらいでちょうど良いとか
無茶苦茶な事を考えていたことを告白する。
ただ、近年特に被膜の後退した電解コンデンサーなんかを目の当たりにするようになると
アンプは冷やさないといかん!なんて宗派替えをしてしまう辺り単純だ?
さて、だがしかしある程度真剣に音に向かうとなると、やっぱり通電しておかないと。
それも無信号ではなく、音楽信号を食わせておかないと…となるのだ。
実に癪に障るのだが、実際あらゆるファクターで1時間、2時間経った時と、そうで無い時とでは
音が違うのだから仕方ない。
ローコストアンプだからその辺は良いでしょー、とはならないのだ、絶対に。
温度管理というのは二面あって、熱くさせ過ぎないというのもあれば冷やし過ぎないというのもあるのだろう。
手早く温めるためには、温まるまで通風孔を塞いでおくなんてのも良さそうだが
塞ぎっぱなしにでもすると、それはそれでダメージが大きくなるから怖い。
これはアンプの温度管理以前に自己管理が出来る人しか考えてはいけない。
今回面白いのはAX-640は全然熱くならないのにAX-700Vはかなり温度上昇すること。
そういえばAX-640はアイドリング電流の調整をしたけど700Vはあの時やったっけ?
それにしてもこれだけ違うという事はそもそもの設定が違うのだろう。
700Vは熱くなるヤツなのだ。
もうひとつ書くと、日々の通電の他に、毎日コツコツと使うのも大事。
その証拠にAX-640は最初に家に来た時と比べると随分しっかり鳴る。
電源ケーブルももとに戻してしまったし、変な減衰器も外してしまった。
あれこれやる前にしっかり使え、が基本?
どーもすみません(汗)
6月20日
やってしまった。
AX-700Vのアイドリング電流を見ようなんて思ったら
テスター棒を滑らせてショートをさせてしまった(!)
当然プロテクトが掛かって音は出ない。
フューズが飛ばなかっただけありがたいと思えという話しだろう。
目下必死に修復中だが、直るのだろうか?
とても暗い気持ちになる。
気を取り直してAX-640に向かうが皮肉なほどに絶好調。
途中から出て来たCD-10。これが案の定AX-640と相性が良い。
ここはやっぱり、ちょっと押してくれる奴が欲しかった。
予想的中でAX-640は今、謳っている。
更に…なんてCD-10とAX-640を結ぶケーブルを換えてみたり、
AXもスピーカー端子はやっぱりBを使ってみたりなんてやっていると
いかにもオーディオやってる気がして楽しい。
さっきはCD-10の脚を裏返して四点ピンポイント設置。しかもスパイク受けで受けるなんて
事をやったりした。まるでマニアである。
今出ている音に大変満足なのだが、ちょっと考えてしまう。
何しろ498のアンプですよ?
ちょっと驚く。
だが、技術を蓄積してきた大メーカーの力をなめてはいけないのだ。
498というとマニアのオーディオではローエンドに近いが、こんな物498でリリース出来るのは
大メーカーが出しているからだ。
中を見てスカスカと思うのはまだ未熟な証拠。
空気もパーツの内。ぎっしり部品が詰まっているのはお子様向き?
温度上昇がほぼ無いのも素晴らしい。こうでなくてはいけない。
久しぶりに悩んでいる。
俺は今まで一体何をやって来たんだ…
冗談抜きにそう思わせる音がAX-640から繰り出されるのだ。
当分これ固定で良いくらい。
(AX-700Vも必ず復帰させる!)
6月21日
とても困った気分なのだが、本当にAX-640は満足の行く音だ。
このままだと他の機器がオブジェになりかねない?
困惑するのだが本当に音を出すのが楽しくて仕方ない。
そして、ごめんよAX-700V。僕がドジなばかりに…
詳細は後日だが、一応取り換える物は取り換えたつもり。
僕のレベルだと、後は火入れして確かめるしかないのだが
その勇気が今日は沸かない。
後一晩二晩待っておくれよ。
6月22日
人も羨まないローコストアンプでご満悦とは、つくづく僕は安上がりだ。
ただ、良いぞ。これはどうしよう。
という事でいい加減飽きて来たのでソフトネタ。
これはアナログ、岩崎宏美さんのベストアルバムだ。
箱入り三枚組で108円ということで買ってきた。
というか、僕は本当にこの手の物に縁が無かった。
先だって河合奈保子さんのを買ったのが初めてという位だ。
ファンの方には悪いが岩崎さんを拝んでも、その意味ではまるでピンと来ない。
ただ、黄金期の作詞作曲陣+歌唱力のある歌い手+ゴージャスなバックということで
こういう物にも馴染まないと、と心を新たに買ってみた次第。
だがしかし、やっぱりこれは疲れる。
全ての要素で素晴らしいのを理解しつつ、しかし、そのすべての要素で疲れてしまうのだ。
昔渋谷陽一さんが”産業ロック”という言葉を使ったが、これもまた産業音楽なのだと思った。
素晴らしいのだが、その素晴らしさについて行けないのである。
真逆の一枚という意味でこちら。以前にも出ていると思うが小山卓司さん。
「himawari」と「VANISHING POINT」である。
これらはアナログも出たはずだがCDで持っている。
音だが、以前は気づかなかった良さがわかる。
キチンと録られているし、なにより展開する世界が岩崎さんとかとは正反対?
30年前からこういうのが好きだった人が岩崎さんというのは無理があったか。
岩崎さんごめんなさい。私がいけないのです。
*AX-700V。もう取り換えるパーツも点検するパーツも無いかな?
でも、まだ電源入れる勇気が出ない…(汗)
6月23日
AX-700V。リレーが繋がった、の図。
良かった…
まだやることは残っているのだが、峠は越した感じ。
書くことはいっぱいあるが、それは又。
6月25日
負け惜しみ半分だが、人間何かないと本当の意味での勉強はしない。
トラブルがあって初めてする学習というのは絶対にある。
AX-700V。全くもってどうしようもない不注意で壊しちゃってごめんなさい。
結果的には片チャンネルのパワートランジスター一個破壊。
それにぶら下がる抵抗一個破壊。
ドライバー段のトランジスター一個破壊。
そういう範囲だった。(壊れたトランジスターは両方とも2SAだったから連鎖で逝っちゃったのね)
これくらいで済んでありがたいと思えという感じ。
壊れた部品を特定するためには、多数の部品を外してチェックする訳で、半田と仲良しの日々となった。
それでもAX-700Vなんかパーツが少ないからこれで済むが、規模的に大きなアンプだとそう簡単じゃない。
今はネットに修理事例も溢れているから、趣味の一つとしてジャンクアンプを手に入れて、よし俺も、
と思う人も増えているが、読むとやるではかなり違うからおすすめはしない。
どうしてもやるという場合、壊れてはいないアンプの半田補正やらパーツ交換あたりからやるのが現実的。
出来れば二台同じアンプを手に入れて、比較しながら直すのが吉。必然的にローコストプリメインあたりになるが
それで良いのだ。
…とかなんとか言いながら、よっしーが初めて修復を試みたのはパイオニアM-22だったし
Lo-D HMA-9500MK2なんか最初っから壊れているのを手に入れて、直したい一念で取り掛かってしまった。
偉そうなことは言えないのだ。
それでも苔の一念というか、わからないなりにやっていると少しは進歩する。
パイオニアM-22なんか相手にした時は本当に五里霧中で、小学生がリアルお医者さんごっこで外科手術を
してしまったみたいな感じだったのが20年掛けてちょっとだけ前進。
ただ、未だに電気はよくわからん。
でも、この、よくわからん、のに努力している内が多分一番楽しい。
バイクも車も同じである。
ちょっとだけ学習した。そんな頃が幸せなのだと思う。
自慢じゃないが電気はよくわからないし回路は不可解だ。
ただ、文系なりの理解の仕方とチェックの仕方を編み出す。そんな段階が楽しいのだろう。
6月26日
それにしても改めて、AX-700Vは中を覗けばシンプルそのもの。
これ以上ないくらい部品も少ない。
…と思うのだが例えばパワー段にはヤマハお得意のALA(Absolute Linear Amplification)が採用されているという。
どこにそんな物が…?と思ってしまうが、別にALAと書いたカスタムパーツが搭載されているわけでは無いのだ。
そういう工夫がなされた回路になっている、というお話し。
゛プリドライバ段中点電位と出力段電位を差動検出し,なおかつALAの利得を1として出力
段で発生した歪み成分をことごとくキャンセルしようとするもので,1Ω負荷ダイナミックパワー時においても歪
み成分をキャンセルする”らしいが、基板を眺めても回路図に見入っても僕ではちんぷんかんぷんだ。
ただ、これに先立つアンプ達にヤマハはZDRという回路を採用していた。
これははZero Distortion Ruleの略で歪み低減方式の一種。
出力の一部を逆相にして入力側に戻すことで歪みを低減するNFB方式の害悪から逃れようと各社
NFB以外の歪み低減方式を盛んに発表していた時期だったのだ。
基本的な考え方としてはは,アンプの入力信 号と出力信号を比較して歪み成分を検出し
(入力信号と出力信号を同じレベルで逆相加算することで検出)
こ れを別のアンプで増幅して出力側で逆相にして加えることで歪み成分をキャンセルするというもの。
ヤマハのZDRの場合は,歪み検出回路がブリッジ接続され,リアルタイムで検出した歪み成分を入力電圧に
同じレベルで同相で加えることによりあらゆる歪みをゼロにするということ。
ALAはZDRの発展型ということか、これ以降のアンプにはALAが謳われることになる。
このような回路技術というのは一度開発されれば、ローコストアンプにまで一気に採用されるのが世の常。
何故なら流用した方がメーカー全体のコストは下がるからだ。
ローコストアンプ用に、なんて別回路を考えたり組んだりする方がよっぽど高くつく。
では、アンプの音は何で変わる、というスルメイカ的お題に戻してみると、やはりパーツを換えてみるとどうなるか?
という風に興味が沸く。
定数を変えることなく、パーツの銘柄を換えるだけでも音は違うはず。
いや、あるいは優れた回路はパーツの銘柄の変化などのみ込んでしまうのか?
これは実証してみないとなんとも言えない。
もちろん、壊さない様に注意して…だが(汗)
*今回犠牲になられた方達。
抵抗が黒く見えるのは持ち歩いている間に汚れた物で
ショートでここまで焦げたわけではない。
6月27日
ところでAX-700V。今回実は既に非純正パーツが入ってしまっている。
それは何かというと終段の石だ。
元は2SA1301と2SC3280の組み合わせなのだが、片チャンの2SA1301を破損させてしまった。
そのまま取り換えるのが吉、なのだが面白くない。というより廃品番なので安くない。
代替でいけないか?と考えた時、サンケンの2SA1386Aと2SC3519Aのコンプリに行き当たった。
LAPTである。
なんだか音が更に良く成りそうではないか?(笑)
とかなんとか言いつつ、LAPTの何たるかを完全には把握などしていない。
ただ、この石なら簡単に手に入るし、何より安い!
一台分買っても、元の石を買うより安いかもしれない。
ということで挑戦してみた。
挑戦は良いが終段を換えたばかりにアンプが火を噴かないか?あるいは猛烈に加熱したりしないか?
と完全に素人臭い事を考えたが、それは杞憂に終わったようだ。
本当はもちろん左右チャンネル同じ石で揃えるのが筋だが、過程を楽しもうということで取りあえず
壊した片チャンネルの方をLAPTコンプリペアにしてみた。
そんなんで良いの?と我ながら思ったが取りあえず出て来る音はまともなのである。
オーディオってこんなに大雑把なものなの?
ま、オマエノミミガコワレテイルカラダと言われたらそれまでだが…
6月28日
町内会館に行って来た。
カラオケの音が出なくなっちゃったから見て欲しいという事で出動。
原因は?というと誰かが適当に配線弄っちゃったな、という感じ。
ま、それはさておき試験的にレーザーディスク+マイク音声を出してみると
これが実に良い音がする。
まあ長岡スピーカー。共鳴管が鎮座する町内会館。それでカラオケが行えるなんてのは
全国でも数少ないと思うのだが、それにしても我ながらよく鳴っていると感心。
長岡スピーカーにはそんなのがお似合いさ、と言われるかもしれないが、これはやっぱり良い良い。
僕がそう言っているのではなく、同行(依頼者)のYさんも嬉しそう。
カラオケ大好きでお店も含めてあちこち行くが、ここの音が一番良いということでお褒め頂いた。
良い音の定義も色々だがベストマッチでネッシーは会館に棲みついている。多分永住だろう。
で、それだけで終わると良かったのだが、ついうっかりCDプレーヤーを持って帰ってしまった。
元々僕の持ち物なのだが、色々イベントをやる時使うのに持って行ってあった。
半ば忘れ掛けていたのだがヤマハCDX-620。
おお!AX-640とペアになるプレーヤーがこんなところにあったか!と持って帰って来て気づいたが
これはCDX-620だから、AX-640とペアならCDX-640で無ければ駄目だ(汗)
でも、まあせっかくだから鳴らしてみるか、と思ったのだが、このプレーヤーも10年弱前に拾ったもので
確か音飛びがしたはず。
…ディスクを入れてみると案の定だ。
しかし当時と腕が違うというか、ピックアップ裏の半固定抵抗を適当に回したらばっちり?
もちろんある程度ロングランテストしないといけないが大丈夫そうなのでAX-700Vにアナログ接続。
ところがこれが音が良いから嫌になりそうだ。
6月29日
六月後半。とても幸せな日々が続く。
一方で、これで良いのか?と懐疑的になる。
なんて安上がりなヤツだと自分で呆れるが、AX-700V、AX-640。CDX-620でなんの不満も無いと思えてしまう。
これらは全部ゴミに出されていた物で、本当はとっくに廃棄されて然るべき状態だった。
(念のために申し添えるが違法な持ち帰りとは全然違う)
CDX-620は過去の日記を読み返して気づいたが、よっしーの部屋が子供たちに明け渡され
オーディオする事が出来ない時期に拾ったものだった。
音飛びをしていて、その時もピックアップ裏の半固定抵抗を弄ったのだが、上手く行かなかったのだった。
それも今回はほぼ一発で調整終了。SACDハイブリッドもちゃんと読んでいる。
音だが大変良い。しなやかで本当に聞惚れる。
18bit動作のDACを二つ搭載。
デジタルフィルターは8fs×18bit。
これでも十分と思うが、更にハイビットデジタルフィルターを搭載。
25次+41次+21次の高精度デジタル演算でローパスフィルターをパス。
これはフロントにあるスイッチで使い分ける事が出来る。
これがあるから高音質…という訳でもなく、ハイビットスイッチを使わずとも、良い音はする。
価格からして電源トランスはデジアナ共通で一基だし、その辺の限界はあると思うが、
聴いて寂しい音などでは全然無い。
やたらプログラミングが豊富だったりするのはこの時代(1989年頃)のトレンドだろう。
ディスプレイも華やか。煩わしく感じる人もいるかもしれないが、さすがYAMAHA。美しい。
音は超冷静に聴けば、ちょっとだけ大げさ気味に鳴る低音。少しだけロールオフ気味の高音という感じもあるが
特に通常の音量で聴く分にはかえってそこが良い感じ。
思えばヤマハのマルチビットもここ位までで、'90年代に入ると足並みそろえて1bit路線へ向かった。
マルチビットが良いか1bitが良いか?などという短絡志向は意味が無い。
ただ、今となるとマルチビット機に希少性が出て来るから面白い。
6月30日
さて、AX-700Vの終段の石。
片側LAPTでも良いのだが(良くない?)、当然両チャンネル分買って来てはあるわけで
いよいよ残りも交換となった。
それで音はどうなる?
期待は高まる。
結果を言うと大変よろしい。
ただ、片側換えた段階で相当良かったので、この辺がオーディオの不思議ちゃんなところだが。
しかし左右そろえて悪い事はもちろん無い訳で、色々な意味で更に良く成る。
というかAX-700Vが700Vでは無くなったようなまとまりの良さを発揮し始める。
これまでの700Vは、特にアナログ接続で聴く場合、どうにも仕事が塩対応というか
五時になるのを待ちわびるOLさん風な所があった。
それが一掃された。
おいおい、こんな仕事出来るんだったら初めからやれば?みたいな。
退職直前に急に本当のポテンシャルを発揮した女子社員みたい。豹変といっても良い。
面白いのはアナログ接続の音が顕著に良く成ったので、内蔵DACの立場が急に危うくなって来たところ?
いや、依然内蔵DAC経由の良さもあるのだが、例えばプレーヤーがCD-10だと、やっぱりCD-10のDACを普通に
使う方が少し有利なのがわかる。
それくらい全体のクオリティがアップしたという事だろう。
こうなるとAX-640の立場も危ない。
元よりお嬢様的な640と、やんちゃな700という感じだったのだが700が元気の他に折り目正しさを
身に着けたとなると、一般的にはこちらの方が良いと判断されがちだ。
今後の展開だが(まだ続くのか?)、LAPTは四組買って来たので640も弄ってしまうというのがある。
ただ、それだと訳がわからなくなるので、とりあえず640には素のままで居てもらって
700の方を研究対象にしようかと目論む。
とかなんとか言っている内に6月も終わってしまう。
考えてみると幸せなお話だ。
アタッチメント持っているんだったら無精せず使えというお話し。
更に万一に備えて近辺をビニールテープで養生。
最初からこれくらいの慎重さを持つべきです。
アイドリング電流はこんなもん?
一応元の石の時と数値も変わらないし左右も揃っているので
半固定抵抗は回していない。