12月2日

昔(
中学生の頃)、アンプはスイッチが少ない物ほど優れているのだと
思い込んでいた。

オンキョーの
P-303なんか良いなーと思っていた。
デザインとかは
今でも良いと思っている。

デザインはさておいてスイッチは少ないほど良い。
これは年老いたアンプを絶えず面倒みている
オーディオ介護職のよっしーが言うのだから間違いない。(ある?)

冗談抜きに接点は少ない方が良い。接点ほど不確かなものはない。
だからスイッチは少ない方が良い。
ただし各種コントロールが揃っている方が良いとも言えるので
この辺は悩むところだ。

だがしかし、中学生の頃
不思議だったのは
これだけ色々な物を省略しようとしながら、
どのアンプにもバランスコントロールは
ほぼ確実に付いているということだった。

こんな物が必要なのだろうか?と首を傾げていた。

なにゆえのバランスコントロール?

しかしなるほど、アンプもそうだが接続される物達だって
絶対に左右出力差が無いとは言い切れない。

部屋の条件の違いをバランスで補正…は、ちょっと考えたくない。
そこまで左右の条件差がある状態で音を出すのは気持ちの上で引っ掛かりがある。

さてしかし、バランスコントロールが一番必要になるのは
小音量時にどうしてもアンプの出力に偏りが出る場合だろう。

これもアンプによって(個体差あり)顕著なケースと、
そうでもないケースがある。
拙宅では
SY-88AX-700Vは相当絞っても大丈夫。
だったが
AU-D707Xはそうもいかない様子。

G7もぽんせんべいも
能率は高めだ。
これを小音量で鳴らそうとするところに
既に間違いがあるのだが
大音量こそ正義とはしたくないので意地になる。

もう一つ、AU-D707Xなんかだと
ミューティングスイッチも使いたくなる。

このミューティングスイッチというのも
是非が問われる物だが
アンプのゲインやらスピーカーの能率やらを考えると
使ってみたくなるケースもある。
実際本日のよっしーの部屋がそうである。

アンプのボリューム角は
ある程度上げて使う方が良いという見方もある。
ところがそれが儘ならない事も多々ある。

するとどこかで
ゲインを落とせないかと考えてしまう。

セパレートアンプでメインアンプにボリュームが付いている場合は
割と話が簡単。

ボリュームを二度通すというのは嫌がられるものだが
使い勝手という意味ではあった方が
遥かに便利

ところが拙宅で入力ボリュームが付いていて…となると
QUAD405-2位しかない。

するとプリとメインの間に抵抗を入れて
減衰器…というのもたまにやるが
結構煩わしい。

だったらプリ、またはプリメインの
ミューティングを使うのが一番

…だと良いのだが、これが何故か入れると
音が死ぬアンプが多い。

この辺こそお金を掛けて欲しい気もするのだが、どうも
おまけ的なアンプが多いのが
残念。
その点
AU-D707Xは割と優秀。これは良心設計と思う。

では、と小音量観賞用にと安易に
小型低能率スピーカー
考えると、これが
案外

これまでの所
小音量再生でもベストなのはぽんせんべいだったりする。

小音量でもなんでも実に音が生き生きとしてぶっ飛んで舞い踊っている。

超巨大、軽量振動板
ヤマハさん、復刻しない?

もっとも、このような物で良い音だと喜んでいるようだと
マニア指数を疑われることだろう。


12月4日



何となく
テーマが欲しいと思った。

で、12月。年末と言えば大掃除。

オーディオも大掃除?

物は試しでやってみたが続くだろうか?

手間は大変掛かる。

オーディオ装置というのも思った以上に汚れるもんだ。

特にアンプなんかは手が触る事が多いから
手垢で汚れる。

冗談抜きに
白い手袋して触る方が良い。格段に違うと思う。

僕はそこまでやる気にならないからフツーに掃除をする羽目になる。

上の
AX-700Vなんかは実に綺麗で楽ちんな方。
これはこのアンプが
ほとんど触られなかった証左である。

ま、何でも良いが掃除は気を付けて。
やりすぎ厳禁。フロントパネルのシルク印刷なんか剥がしたら
取り返しがつかない。

最低限の液体と、
シルコット、綿棒、爪楊枝なんかで手入れする。

こういうことをやっている時、言い様も無い
せを感じると同時に
自分という人間のスケールの
ささを痛感する。

ま、いいじゃないの。幸せならば。


12月5日

余計な事を言ってしまった感があるが、
お掃除は大切という事で少しやってみた。

大きなものから小さな物まで、動かす力は
ヤンマーディーゼル

ということで大きな話から行きたいが、逆に
かいお話し。



接点はいつも綺麗に。なのだが案外儘ならない。

まあ新品ならまだ良いが、よっしーの部屋にあるのは
皆さんお歳を召した物達ばかり。

本来光るべきところも
くすみが目立つ。

という事で
何かと気を遣う。

写真は
DP-1700の出力端子。

春に来た時に一通り磨いたが今回更にリフレッシュ。

さて、この種のプラグで、実際に接触をするのは中央のピン(+)と
外周の、その
内側(−)。だから外側がピカピカでも仕方ない。

ところが経験者にはわかるが、この「内側」というのが実に磨きにくい。

専用のツールも出ていて、宝くじでも当たれば買いたいが
ドケチとしては手を出せない。

となると綿棒の芯を更に削って、ラッピングコンパウンドで、
となるのだが、それでも危険はあるし、何かと面倒だ。

なので今回は
シャイネックスを使ってみた。

結果は良好。
下手にどこかがピカピカなどということはなく
ほどほどに光ってくれた。

これで良い。高齢者に劇薬は危険




ということで細かい作業もいっぱいなのだが
大局を見極めないといけないのも確か。

さすがに写真は撮っていないが、年末という事でラックもスピーカーもずらして
窓、壁、床を掃除。

抜いただけで背面に転がっていたケーブルなど(汗)回収。

で、そんな事をやりながら音を出して、
時にはリスニングポイントに。

掃除に専念しろ?

いや、実はこれが目的というか日頃当たり前にある物達を
除去してみたら
音はどうなるか?という興味で始めたのでした。

さて、どうか?

あるいはスピーカーの周りから、物は除去した方が良いのかも?
と思わせるところはあった。

音の
伸びやかさに違いを感じる。

これは悩むが
結局元の状態に戻した。

理由はいくつかあるが、現状ではこの置き方が最も
心が落ち着くからというのがある。

オーディオは音が命だ。そのためにすべてを捧げよ
というのは間違いではないというか正しいのだろう。

しかし僕のようなひねくれ者は、どうも
そうした一生懸命さを
持つ事が出来ない


凡人は凡人らしく、が、よっしーのモットーなのだ。


12月6日



相変わらず酷い写真だなー。ま、勘弁。

それもそうだけど、こんな風に機材を
積み重ねて使うなんて
やっぱりよろしくない。

…のだが、こんな
風景に無上の喜びを感じるのも確か。子供だー。

厳密に言うとAU-D707Xの上にAX-700Vがあるだけで音はちょっと変わる。
この位置に物があると
れるみたいだ。
だから本来は
どけないといけない。

取りあえず
今夜はこのままで…

もうAX-700Vは良いだろう、と思っていたのだが
AU-D707Xの
フォノが不調
これはポチさんからお譲り頂いた段階でフォノ未整備という
前提だったので、よっしーがやらないといけない箇所だ。
やっぱり707Xはもう一度
分解される運命の様子。

それは楽しいのだが
れているのも事実。
早く
るべきだな、これは。


12月8日



たまには普段やらない事をしてみようという気持ち。

人間というのは放っておくと
知らない内に保守的になるものだから。


12月12日





自慢じゃないがよっしーの部屋は
い。

いや、気持ちの問題じゃなくて
照明に問題がある。
先日いよいよ我慢がならなくなって、よっしーの妻に
蛍光灯新品を
買ってきて貰ったのだがもったいなくてまだ交換していない。

さて、カメラというのは面白いもので撮り方ひとつで上の写真の様にもなるが
現実は下の写真が本当っぽい。

しかし
い。人体には大変良くない(多分)
オーディオ機器にも
しい。
ただ、アンプには良いのかもしれない。
通電しっぱなし、なんてことをしても一向に熱くならない。

ここで”おや、プリアンプが違うぞ”なんて気が付く人はかなり目が良い。

ヤマハ
C2X登板である。

アンプというのは使いすぎるのも良くないが全く使わないのも良くない。

年末モードでこれもお
掃除。綿棒、シルコット、少しアルコールということで
励んだが
そもそもそんなに汚れていなかった。何よりです。

音だが、改めて、やっぱりこれは
ヤマハビューティーだ。

本当はそんな風にまとめてはいけないのだろうが
破滅的、破壊的な所がとっても少ない。
しい世界が広がる。

一種の定期
診断みたいな思いもあって登場してもらったが、極めて健康体。
スイッチのフィーリングなんかも良くて、この辺でSY-88なんかは撃沈する。






12月13日



C2Xだが少し
に感じるところがあった。
どうやらそれはインプットセレクターの
軽い接触不良みたいだ。
カチャカチャやって解決。
もっとも、これは本当の対処ではない。
しかしC2Xは
預かり物なのでいつもの様に気楽に?分解する訳にはいかない。

さて、
いCDだ。多分1991年頃の物かと。
杉山清貴さんの、当時のベスト盤。

なんでもバブルの一言で片づけりゃ良いってもんでもないが
これなんかも
バブル臭いというか、ちょうどその頃を、嫌でも思い出させるサウンドだ。

最後のHolly Night」はご丁寧に2バージョン共収録されている。
やっぱり人気曲なのかな。

強力な作詞陣に支えられ杉山さんも大活躍。
Holly…は
売野雅勇さんの詞。

”キャンドル消して君は 忘れられない夜になると
背中で髪を解いた…”
という一節が、やはり素敵だと思う。

もっとも、最初僕はこの”解く”を”
髪を梳く”と勘違いして聴いていて
妙に体の柔らかい女性を想像していたのだから
やっぱり詩人にはなれそうもない。



12月14日
師走
というのは忙しい。
…というか、どうも忙しくしていないとならない
みたいなモードになってしまう。

しかしそれも社会人とやらになってから以降のことだ。
学生の頃は特に12月だから気ぜわしいなんて事は無かった。

それで良いのだと思う。
意味も無く忙しくするのはただの馬鹿だ。

で、一年前の日記を覗いてみたら
ぽんせんべいDV-AX10で感動していた。

そうか、ぽんせんべいは
未だ一年しか相対していないのか、と変な感慨にふけったりする。

この子は物置で15年くらい寝ていたので実にもったいない事をした。
人生損をしたような感がある。

今もって
懐疑的なのだが、やっぱり音は良い。
というか、どうも他のスピーカーとは
異次元の音がする。

それは奇抜な音がしているだけでは?と思われるかもしれないが
音はある意味
オーソドックス

人の声は人の声らしく聴こえ、弦楽器の美しさは保証出来る。

しかし
音が早い。これはやっぱり異質だ。

いや、別に高音や中音が早いスピーカーは幾らでもある。
しかし低域まで含めて
全域等速というのは滅多にない。

これはもう
巨大で、それでいて軽い振動板のなせる技としか思えない。
そうそう、振動板はコーンなんかと比べると圧倒的に
丈夫なのもある。

音像はお化けみたいなんじゃないの?と思われるかもしれないが
とんでもない。

もう一つ面白いのは基本的に音場はスピーカー
後方に展開すること。

平面バッフルだしユニットがダイポール的使われ方を想定しているから
と言ってしまえばそれまでだが、実に
不思議な感じだ。

アンプは選ばないが、その本質は露骨に描き出す。
嫌なヤツなのかもしれない。


12月17日




12月19日

1985年頃に始まった
798アンプ戦争。
今と比較にならない
旺盛な消費に支えられて加熱の一途。
翌年翌々年と戦争は継続。
各メーカー
意地の張り合いで一歩も引かず。
採算度外視の物量投入で肝心の儲けはどれくらいあった?

終わってみれば死屍累々。後を追ってスピーカーの598戦争も勃発していたので
メーカーは本当に大変だったというかやりがいがあったというか…

さてしかし振り返ってみるとよっしーの部屋的には798アンプって登場したことがあったか??

これが案外
無いのである。

それより下。あるいは上の価格帯の物というのはあれこれ登場するのだが798は無い。
敢えて言えばビクターJA-S71が8万4千円だがあれは時代が違う。

798アンプを知らずしてオーディオを語る事なかれ、と神様が思ったかどうか知らないが
(多分思っていない)
突如としてアンプ一台降臨。

いつもの事ではあるが、”よっしー君、君に使って欲しいアンプがあるんだ”と言われて
”はい、そりゃどうも”という事になった。

ブツの引き渡しは
夜の駐車場で…というのは半分嘘で半分本当だ。

車を開けるとそこには確かにアンプがあった。

ヤマハ…という事は聞いていたが型番なんかは不詳。

どれどれ…と目を凝らすと(本当に真っ暗な駐車場で車のルームライトだけで見たもんで)
やけに小さい…

げ!、これは
ミニコンのアンプじゃないか、と思ったが後の祭り。

”ちゃんとしたアンプだよ”と言われていたのだが、まあ考えてみると一般の人の感覚では
単体アンプというのは全部”ちゃんとしたアンプだわなー”と一人ごちたが
後の祭り

身請けはちゃんとしようではないかという事で取りあえず
型番確認をすると…


12月20日

取りあえず
型番確認をすると…



A-2000X

…?

知る限り2000Xにブラックモデルも無ければコンパクトタイプも無い。

??

で、よーく見ると2000ではなく
200だ。A-200X

おいおい、そんなアンプ
あるのかよ??

と思い速攻で検索してみたら、
あった

ヤマハ
A-200X

ちゃんと存在するのである。

いやしかし
どうみてもミニコンのアンプ部分だけみたいな…

1000M上げるよと言われていそいそと行ったら100Mだったみたいなノリだ、とにかく。

だがしかし来るもの拒まず。付き合ってみようじゃないか。



さて、と改めて調べると、
なんとこのアンプ79.800円



12月21日
なんとこのアンプ
79.800円?

…などというのは失礼だろうが一見どう見ても
ミニコンのアンプなのだ。

まずサイズは本当に当時のミニコンサイズ。
幅340mmである。

しかし持ってみると案外重い。そのはずで
8.5kgだ。

もちろん20kg族と比べれば軽いという事になるがサイズからすると大変重い。

デザインだが
さすがに寸詰まりの感は免れない。

…のだが、そこがヤマハというべきか、全体の質感は悪くない。
見ている内に
妙な愛着が沸くコンパクトアンプだ。
同時期の、他社340mm幅アンプと比べてみるとそれが良く分かる。

回路を調べてみるとこの時期ヤマハが得意とした
ZDRという歪低減方式が採用されている。
これは確か
1983年のパワーアンプB-2Xで初採用された方式だ。



更に
Class A TURBOというものが採用されている。

TURBO?という事で、なんだろう?と思ったら要するに
A級AB級の切り替えが可能ということだ。

1970年代の名器CA-2000などではA級B級の切り替えが可能だったが1980年代では純B級という方が珍しくて
AとABの切り替えとなったわけだ。

しかし
TURBOとは凄い名称だ。スイッチを押すと爆音がしそうに思える。

だが、ややっこしいのだがTURBO
ONで純A級になるようで、見かけ上のパワーはダウンするのにTURBOとはこれいかに?

このTURBOをONにすると
発熱が凄くなるので、いっその事、とした方が良かったのでは?

小さいが機能は充実していてフォノは
MCにも対応。CDダイレクトスイッチはこの頃の流行り。

VTR入力が二つもあり、更にVD(VIDEO DIDK)なんてのがあるのが時代だ。

後は
リッチネススイッチがある。これはエクストラバスなどと同じで、低音に厚みを加えるのに有効。

ま、なんでも良いがそろそろ
の話…


12月22日

、だが予想はしたものの、このサイズのアンプから出る音とは俄かに信じられないものがある。

下っ腹に力が入ったというか、固太りの小兵的な音がする。

”なめんなよ、負けねーぞ”とアンプが語りかけて来るかの如くだ。

悪いがAX-700Vには明らかに差を付ける。700Vが、何事も深く考えない
お嬢さんだとすると200Xは叩き上げみたいな感じで
将来に備えて資格の勉強なんかをちゃんとやって来た実力派ということになる。

これはもう立派の一言。
マイリマシタ

さて、だがしかしでは
AU-D707X辺りと同じかというと、これは違うのだ。

致し方ない。8万円と13万円は違う。これも今回
痛感した。

価格差でアンプは何が違うのか?

例えば
回路。何か特殊な事をやると部品も増える。

しかしこれは案外決定的な差にならない気がする。というのも上級機から普及機まで、一旦開発された回路は
流用することが可能だからだ。

後は
パーツ。良い部品=高い部品と考えると部品のコスト増はすなわちアンプの価格アップに繋がる。

個人的には後者の方が決定的と思える。
  


では、高ければ高いほど良いのか?

きっとそうなのだろうが、ある所から先は違いが段々微妙になる。
50万のアンプが25万のアンプの
よいか。100万円のアンプが50万円のアンプのよいか?
と言われると難しいものだ。

今回の例の様に
5万円(AX-700VはDAC抜きなら5万円のAX-500と同等)、
8万円(A-200X)、13万円(AU-D707X)みたいな比較は割と容易なのだ。

さて、A-200X。この
サイズは音質優先だと不利かもしれない。
敷地面積が広い方が余裕が出来るのは住まいだけじゃない。アンプも同じだ。

故に同時代の
フルサイズ798アンプと比較したら差が出るのかもしれない。

ヤマハにも
A-750などがあったわけで、加えて200Xをリリースする必然性があったのかなかったのか?
一体何台くらい出回ったのだろう。

しかし、このアンプ。なかなか
愛くるしい。そしてミニコン用のアンプと見せかけて、なかなかの実力機である所が意表を付いていて好きだ。


12月23日

改めて、アンプの
音は何で変わる?何で決まる?

1970年代半ば、アンプは既に
ある程度完成の領域に近づいていたのではないかと思う。

各社それぞれの工夫というのは在ったが、○○方式みたいな単語は少なかったのもこの時代を象徴する。

KA-7300の
左右独立電源。JA-S41の前後独立電源なんてのはあったが、それはオーソドックスな展開だ。

その後
DCアンプブーム。回路競争。疑似A級アンプブームと迷走。新電源の採用。軽量化。の追放と色々あった。

再びオーソドックスな手法に
回帰したのが1980年代半ばで、798アンプブームもそこに嵌っている。

ただ、10年前に戻ってしまうわけでは無いので
各社独自の方式は盛んに開発、アピールはしている。

それでも小賢しい知恵だけではどうにもならないという事か、
ベーシックな部分を重視する様にはなった。

その一つが
躯体の強化。シャーシでアンプの音は変わる、という事でシャーシから見直し。

その結果か、あるいはオーディオ評論の影響か、798アンプの
重量は増加の一途。
人間の方はしきりにダイエットとか言ってる時代にオーディオはドーピング競争だったのはなかなか面白い。


12月24日

ところで30年前のアンプ。それもある時以降放置されていたアンプが最初からまともな音を出す筈がない。

このA-200Xも御多分に洩れずだ。

まず、
ガリが酷い。近年なかなか見なかった立派なガリだ。

ボリュームが、スイッチが、ということでそのままでは使い物にならないというかスピーカーが危険だ。

本来は徹底分解なのだが、それは危険も伴うということで最近のマイブーム。
注射器を使っての接点への
アルコール点滴を実施。

これが案外効くものでメインボリュームはもちろんスイッチや他のボリュームも
復活

点滴であって、注入してはいけない。注射器(
100均のコスメコーナーで買える)の針先からアルコールが滲んで落ちて
それがスイッチの隙間から入るかな?程度で良い。

リアパネルもなかなかの状態になっていたが
ピンジャック清掃。

一つやる度に音は甦るというか前進していく。

とどめに?
リレークリーニング。

この種の物は交換してしまう方が早いが部品を
取り寄せるのが面倒だったりするのでクリーニング。
なお、特に手入れしなくても片チャン聞こえないなんてことは無かった。

以上でライン系は一応オーケー。
ただ、フォノの
MM/MC切り替えスイッチだけが駄目だ。
これは継続中。

アイドリング電流調整などは後回し。半固定抵抗が劣化していた場合、回した途端に大変なことになる可能性があるからだ。

余談だがこのアンプの半田付けは
とても半田槽に浸けて行った物とは思えない。

半田は所により
こってり盛られているし、しかも腕前がよっしー並?

まさかの手作業?

半田くずみたいなものも結構見受けられて、これで出荷オーケー?と思わず笑ってしまった。
もちろん綿棒と掃除機で全部吸い取っておいたが。


12月27日



何度か書いているが、こういうチマチマした事に大変な喜びを感じるところに
自分という
人間の器の小ささを感じざるを得ない。

A-200X。おおむね納得なのだが唯一フォノだけがこのままでは済ませられないと思った。

写真↑は
MM/MC切り替えスイッチの中身。接点部分。

どうあってもこのスイッチは分解しないと駄目と判断。ばらしてみたらやっぱり汚かった。
これを
ピカピカに磨き上げ、最後にタミヤの接点グリスを塗っておく。
(アンプりんさん、いつも拝読しています)



これで
大幅に改善。

ただ、問題もあってフロントスイッチでのMM/MCの
切り替えがうまく行かなくなっている。
スライダーというのかワイヤーと呼ぶのか知らないが
それとの連携がおかしい。幾らやり直してもダメ。
これだからよっしーのやることはあてにならない。

それでも音は
大幅向上というか正常化。
だがしかし、100%納得ではない。
シンプルな構成でパーツ点数もそんなに無いので
リファインしても罰は当たるまいなどとも思う。

しかしこの
年の瀬に何をやっているんだか。
やっていて楽しいからついついやってしまうが他にもやることがあるだろうと
自分で自分に
突っ込みたくなる。

ただ、修理、というほどの事ではないにしてもこうしてアンプの中を
覗いて、わからないなりに手を入れてみるのはやっぱり重要と思う。

もちろん、そんなことをしなくてもオーディオは楽しめるし
その方が正常という説はある。

バイクでもそうだが乗るのが好きでメンテは全部ショップで、
という人もいれば、とにかく何でもばらしてみないと
気が済まないという人もいる。

好きな道を選ぶだけだが、やっぱり自分で分解して組み直してみると
ただ乗っているだけとは違う世界を
垣間見ることが出来る。

フォノイコライザーって…
オペアンプって…
抵抗は…
半田は。そして接点は…と
楽しすぎる。



12月30日

一年で一番好きな日
が来て、終わる。

一年が過ぎるわけで、良い事も、そうではない事もあったが
無事一年が終わる事に
感謝したい。

年の瀬に何をやっているのかと思うが、
A-200Xのフォノはどうにも気になって
弄り倒しているところ。

要するに基板上にあるMM/MC
切り替えスイッチが芳しくないのだ。

やっぱりアンプにおいて最大の問題は
接点とつくづく思い知る。

特にフォノみたいに
微弱な信号を扱うところは神経質だ。

ベストはMMとMCは違う入力端子にして切り替えスイッチは使わない。それに限る。

A-200Xもコストの制限の中でめいっぱい真面目にこの部分に取り組んでいて、切り替えは基板上で。
操作はフロントからベルト付きのスイッチで
遠隔操作ということで申し分無いのだが最善ではないわけだ。

これはいっそ
リードリレーやらFETとかを使った切り替えなんかに改造してあげる方が良いのでは?と思い始めた僕。
まあそこまでやるかどうかはわからないが、この切り替えには
まされる。

そんなわけで道半ばなのだが、あれこれやっている内に
フォノトータルでの
音質は向上している。

多少のパーツ交換やら半田のやり直しなんかも効いているのだろう。

だったら新品アンプを買いましょう、という考え方は正しいのだが
その新品というのも、ガンガン使うと
二年くらいで劣化がわかるはずだ。

要するに
お手入れからは、そう簡単に逃れられないということで
バイクと同じである。

そんなことをやる人もいないだろうが
本当は新品の時からあちこち分解して
手を入れた方が、多分良い。

新車であっても、そのまま
アライメント修正などに出した方が良いし
各部分解して
グリスアップをした方が良い。

まあそこまでやる人も滅多にいないが、それが正解だろう。



12月31日



いつも同じことを書くが初日の出よりも
大晦日の夕日の方が好き。

陰りゆく部屋で何をしているかというと、引き続きA-200Xのフォノ
MM/MC切り替えスイッチあたりの
レストアだったりする。



どうしても解決しないまま
年を越す様だ。

やはりリレー等を使って切り替えるのが正解だと思う。

そこまでやりますか?

やらないかもしれない。ただ、音の方はやっぱり相当良くなったので
乗り掛かった舟という心境。

ライン入力の方は元から安定している。CDは安心して聴ける。
とにかく立派なアンプだ。さすが往年の798アンプ。
しかもミニコンポサイズというところがひねくれ者の僕にはうれしい。


さて、
2016年も終わるわけだが世相はどうか?オーディオに関しては何が起きているのか?

一つには
PCオーディオ。オーディオ情報もファイルとして扱い自在に操る。一つの流れである。
もちろん高音質も狙える。
CDの700M程度の容量に縛られないのだから、これは有利だ。

もう一つは
プアオーディオ。
オーディオをやっている人間の平均年齢は上がる一方。
30〜40年前に20歳前後の人がやっていて、それがそのままスライドして新規参入は極少数だからそうなる。

団塊の世代の大量退職。
退職金天国でウハウハオーディオ…かと思うとそうでもない。

若者よ、心配するな。昔を基準にすると皆金は持っていない。君達だけに辛い思いはさせない。

あくまで一つの例えだが、
MCカートジッリは憧れの品物になっている。DL-103はハイエンド商品扱いだ。

念のためだが103はやっぱり良いカートリッジだ。馬鹿にしていない。何を隠そう僕も愛用している。

しかし、
もう少し前だと、さすがにMCが憧れで103が凄い物扱いではなかったゾ。

結構高額なお品物を皆話題にしていた気がするが勘違いか?


だが、それで良いというかまともとも言える。
身の丈オーディオである。

大した金も無い癖にオーディオだけ立派でも仕方ない。

やけに現実的で夢がないかもしれないが”
昭和は遠くなりにけり”なのだ。
贅沢は敵だ”。今こそその言葉をかみしめよう?



では、みなさん良いお年を


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