4月2日
オーディオ機器はルックスも大事。
アナログプレーヤーはよっしーの好物だが
PX-2はルックスの点で居並ぶライバルを抑えてトップランクに
位置する。
そして画像に見えるカートリッジも格好良い。
テクニクスEPC-310MC。
なんと未使用新品である。
恐れ多くて使うのが躊躇われたが、生きているのは今なのだからと
シェイクダウン。
このカートリッジは随分前にも拝聴しているし
その時の記憶は鮮明だ。
穢れ無き、理想に燃える10代。
そんな風に思えたカートリッジ。
今回はどうか?
もちろんそうそう印象が変わるものではない。
だがちょっぴり大人びて聴こえる気もする。
多分それは当方のシステムトータルの音が変わったからだろう。
さすがテクニクスという感じでち密さ繊細さは一級レベル。
厚みもしっかりある。
これ以上何を望むのか?と言いたくなる。
4月7日
1976年、あなたは何歳でしたか?
僕のオーディオ元年は1976年。
今気付いたが今年は40周年ではないか!
なんとおめたい。そして幸せな話なのだろう。
前にもどこかで書いたと思うが、僕の場合は先に突然ステレオが現れて
それから雑誌を読みあさるという、普通とは逆のパターンでこの世界に入った。
だから、当時よく思ったのは、ああ、先に知っていたらこんな風に装置を組んだのになー
なんて事だった。
まあ贅沢言っているな、と思う。
良くある話でFMレコパルから入ったのだが、当時のオーディオ誌というのは
本当に綺羅星の如くコンポーネントが紹介されていて、新製品も後から後から目白押し、
素晴らしい時代だったし、一介の中学生にとっては目の毒のオンパレードだった。
しかし中坊というのは物を知らない。
例えばそのレコパルで単体ターンテーブルの特集なんかあっても、
これってどうやって音出すんだろうね?なんて話あっている。
まさか別にキャビネットが必要で、そこにアームを付けて…なんて想像もつかないのだ。
今考えると大笑いだが。
で、まあその中でも目に付く奴っていうのはあるもんで、その一つがデンオンのDPシリーズだったりするのだ。
通称目玉焼き。
なんとも愛くるしい。そしてどうにも押してみたくなるスイッチ類。
ビクターのTTシリーズも良いがスイッチの愛くるしさでDPの勝ち。
テクニクスSPシリーズはもちろん格好良いが、ルックスだけでいうとSP-10よりSP-12の方が好きだった。
何故だろう?
4月8日
で、DPというともうひとつ別の思いでがあって、それはレコード店。
とっくにつぶれてしまったが駅地下の良い場所に、堂々たる売り場面積を持つ店が有ったりして
良く立ち寄った。
もちろんレコードを買うなんて事は叶わないのだが、レコードがたくさんある所に身を置くだけで
幸せを感じる事が出来たのだ。
そのレコード店でレジ脇に置かれているのがデンオンのプレーヤーだった。
型番までは見ていないが、目玉焼きターンテーブルだったのはもちろん間違いない。
それで、これがまたシンプルなアームが付いているのだが、レコード店のお兄さん達は
さすがプロという感じで、リフターなんぞ使わないでほいほい針をレコード盤に落とし
また上げるのだ。
それが実に格好良く見えて、芸術の一種を見る思いだった。
そんなこんなで目玉焼きは僕の心に深く刻まれた。
そのデンオンDPシリーズも種類が多い。全部上げたら大変だ。
だが1976年当時DPと言えば、まずDP-3000だった。
いや、今もってDPと言えば3000を連想する人が多いはずだ。
発売は1972年。ライバルはSP-10。
どちらも放送局で採用されたという実績が信頼性の裏付けとなり
互いに一歩も譲らず。それぞれにファンがいた。
ただ、本当の意味でSP-10の向こうを張るのはDP-5000という事になるのだが
3000の方が売れ行きは上。これは43.000円という価格も効いていたはずだ。
それでも当時の初任給を叩かないと買えない代物だったがベストセラーになった。
デンオンとテクニクス。それぞれに主張があり、テクニクスはDCモーター。
デンオンはACモーターと異なっている。
強大なトルクを得るにはDCモーターが有利なのだがデンオンは軽量ターンテーブルを採用して
ACの利点を生かそうと目論む。
ターンテーブルは重い方が良いのか、軽いほうが良いのか?
これも諸説あり、それぞれに正論でもあるので結論は出そうにない。
例えばターンテーブルだけを重くしてもキャビネットがそれに伴わないと
逆効果というのも言えるわけで、その意味ではターンテーブルはあまり重くない方が良いとも
言えるわけだ。
それにしてもダイレクトドライブ。
30センチ径の円盤を直接。静かに、正確に回すという技術の凄さよ。
電子立国日本が輝いていた時代。昔は良かった?
海外のハイエンド機はベルトドライブだという説もあるが、奴らにはダイレクトドライブなんて
作れないからさ、というあながち嘘ではあるまい。
…ところで今日で17年目に入った?
続くだけはダラダラといつまでも続く。
これがヒット漫画だったら
とっくに大金持ちである。
…と、その無駄な努力を神様がたたえてくれたのか、
今日の好き日にゲット。
Vol2の方は32年くらい前に500円でゲット。
こちらは帯付き300円。
しかも盤質最高。
嘘みたいなコンディションである。
カセットに落とすために一回だけ掛けた、という感じ。
こんな事もある。
4月10日
…と、これ以上引っ張ると、勿体ぶるなと言われそうだ。
流れからして当然だが目玉焼き登場。
ただしDP-3000ではない。これはDP-1000だ。
正確にはDP-1000を搭載したDP-1700というプレーヤーシステムになる。
1975年登場。当時58.000円。
DP-1000は前年に33.000円で登場。
これにDA-305(当時16.000円)を模したトーンアームを採用してこの価格だったのだから
大変お買い得なモデルだった。
上級機種としてDP-3700Fがあったが、こちらはモーターがDP-3000でアームがDA-305で8万円。
つまり3700Fの下位機種なのね、と言われるとそれまでなのだが、実は2年後発な分DP-1000には
3000を改良された部分もあり、一概にそうとは言えないという説もある。
モーターは共通。制御系はより洗練されたというわけだ。
では1600、あるいは1800はどうなのか?というと、実はこれらはモーターなどからして3000とは
異なる(1000というか1700のは3000と同じ)。
この辺を調べていくと、実に奥が深いというか、デンオンのアナログプレーヤーというのは数が多いので
その沼から抜けられない楽しさがあるのだがここではこの辺にしておきたい。
4月11日
さて、1000。3000と何が違う?
ぱっと見てスイッチが違う。
良く言えばより合理的だ。
ただ、非常に勝手な事を言えば3000のスイッチが個人的には好きだ。
例え性能が劣っていても、だ。
しかし地道なコストダウンが無ければ1000は3000より安く出す事が出来ない。
その他回路的に進歩があるという。それらの違いが30年後には出て、3000の故障率は高い
。
モーター高速回転の3000はオクなどにどんどん出てきて、コツをつかんだマニアには
入れ食い状態になった。
とはいえ1000は壊れないという事はない。安心して使うためにはお手当はした方が良い。
モーターのトルクはテクニクスあたりと比べると小さい訳だが、
では実用上問題があるかというと全く無い。
ターンテーブルが軽い事も相まって実に俊敏に動く。またスイッチを切っても延々と回り続ける。
これはブレーキが付いていないから当然なのだが、GT-2000辺りと比べてもそん色ない位回り続けるのだから
いかにフリクション無く、無理のない設計なのかがうかがい知れる。
次にアーム。
これはDA-305を隣に持って来ないとわからないと思う。
針圧メモリが二か所表示ではない、とか他にも細かいところでコストダウン的なことは
見受けられるが大差ないと思いたい。
なによりこのアームはシンプルで大変使いやすい。ベアリングを保持する特殊樹脂が経年変化でボロボロになると
感度低下にも繋がるのだが、弄ってみた感じではそんなに酷い症状は見受けられない。
ただ、これは分解してみないと本当のことはわからないが。
以上なのだが、トータルで大きすぎないキャビネット(厚みもほどほど)、
コンパクトにきまっているターンテーブルユニット、
そして比較的長めのアームということでパフォーマンスは高い。
テクニクスSL-1200系辺りがライバルと思うが、アームの長さ(1200のアームは短目)、
キャビネットの考え方の違いなど、両社のコンセプトの違いがうかがいしれて大変興味深い。
堅牢さとメカメカしさを全面に打ち出したテクニクスと、あくまでも応接間に似合いそうな木質キャビネット
のデンオンと、まさに対照的。
DP-1700のキャビネットは、それこそ上級機種と比べると簡単な補強が入った単なる箱というか覆いという感じなのだが
別の見方をすると積層タイプのデンオン純正別売キャビネットにモーターやアームを移植してしまう事も出来るという
アドバンテージがある。
また、アームの位置も一緒なので、DP-1700のままでアームを305他のデンオンアームに差し替えてしまう事も出来る。
これらはテクニクスでは難しい(出来ない、とは言わない。SL-110などアームレスタイプは別にある)
訳で、両雄は本当に一長一短で互角の立場にある。
さて、そろそろ音の話…
4月12日
さて、そろそろ音の話…
なのだがその前にカートリッジの話を少々。
DP-1700はカートリッジレス。なのでこの個体にはシュアーのM44Gが付いて来た。
シュアーの44Gと言えば定番中の定番。超ロングセラー。今でも新品が買えるというくらいの製品だ。
しかし恥を忍んで言うと、よっしーは自室で44Gを聴くのは初めて。
憧れの44G。今さら説明をするのは憚られるので省略。
一体世界中でどれだけの数が出たのだろう?
最初のカートリッジは44だったという人が結構いる。
カートリッジレスのプレーヤーを買うのだがカートリッジはどうする?
といったような時、候補に挙がる事が多かったのだろう。
V15は恐れ多いが44ならよいでしょう、と思って買ったのか?
もちろん価格も大きな魅力だ。
高級カートリッジも良い。だがカートリッジというのはそれこそ身を削って
音を出すもの。消耗品でもあるのだ。
心置きなく使えるためには針交換が可能なMMがベスト。
針をタイヤに置き換えると、どんどん使って、減ったら取り換えて、という事になる。
それを心置きなくやるためにも、カートリッジ、交換針ともあまり高価なのは考え物だ。
その意味で、44なんかサイコーだ。
…という訳で、と言うかDP-1700に付属していたのがM44Gだったという訳で
そのまま針を落とす。
すると…
するとこれが音が良い。
ローコストカートリッジ達もそれなりに持っている。
だがなかなか好みに合う物が無い。
全般に、どうも賑やかな音になってしまい疲れてしまうのだ。
ところが44は違う。というか落ち着ける。
ネットなど見るとサ行が耳に付くとか言われるが、少なくともこの組み合わせ。
自宅環境で聴く限りはそんな事は全くない。
それどころか高い方はシルキーでさえある。
低い方はというと、これは独特の分厚さがあり、音楽をしっかり支える感じだ。
トータルで大変聴きやすい。これで良いのではないか?と思わせる。
4月13日
M44G。
サ行が耳に付くどころか、良い意味でハイ落ち気味でさえある。
だからハッとさせるような要素は薄い。ハッタリを効かせるタイプじゃないのだ。
しかしこの心地よさはなんだ?
素晴らしいとしか言いようがない。
今頃気づいたか?
はい、すみません。私は未熟者でした(汗)
もちろん、このカートリッジが5万円と言われたら判定は変わる。
だが今でも8千円少々で買えるのである。
あまりに凄いではないか。
話は変わりCB50。
わが愛車は変わらずCB50である。
1978年頃の車体。
用事があると今もそれで出掛けるのだが、乗っていて、こんな素晴らしい乗り物があって良いのか?
とさえ思う事がある。
非常の多くの要素で優秀であり、五感に訴えてくるものの奥深さたるや感動的でさえある。
大袈裟な事を言うな、と言われるかもしれないが本当なのだ。
いくら立派と世間が言ってもこれよりつまらない乗り物はたくさんある。
さて、このCB50、僕らが高校くらいの時の花形だ。
だがしかし、その高校生の内どれだけの人がこの素晴らしさを理解していただろうか?
CB50と限らず、高校生が原付の本当の良さを理解するなんて事はあり得ないのだ。
ただ便利な足。それが高校生にとっての原付である。それで良いのだ。
しかし、そういった物に後年再会して、更にまた再会して…なんて事になると
何十人に一人くらいは僕みたいな事を言いだす奴が出てくる。
…というか出て来ないと困るのだ。“何のために年取ったんだ?”ってことになる。
ここで話を戻してM44G。
これもあるいは同じかもしれない。
当時の中学生、高校生、大学生には愛用されたろう。
だが、その時点でこのカートリッジの本当の良さはわかるものだろうか?
あるいは色々な遍歴を重ねてきて、初めて意味がわかる物。
M44GもCB50もそんな存在なのかもしれない。
4月19日
どうにもいけない。
一言大地に言いたい。
もう揺れなくて良い。
この辺で止めておこう。
静まってくれ。
4月23日
気を取り直して行こう。
そもそも僕がめいった気分になってもどうにもならない。
ケツ上げてボランティアに行かないのなら
九州物産展でお金でも落とす方が良いのだ。
DP-1000引っくり返る、の図。
非常にシンプルなキャビネットだが、これはこれでよろしい。
上を目指すなら積層合板タイプに取り換えるのは簡単だ。
今は素のままで行く。
それよりもトランジスター交換だ。
Q1〜Q4は2SC458が。
Q5〜Q7は2SC1222が使われている。
鬼門は2SC458で、これが経年劣化でターンテーブルの暴走に繋がる。
今回は458Cを2SC1815のランクGRへ。
1222を1681のランクGRへ
それぞれ交換しておいた。
お約束の画像だが458の脚が黒いの図。
なおQ8の2SA561は今回はそのまま。
この際に、ということでストロボの反射鏡もクリーニング。
積年の汚れを取り除く。
これでストロボもよりクリアーに見えるようになったのだが
画像が悪いからわからないか?(汗)
アームケーブルは5PINの物が使われている。
市販のアームへの交換も容易だし
ケーブルの挿し替えも思いのまま。
しかし当面はノーマルに敬意を表するということで
歯間ブラシでクリーニング。
(片手で撮るのでピントがあっていない…汗)
この他にアームのクリーニング、キャビネットのクリーニングとあるのだが
それは又の機会に公開。
とにかくモーターの暴走予防が出来たので
安心して回していられる。
それが先決だ。
4月24日
以上で音は激変!
…というのは例によって真っ赤なウソだが、
相変わらず良い音だというのは本当だ。
違うカートリッジも、ということでビクターZ1なんかも
試してみた。
カートリッジのキャラクターをきちんと引っ張り出して
Z1の時はZ1の音がする。
簡単にいうとZ1の方が線が細く華やか。
ピラミッド型のバランスが44Gの持ち味。
実はこのDP-1700は高校以来の友人から引き取って来た。
同じ10代の頃、僕はZ1の音を聴いて過ごし、
彼はM44Gの音を聴いて過ごしたのだ。
随分良い音聴いて暮らしていたんだな、と突っ込んでやりたくなった。
Z1の音は僕にとって青春の思い出みたいな音だ。
これも良い物だが、好みという点では44Gだ。
とにかく線が太く、ベースとなる領域がどんと押し寄せ
快感を覚える。
そして嫌な刺激臭が一切ない。
お陰で何をどう聞いても楽しいので
処分するはずだったアナログレコードまで
聴き返す羽目になった。
もちろんこれにはDP-1700との相性というのもある。
DP-1700に関して言えるのは超ハイCPであるということ。
このままの構成で良いので超重量級のベースと直結などしてみたい。
恐らく凄い音が聴けるはずだ?
4月25日
最近とみに思うのはフツーの凄さというヤツだ。
何を持ってフツ‐とするのかは判断のわかれるところだが
いわゆるフツ‐である(説明を放棄しているな。笑)
高価、とか特別とか、凄いという物と違う世界。
限定とか特注とかと異なる世界。
なにかご宅言があるわけでなく、
起きぬけにセル回してギャンとエンジン掛けて
走り出す世界。
DP-1700やM44Gの事だけを言っているのではない。
しかしこれなど典型的な、フツ‐の凄さではあるまいか。
世の中にはくそ難しいことばかり言ってさっぱり結果が伴わない
なんて事だってたくさんあるわけで
そう考えたらこれらの機器は凄いもんだと思う。
そもそもDP-1700なんか当時から安すぎたと思う。
…と、あまりまともな事ばかり書いてもつまらないので
ちょっとだけお遊びの図。
ピンポイント受けでリジットにしてみる。
音速は確かに上がるようだがこのプレーヤーには似つかわしくないのも
確か。
4月25日
さて、M44Gも良いが、デンオンのプレーヤーと来たら
DL-103だろう、という思いは当初からあって
装着してみた。
ところがこれがイマイチだ。
ただ、付ける前からそんな予感もしていた。
ひとつにはDP-1700のアームはどちらかというと
軽量軽針圧向きに出来ている。
DL-103に13gシェルでは既に重量過多。
実はM44G+13gシェルでもやや重すぎるきらいはある。
また44Gに戻す…
のもつまらないので気まぐれにオルトフォンの
FF150MK2を付けてみる。
これも往年のベストセラーというか
ローコストプレーヤーなどに採用される事が多かった
カートリッジのはずだ。
ただ期待薄。
失礼ながら今まで良い音を奏でてくれた試しがなかった。
一言でいうと歪みっぽい音なのだ。
ところが…
針を降ろしてびっくり。
これが物凄くマッチする。
部分的にはM44Gより良いと感じるほどだ。
厚みでは44Gだが切れでは15MK2の方が良い。
これはシェルの問題もあるのでM44Gももう少し軽いシェルにつけると
また変わってくると思う。
さてしかし、誠にオーディオとは面白いものだ。
特にアナログのこの辺は面白い。
この頃のデンオンのアームだが、アームベース及び
ピボットの所のベアリングの保持部分などに
ゴムや樹脂を使っている。
これが音を悪くするという触れ込みもあり
僕も若かりし頃は鵜呑みにしていた。
しかし今回DP-1700を弄っていると
そんなに簡単に判断出来る物ではない事に気づくのだ。
例えばこのアームは経年変化でアームのお尻が下がってしまう
なんて事がない。
なぜならそういうことのない構造だからだ。
オーディオ装置というのは全てそうだが、振動との折り合いが
一つのポイントとなる。
トーンアームなどはその最たるものだ。
振動を逃がすとか伝えるとか吸収するとか
色々な付き合い方を考えなければいけない。
その辺の妥協を極力排除しようとしたアームに
例えばSAECの一連のアームなどがある。
それはそれでもちろん素晴らしい。
しかしそれが全てではない所がアナログの面白さだ。
DP-1700のアームなどはカートリッジ脱着などで弄っていると
これが実にうまく力を逃がす造りなのがわかるのだ。
その分アームは長寿命になるというか
長きにわたり性能を保持しやすくなる。
この辺は設計思想の違いだろう。
音の面ではその辺が、独特の聴きやすさに繋がるというか
次々とレコードを掛けたくて仕方なくなる症候群にもなるのだ。
反面をいうといわゆるオーディオ的快楽は生みにくいというか
天にも昇るような響きの美しさとか
地の底から這い上がって来るような…
という表現は難しいのかもしれない。
その代わり、ちょっと派手めのカートリッジを
上手く手なずけて鳴らしてしまうという能力を持っているとも言えるので
このあたりやっぱり面白いものだとしか言いようが無い。
4月27日
しかしやっぱり44Gだろう、ということでもう一度44Gへ。
で、一晩聴かずに置いておいたら音がまた良くなったという
嘘のような本当の話。
理由はよくわからない。たまには休ませろということか?
そーいえばメーデーとかも近い。
冗談はさておくと、まあビミョーな針圧の違いとか、
あるいは冗談で下に置いたタオックのピンポイントベースが
落ち着いて来たとか色々あると思う。
独特の厚みはそのままに、というかちょっとすっきりして
シャンシャン、イガイガ、という表現もしてくれるようになった。
これはもうサイコーである。
…かどうかは知らないが結構結構。僕はもう何も言わない。
調子にのってもう一声。
ターンテーブルシートを裏返してみる。
1977年頃石田先生がDP-1800のシートをひっくり返して
“この方が良いのはなぜだ”と書かれていたのを目にしたからだ。
なるほどこれが裏面の方が密着度高くしなやかなのだ。
JP-501辺りを使おうとすると、センターを刳り抜かないとならないのだが
その手間も省けてよろしい。
かくして今夜もよっしーはつぶやく。
今まで俺は何をしてきたのだろう?と。
4月28日
偶然にしても音が変わったには理由があろうかとしげしげ眺めてみた。
するとそれまでアームのアースとモーターのアースを一か所に落としていたのが
アームのだけ繋がってモーターのは外れていた。
これが良かったのか?
良く分からないが覚えておいて損はない。何しろアースを外すだけなら手間もお金も一切掛らない?
(常にそうするのが良いとは到底思えない)
ただ、モーターのアーストアームのアースと二本のアース線が出ている辺りに
既にこの製品の良心を感じる。
ところでシュアーM44G。これだけ鳴るならと悪い癖が出てGT-2000Xに装着。
13gシェルとの組み合わせでは今度は軽すぎるかと心配したが407GTで無事行けた。
プリはもう一台のPRA-2000でメインはHMA-9500MK2のまま。
これでどうよ?って感じで針を降ろすと、ああ、やっぱりDP-1700とは一味違う。
彫の深さはローマ人と日本人くらい違ってくる。
これはもう仕方ないか。何しろDP-1700の総額を持ってしてもWE-407GTだけにだって追いつかない。
高校野球対プロ野球みたいになってしまった。
それよりもこんな曖昧さの無い組み合わせに放り込んでもM44Gが良い仕事をしているのに改めて驚く。
4月30日
明日になればきっと違う事を言っていると思うが、今のところM44G
サイコーや。
PRA-2000で十分だが、せっかくだからとHX-10000を持ちだして
自作ボリュームボックス、PRA-2000、SA3とあれこれ繋いでみるが
猛烈な違いは出ない。
それだけM44Gの支配力が強い、ということにしておいて下さい。
それと、プリは好きだけどフォノアンプを通す場合は、プリも要るのか要らないのか?
と常に思っているので、それで良いならボリュームボックス万歳としておきたいものだ。
(電気代浮くし)
しかしこんな筈はない、と意地悪な気持ちになって
A級外盤みたいな物を掛け始めたがしっかりクリアーしてしまう。
ま、悩むことはない。こうして4月は終わるのだ。
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