12月1日
師走である。早いものだ。
…とかなんとかわびさび入れていたいのだが
どうもいけない。
いや、またしてもメインのパソコンの調子がおかしい。
前回よりも深刻な感じ。
今回の方がレスキューがややこしいだろう。
やれやれ、だ。
だったらこんなもん書いている場合じゃないだろう
とは思うのだが、こーゆー時は焦りが一番よくない。
だから予備のパソコンでこれを書きつつ修復を試みている。
少し前のことだがディスクプレーヤーの聴き比べなんか
してみようかと思った時の図。
…なのだが結局途中で投げている。
根性がなくなっているのがありありとわかる。
それと、実際問題NASに放り込んで再生した方が
良いのかもと思うと馬鹿らしくなった。
しかし、こうなると我が家ではNR365とフォノイコ、それと
アナログプレーヤーがあれば済む感じではないか。
それで良いはずが無いと思いたいのだが
なにか不満や問題でもあるのかといわれると
これが困ったことに(困らないが)何も無いのである。
日和っている?
そうかもしれない。
だが、今色々差し替えて…という気に全くならない。
どうしたもんだろう??
12月2日
相変わらずサブのパソコンで書いている。
面倒だが書けるだけありがたいか。
さて、NR365とNASだけあればそれでオーケー
…と言ったって、実際にはそうはしないのがマニアというもの。
僕は決してミニマニストではないのだから。
ただ、本当に今快適なのも確か。
帰ってきて、リモコンでNR365を立ち上げる。
するとしばらくしてネットラジオが鳴り始める。
NAS以前の問題だ。
で、この音質が充分良い。
いや、本当に良い。これは保証する。
するともう、来る日も来る日もこればかり聴いて
それでオーケーなのである。
G7も良い感じで鳴る。
いわゆる相性抜群なのではないか?
だったらそれで問題なし。
…無いのである、これが。
だから良いのだが、悩むところもある。
果たしてこれで良いのか?と。
つまり平和すぎるのだ。
もちろん世界というか世間というかは平和が一番。
ただ、趣味の世界というのはそれらとは別世界だ。
安泰で何よりですね、とならない部分もある。
多分今の僕の部屋で、あれこれ差し替えても
あまり大きな差異は出ない気がする。
だからディスクプレーヤーの聴き比べも進まないのだ。
それで正しいとも言える。
それに、別に今が最高というわけでもないのだから
その分他の事に時間を裂けという声も聞こえる。
だが、どうにもお尻がむずむずするのである。
念のためだがさすがにもう一度これを作る気は無い。
12月3日
しかし長岡先生は人を駆り立てるのが上手いというか
なんというか…
あきるほど読み返したスーパースワン作製記だが
今読むと又作らなくては、という衝動に駆られるから凄い。
スワンは比較的安価に作れるということもあって
実際に作製した人が大変多い長岡スピーカーだろう。
しかし好みに合わず怒って放り出した人の数も
多分一番多いだろうスピーカーだ。
ま、スワンが好きだろうが嫌いだろうがそれは
個々人の好みの問題ということ。
ただ、気になるのは長岡先生の言われるところの
”スワンが鳴っているのではな、アンプが鳴っているのだと
思ってください”という発言だ。
だから良いとか悪いではなく、そういうスピーカーが
たまたま出来たということだろう。
機器の差。違いというのを見つけるのは
案外難しいもので、真剣にやっても、なかなかわからない
というのも良くある話。
もっとも一般リスナーの場合、そうそう差が出ない装置で
組む方が良いだろう。
やたら神経質な装置だと疲れることこの上ない。
オーディオ評論家に対してあれこれ言う人も多いが
評論家の仕事の一つが、この”違い”を見つけること。
違いが分からないようでは仕事にならないのだ。
更に言うと限られた時間内でそれをやらなくては
いけないという事。
時間無制限の一般リスナーとは立場が違う。
そういう意味ではスワンは長岡先生にとっても
便利なツールだったのだろうと想像する。
その辺を考えないで、作ると凄く良い事が
待っていると思って、やってしまうと不幸が待っている可能性はある。
今僕の目の前にはスワンではなくG7があって
それはアンプやらなにやらを差し替えても
そう凄まじく音が変わるわけではない。
(もちろん全く変わらない訳が無い)
それはそれで正しいのだ。
やたらと相手を選ぶ装置というのは
市販品として考えるとどこかおかしいとも言える。
ただ、どこかで”今ここにスーパースワンがあったら
機器の違いがすごーく良くわかるのかな?”
などと思ってしまうのも事実。
意味があっても無くても、
お尻がむずむずしてしまうのだった。
(念のためですが作りませんから)
12月7日
いや、決して暇なわけではない。
多分そんな事は無い。
無い筈だ…
12月8日
ぽんせんべいユニット。
マニアには説明不要だろう。
ヤマハが本格的にオーディオに乗り出した頃に
開発された異型スピーカーである。
発泡スチロールの様な素材の振動板で
エッジはフィックスド。
オーディオ用スピーカーとしても使われたが
何よりエレクトーンに大量採用された。
僕の手持ちの二本も廃棄されるエレクトーンから取り外した物だ。
このユニットを手に入れたのが、もう14年前になる。
その頃日記にも一度登場しているが
実にいい加減な取り扱いで、とても本来の音を聴いたとは言えない。
その後永らく物置待機となり、陽の目を見るのを待っていたが
遂に?再登板となる。
14年前と違い、今ではネット上でぽんせんべいに
関する情報もたくさん得られるから詳細は検索して
もらう方が早い。
このユニットを世に知らしめたのは
やはり長岡鉄男先生だと思う。
1970年代に自作スピーカーに採用。
補修部品として売られていたのを取り上げたのだった。
形式はもちろん平面バッフル。
この巨大振動板を相手に密閉だのバスレフだの
言い出したら、それこそとてつもないサイズが
要求される。
そもそもスピーカーにキャビネット。エンクロージャーが
必要な理由の一つが低音の確保である。
しかしながら、振動板面積がこれだけ大きいと
ユニット自体がバッフル効果を持つので
下手な箱は要らないのだ。
だからヤマハが製品として出した物も
後面開放キャビネットとなっている。
さて、そこで平面バッフル製作。
板に穴を空けるだけだから簡単?
確かにそうだが、思うよりは手間が掛かる。
だから、休みの日に電動工具を使う仕事は
全て残し、予め細かい部分を夜な夜なやっておく。
正に段取り八部である。
それでも、穴あけから音が出るまで、
休み休みで3時間は掛かっている。
馬鹿にしたものじゃない。
現状は、とても仕上がったというレベルに無いが
組んでみなければわからない事もたくさんあって
その辺をちゃんとするのも趣味の一つ。
ただ、僕の場合大抵バラックに毛が生えた程度で
終わってしまう。
時間が不足しているのと、
ばっちり仕上げたところで、この手の物を
常駐させるのはスペース的に無理があるからだ。
だから今回も超ハイスピード仕事。
なんてったって音を聴きたくて仕方ないのだから。
12月9日
ラジオではジョンレノンさんの曲がたくさん流れた。
そう、今年もこの日が来たのだった。
(12/8の事)
ただ、個人的には縁遠い曲ばかりなのだが。
さて、板に穴を空けるだけ。
…なのだがぽんせいべいだけでは高域が不足すると見て
ツイーター、またはフルレンジを取り付けできる穴も開けておく。
このユニットは一般にウーファーと呼ばれることもあるが
フルレンジに近いタイプと、本当にウーファー的な物と、
若干バリエーションがあるようだ。
僕の手持ちはどうなのか?
わからないが、どうにでも転べるようにと考えた。
ということで最初のパートナーはJBL075。
ぽんせんべいが高能率である(一説には100dB)ということから
相手にとって不足無い物を用意しておく。
コンデンサーはその辺に転がっていた0.33の物を付ける。
とりあえずアッテネーターは省略。ぽんせんべいもスルーで使う。
そんなこんなで、やっと第一音が出る。
…
とりあえず凄いハイ上がり。
075をアッテネーターなしでは厳しかったか。ジャリジャリと、
075の美しくない点ばかりが際立つ。
ただ、雄大としか言いようが無い低音にぽんせんべいの凄さは出ている。
で、あまりに性急とも思ったが、ツイーター交換。
リボンツイーターだ。パイオニアのS-180Dだかからもぎ取って置いた物。
リボンの爽やかな音を…、と狙うが、これも能率は低くなく、
まだ刺々しく聴こえる。
そんなこんなでしばらく聴くが、我慢ならず。ダイヤトーンのTW-3301-AMにチェンジ。
これはDS-301のスーパーツイーター。補修部品で出ていたのを入手してあったもの。
これで随分大人しくなる?
…はずだったが、これでも案外自己主張が強い。
まあアッテネーターなしで使おうとする僕が悪いのだが。
ということで、気づけばぽんせんべいではなくてツイーターの試聴大会に?
なっている。
だがしかたない。やっぱりスピーカー”システム”である以上重要な問題なのだ。
ここで…
12月10日
うーん、と悩んで持ち出したのが、松下のEAS5TH100C。
だがしかし、この型番を言ってもピンと来る人はまず居ない。
実はこれ、カーステレオ用のプラスツイーターみたいなものなのだ。
これもかれこれ15年位前にlimitdさんに譲って貰っただったか貸して貰ったのか
忘れるくらい昔から家に常駐する物だ。
時々試したのだが、どうもベストマッチというのがなくて
押入れ待機していたもの。
もしかして…と思いこれに交換してみたら、なんとビックリ、あんばいが良い。
やっと。やっと安心して音を聴けるところまで到達した?
なかなか爽やかに鳴る。ぽんせいべいも大喜びだ。
しかし両者のサイズの違いがあまりにも凄いが…
この組み合わせでの音だが、今のところは合格点。
もっと奇抜な音を想像していたが、実にノーマル。さすがNSスピーカーだ?
ハイファイにはなりえない、などという事はなく、これは立派なハイファイ。
G7との対比では、さすがにG7の方が、よりハイファイという事になるが
野放図さでぽんせんべいが上回る。
ただ、これは常識的な音量でのお話しで、一切後の事を考えない爆音だったら
ぽんせんべいの有利な部分がもっと出てくるだろう。
今、それをやると部屋が負ける。
それと、現状ではやっぱり弦などにきつさを感じることもある。
先月取り上げたドリアンのバイオリン。
耳に突き刺さるとまでは言わないが、音量を上げるときつさが出る。
これは何とかしたい。
面白いのがCCCDを掛けると露骨にCCCD臭い音になるところ。
DVDオーディオあたり掛けると、途端に喜んで美音を出すが、
どうも美食家というか、ソースの違いはG7よりも出す性格みたいだ。
違いの出るスピーカーを、なんて思いながら作ったからそうなったか?
久々にNR365以外のアンプではどうだろう?なんて興味が沸いてきた。
予想ではクオードペアが良さそうだが、どうだろう??
12月11日
とかなんとか書いてきてハタと気が付いた。
一体俺は何をしたいんだ?
このスピーカーをG7と同じ様な音のする物にしたいのか?
それはひょっとすると意味のない事じゃあるまいか、と思い至った。
きっかけの一つ(全部ではない)は長岡先生がFMfan1986年4号のダイナミックテスト
冒頭で書かれていた文章。(単行本、喝、に収録されている。P82〜83だ)
タイトルは「スピーカーの面白さ」
以下少し引用。
”スピーカーシステムにはいくつかのタイプがあり、アプローチの仕方もまるで違う。
スピーカーのひとつの理想は忠実な変換器だが、難問が山積しており完璧なものは作れない。
スピーカーの歪みは分割振動から発生するものが多い。
分割振動を完全に抑えきることが不可能なら、いっそのこと細かく分割振動させて
ノコギリのようなf特を持たせたらどうか。
(中略)
スピーカーの考え方はほかにもあるが、重要なのはソースとの相性である。
現在主流になっている録音法はオンマイクのマルチトラック録音であって
これに対してはノコギリのf特、反射型、デジタルディレイが威力を発揮する。
(中略)
筆者はすべてに対応するため、メインスピーカーは変換器タイプを使用、
サブとして反射型(よっしー註、R-8の事と思われる)とマトリックス(よっしー註
MX-10の事と思われる)を置いてある。
ノコギリ型はおいていないが、作ろうと思っても作れないからだ。
ただ、16.7年前にはヤマハのJA-5004というウーファーを使って何機種か自作したことがある。
(中略)
分割振動による独特の音色と、前後に音が出る8の字指向性。そして高能率が
特徴となっていた。”
以上だが、一ついえるのはぽんせんべい型のユニットは、積極的に分割振動を利用して
音を出すという、貴重な存在であるということ。
これを別の言い方でプラス再生とも言う(詳しくは先生の「オーディオA級ライセンス」も
読まれたい)。
せっかくこういう素材を使っておきながら、他のスピーカーと比較してとやかく言うのは
どこか間違っていると、遅まきながら気づいた。
もちろん、あまりに耳に付くところは抑えてみたい気もするが、
一歩間違うと、いわゆる角を矯めて牛を殺す、になりかねない。
苦手な項目を改善するのではなく、得手を探して上げる方が遥かに重要。
という事でしばらくはこのスピーカーに合うソースを探すことにしてみた。
12月12日
ところで長岡先生といえばバックロード。
…なのだがそれだけではないという事は意外と知られていない?
昨日の日記で取り上げたのは1984年頃の一例。
マトリックススピーカーはMX-1が成功した頃から常にサブとして
存在した。
各種テストでも併用されたりした。
音場型はBOSE901の向こうを張ってよく作られていた。
R-8はその代表格で、その頃の先生のリスニングルームの写真では
よく見られた。
R-8はかなり長く温存されていたが、共鳴管二号機、カノンの登場。
そしてスワンの登場で退場を余儀なくされたと記憶する。
(黄金期とも言える1984年頃のひとコマ。
D-7はMK2。レコードラックの上のがR-8。
マトリックススピーカーはMX-10)
以上はメインシステムの部屋にあったもので、執筆をされていた二階書斎では
ブックシェルフのBS-32が活躍。16p3Wayで低能率ワイドレンジ。
バックロードとは全然違う世界だ。
これは1980年代中期のお話しで、それ以前も常にバックロード以外の
スピーカーが鎮座していた。対極的に低能率の物が案外多かったのも面白い。
長岡先生の百面相振りを垣間見ることが出来ようというものだ。
常に一組のスピーカーでやるのが理想という考えは正しいが
禁欲的なところもあって、よっしー向けではない。
振り返ると僕も絶えず複数のスピーカーを相手にしている。
昔々のネッシーVSロジャース競い合い時代なんかも懐かしい。
今はSS-G7がメインだが、それは壁際から動かせないので
部屋の真ん中寄りに置いて、奥へ拡がる音場らしきものを楽しむモードの時は
ロジャース。あるいはスキャンピークス5pユニットを使ったダブルバスレフを
使っている。
昔と違うのは、各々のスピーカーを、使う時だけリスニングポジションに
配置する様になっていること。
面倒だが、これは正しいやり方だろう。
平面バッフルも好きで時々出してくるが、これは解体してしまってくのにも
便利だからという面がある。
全く我ながら物好きである。
さて、しかししかし、持ち主が一緒だとどんなスピーカーもやがて
どれも同じような鳴り方になっていくというのも実際ある話だ。
くだらないといえばくだらない。面白いといえば面白い。
ぽんせんべいだが、とっても楽しくて、探求し甲斐のあるユニット。
しばらく楽しみたい。
12月13日
はっきり言って疲れている。
もう月休4日が似合うお年頃でないのだ。
それでも僅かでも前進させたいということで
アッテネーターを急造。
とりあえず075をもう一度使う。
世界のJBLに対してとりあえずとはご挨拶だが
ぽんせんべいにはもう少しジェントルなツイーターが
似合う気はする。
それでも実験ということでやってみる。
アッテネーターを思いっきり絞ってちょうど良い感じ。
ただ、全体のトーンはぽんせんべいが
決めている感じありありで(当然だが)
それを調整しようとなるとぽんせんべいに
コイルを入れるなどということになる。
それはしたくないなーと言うのが正直な気持ち。
この子には伸び伸びやって欲しいのだ。
12月14日
こんな事をしてみた↓
これは所謂よっしーの部屋の隣室。
普段は見事に何も無い。
そこにぽんせいべいを持って行ってみた。
特に後方に空間を取ったらどう鳴るか?興味があった。
とりあえず鳴らしてみた、に過ぎないから
何とも言えないが、俄然よくなったという事は無かった。
それ以前に、音が落ち着かない。
やはりオーディオは手間隙が肝心で
丁寧に接しないと部屋も装置も使い物にならない
と痛感。
さっさと見切りを付けて(見切り千両)
元の部屋へ。
色々思うところはあったが、遂にアンプを
NR365からクオードへ差し替え。
退院してから二ヶ月くらい、ずっとNR365の音を聴いていたので
さて、これでどうなるのか?期待より不安の方が大きかった。
さあ、音はどう変わったでしょう?
当ててみてくださいね。
12月15日
NR365から往年のピュアアナログアンプへ。
音はどう変わる?
予想回答みたいな物を二名様より
頂いたが、あっさり見抜かれている。
そう、質感は向上する。
これは高品位と言って良いのではあるまいか?
発泡スチロールのお化け(失礼!)からこれだけの音がするとは
驚き桃の木である。
ただ、唯一大幅に後退するものがある。
それは力感であった。
あった、って、大抵予想はしていた。
ただ、この差は結構大きい。
低音の爆発するような炸裂感。
その点はNR365の圧勝だ。
さて、いかがしたものか?
余計なことを始めるから悩みが深くなる。
12月17日
趣味には。というかオーディオには色々な行き方があって
惚れた。あるいは信じる機器を相手にとことん
打ち込むというのもある。
ただ、僕の場合割と短気というか、かなり短気というか
こりゃどうかな?と思うとさっさと踊り子さんを入れ替えてしまう癖がある。
QUADペアも信頼するアンプだが、今回はちょっと違う気がした。
そこでPRA-2000+HMA-9500MK2ペアにバトンタッチ。
これももう純正組み合わせと言っても良い
長岡先生往年のペアだ。
お陰でこの両機、大分売れたのではないか?
深く考えないでバトンタッチ。
第一音が出た時から、これはいけるんじゃないか?
と思ってそのままヒートアップを待つ。
QUADペアもぽんせんべいから綺麗な音を出したが
こちらのペアは更に上を行く感じで素晴らしく繊細な音を出してくる。
こういう事をやらせたら、メイドインジャパンは凄いと
素直に思える。
NR365で鳴らしていた時との比較では
ぽんせんべいの従順さが違う。
NR365の時は365とぽんせんべいで悪ノリしあって
教室中を巻き込んで狼藉の限り、みたいな所があったが
(それはそれで個人的には愛するものなのだが)
PRA-2000+HMA-9500MK2と組み合わせたら
憧れの先輩の言う事なら何でも訊く、みたいな鳴り方へと一変した。
オマエこんな事出来るのか?と思わず先生が見直す感じか。
いや、そんな程度の違いじゃない。
NR365の時はピアノのアタックは時に破綻し
弦もちょっとご勘弁というのが正直なところだったが
PRA-2000+HMA-9500MK2でドライブしたら
なんとドリアンのMAX REGERを大音量再生しても
耳に突き刺さるどころか、美音の限りでうっとりしっぱなしだ(!)
これはもう絶対に同じスピーカーとは思えない。
勘弁して欲しい。
低音の爆発的パワーだけは以前一歩譲るが
恐らく電源の取り方を真面目に詰めたり
アンプに鉛を載せたり(やらないよ。笑)
あれこれすると押しも強くなると思う。
ぽんせんべいも12_厚バッフルではなく、21_くらいにすると
大部違うだろう。全体にもう少し重量があっても良い。
さあ、これからどうする?
(くれぐれも念のためですがNR365の駆動力。僕は大好きです♪)
12月18日
オーディオには色々な行き方があり…
あれ?書き出しがワンパターンになっている?
…と、呆けても仕方ない。
愛する機器を丹念に使うのも一つ。
色々と注意を払い最高のコンディションを用意して
上げるね、と真面目に付き合うのも一つ。
どれも良いことだ。
ただ、悟りを開く前に色々と馬鹿なことをやるのも
オーディオの楽しみの一つ。
まあ馬鹿が似合う年齢はとおに過ぎているのだが、僕の場合。
歳をとっても馬鹿のままというのも一考かと思い
こうして毎日恥さらしをやっているわけだ。
前置きはどうでもよろしい?
ここで唐突にプレーヤーをNEC CD-10に交代。
深い理由は無いが浅い理由ならある。
一つは、押し出しの強さを、CD-10ならすぐ実現出来るのでは
ないか?と思ったこと。
もう一つは、もしかして今の状態、
つまりPRA-2000+HMA-9500MK2+ぽんせんべい
なら、その様な機器の違いを大きく描き出すのでは?
という期待を持ったこと。
そこでこのロートルの出番となった。
いそいそと引っ張り出してきてSCD-XA1200ESと交代。
しかし気の毒というか、このプレーヤー1989年製だ。
(生産完了は1990年)
なんと四半世紀前のデジタルプレーヤー。
CDの発売から僅か7年目の製品。
まともに動いているだけで有難いと思えとプレーヤーが言っている。
このプレーヤーの長岡先生が永らくリファレンスとして
使っていたこともあって、多くの教徒が購入した。
一つには10万円以下というお値打ちな価格設定もあったとは思う。
ただ、さすがにこれをもって最高のCDプレーヤーと思う人は少なく
教徒もリファレンスは別にあって、これはサブで
みたいな感じが多かったではないか?
僕が未だに時々でも使っているのは
単に天邪鬼なのとケチだからである。
NEC最後のCDプレーヤーと思うとそれだけで
愛おしい。
しかし皆耳が良いのか、さすがにCD-10を絶賛する声は
ネットを見回してもあまり見ない。
(ゼロではない)
罵倒はされないのだが積極的に誉めて貰えない。
それがCD-10的位置づけなのかと思ってしまう。
長岡先生がこれを永らく使ったのは
一つには高い物への反感があったからと想像する。
デンオン他各種セパレートCDなんかが
リファレンスに収まったこともあったが
高いけど音が良いから仕方ない、と注釈されていた。
しかしそれにしてもリファレンスに値するものなのかしら?
と、よっしーでさえ疑問に思いながら使っているので
ビミョーなものである。
そもそもデジタルの世界は進歩が激しい。
往年の名器というのが存在し難いジャンルの一つが
CDプレーヤーだ。
それがわかっていたらそんなモン引っ張り出すなと
言われそうだが、まあ趣味の世界に理屈は通じない。
前置きが永くなったがCD-10接続。
音を出すと、なるほど押し出しは凄い。
だが、その他の要素でSCD-XA1200ESの方が
ずっと素敵である。
こりゃあやっぱりそういうものかと、半ば以上に想像通りで
笑ってしまった。
しかし、案山子、しばらく鳴らしている内に
どんどん音が変わっていく。
これは当たり前で、ヒートアップゼロの状態で
何かを言うほうがおかしいのだ。
しかし大層な変わりようで…
(続く)
12月19日
年末にこんな事やっていられるだけ幸せというもんだ。
おい、だがしかしこれは変だ。
CD-10よ、ちょっと頑張り過ぎではないか?
これはきっと幻なのだろう。
これなら長岡先生が永く手元に置いた理由もわかる。
そんな鳴り方だ。
そして、ぽんせんべい。
お前は何者だ?
長岡先生曰く、楽しい音だが所詮ハイファイではない。
…いや、これは充分十二分ハイファイです。
機器の違い、ヒートアップによって音が変わっていく過程を
見事に描き出すところはオーディオ評論家向きでさえある?
一般に平面バッフルというと素直な音であるが
低音は不足気味になるものだが、さすが巨大振動板。
そんな事は無い。
なるほど、超低音領域は、箱の助けもポートの助けも無いから
やや不足に感じることもあるが
(多分圧倒的大音量再生ならそれも無くなる)
そんな事はこの際どうでもよろしい。
それよりも箱の無い素直さのメリットの方がはるかに大きい。
例えばエコー(後から付加したものではなく
その場で自然と録れた残響)などの伸びは最高。
音に屈託が無く澄んでいる。
そのためだけではないだろうが、
いわゆるスピーカー二本でのサラウンドも
(ソースによるが)実現しやすい。
とにかくオール廃品を集めて作った
スピーカーでこれだけの音がしたら
宝くじで当選を引いたようなもんだ。
今年のジャンボは是非買おう(笑)
(上三枚の画像はエレクトーンB-6Bの取り扱い説明書からです。
このB-6Bにもぽんせんべいが入っているのは確かですが
よっしーのぽんせいべいは同型から取り外したものではありません)
12月21日
オーディオはある意味いたちごっこの趣味だ。
スピーカーが変わると、アンプに要求されるものも変わる。
そこでプレーヤーの評価がひっくり返ったりもするだろう。
更にケーブル、電源が絡んで、話は横溝正史先生の物語の如く
複雑な相関関係を示し始める。
別名ネバーエンディングストーリーとも言うとも言わないとも。
それらひっくるめて、趣味と言う。
趣味だから何でもありなのだ。
…という一文は、実は以下の前に、別に深い意味はなくあてどなく書いた物だった。
で、なんとなく、なのだがディスクプレーヤーの比較試聴をやりたくなった。
少し前にやり掛けて投げていたのが気になっていたのだ。
ちょうどぽんせんべいが、良い感じで鳴り始めたこともあり
今なら分かり易いのではあるまいか?との思いがあった。
ところで我が家にディスクプレーヤーというのは何台あるのか?
考えてみたらそれなりの数がある。
それを全部まとめてとなると訳が分からなくなるので三台をピックアップ。
NEC CD-10。デノンDCD-755RE。SONY SCD-XA1200ES。
三台はいい意味でバラエティに富んでいて面白いかな?と思ったのだ。
まずNEC CD-10。
1989年発売。16fs TFCデジタルフィルター採用。4DAC。A/D完全分離2BOXシャーシ。
ダイレクトメカニカルグラウンドコンストラクション採用。
特徴が多すぎて書ききれないが、とにかく手間と金の掛かった造りであることは確か。
脚だけで一個380cある。それを又四点支持、三点支持と選べ、更に面接触と点接触と
選ぶことが出来る。
今考えると本当に凄いことだ。
重量13.5s。
三台の中ではぶっちぎりの重さとなる。
さてしかし、理屈は理屈、音は音だ。音が駄目なら全て意味は無くなる?
永い付き合いのプレーヤーだが、改めて、とにかく押し出しの凄さに特徴がある。
轟然と音が迫るところがあって、ソースと音量によってはこちらが身を引いてしまう。
しかしそれだけのプレーヤーではない。切れが良いし繊細さも持ち合わせている。
ただ、他の二台との比較で、どこか爽やかに抜けきらないところがあるのも確かの様。
そこが惜しい。
でも26年前のプレーヤーなのですよ。信じられないことに。
次にデノンDCD-755RE。
これはなんと現行商品だ。価格は5万円だが実勢価格はうんと低い。
発売は2012年。
AL32 Processing搭載。16bitの信号を32bitクオリティで再現する。
192kHz/32bitのDAコンバーター内蔵。
電源部/デジタル部/アナログ部を分離。手にぬかりは無し。
このプレーヤー、とにかく軽い。重量4.1キログラム。
片手で持って団扇に出来そうな軽さだ。これは驚く。
ネットでの評価を見るととても高い。
10年前20年前の高額品より良いという評も多く、興味津々。
改めて音だが大変良好。
これが実勢3万円くらいとなると、只みたいなもんだ。
よっしーは物量を信じる方だが、進化というのも信じている。
昔のナナハンが新型のクオーターに負けるように、世の中は絶えず進歩しているのだ。
ただ、この機種と付き合い始めて半年と少し。
いつも気になるのが、特に高い帯域の線の細さと独特の音色。
これがAL32の影響なのかどうかわからないが、どうしてもかさかさとした感じを受けて
それを受け容れられない。
今回もそうで、引っ掛かってしまいほれ込むことが出来ない。
惜しい限りである。
しかし安いといえばとにかく安い。高評価も理解出来る。
三台目がSONY SCD-XA1200ES。
2006年発売。
もちろんSACD対応機だ。重量7.2キログラム。
ただ、他に案外情報が無い。これは困ったものだ。
まあそれは仕方ない。
XA品番の中核機という感じで、その意匠は現在に繋がっている。
好みはあるだろうけど、僕は好きなデザインだ。
この機種の本領を発揮させるにはSACDなのかもしれないが今回はCDでの比較。
音だが755の様なカサカサした感じも無いし、さすが値段が違う?
CD-10と比較すると、さすがにくそ力では勝ち目が無いが、1200ESの音が常識的で
まともなのだともいえる。
ちょっと地味に感じるところがあるが、逆に貴重というか、ある種リファレンスになる
音だ。
…と、今日はここまで、みたいな感じで、画期的な盛り上がりは無く終わり掛けた。
で、良く考えると1200ESのみインレット式の電源だからケーブル交換可能。
これまではサービスで頂いたテクニカの紫色のを使用。
見た目も手触りも好きだったから換える気もなかったのだが、せっかくだからと交換してみた。
といっても高級品がある訳でもなく、自作で電線はFケーブル。
コンセントは松下でインレット側がフルテックという組み合わせ。
電源マニアなら鼻で笑う?
深く考えないで差し替え。
すると、これが激変で思わず耳を疑った。
え?という感じで、キョトンとする。
これは変だ。幾らなんでも変わりすぎ。
アラフォーくらいの感じだった1200ESがいきなり女子大生に変身?
いや、ホントにそれくらいの変わりよう。
おいおい、そりゃ無いだろう、と言うくらいの変化だ。
手を出したのはこちらなのだが、相手の豹変ぶりにたじろぐ。
そんな感じ。分かって貰えますか?
さて、僕はケーブル、電源には極めて無頓着。
だから今回みたいなのはあまり嬉しくない。深みに嵌りたくない。
ひねくれているから差し替え式電源ケーブルは嫌だ、と言い続けてきた。
なぜなら悩む要素が増えるからだ。
電源は直だしが良い、とかなんとか言ってきた。
これを期に電源マニアに…
…は、無いが、久々に激変というのを目の当たりにしたのは確か。
12月22日
母さん、僕は今までいったい何をやっていたんでしょうね…
12月23日
時は1999年。
正に20世紀を目前にしてオーディオ界に新しい流れが起きようとしていた。
それはSACD、あるいはDVDオーディオというスーパーCD規格の台頭であった。
1982年に市販が開始されてから17年。CDはすっかりパッケージソフトの代表として
認知されていた。
だが、その器。44KHz、16Bitという規格の限界は常に論じられていた。
遂にそれを凌駕するパッケージが登場というわけだ。
それを受けて、各社一斉に、次世代CD規格対応機を開発して送り込んできた。
それが1999年に始まった。
まず、SACD陣営の代表格SONYがSCD-1をリリース。
ほぼ同時にパイオニアがDV-AX10を出す。
これらは共に50万円のプライスを引っさげて登場。
SCD-1が当然ながらSACD対応でDVDオーディオには非対応であったのに対して
DV-AX10はSACDにもDVDオーディオにも対応するという、正にマルチプレーヤーだった。
これに続いて、マランツからはSA1が55万円で、またアキュフェーズからは
DP75Vが65万円で、ラックスマンからはDU10が88万円で。
そしてビクターからはXV-D9000が35万円でリリースされる。
これらは次世代CD対応の第一世代フラッグシップ機と名付けて良いだろう。
*一部の機種を省略しております。
12月24日
さてしかし、そんな昔の(16年前だ!)のプレーヤーがどうした?
今や時代はハイレゾでありPCオーディオでありネットワークオーディオだ。
皿を回しても仕方ない?
確かにその通り。
かつてはプレーヤーの主役にいたディスクプレーヤーも、陰は薄い。
そのディスクプレーヤー達も、振り返れば色々な物が家にも来た。
記憶の限りで書き出してみると…
ヤマハCDX-3
NEC CD-10
SONY CDP-777ESA
PIONWWE DV-S10A
SONY DVP-S9000ES
TASCAM CD-401
DENON DSD-755RE
PIONEER DV-800AV
SONY SCD-XA1200ES
…ざっとこんな感じだ。
考えてみるとあんまり高いのは無い。
一番高くても20万円か。
高級品に縁が無い体質を物語っている。
他所では色々なプレーヤーの音も聴いている。
金額で言うなら総計1000万円みたいなのも拝聴した。
いずれも素晴らしい物だった。
だが、どうもデジタルディスクプレーヤーの凄いのを買う気になれない自分がいた。
デジタルの世界は進化が激しいので、どんな凄いのを買っても陳腐化するだろう
などと言い訳をする己が居たのだ。
そうこうする内にPCオーディオの声も聞こえて来て、益々高級なプレーヤーを
買おうと言う気が無くなって行く。
そんな言い訳を重ねてきたのだが、今回遂に鉄槌が下ったというか
キミもいい加減これくらいの物は使ってみたら?という事で(本当はそんな事ではないのだが。笑)
遂に往年のハイエンドプレーヤーが降臨された。
それがパイオニアDV-AX10。先にも挙げたスーパーCD対応第一世代の中の一台であった。
1999年当時50万円。
50万円はハイエンドではないという説もあるが、
僕には充分ハイエンドだ。
お父さん、世の中はクリスマスって言っているのに
あなたは相変わらず詰まらない物書いているのね。
そ、そーね。
じゃあくたびれたサンタの画でも一枚。
12月25日
もちろん世の中には幾らでも高いのがあるから、50万円でハイエンドとは笑止千万という方もいるだろう。
だが、世間一般常識的にはディスクプレーヤーで50万円は凄い投資だ。
第一この時の50万円は戦略価格というかバーゲン価格というか、AX10なんかも
ソニーがSCD-1を50万円でリリースしてきたのに合わせた感がある。
まず重量だが24キログラムある。
思わず”馬鹿か?”と思ってしまう。
例えばアナログプレーヤーのGT-2000あたりで26キログラム。
しかしそれは6キロ弱のターンテーブルを搭載していたりするからだ。
何が悲しくてデジタルディスクプレーヤーで24キログラム?
調べてみるととんでもない構成なのがわかる。
プレイヤー内部における相互の電気的影響を低減するため、各部を銅メッキ鋼板により完全分離。
さらにデジタル部のメインユニットをシールドケースに収納する3BOX-5CHAMBER構造を採用。
外部からの振動による影響を抑制するため、剛性に優れた6mm厚の金属板をシャーシベースに固定。
2mm厚の天板を採用し、その内側に金属のインサイドプレートを採用。
インシュレーターには真鍮の無垢材を採用。
なるほど、それなら重くなる。
重いだけではなく、各部を叩いてみてもコチコチ。柔な部分が全く無い剛性のボディであることが分かる。
第一、デカイ。
グンッと立ったフロントパネルの高さは普通ではない。
皿に奥行きもあるので、並べてみるとプリのPRA-2000はもちろん、メインのHMA-9500MK2より大きいのだ。
考えてみるとメインアンプの9500MK2と重量差が3キログラムしかない。ふざけている。
その威容は、正に潮岬沖から蘇った、空母信濃の如くだ。もっともライバル機SCD-1は27キログラムあった。
という事でやたらと重いがラックには入れず、床にタオックのボードを敷いて設置。
電源ケーブルは前日までSCD-XA1200ESに差してあった自作Fケーブルの物を流用。
電源スイッチを入れるが、まずそこからしてフィーリングが違う。
姉妹機DV-S10Aも持っているが全然違う。
トレイをオープンすると、これが又全然違う。
ほんの少し勿体つけて、でもスムーズに、静々と開く。いかにも高級機だ。
はやる気持ちを抑えて最近お気に入りのCDを置いてリモコン操作。
さて…
12月26日
さて…
第一音が出た瞬間にのけぞった。
第二音が出て口が開いた。
三発目くらいで固まった。
…これはもう全然違う。これまで聴いて来た音とまるで違うのである。
一言でいうと次元が違う。
これが本物であろう。これまで聴いて来た音は、ミュージシャンが本気を出していなかったことがわかった。
…正しくは、音楽家が、録音エンジニアが本気でやって来たことの半分くらいしか引き出せていなかった。
50年以上失礼致しました。ごめんなさい。
例えば今まで聞いてきたバスドラはバスドラではなかったのだ。
ベースもベースではなかった。ギターもギターではなかったか、ああ。
なにがどう、と説明するのが億劫になった。全部違うのである。
嘘ではない。全部違う。
随分永いことこの趣味をやってきて、これまでそれなりに驚くことは多かった。
いや、多いからこの趣味をやって来たのだ。
ただ、今回の驚きは過去最大級である。
デジタルとかアナログとか、CDとかSACDとかDVDオーディオとかハイレゾとか言う問題ではない。
それら全部ひっくるめて、全て間違っていたのではないかと思えるくらいの衝撃だ。
それくらい違う。
この音はどこから来るのか?
贅沢極まりないメカ+金の掛かったDAC及び強靭なボディ。
多分その全てが貢献しているのだろう。
この瞬間、拙宅にあるデジタルディスクプレーヤーは全て不要に?なってしまった。
12月27日
DV-AX10。陳腐な言い方だが超ワイドレンジ。
これは数値上のF特の問題ではなく、端から端まで力感スピード感が統一されていると言う意味。
これでスーパーウーファーが不要ということになった。
要らないのだ。
サラウンドも要らないかもしれない。
位相特性の素晴らしさからか、エンジニアが狙っている場合はフロント二本でちゃんと
サラウンドする。ま、これは当たり前だが。
要するに色々な物が要らなくなった。
目の前にあったガラス扉が全部無くなって、現場が目の前に来た。
正直怖いくらいだ。
嬉しい反面、なれないから疲れるのも確か。
ソースは選ばないというか、大抵の物が良い音で鳴ってしまうのでチョイスする必要が無い。
ただ、もちろん優秀録音を掛けた方が本領発揮する。
…それは良いが、これがまた本当に気をつけないと大変な事になるのだ。
コントラバスマリンバなんか掛けると本当に部屋のそこかしこが共振して危険極まりない。
それにしても、プレーヤーひとつでこうまで変わるかと言いたくもなる。
アンプやスピーカーを取り替えても、ここ迄は変わらないだろうと思う。
今までの人生損をしていたようで悲しくなる。
こんな事が起きるとは、思いもしなかったよっしーだった。
12月28日
しかし、ふっと気づくと目の前で鳴っているスピーカーはぽんせんべいだ。
これも凄いと言えば凄い。
ぽんせんべいも元から凄いが、ここまで凄いとは開発者も知らないかもしれない。
更に言うとバッフルはコンパネであり、支えているのは2×4材でいずれも廃品再利用だ。
ツイーターも捨てられていたスピーカーからもぎ取ってきた物。
そこからこれだけの音がするといっても、聴いてもらわない事には信じてもらえないだろう。
PRA-2000もHMA-9500MK2も35年位前の製品だが、ここではベストマッチ。
DV-AX10を迎え撃つには充分という感じ。
いや、あるいはぽんせんべいだからDV-AX10の真価もすぐ発揮出来た?
あながち冗談ではないのであった。
12月29日
DV-AX10で大はしゃぎ。
見る人が見たら馬鹿みたい?
そんなに凄かったっけー?とニヤニヤ笑いながら読んでいる人もいるかも?
それはそれで良い。
ただ、このプレーヤーの凄さ(の一部)を
すぐさま発揮出来たのは、やっぱりぽんせんべいが在ったからだと
(拙宅の場合、だが)思う。
DV-AX10の魅力の一つは、そのマッシブな
というか曖昧さを許さないというか
冷徹さを備えた爆発力かと思う。
その辺りが遺憾なく発揮出来たのはぽんせんべいのおかげと
僕は思う。
暴力的なまでのエネルギー。
これはもう大面積の、しかもそれでいて軽量な振動板でなければ
実現出来ないのではないかと思う。
どうもこういう言い回しを使うと、まるで長岡先生の受け売りみたいで嫌なのだが
軽くて強靭な振動板からでないと得られない音の世界というのは
確かにあるようだ。
小口径なら、そういったユニットもたくさんあるのだが
大口径で、となると途端に数が減る。というかあるのか??
数少ない例外がぽんせんべい、と言ったら誉めすぎか?
背圧から完全に逃れられるプレーンバッフルで使っても
全くもって低音不足にならないのも大変な強みだ。
変な例えだがスーパースワンをお使いの方に是非試して欲しいもの。
それがぽんせんべいだ。
そして多分DV-AX10も合うと想像する。
12月30日
ぽんせんべいにはすっかり毒されてしまった。
もちろんそれで不都合は無い。
所詮趣味である。何でどうはしゃごうと勝手だし、第一誰も突っ込まない?
しかし冷静さも必要ということで何週間かぶりにSS-G7登場。
それでDV-AX10はどう鳴るか?という興味があってのことだ。勿論。
DV-AX10はもちろん固定。
アンプはPRA-2000+HMA-9500MK2で最初はこれもそのまま。
それで音を聴いてみると、実に目が醒めるような音がする。
これを基準にするとぽんせんべいは随分ハイ落ちだったという事になる。
それはそれでこの際問題ではない。
だがしかし、やはり38センチウーファーが充分動いていないような鳴り方だ。
これはぽんせんべいの音が耳に残ってしまっているからという説も濃厚だが
それを言っては始まらない。
どうしようかと思ったが、ここでNR365登板。こちらも何日か振りだ。
パッと音が出た瞬間、懐かしさがこみ上げる。ほんの数週間振りなのに、だ。
やはりこれはG7を良く駆動する。38センチウーファーここにあり、みたいな鳴り方だ。
だが、やはりちょっと荒れて聴こえる部分がある。
耳に突き刺さる、ほどではないがPRA-2000+HMA-9500MK2ペアと比べて質感は二歩後退。
ま、ある程度予想していた変化ではある。
ここで三番、クオードペア降臨。
これはNR365登場以前はG7用としてベストと思って使っていた組み合わせ。
差し替えてみるとやっぱり上手い。
PRA-2000+HMA-9500MK2ペアと比べると、G7が言う事を聞いている鳴り方になる。
NR365よりもニュアンスはよりよく出る。
PRA-2000+HMA-9500MK2ペアと比べると切れ味は後退。
ただ、クオードペアの方がノーマルという説もある。
数日のお付き合いでは断定は出来ないがDV-AX10は正統派のハイファイサウンドというか
以下の言い方は正しくないかもしれないが、ちょっと済ましたオーディオショップの5階フロアー
辺りで鳴っている音がするプレーヤーな気がする。
人によってはそれが鼻につくという事もあるだろう。
クラッシックをしんみり聴くのにはどうか?という説もある。
ただ、基本的なクオリティーは信頼が置けるものなので、僕としてはこのプレーヤーと
G7を活かすアンプ選びをする事になる。
その、今のところの結論がクオードペアということだ。
上手いという言い方を繰り返す事になるが
力強く刺々しくならないところは実に凄い。
そしてG7。
ぽんせんべいの様な爆発力は無いが
やっぱり品位が違う。
G7で聴いていると、例えば、ああこのパーカッションは
テグスみたいな物で吊るしているんだなー、とか、
奏者がここは手でミュートを掛けているな
とかいったことが良くわかるのだ。
G7とはちょうど一年前からの付き合いだが
なりに似合わず地味で真面目な鳴り方をするスピーカーみたいで
最初こそ38センチウーファーに目がくらんで
目指せ大迫力、みたいなつもりで接したが
途中からこちらが路線変更して、それはどうも正解だったみたいだ。
12月31日
大晦日です。
床に直置きだった機器達を、珍しくラックに納めた。
結線、放熱を考えると床に散らばっている方が良いのだが
いかにせん見苦しく、また躓きそうなので
年末年始くらいはラックにGO。
ただ、音はビミョーに変わってしまうので
年が明けたら元に戻すかも?
ラックはやっぱり必要悪なのかもしれない。
こういう時(年末)はやっぱりFM、なのだが放送内容が詰まらない。
これでは衰退する。もう少し頑張ろうね。
そのFMだが、チューナーはT-4070。
そのままでも良い音だが、デジタルアウトがあって
しかもDV-AX10にはデジタルインがあるので繋いで見た。
更に音が良いかどうかは今のところ不明だが
なかなか贅沢な使い方ではある。
それとT-4070だとリモコンが使える。
これは便利だ。
(ただしリモコンが増えすぎるのは悩みの種になる)
一年間お疲れ様ということで機器達も軽く磨く。
G7はユニット取り付けネジを増し締め。
数ヶ月しか経っていないのに随分緩んでいてビックリ。
三種類の六角が必要だが、何よりユニットに傷をつけない様に慎重に。
それが一番大事。
(しかしG7もJBLを意識していたのだろうか?
このプレートに何となく感じるものがあるが)
他にもいろいろあるが、いい加減にしておこう。
では、皆さん、良いお年を。
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