5月1日
まあ、なんちゅーか、オーディオは面白いわ。
その一言。
呟きとあまり関係ないのだが、エラックSTS-455Eバラバラ事件?
いや、このカートリッジの樹脂製のベースと金属製のボディが剥離しかかっていたので
思い切ってキッチリ剥がし?改めて接着剤で付けてあげたのでした。
(今はこのシェルについていない)
針先ももちろん丁重にクリーニング。
良く見ると出力ピンが腐食していたので磨く。
それで音は激変…
かどうかは知らないが気持ち良いのは確か。
このカートリッジもある伝手で貰い受け、大して登板しないまま今日に至る。
考えてみれば失礼な話だ。こちら往年のベストセラー。
音は独特というか、実にマイルドでまったりしたもの。
やや壮絶録音っぽい盤を上手に手なずける能力はこのカートリッジの美点の一つ。
しかし、何かのはずみでテラークの「オムニディスク」なんか掛けてみたら
1812の大砲も正確にトレース…まではしないが、なんと上手に走り抜けてしまった。
これは我が家初の快挙である。ちなみにアームはダイナベクターDV-507。
そんなもんばかり聴いて…と言われそうだがこのディスクの4面。
青少年のための管弦楽入門とビーチボーイズのグッドバイブレーションは
素晴らしい録音だ。
ただ、トレース出来たからといって455Eにマッチするレコードかというと
そんな事は全くないのも確か。
5月2日
ある日の風景。
お父さん、どーでも良いけど後少しかたづけたら?
え、う、うーん、明日になったらね(汗)
長い事オーディオをやって来て、オルトフォンのMCカートリッジを持っていない事に気がついた。
ではここでSPU…
ではないのだが歴史的な一品を。
MC-20初代である。
MC-20、同30についてはこれまで縁が無かった訳でもない。
ただ、寸でのところで実らなかったという感じ。
今回は無事ゲットである。
さて、初代MC-20。
先代がSL-15。
姿かたちは似ている。
もっとも、SPU含めて基本的なところは変わっていない。
カンチレバーの根元に取り付けられた正方形の鉄芯にL、Rのコイルを重ねて井桁状に巻いている。
そしてカンチレバーはポールピースの穴を貫通して組み込まれる。
ちなみにDENON DL-103などもオルトフォン形式。ただ、インピーダンスはかなり違う。
同時期の103Dが33オームなのに対してMC-20は3オーム。出力は低い。
この出力の低さが当時は話題であり、プリメインアンプのテストでMC20が十分鳴らせるか?というお題があった。
ヘッドアンプ、イコライザーのSN比が問われるということだ。
MCの昇圧に関しては、今も昔もヘッドアンプ派とトランス派で意見が分かれるところだが、当然それぞれに良さがあるはずなので
好きな方をチョイスすればよい。
MC-20は自重7gと扱い安い重さ。
デザインは亀の子型と呼ばれる可愛い形。
そして何より色が良い。深みのあるブルー。
実はこれが、よっしーをして初代MC-20が一番好き、と思わせるチャームポイントだったりする。
このボディは樹脂。
これがベースにはめ込まれているのだが、接着ではなく四か所の爪を引っ掛ける方式で
扱いを間違うと簡単に外れるようだ。
生産性優先でそうなったとも言えるし、昨日登場のSTS-455Eみたいに接着だと経年変化で剥がれて来るから
嫌だと思ったともいえる。
この樹脂カバーを剥がすとシャープな音になるだろうなー、と想像しつつ針を下す。
すると…
なんと!そのままでカッチリした音がするではないか。
…なんと、なんて失礼な話で、実は勝手に、弦とかが美しい、ふっくらとした優しい音がするものと思い込んでいたのだ。
迂闊に想像なんてするもんじゃない。失礼しました。
これは見事。とにかく音に芯がある。細かい所の分離も任せろと言わんばかり。
そのせいか音像は引き締まって小さい。
ただ、全体に筋肉質というのとは違う。引き締まっているが、どちらかというと食生活に気をつけて作った身体という感じで
いかにも体脂肪低めという風だ。
もっとも、この辺は昇圧手段やシェル、アームでも変わってくるから簡単には言いきれない。
あくまでもファーストインプレッションということで…
こんな天気の日に部屋にこもってオーディオなんて、お父さんセンス無いわねー。
だからこうして散歩に来たじゃありませんか、ルーさん…
5月5日
たまには人に自分の音を聴いて貰わないといけない。
色々と気づくこともあって、というか、気づかないフリをしていた事を
いよいよやらなきゃね、という気にさせてもらえる。
貴重で楽しい何時間かでした。
(急に決まったお話なので各方面にはお知らせが出来ず失礼しました)
久々に。本当に久々に数少ないDVDオーディオの音を出すべく
S10Aなんかも引っ張り出してみたりして。
いやいや、面白い一日でした♪
5月6日
それにしても昨日は楽しい一日であった。
思い返してもにやにやしてしまう(←あやしい人?)
振り返るとその人のおかげで家に来た物の数々…
PC-41MC
PL-88FS
HMA-9500
DV-S10A
コンコルド105なんてのもあった。
それからHX-10000。
他にもあるのだがキリが無いからこれくらいにしておく。
一種の物欲オーディオなのだが、とことんやると見えて来る物もある。
そんなにあれこれ手を出してどうする?という説もあるのだが
一方で、体験は必要というのもあるのだ。
結果、もしもの時はこれとこれだけあれば良い、となるのです。
さて、大いに刺激を受けて?G7は77HRXのスタンドに載った。
いや、兼ねてより気になっていたのだがフロアー型のG7と言えども
直に床に置くと高さは不足なのだ。
ツイーターは耳の位置より20センチ弱低くなる。
何より38センチウーファーは床に接近して、音はどうしてもダブり気味になる。
この辺は基本と言えば基本で、やっと少し持ち上げた。
ただ、必ずしもスピーカーを持ちあげなくても良い、とする説もある。
スピーカーの位置が低くても音場は上方に展開する、という訳だ。
それも嘘ではないのでケースバイケースで色々やれば良い。
ただ、色々やるのにいきなり大きな出費は不可能なので
とりあえずはその辺に転がっている物で試すに限る。
今回はこれで教科書通りの高さになっている。
その結果、当然ながら音場は目の高さを基準に展開することになる。
また、低音のダブつきも減った。
しかし、やるならもっと大胆に、ということでプリをC-2XからPRA-2000に、
メインはTA-NR1からHMA-9500MK2へ。
スピーカーケーブルも交換。
調子に乗ってバスレフポートには詰め物をしてみた。
ここまでやると音は変わって来る。
一言で言うと線が細く、緻密になる。
言い方を変えると濃厚さは大きく後退したので
それが良いかどうかの判断は瞬間では出来ない。
まあまたしばらく様子を見る。
そんな事の繰り返しだ。
ところでもっと大事な話。
オーディオを音楽を聴く道具と考えた場合、一体自分は何をどう聴きたいのかが
もっとも大事になる。
当たり前のことを大きく書いたが、実はよっしーにはその辺が大きく欠けている。
よっしーにとっては装置が主で、音楽は音源であって、従なのだ。
だからなんでも聴けるが、これをこう、というのが無い。
良いと言えば良いのだが、これではいかんだろうと常々思っている。
今回は特にその思いを強くした。
お客様向けに用意したレコードだが、今度はもっと上手に鳴らせるように、と
今も昨日を振り返りながら聴いている。
5月9日
5月10日
G7の上にちょこんと載ったツイーター。
これは?
型番はRIT-MAG25。
六本木工学研究所(麻布オーディオ)のオリジナルブランド、リットカスタムの製品。
振動板はマグネシウム合金。口径は28mm。インピーダンス4オーム。能率は93dB。推奨クロスオーバーは2.5kHz以上。
…なんて事はこの際どうでもよろしくて、どうしてこれが突然現れたか?
先日ご来訪の方が、”君、これを送るから使いなさい”といってくださったのでありました。
ツイーターが必要だ、ということである。
なんともありがたいお話である。
矢の様な速さでツイーターは届けられた。
そしてよっしーはポンとそれをG7に載せた。
嬉しい事に、実にちゃんとした台にマウントされ、端子付き、コンデンサー付である。
これはもうありがたい事この上ない。
ここで、能率がどうとかクロスオーバーが、とか余計な事を考えてはいけない。
とにかく使えば良いのである。
しかし、先日G7自体の高さを変えてしまった。
このツイーターは耳の高さを遥かに超えた所に位置することになる。
果たしてそれで良いのだろうか?
まあよろしい。とりあえず逆相で接続。
音を出してぶったまげた!
…は言い過ぎで誇大表現である。
プラシーボに気をつけないといけない。
…なのだが全域に渡ってとにかく音がまろやかに感じるのだ。
一言で言うと気持ち良い。
騙されてはいけない、とツイーターに耳を近付けると
なるほど確かに鳴っている。
偶然の成せる技か、どうも能率もピッタリ。アッテネ―ターも不要みたいだ。
だが、話が上手すぎる。
ディスクを交換する。
だがやはりこれまでと音が違う。
実にまろやか。
またディスクを換えて…
同じである。
調子に乗ってアナログも…
同じである。
いや、気持ち良い。
何かの間違いだといけないのでこれくらいにしておくが
間違いや勘違いでも良いから一生続いて欲しいと思う。
5月11日
夢なら醒めないで、という言葉がある。
せっかくいい夢みさせて貰えているのなら
余計な事は考えず今の幸せな気分に浸っていれば良いのだ。
そのツーターが本当に効いているのかどうか。
結線を外してみればわかることだ。
だが、そんな事をしてもつまらない。
良いのだ、このままにしておけば。
相変わらず(変わるわけないが)耳をくっつければ確かに鳴っているのがわかる程度。
それで効いていると言ってよいかわからないが
そもそもスーパーツイーターとかスーパーウーファーというのはそういうものだ。
もっとも、今回の物がスーパーツイーターなのか?というとそれはわからない。
あるいはプラスツイーターとでもいうべき存在かもしれない。
都合よく言うとG7のツイーターに寄り添うように並行して鳴っているのかもしれない。
ただ、理屈は理屈で現実は現実だ。
受け入れていれば良いのだ。
CDを楽しませて貰って、やっぱりアナログを楽しみたくて
GT-2000XにMC-20を付けてみた。
プリはSA3ということでDENONのMCトランスを経由。
ところがこれが大変良い。
杏里がど真ん中に立って揺るぎなく、しっかり歌い
多様なサウンドが、それはもちろん作られた物なのだが
しっかり囲む。
ミュージシャンが、エンジニアが良い仕事をしているのがわかるのだ。
音量を上げてもうるさくないし、第一上げる必要が無い。
しばらくはこのまま幸せに浸ろう。
5月12日
さて、今夜も幸せなひと時を…
と思ってディスクを掛けるとなんだか音が妙。
ん???
まさか…と思いG7のツイーター片方に耳を近付けるも
どうも声を発していない…
どうも一本死んだらしい。
実はスコーカ-二本とツイーター一本を直して貰った時に
今は音が出ているツイーター一本も
早晩断線しますよ、と言われていたのにケチって直さなかったのだ(汗)
思いのほか早くその時が来たということか。
やむを得ない。修理に出そう。
しかし、こいつ、上に載ったツイーターに嫉妬でもしたか?
このタイミングで切れる所が凄い。
5月13日
しかし良くこのタイミングで切れるよなー。
と、ボヤいても仕方ない。
本当に切れたのかなー、といじましく耳をくっつけたりしている内に思ったのだが
G7の三つのユニットの音の割り方って面白い。
スコーカ-は割と高い方まで受け持っている。
ツイーターはいかにもツイーターという領域を受け持つ。
そしてウーファーが割と高い所まで担う。
ま、それはスペックを見ればわかることだが
声の再生にまで38センチウーファーが関わっているのが是か非か?
その辺を考え始めるとネットワークの改造だとか、マルチ駆動だとか始まるのだが
だったらG7ではない別のスピーカーにしなさい、という事になる。
とりあえず諦めてG7の結線を解き、戯れにコンコルド105を鳴らしてみた。
たまには良いじゃないか、と思ったのだが音を出してぎょっとした。
片方逆相に繋いじゃったかな?と思ったが違う。
あまりにも寂しい音に聞こえる。
ハッと気付いた。
知らぬ間に38センチウーファー中毒になっていた。
さりげないけど伊達じゃないのですね、大口径ウーファー様は。
そんなもんと同列に扱うな、とコンコルド105が怒ったのは申すまでもございません。はい。
5月15日
38センチウーファー向きと思われるソフト。
ジャケット含めて、吉田美奈子さんって、やっぱりただもんじゃないと思う。
5月17日
G7様のツイーターは旅立った。修理に、だ。
しばらくは文字通りポッカリ穴が空く。
だからそのままにしておけば良いのを
色々なツイーターを引っ張り出して繋いでみる。
ま、本当に色々登場したのだが詳しいところは省略。
結果は、能率を含めて今回のこのRIT-MAG25が現状ではマッチしていた。
音色も含めてベストマッチの物をあっさり送ってくださるとは
さすがKoy○○○さん。恐るべし。
あるいはG7本来のツイーターの代わりをさせても良いかもしれないが
結論はG7のツイーターが帰ってきてからになる。
とにかくRIT-MAG25は爽やかで軽やかでチャーミングな音を出してくれる。
それは確かだ。
ただ、この更に上の帯域にホーン型やリボン型のスーパーツイーターを載せても
悪くないという事も今回実験して感じた。
ただ、アッテネ―ター等で相当絞らないと能率が合わないのが気になるが。
5月19日
QUAD405-2だが以前書いたように電源トランスの唸りに悩まされていた。
結論を言うとこれは電源トランス本体の故障。
どうも405系はこのトラブルが少なくない。
これはもうトランス交換しかない。
純正トランスは今でも供給されているがパーツのみと言うのは無いようで
交換を頼むと○万円。
頼もしいがとても出せる金額ではない。
HMA-9500MK2のトランスでお世話になったフェニックスさんにRコアトランスを
依頼しようかとも思ったがいつもその手では能が無い。
そこでオークションでトランス入手。
条件は二次側に約39Vの出力がある事だが
そうそうジャストの物は無い。
しつこく待っていたら37Vでセンタータップ付きの物が出てきた。
後はサイズだがちょうど収まりそうだ。
意を決して?落札。
だが、本当に移植は可能なのか?
慎重の上にも慎重にということで何日もチェックをして確認して
いよいよ純正トランスの結線を外して落札したトランスを繋ぐ。
電源を入れる瞬間は緊張したが、爆発することもなくアンプは起動。
スピーカーを繋いで、ただ今ランニングテスト中。
おそらくは大丈夫。
ホッとしたが本当のインストールはこれから。
金具での固定に一番苦労するだろうが、これはやるしかない。
電源トランスの唸り(というか騒音レベルだった)が無い世界は美しい。
続きはまた。
5月20日
純正トランスを押しのけて新顔が収まる、の図。
ジャストサイズ、ジャスト重量というところ。
問題は取り付けだ。
純正のトランスは底面と、そして側面で固定する方式で
このアンプの構造体の一部も担うような作りになっている。
同じ事を実現するのはかなり難しい。
考えられる方策として、ブラケットを作るというのがある。
ただ、これは素人細工では容易ではない。
後は底板の方に穴を空けて今トランスに付いているブラケットそのものを活かし
取り付けてしまう方法が考えられる。
少し考えているが、後者の方が断然現実的だ。
さて、どうする?
5月22日
PIONEER A-780。
1981年発売。当時74.800円。
上級機にA-980があった。そちらは89.800円。
パワー部にスーパーリニアサーキットを採用。
これはC-Z1やM-Z1で使われたもの。
トランジスタの非直線性を逆モードの非直線性で吸収する。
裸特性が向上した分、NFBを大幅に減らせるのがミソ。
加えてノンスイッチング方式を採用。
簡単に言ってしまうと疑似A級だ。
これはこの時期のアンプに大流行した方式。
あとはDCサーボで回路からカップリングコンデンサーを追放と、
いかにも隆盛期の日本のアンプという感じ。
さて、だがしかしこのアンプに触れて一番感動するのは
そのルックスの良さだ。
これは雑誌やネットの写真で見ても半分も伝わって来ないと思う。
この辺りに画像の限界みたいなものを感じるのだが
アナログプレーヤーで言えばヤマハPX-2なんかもそれに当たる。
あれも現物を見ないと良さがわからない。
とかなんとか言いながら、よっしーはそもそも機器に関しては面食いではないし
まあ音が出れば何だって良いというタイプだ。
だが、そんなよっしーが惚れるのだから、これは相当見目麗しいと思って頂きたい。
5月23日
考えてみればアンプのデザインなんてのも限界があって然るべきというか
使い勝手とか部品の配置とか考えると、だいたいが同じ様な所に落ち着くに決まっている。
その中で個性を出そうとするのだから、こりゃ大変だ。
もっとも、一時期の国産アンプの場合は、個性を出そうとしているのか
あるいは他社との横並びに力を入れているのかわからない、なんてのもあったが
そーゆー中で、これは素敵だというのはまず生まれない。
だからと言って、これは酷い、というのもそうそうない。
実際僕の目の前にあるアンプ達も、みな十人並みの器量は持っている。
だから特に嫌い、は無いのだが、取りあえず見ていて良いなーと思うのを挙げると
カウンターポイントSA3。高級感には欠けるが、そこがまたよい。
QUAD44。これはある意味異端なのだが実に格好良い。もちろん405-2も素晴らしい。
後はHMA-9500とM-22か。
ま、あくまでも個人の感想ってヤツですが。
A-780についても、別に何にも感じないという人がいても構わないが
これはやっぱり良く練られていると言いたい。
細かいコントローラーは左の扉に隠れているのだが、
この部分も美しいので隠してしまうのが惜しい。
もっとも、ちゃんと扉を開けたままの使用も出来る設計だから二重丸だ。
そしてセンターのディスプレーが良い。
各種ファンクションの動きが映し出される。
これが一歩間違うと賑やかなばかりで鬱陶しいと思うのだが
そうならないのがセンスの良さか。
アンプにはこういう楽しみ、遊びがあって良いと思う。
なにも無いのが音質には良いなんていう言葉は聞き飽きた。
近未来的というか、これが1981年の製品だから驚く。
なんとなくだが、昨今のネットワークプレーヤーに通ずるところがあって
未来を先取りしたとでも言って上げたくなる。
加えて操作フィーリングがとても良い。
各種スイッチなんかも意味も無く押してみたり回してみたりしたくなる味わいがある。
一番触れる頻度が高いボリュームがまた良い。
大型のノブで扱い易いのはもちろん、回す感じが大変良く
音量カーブも最適と思う。
アンプというのはこの辺が良く出来ていないと
幾ら音が良くても所有する喜びに至らないものだ。
5月24日
資料を求めて本棚から別冊FMfan29号を引っ張りだす。
1981年春号だ。
すると上杉先生のレポートがあって、
このデザインには脱帽だ、とあった。
この場合のデザインとは、単に顔つきの事ではなく
コンストラクションを含む訳で、上杉先生はアンプ製作もされるから
なおの事、A-780の完成度に目を見張ったのだと思う。
とにかく良く出来ているとしか言いようが無い。
更にリアに目を向けると各種インプットおよびスピーカー端子が二系統。
プリアウトやらメインインは無い訳で、配線の引き回しを考えるとその方が良い。
そしてこのリアパネルも言葉ではわからないくらいすっきりしている。
上手い!としか言いようが無い。
さて、そんな780なのだが、上級機980も含めて
さほどの資料は無い。
ネットで調べても大してないのだ。
これはまあ、この時代オーディオ機器がじゃんじゃん出ていたから
その洪水の中に埋もれてしまったというのが一つ。
それと、やはり980にしても780にしても高い評価を得られなかったから
というのがあるのだろう。
理由は今となっては良く分からない。
ただ、なんとなく、なのだがこの時代のパイオニアはプライベートシリーズでヒットを飛ばしていて
あるいはそれらとイメージが被ったのがマイナスの印象に働いたのかもしれない。
5月25日
話はまっすぐ進まない。
QUAD405-2トランス交換だが取りあえず終わった。
いかにしてマウントするか悩んだが底板に取り付けるという安直な?方法で済ませた。
その底板だが、取りあえず木製である。
ホームセンターで50円の端材を買ってカット二回。計162円だったか?
それに100均で買ったスプレーで黒塗装。実に安上がりだ。
将来はアルミ材などで作りたいが、まずはプロトタイプということで。
さて、満を持してロジャース接続。
音が著しく変わるようだと困るが、と思いながら電源オン。
出て来た音は、やはりQUAD44+405-2の物だった。一安心。
果たして電源トランスで音は変わるのか変わらないのか?
厳密に言うと変わるということだろう。
ただ、救いが無いほど変わるのかというとそうでもないのでは?と思う。
実際16年前に電源トランスを特注で作ったHMA-9500MK2は、やはり9500系の音が
ちゃんとしている。
これは二台の9500と比べて確認している。
まあトランスの交換なんてのは僕も好きでやってはいない。
ただ、断線したり、今回の405-2みたいに唸りまくってはどうしようもない。
現実問題、今回交換してトランスの騒音から解放された喜びはとてつもなく大きい。
ロジャースLS5/9も色々なアンプで鳴らして来たが、あるいはQUADコンビで落ち着くかもしれない。
というか落ち着かせようかと思う。
今、ロジャースは聴く時だけ引っ張り出して設置する形。
面倒ではあるが、部屋の中心、とまでは言わないが三分一位の距離まで前進したところに置いて聴くので
どのみち置きっぱなしは難しいのだ。
前にも書いたと思うが、僕は今ロジャースでは音場感を楽しんでいる。
音場音痴を自認するよっしーだが、現状ではやっとそれらしい事が出来るようになったかな?という所。
念のためだがスピーカーを前進させると必ず音場が楽しめる訳ではない。
また、QUADコンビが特にその能力が高いとも思わない。
ただ、良い意味で元気に鳴らしてくれる。
元々ロジャースLS5/9というのは元気溌剌みたいな所があるのだが、それを強調する感がある。
それを嫌だと言う人もいるだろうが、僕は好きだ。
それと音を絞っても楽しめる。ここは重要だ。
5月27日
G7のツイーターだが、超スピードで戻ってきた。
着脱も手慣れて来たのであっという間に元通り。
ということで無事音が出ている。
で、まあ色々ある訳だが、ここで改めて考えてみる。
G7で何をしよう?
正しくはG7ではどんな遊びをしよう?
QUAD+ロジャース組みと同じ事をしても仕方ないのはわかっている。
では、なにを?
構想は色々あるのだが、詳細はボチボチと書いて行きたい。
5月28日
突然超ニアフィールドリスニング。
深い意味は全くない。
ただ、超小音量で聴いてみたかっただけ。
基本的に僕は部屋を閉め切って聴くというのが苦手。
隣室に8畳があるが、その間仕切りは基本的にいつも解放。
冬でもそうだが、初夏は更にその隣室への扉も開いていしまう。
風通しが良いし、犬も歩きやすい。
しかしそうなると音量は本当に最低限になる。
いっそ聴かなければ良いのだがそうはしないのがオーディオ馬鹿の馬鹿たるところ。
ついでにアンプのテストも兼ねる。
パイオニアA-780なのだが、当初より左右の音量アンバランスを感じていた。
ニアフィールドで確認すると確かに右が小さい。
なにか不具合があるのだろう。これから楽しみだ。
しかし部屋のあちこちに配線が転がっているのは頂けない。
早くかたづけよう。
5月29日
スピーカーが近すぎるのも考えもの。
何事もほどほどが肝心。
余談だが、この、ほどほど、が実生活の中でわからない人が多いので
困ってしまう。
(趣味の世界ではとことんは大いにやってよろしいが)
それと配線ごちゃごちゃでは音楽以前の問題になるので整理。
となると、当然アンプなど駆動系は手元から遠ざかる。
そこでリモコン対応しているもの達に任せることになる。
さて、スピーカーをやたらと部屋の真ん中へ置けば良いというものではないが
ほどほどの所を探ると、それはそれで見晴らしの良い音場が展開する。
ジオラマ的世界。
それはそれで大変楽しいものなのだ。