5月3日



オーディオをするということは部屋を作ることだと言ったのはやまもとさんだったっけ?
けだし名言だと思う。

部屋を作る。これがなかなしい。
念のため言っておくが、これはいわゆる部屋を建築するという話しではない。
今ある部屋をいかに上手く使うか、という意味だ。

ここではオーディオを話題としているので、更に正しくは、今ある部屋にいかに上手に
オーディオシステムを構築するか?という話しであるということだ。

繰り返しになるがこれが難しい。

逆に言うと、オーディオさえ無視してしまえば部屋作りなんてのは割と簡単だ。

と憎まれ口を言いたくなるくらい、オーディオというのは部屋に制約をもたらす。
ただでさえ制約のある部屋が、オーディオすることでに制約を受ける。
これは冷静な目で見たら悲劇ではなくて喜劇であろう。

オーディオ的制約というのは色々あるが、例えば左右対称というのがある。
もちろん完全に左右対称でなくても良いとは思うが(若干センターからずらした方が良いという説もある)
とりあえず左右二本のスピーカーは左右対称から大きく外して設置するわけにはいかない。

これだけだって凄い制約だ。いっそモノラルで良いですと言いたくなる。

更にオーディオ機器というのは大抵きいし、い。
ノートパソコンを机の上にとりあえず置く、みたいなのとは偉い違いだ。

そして発熱までする。
それを上手く逃がしてやらないとならない。
なんて面倒なのだろう。

それから操作性というのもある。
毎日の事となれば使いづらいのは困る。
これがCDプレーヤーとアンプだけ、というのならまだ良いのだが、
アナログプレーヤーが噛むと話しはどうしてもややこしくなる。

「じゃあやめたら?」と言われると返す言葉も無いが、それは言わない約束でしょ、ということにしよう。


さて、オーディオマニアにも色々いて、セッティングをバッチリやって、後は基本的に動かさないという人もいる。

これは実は正解である。

それに対して落ち着きの欠片も無いのが「よっしーの部屋」である。
この12年でどれだけの模様替えが行われたか?

枚挙に暇無いとはこのことだが性分だから仕方ない。
やっと上手くいったかな?と思うと自ら突き崩してしまう。
ある意味性格破綻ではなかろーか?と思う今日この頃。

そんなよっしーの部屋の最新事情について書いてみようと思う。


まずスピーカーの配置から見てみよう。

スピーカーは現状2ペア
一つがダイヤトーンDS-301。そしてもう一つはロジャースLS5/9だ。

この置き方だがマニアには到底承服できない置き方となっている。



DS-301はヤマハのGTラックに載っている。
古来スピーカーは箱物の上に置くと良い音はしないとされている。
更にこのラックにはパワーアンプTA-NR1が入っている。
これも非常識極まりないことだ。



ロジャースなんかレコードラック=つまり箱の上だ。
これは絶望的によろしくない?

ということでこの段階で噴飯物なのだが一応言い訳をしよう。

まず、スピーカーの設置場所だが、よっしーはいわゆるスピーカースタンドにスピーカーを載せるのが
あまり好きでない。

なぜか?

まず不安定である。

それはオマエの腕が悪いからだと言われると返す言葉もないが、
スタンドを使うと、まずスタンドと床。そしてスタンドとスピーカーのガタをとらないとならない。

これが面倒というか、ちゃんと出来たと思っても絶えず気になってしまう。
精神安定上大変よくない。

そして何より不経済である。
スタンドというのはただスピーカーを載せているだけだ。
収納力ゼロ。
縦60a。幅30a。奥行き30aとしてもそれだけの空間が無為になる。
狭い日本の住宅でこんなモッタイナイことは出来ない。

だから各種ラックの上に置く。

と、散々ひねくれた持論を展開したが、半分は開き直りで半分は本音である。

スピーカーを支える台は、それ自体が何より安定感があるものが一番だと思っている。

具体的に言うと、床に対して広い面積で接しているのが良いと言うことだ。


拙宅の例でいうとGTラックが58a×44a
レコードラックが39a×36a

充分に大きくて、ガッチリと床の上に安定する。
重量的にもGTラック+TA-NR1で凄い重量。レコードラックの方はそれほどではないが
レコードがぎっしり詰まっているので充分重い。
両者共設置面積、重量とも余裕綽々で、ど突いてもビクともしない。

対スピーカーではどうかというとDS-301のサイズ、36a×28aに対してGTラックが58a×44a。
LS5/9のサイズ28a×28aに対してレコードラックが39a×36aなのだから安定感は十二分。

もちろん、天板はここまで広くある必要はないとも言えるのだが、これだけ大きいとその上でスピーカーをずらしたり、
角度を変えたりは実に容易に出来るのでとても便利なのだ。
同じ事をいわゆるスピーカースタンドの上でやろうとするととても難しい。

そんな訳で決してひねくれた心でだけ行っていることではないのだ。

そしてこれらスピーカーの左右の開きなのだが、個人的には今非常に視覚的に落ち着く開き方となっていて
とても気持ちよい。
視覚的に、というのは案外大切で、あるいはこれが何より大事なのかもしれない。

スピーカーは一部屋に一組がベストというのも正しいし、どうしても二組以上使いたければ
ベストのポジションにその都度設置して使用するのが良いというのも正しい。

よっしーもそれらの事に挑戦したりもしたのだが、生来無精なもので一々スピーカーを設置するというのは
結局出来ないことが判明。
それで、なんとか二組を常駐させる折衷案を模索。
やっとたどり着いたのが今の置き方になっている。



ロジャースの方は左右に開きすぎという考え方もあるが、やってみるとこれが実に良いのだ。
どうしてもっと早くやってみなかったのかと後悔している。
何でも面白がってやってみるものだと思う。

もう一つ。スピーカーと背面の壁からの距離。
これは適当だ。
というか置き台とツライチで決めている。これも視覚的に落ち着くからだけ。



憧れのセッティングの一つに、スピーカーを部屋中央寄りに思いっきり出すというのがあって
実は何度か試している。
結果だが、よっしーにはその使いこなしが出来ていない。
スピーカーが近づくと、どうしてもそこから音が出ている感がありありで、耐えられない。
これにも視覚的問題が絡んでいる可能性がある。
今の位置で背後の壁が1〜2メーター後退してくれると良い気がするのだが
そんな事は今望むべくもない。





そんなこんなで今の置き方となっているのでありました。


5月4日

スピーカーに続いて今度は駆動系のお話し。

駆動系、というより常にむのがラックの問題だ。

よっしーはなぜかGTラックに縁が深く、見渡しただけで三つある。
更にテレオンのGTラックもどきが一つ。これだけで計4つか。

まずGTラックについて語ろう。

このラック、各オーディオ誌試聴室のリファレンスとなる事も多かったもので
'80年代から'90年代に掛けてれのラックの一つであった事は間違いない。

しかし、よっしーの感覚からいうと、まずデカイ

正しくは中途半端にデカイ。

580W×440D×440H

奥行きは妥当だと思うが、幅と高さは疑問。
というのもご存知の様に板厚がかなりあるので、内寸となると480W×340H。

480Wはごっついオーディオ機器に対してはギリギリの幅。

高さ340と言っても棚板を使えばそれで30ミリくらい取られるから、実質は300程度。

発熱の少ない機器だったら二台入れられるが、パワーアンプやプリメインの熱くなるヤツだと
一台が限界。

つまり580W×440D×440Hもの空間を用意して機器が一台しか入れられないなんてことになる(!)

これはかなり贅沢な時間…じゃなくて贅沢な空間使用法だ。

まあ天板の上にもう一台載せられるが、それでも三台?発熱のある機器だと中には一台が限度なので
結局二台。

(テレオンのは後追いだけあってこの辺りがビミョーに解決されている。ただ、より一層デカイのだ!)

試聴室のリファレンスには良いけど、一般家庭にはいかがなものか?と思ってしまう。

じゃあ使うな!と言われそうだが使う。そこがへそ曲がりなところだ。



結局左右スピーカーのセンターにテレオンラックとGTラックが重なって縦型ラックとなっている。

模様替えをして、今回気になったのが視覚的な問題だが、見慣れたせいか今では良いと思っている。

とりあえずここに今は上からKT-1100(チューナー)、C-2X(プリ)、DVP-S9000ES(CDプレーヤー)、と収まっている。
C-2XからTA-NR1に繋がれて、これらがDS-301駆動用。


5月5日

次に手方向に自作ラックが二つ。
なんとも細工なのだが10数年前に作った物で、サイズは600W×342H×450D。
いかにもサブロク合板を無駄なく使い切って作りましたという感じのラックで、板厚は21_。
いわゆる長岡式という物で、側板は21_合板二枚重ね。
故に寸は516W×300H×450Dとなる。

内寸でGTラックよりも36_大きく、ちょっと余裕が出る。
これくらいは欲しい。ただ、これより外寸は大きくしたくない。故に最大値ということになる。

余談だが6面体の前板と後板を取り去った形の“いわゆる箱”では側板と天板及び底板の接着面積の大きさが
強度に最も影響を及ぼす。
だから、例えば天板や底板を15_合板にしても良いが、側板だけは最低でも15_厚二枚重ね。
出来れば18_〜21_二枚重ねにした方が良い。
これは能書きではなく、実際あれこれ作ってみての結論である。



天板と底板は二枚重ねではなく21_合板そのままなのだが、これは重ねれば結局二枚重ねにしたのと
同じ事になるという考え方で、いかにも長岡先生らしい合理主義。
重ねて使っていた事もあるが、実に無駄がない。これはGTラックを重ねて使ってみた場合と比べると
良くわかる。
(そもそもGTラックは縦に積み重ねて使うもんじゃない、という突っ込みはこの際勘弁してください)

で、今回はこのラックを一個づつ平置きで、二個横に並べてみた。

この位置にGTラックを二つ、というのも試したのだが(以前はこの位置に三つ置いていた)
自作ラックと比べるとその高さが妙に引っ掛かるという結果になり、この位置には自作ラック二つで落ち着いた。
高さの違いと言っても10a弱の差でしか無いのだが、これがどうしても気になる。
人間の心理というのは面白いものだ。


5月7日


ところでGTラックに代表されるような形ラックというのは当節流行らない物の一つだ。

人間というのはつくづく勝手なものだ。
最近では支えがポールのタイプが主流。
箱形というのはどうしても固有の振動モードを持ちやすい、という訳。

これは正解だと思うがひねくれ者のよっしーとしてはこうなると箱形の肩を持ちたくなる。

写真みたいにGTプレーヤーを天板に載せた場合の安心感は最高。いかにも踏ん張ってくれている感じがある。

箱特有の振動についてだが、これについては…

1、GTラックなどの場合棚板を使わず空間には吸音材(天然素材の物)を入れたりする。
2、機器とラックが接する面にはもう一枚何かボードを敷くなどして振動モードを変える。抑える。

などの打ち手がある。

ただ、それらをしても箱形には問題もある。

一つが放熱。四面を覆われている為に熱が逃げにくい。
もう一つが配線などのやりにくさ。ガッチリした側板に守られているため、
ちょっと裏面に手を伸ばして…なんて場合も手そのものがブロックされる。

これについては側板。あるいは天板や底板の中央寄りの部分に口の字の開口を作るとかの手だてが
特に自作の場合打てる。
ただ、工作は複雑になるので一般性は高くない。

まあよろしい。とにかく今回はある物でやる方針。

…と、それより先にラックに機器を収めるのが是か非かという問題があることも忘れてはいけない。


5月12日

書いている方が飽きてきた。
話題を変える。



とある電子部品

これは?

車のエアコンのパーツ。
ファンコントロールアンプという物だ。

マニュアルエアコンであればブロアーファンレジスター
なんて物が入っているのだがオートエアコンだとこれになる。

だいたいがファンブロアーに差し込まれるような形で付いているのだが
これが壊れると車によってはエアコンの風が一切でなくなる。

そうならないまでも風量設定が最大以外で風が出なくなる。

実は大分前から拙宅の車がそうなっている。
まあ風が出ないとか冷房が冷えないとかいうのと比べると
遥かにマシなのだが不便といえば不便。

重い腰を上げて今回これを外してみた。
(まだこれが悪いと決まった訳じゃないが)



はこれか。
NEC D1297と書かれている。
2SDタイプのトランジスターと見た。

怪しの原因その一。



小さな基板。
手前左はツエナーダイオードか。
右の青いのはコンデンサーでしょうか。



反対側から見ると抵抗が一つ。



良くわからないのが脚に青いカバーが掛かった部品。
2A(アンペア)140℃とか書かれているから温度フューズ

良くわからない。

たまに正常に効く、という症例だが、そうなると怪しいのはトランジスター?

適当にパーツを換えて結果を観察しようと思うのですが…


5月16日



以前より、今の車のカーステは音が悪いなー。
でも17年落ちの車じゃあこんなものかなーと思っていた。

それにしても…

と思ってこれまた重い腰を上げてフロントスピーカーのカバーを外してみると…

なるほど…

エッジが無くなっている。

これじゃあ音が悪い筈だわ…

100年ぶりでカーステを弄る事になりそうだ。


5月20日

実は色々な物を一辺に弄ってしまっている(汗)

報告は一つづつ、ということで、まずはカーエアコンの
ファンコントロールアンプのその後について。



何がダメなのかわからないが、とりあえず大物から交換ということで
トランジスターを手に入れて(若松で通販)
交換することにした。

ケースがヒートシンクを兼ねている。
ピンはこんな風に曲げないといけない。




上の画像と天地逆ですが一応こんなセパレーターも入れて…



で、上に基板が載る。

半田もいくつか怪しいのでやり直しておく。
(と言いつつ、それで壊す事が往々にしてある、よっしーだ)

で、結論。

どうやら治った様だ。

ロングランテストはこれからだが
このパーツも買えば1万2千円くらいはするだろうから
これでオーケーなら大もうけ?

ま、お父さんがオーディオマニアで良かったと、
たまには思わせないとネ。



ファンコントロールアンプはこんな風に室内のファンハウジングに刺さっている。

グローブボックスを取り外してアクセスすることになる。
ご参考まで。


5月21日

そしてカーステレオ。



自作のフィッティング…。
しかし不細工

一応理由がある。
まず不人気車種につき本当に適合パーツが見あたらない。
それと市販の何かを買うにしても
サイズを見極めておく必要があるということ。



純正スピーカーはフレーム自体がフィッティングも兼ねていて
約12〜13a径。

ということで無理なく付くのは10a
ということで実験的にFE-108Σを付けてみる。

サイズ的にはフィット。

音は?

当然ハイ上がり。
ワイドレンジスコーカーという感じ。
アンプ側でローを最高にブースとしてやっと折り合う感じ。

ま、ここには10aで良いからウーファー(コアキシャル2Wayか)が
よろしいようです。

実験は終わったので、これから気長に物を物色しよう。



5月22日

趣味としての車をやめて何年経つか?

昔々車にステレオは付いていなかった。
ラジオはあったがそれだけ。

だからカーステレオにはステータス感がありました。

今ではあって当たり前。
車でCDが聴けるなんて当たり前。
DVDが見られて当然。

素晴らしいといえば素晴らしいが、つまらないと言えばつまらない。

僕が昔乗っていた車にも当然ステレオは無かった

そのまま何年か乗っていたが、ある時清水ジャンプで
ステレオを付けた。

本体を買うのに精一杯で、取付なんか当然自前だ。

元あったラジオを外して、そこに1DINのカセット&チューナーを付けた。

スピーカーはとりあえずリアトレーの上に置いた、というか両面テープで貼った。
本体で6万円くらい使ってしまったのでスピーカーは1980円だったと記憶する。

夜中にコツコツ結線や配線をした。

初めて音が出たとき、それはそれは感激した。
車にはカセットをいっぱい入れたケースを積んだ。
後から考えるとこれが結構邪魔だった。

やがてリアスピーカーだけでは不便ということでフロントにもスピーカーを配置。
と言ってもドアパネルに穴を空けるなんて嫌だったのでフロントのフットスペースに
無理矢理貼り付けた。
今考えると危険な付け方だ。

その内車でテレビが見られると良いな、なんて思って
(当時はバブル期で道路の混雑が半端じゃなかったので
暇つぶし用に意義があった)
液晶の小さいテレビを手に入れたりしたが
ダイバーシティーアンテナなんて夢の夢だったので
実稼働はほとんどしなかったと記憶する。

で、やがてこの愛車は手放さざるを得ず、全てが終わってしまった。

今考えると可愛い事をやっていたし、更に考えると
今も昔もやっていることがあまり変わっていないとも言える。
情けない…


しかし、同時代を生きた連中と話していると
必ず一度は頑張ってカーステレオを付けた経験があることがわかる。

今はもう、そんな事をする必要も無い時代だ。
つまらないけど便利な時代。


5月23日

憧れのカーステレオ。

今では標準装備だから、後からドアの内張にいい加減につけた
スピーカーが時間と共に脱落してくるなんて事もない。

それはさておき、カーステレオとホームオーディオ。
両者は随分違う

振動に晒され、に晒され、カーステレオは大変だ。
それに比べるとホームオーディオは深窓の令嬢の如くといえる。

聴く姿勢からして違う。
カーステレオでは二等辺三角形の頂点で
首を固定して聴くなんて事はあり得ない。
もっとムーディーな感じを狙う。それがカーステレオだ。

ドアパネルに埋め込まれたスピーカーはどんな作動をするのか?

あれは平面バッフルと言って良いのか?
あるいは何gかの密閉の出来損ないというべきなのか?

今ではデッドニングといってドアパネルの内側のサービスホール
(整備をするために必要だ)を鉛シートなどで塞いでしまうのが通例となっている。
これが完全に行われればドアが密閉のエンクロージャーに近くなるのだろうか。

やってみたい気もするが材料費も馬鹿にならない。

とりあえず、なのだが実験的に取り付けたFE-108Σの働きは
悪くはないようだ。

理屈でいうと、ホームオーディオのスピーカーは
カーステレオに向いていない。

まずエッジが心配。
夏は滅茶苦茶暑く。そして冬は恐ろしく冷えるのが車の室内だ。
それを考えるとエッジの耐久性に問題を感じる。

しかしFEのエッジなどはと丈夫な方だと言える。

次にインピーダンス。
カーステレオではスピーカーは4Ωが基本。
これが6Ω8Ωとなると見かけ上の能率が落ちるのでその点が不利だ。
ただ、アンプ側にしてみると楽にはなる。

FE-108の場合能率が非常にいので、その点は有利。

問題は低音不足。
いっそドアパネルの中を改造してスパイラルホーンを造る…
というのは冗談で、そんなこと出来る訳がない。

ただ、アンプ側のローを最高にブーストすると
なんとか聴ける形になる。
アンプには負担となるが、そんな大きい音を要求するわけではないので
実用上問題なし。

ハイ上がりではあるが軸上正面どころか斜め70度くらいの位置に
耳があるので却って都合が良い?

実際問題ボーカルの聞き取り易さなどは最高。
ハイに関してはちょうど中点でウエルバランスとなっている。

もう少し遊ぶなら、コイルと抵抗を使ってPSTを仕込んで
高域を落とすという道があるが、そこまでやるのなら
材料費でカーステ用のスピーカーが買えるのでやめておこう。

(続く)


5月24日

カーステレオのポイントはとにかく音。
そう思っている。
(誰だって思っている?)

低音強。それがなにより大事だ。

なぜか?

それはエンジンの掛かった車の中では低域の外来騒音が大変大きいので
スピーカーから出ている低音が打ち消されてしまうからだ。

それに負けない低音を再生する。

その為にはサブウーファーが有効。

ということで懐かしい記事の登場。



カーエレクトロニクスの第二号から、長岡先生による
車用サブウーファー、SW-7E ターボの製作記事。

使用ユニットはFE-164。フルレンジ。これを四発使用のアンサンブルタイプだ。



続く第三号ではSW-8E スーパーターボ
こちらは同じフォステクスだがカーオーディオ用のユニット
CSW25を二発使用。

このCSW25なんかはほとんど知られざるユニットだが
高品位CAMコーン採用。
強靱なフレームで、後端はヒートシンクになっている。
ただしお値段も25.500円とお安くはない。

ま、この雑誌が出ていたのが1989年とバブル最盛期だったから
これくらい何でもない人が多かったのかな?

余談だがこの雑誌、アスキー社から出ていて面白かったのだが
四号は出なかったと思う。
いわゆる三号雑誌というヤツだ。残念。

とはいってもこんなデカイ物を作って車に積むつもりは無い

よっしー家の車はサードシート付きで7人乗り。
純粋なラゲッジスペースはそう広くない。
そんなところにこんな物を持ち込める訳がない。

とかなんとか言いながらサブウーファー搭載計画はあるのだが
先にメインスピーカーをまともにしないといけない。
あるいはそれによってサブウーファーは不要になる可能性もある。

物には順序という物があるのだ。

…と、カーステの話しがこの後続くかどうかはわからない。
まあ気の向くまま、ということで…

*さっきトップページを見たらカウンターが一桁上がっていた。
ということは100万カウントを越えたということだ。

それに意味があるかどうか知らないが、
この先もう一回桁が上がるということは無いだろうから
(あったら凄い。1000万カウントということになるのだから)
記念すべき日ということになる。

ご来訪の皆様、いつもありがとうございます。
掲示板、止まっちゃっていてごめんなさい。


5月25日

初恋の想い出というのが誰にもあると思う。

いきなり何か?と思われたでしょうか?

いえいえ、オーディオ的初恋の話し。



pioneer M-22

僕のオーディオ遍歴のスタートは1976年。
このアンプもこの年の生まれ(あるいは1975年末?)

純A級30W×2のパワーアンプ。

ペアとなるプリアンプC-21と共にFMレコパルで紹介された時の記事を
今でもよく覚えている。

すごいな、純A級アンプなんだ…

と感動したのだが、実際はA級アンプってなんだ?とか
良くわかってもいなかった。
まあ中学生では良くある話しだ。

その時僕の手元にあったのがビクターのシスコンで、
これの総額が17万円くらいだったと思う。

M-22はパワーアンプ単体で12万円。
中学生には天文学的数字に思えても無理はない。

が、それでもM-22の12万円は割と現実味があった。

スイングジャーナル誌の増刊なんか読むと
総額350万円なんて組み合わせが紹介されていたりした。

そこまで行くと現実味がなくて、憧れというより雲の上、あるいは
成層圏より遠い世界。

どうも昔からお金に関すると現実的なヤツだったようで
明らかに買えない物には関心が持てない性格みたいだ。

そこへいくとM-22は12万円で相当性能が良いらしい。
この娘は好きだ〜、と勝手に惚れた。

上級機にあたるM-4は同じく純A級アンプで50W×2で35万円。
お値段三分の一以下でパワーが6割確保されていたら
これはお値打ちでは無いかと、まるでスーパーに買い物に来た
主婦みたいな事を考える、可愛くない中学生。それが私でした。


5月27日



M-22に惚れた理由の一つにデザインというのがある。

剥き出しのヒートシンク。電源トランス。コンデンサー。

…といっても各パーツがどういうものかなどと言うことは
当時知らない。
純粋に形が良いと思ったわけだ。

ところで上の画像はM-22ではなくてダイヤトーンのDA-A10

正に同時期を生きたパワーアンプなのだが
こちらも似たようなデザインとなっている。

果たしてDA-A10とM-22。どちらが先に出たのか?
ちゃんと調べればわかるのだろうが
両者相手を意識していたような気はする。

ただ、個人的にはM-22の方が断然好き。

一応補足すると、この形でとどめを差した物に
HMA-9500がある。
登場は1977年だから一年後。

ガツンと男性的なデザインで素晴らしいが
形だけでいうとM-22。あるいは25の方が好きだ。


5月28日

M-22はM-4の成功があって生まれたと思う。

M-4についても今さら説明する必要もないのだろう。

1974年にエクスクルーシブブランドで発売されたパワーアンプ。
ペアを成すコントロールアンプ、C-3と共にパイオニアの。あるいはエクスクルーシブブランドの名を決定的な物にした
出世作。あるいは金字塔というべきか。

純A級で50W。
数値上のパワーは足りないが、音の良さで“国産もここまで来たか”と多くの人を唸らせた。

M-22とは違い、美しいウッドケースに収められ、フロントパネルの意匠も高級感溢れるもの。

M-22は、このM-4の妹分と位置づけられ、その頃しきりに“エクスクルーシブブランドを与えても良かった”と言わせしめた。

今改めてM-4とM-22を眺めてみると(M-4が手元にある訳ではないが)、両者は本当によく似ている。

もちろんM-22がM-4を踏襲したのだが、回路、コンストラクションとそっくりで、外観がまるで違うから面白い。

終段のパワートランジスターが2SA7472とSC1116のペアーであるところも同じ。
ただ、石の数はM-22はM-4の半分。その分パワーは我慢しているわけだ。

基板はM-4はガラエポでM-22は普通のもの。
純A級の発熱を考えるとM-4のあり方が正しいのだが当然コストは掛かる。
銅箔もM-4の方が断然厚く、半田その他の作業は作業であることが歴然。
さすがエクスクルーシブブランドだけあって手の掛かり方が違う。

あと、例えば各基板間の結線などM-22ではコネクターが使われているがM-4では一本づつの結線。
M-4の方法の方が確実性は増すが、修理となると誤配線が心配で、M-22の様なコネクター方式をとって欲しくなる。

基板上のパーツも、M-22の方が割と普通(といっても要所要所で良いパーツを使っている)なのに対して
M-4は贅を尽くしていると言って良い。

ただ、一つ面白いのは基板上に立っているピンがM-22同様M-4も腐食し易いところ。
これは下請けさんの問題か?
M-25辺りになるとこのピンもメッキとなって耐久性が増しているようだ。
どんな物でも時間の経過を待たないとわからない部分というのは残る。


純A級の泣き所である発熱に対してはM-4が強制空冷のファンで対応。
これがあるからあれだけ過熱する物を上品なケースの中に入れることが出来た。

M-22も発熱では負けないが(こんなところは負けても良い)、ファンは無い。
その分ヒートシンク剥き出しのデザインが取られたわけだ。

“まるで真空管アンプのようにケース上にパーツが剥き出し”と評されたが、以上のような理由があり
つまり“必然”だったわけだ。

しかし、それでもM-22にもファンは欲しいところ。
とにかくヒートシンクがやばい位に熱くなる。


5月29日



M-22の内部はM-4と比べてもすっきりしているが、似たようなデザインのHMA-9500と比べてもすっきりしている。

ちなみにHMA-9500もサイズの割に中はスッキリで、底板を剥ぐと基板は三つしかない。
一つが電源関係で、あとは左チャンネル用に一枚。右チャンネル用に一枚基板があるだけ。

超シンプルなのだが、M-22はこの上を行くというか、基板は二枚しかない。

左チャンネル用に一枚。右チャンネル用に一枚。
で、そこに安定化回路とか電源回路とかも同居しているのだから、これは凄い。



凄いけど、ちょっと集約しすぎな気もしてしまう。
HMA-9500のように電源関係の基板だけでも独立させてしまった方が良かったのでは?
と素人は思ってしまうが、そうなるとこの平たいシャーシは実現しない。
それと冷却の問題もあるのかもしれない。

だが、(しつこいが)あらゆる物を二枚の基板に収めて、しかもその基板は左右のヒートシンクの中に
収めてしまうということは、まとめて冷却という事を考えれば優れたやり方だが、
パワートランジスター含めて全ての熱がここに集まってくるという事を考えると
これはなかなか危ういバランスの上に成立している物にも思える。




…って、まあ36年も経ってから熱く語っても仕方ないのだが
逆にいうとM-22の回路は大変シンプルと言えるし(保護回路とかを除いてしまえば恐ろしくパーツは少ない)
また、非常ににかなった部品配置であることが良くわかるものだ。

電源は後方から供給され、信号はフロントに入出力端子があることで最短経路で出入りする。
これはもう感心してしまう。

まあ端子が前にあるのは人によっては嫌だろうが、よっしー的には好みであり大変便利に思える。
(このアンプは前後逆に設置して大丈夫な様に銘板は簡単に着脱出来、背面にも簡単に付けられるように出来ている)





…ということだが以上の大部分はよい大人になってからわかったことで、中学生の頃わかるはずがない。

そしてまたM-22も買える筈もないまま時は流れ、実際に入手出来たのは1995年のことだったのだから
発売からほぼ20年が経過してからのこととなる。


その頃ヤフオクなんて無いので、情報はステレオ誌の個人売買覧。
ある時M-22を取りに来る方に無料で、というのがあった(!)
電話の記載は無い方だったので速達で手紙を出す。こーゆー時は速度と熱意が命。
いかに当時自分がM-22に憧れていたかを書き綴った覚えがある。

無事ご返事頂けて、超ハイスピードで千葉までを飛ばした。



そんなこんなで19年遅れてご対面したM-22。
だが、その時自分はプリアンプを持っていなかった

笑える話しだが仕方ない。
当時の愛器はマランツのプリメインPM-94
これにはプリアウトがあるので結線としては良いが、こちらもクオーターAということで発熱は半端じゃない。
M-22と共に暖まってくると部屋の中で蜃気楼が見られた?

というのは冗談だが、どうも片チャンネル音が出ない?

結論を言うとリレーの接点がくたびれていたのだが、その頃はそんな事がわからなかった。

パイオニアサービスに出すが部品無しで冷たく返される。
まあ当たり前だがリレーの汚れであれば接点クリーニングくらい出来ただろうに、と今になって思う。





それからが大変で、さっぱりわからないくせに中を開けて弄り出す。

結果、フューズが飛んでしまった!

青くなったがその後いくらフューズを入れ替えても切れる。

回路図を手に入れるところまで頑張ったが、それだけではどうにもならない。


何本もフューズを切っているウチにふと思った。
基板にたくさんのコネクターが刺さっているが、このどれかを抜いている時にフューズが切れるか切れないかすれば
故障箇所が特定出来るのではあるまいか?

今考えると危険も多い方法だったがその時は必死だった。

メインスイッチを入れて、フューズがグワ〜っと溶断に向かうその一瞬が勝負ということで凄い判定方だ。

結果、あるコネクターを抜くと溶断しかかったのが止まる事がわかった。



どうも終段のトランジスターが怪しい。

アナログテスター片手に八つのトランジスターを点検すると、確かに一つだけ死んでいた。

原因特定!


…それは良いが、キャンタイプのこんな古いトランジスターは秋葉原でも見つからなかった。
(後から思うともっとたくさんのお店に当たれば見つかったに違いない)
そこで代替えを購入。

モールドタイプの物で、取り付けにも苦労するが、何より電源投入後しばらくすると保護リレーが働いてしまう。

トランジスターが変わったのだから半固定ボリュームを弄って規定値に調整しなくてはならないのだが
やり方もわからない。

これで頓挫
ただ、フューズが飛ぶことは無くなった。

力尽きて放置プレーとなったのだが、話しは続く。




何年か後のある日、MJだかラジ技だかわすれたが若松の広告欄を見ていたら2SA747の記載があるではありませんか!

秋葉原ではなく川崎店(今は閉鎖)に在庫ありということで飛んでいく。

親切なお姉さん、…じゃなくておばさんが居て、2SC1116もあるんじゃない?といって捜してくれた。
せっかくだから一台分購入申し上げたのは言うまでもない。

これで治る!とるんるんで帰った。
余談だが人生の喜びっていうのは案外こういう小さなこと一つ一つにあると思っている。

M-22を久し振りに開腹。
トランジスター交換だけだから簡単と言えば簡単なのだが途中でポジスターが壊れちゃったりして
秋葉原に行くハメに。
当時は今から思えば秋葉原も充実していて、仏頂面のおじさんが部品を見ては“これ”と言って買うべき部品を出してくれた。

新しいポジスターの取り付けに不安を残しつつ、交換して火入れ。
バッチリである。もうリレーも落ちない。

この頃になるとリレークリーナーでリレーの接点洗浄くらいの事は出来る様になっていたのでそちらもオーケー。
(本当の意味でオーケーではない)

こうして紆余曲折あっての1999年。M-22は無事復活した。




しかしその後M-22の活躍の場は少なかった。
丁度この頃からオーディオの収集癖が拡大して、HMA-9500MK2のトランス断線物とかも入手。
他にもやること、弄る物いっぱいになってしまったのが一因。

そして何よりの要因は、やはりM-22はとっても熱くなるということ。

よっしーは音が良ければ何でもオーケーというタイプでもないので、殺人的に過熱するアンプは
どうしても登板させる回数が減る。

以上簡単(でもないが)M-22物語を終わる。

今回はポジスター取付の半田不良を修正。
久し振りに登板頂いた。

音はどうだったか?


5月31日

恐ろしいスピードで5月が終わる。

オーディオ日記上は俗世から離脱しているかの如くだが?
実際には生活があるわけで、まあ色々あるのだ、よっしーだって。

という話しはさておいて、久し振りに聴くM-22の音。


…予想はしていたが最悪である。

音が寝ている。

M-22の名誉の為に言うが、これが本当の音ではない。
長い間かされて、しかもまともなメンテナンスもされず仕舞い。
それで良い音が聴けるほどオーディオは甘くない。

とにかく、何というか煮すぎた魚みたいな感じで
ボロボロのぼさぼさである。

そしてチャンネルの音が不安定。

これはリレーがいけない。

そこでクリーニング。



それにしてもM-22のリレーはメンテナンスしてください、と言わんばかりの
取り付け方だ。
どうしてこれのクリーニング程度をパイオニアはやりたがらなかったのか?

とにかく基板を外して、更に他のパーツを外して、というのと比べたら
笑ってしまうくらいアクセスしやすい
素晴らしい作りだと思う。
ネジ二本外せばオーケーだ。



10年前と比べるとよっしーも少しだけ進歩している。

この種のリレーの接触不良は、リレークリーナーを噴いたくらいじゃあ
おさまらない。

接眼レンズを使って見てみると、接点は真っ黒
これはもう交換するのが正しい。

それでも、過程を楽しむことを趣味という、ということで
敢えて接点クリーニングに手を染めてみた。

良くあるリレー接点のクリーニング方は、
適度な厚さの紙にアルコール等を染み込ませて拭く、というか擦るというものだ。

しかし今回みたいな状態だと、それは焼け石に水
いや、ちゃんと試してみての結果だ。

ホントの事をいうとサンドペーパーで磨きたくなった。
でも、それはもう非常手段だ。
この接点は大変らかい金属で出来ているので
ペーパーで磨き上げれば綺麗にはなるし
当座は良いかもしれないが、すぐにい状態になるのが想像出来る。
だから歯を食いしばって?サンドペーパーは使わない。

それでどうしたか?
溶剤の含まれる接点保護剤、CRC、サンポールと色々持ち出したが芳しくない。

これはもう仕方ない、ということで微量のコンパウンドを付けて
綿棒でクリーニングに挑戦。

接眼レンズで覗くと、ピカピカとまで行かないが
かなりのレベルまで綺麗にすることが出来た。



続きはこちらです

一つ前の日記に戻る

日記のMENUへ

表紙へ