9月5日
音は…
その前にちょっと補足説明。
スピーカーだがDS-301を宛う。
DS-301はAVC-2870と組んで落ち着いているので余計な事はしたくないという想いもあった。
ただ、なんとなく、なのだが707XにはDS-301の方がマッチするような気がした。
入力側はNEC CD-10を使用。深い意味はないがこれを選ぶ。
そして音のお話。
これはちょっと驚いた。
驚くのも失礼だが、実際驚いた。
前に後ろに。右に左に。とても気持ちの良い音場が展開する。
一瞬、“あれ?リアスピーカーが鳴っている?”と馬鹿な錯覚を起こした。
というのも日頃DS-301は栗スピーカーと組んでスピーカーマトリックスで鳴らしているからだ。
いや、もちろん707Xに繋いでいるのはDS-301だけだ。
07X以降のサンスイのアンプはバランスアンプなので、マトリックス接続なんか出来る訳がない。
(無理矢理やったらアンプが壊れる。このアンプのマイナスと書かれたスピーカー端子は
いわゆるマイナスではなくて逆相のプラスだから)
しかし、本当にそう錯覚するくらい音場が広い。
もちろんソースによるところも大きいが、これならスピーカーマトリックスなんか要らないと言うくらい
音にまみれる感じになる。
(ACコードは時代を反映して細い)
9月6日
ということで気をよくしてCDを次々掛ける。
が、ここでADも聞きたくなるのが人情。
何しろこのアンプのMC入力はトランス内蔵という力の入ったもの。
ただ、この個体のフォノは未整備なので別途フォノイコを用意されたし、とポチさんからは言われている。
悩んだが、やっぱり707Xのフォノはフォノで、ちょっと試させて頂きたいと思った。
純粋に興味があるし、プリメインアンプに外部フォノイコライザーというのも妙な気もしたからだ。
だが、結論をいうと、やはり上手く鳴らなかった。
(最初からそう言われているのだから試す方が悪い)
でも、上手く行かないのは単にセレクタースイッチの接触不良というもので、
フォノが全然駄目というのとはちょっと違う。
それさえ無ければ実用になっている。
そこで、とHX-10000を引っ張り出したりしたのだが、今の時点で、このSANSUI AU-D707X+DAIYATONE DS-301という
組み合わせで聴く限り、僕としてはCDの方が好きな音で鳴ってくれるなー、という感想を持つ。
9月7日
ここしばらくお付き合いしてみて、707Xはとても折り目正しくジェントルに感じる。
月並みな言い方をすると、”実直”。
自分を必要以上に良く見せようというところが無い。非常に信頼出来る人柄?だ。
密かに想いを寄せてくれている女子社員に、”もっとハッタリ効かせてアピールしなきゃダメだよ!”
とか言われそうなタイプだ。
”そうだね”とか生返事して。でも一向にそういうことに関心が無さそうな。そんな印象が残る一台。
だから、伴侶はもう少し勝ち気で押しの強い女性(プレーヤー)が良いのかもしれない。
拙宅ではNECのCD-10といういにしえのプレーヤーが良くマッチした。
さて、707X。
下に607、上に907という優秀器を抱えつつ129.000円というプライスをひっさげて登場した次男坊。
607よりも約5万円高く、907より6万円お求めやすいというこの機種に、人々は何を求めるか?
9月8日
607よりも約5万円高く、907より6万円お求めやすいというこの機種に、人々は何を求めるか?
まず607とは社内競合はしないだろう。
607も相当ハイCPだろうが、507と共に最大の売れ筋の価格帯を守る為の機種で、
707とは想定する層が違う。やはりアンプに10万円以上出そう、という人を相手にする機械が707なのだ。
しかし約19万円の907まではお金が出せない…という人が買ったのが707なのか?
このあたりビミョーなところだ。
話しはちょっと変わるが、よっしー家の長男は今大学一年生。
小遣いゼロ。交通費も自分持ちという厳しい条件で学校に通っている。
(それでもトータルでは恵まれていると親としては思うが)
その彼が、もしオーディオマニアで、バイトして必死で貯めたお金20万円でプレーヤー、アンプ、スピーカーの
三点セットを買おうとした時、907は良いけど、それ買っちゃらプレーヤーやスピーカーはどうなるんだ?
と頭を痛めた時、買おうとするのが707とかではないかと思った。
907で無くて良いかなー。
あれがあったら良いのはわかるけど、違いはフォノのトランスが、あっちは左右独立で…、
あと違いは…。
いっそ607にして、その6万円の違いをスピーカーに回して?
いや、スピーカーは自作するって決めているんだし…、聴くのはCDばかりなんだしこの際…
とか悶々と、あるいは鬱々と悩んでチョイスしていく。それが707ではなかろーか?と考える。
そんな時、”やっぱり907にしておけば良かった…”と後悔するような内容ではSANSUIの名がすたる。
そしてSANSUIというメーカーはそんな事をするメーカーでは無かったということだろう。
たぶん、ここに907を持ってくれば違いはそれなりに出るだろう。
だが、がっかりするほどの差は無いと想像出来る。
それくらい707単体の音は良く出来ている。
ソースをCDに限定してしまえば、尚更では無いかと(本当は907にはCDダイレクトポジションなんか付いていて
差別化を図っているのだが…)思ってしまう。
きっと707はSANSUIの良心の固まり。そんなアンプなのだろう。
9月12日
アンプは難しい。
(オーディオは難しい)
SANSUI AU-D707Xが到着した時から
(正しくは到着する前から〜
そう思っていたのだが…
難しい、というのは正しい言い方ではなく、奥が深い
というべきだろう。
お陰で、というかいつになく時間が掛かってしまっている。
更に残暑が、色々なことの歩みの遅さを加速させてくれる…
9月13日
…と、延々引っ張ってきたが、実はここ数週に渡り、AU-D707Xだけ聴くのでは片手落ちと、
併せて各種セパレートなども聴いていたもんで時間が掛かった。
結局SANSUI AU-D707Xというアンプは大変優秀なのだ。
“結局SANSUI AU-D707Xというアンプは大変優秀なのだ”
…なんと、書いてしまえばたったの一行。30文字にも満たない。
なるほど、各種セパレートアンプと比べると違いは出る。
しかし、目くじらを立てるほどの違いがあるのかというと、ここではそれは無い。
イージーハンドリングであることを踏まえたら、“これで何の不満がある?”と言いたくなるほどだ。
目下、別の意味で悩んでしまっている。
9月14日
アンプが、というがアンプ単体では音は出ない。
スピーカーが必要だ。
(もちろん入力も必要だが)
アンプとスピーカーは対を成すもので、どちらが欠けても話しが成立しない。
だからアンプを語る時はスピーカーも語る事になるし、
スピーカーを語る時にはアンプを語る事にもなる。
故長岡鉄男先生は、ある時期以降アンプのテストにスワンを使った。
10pフルレンジ一発のスピーカーで何百万円もするアンプをテストすることに
当初は躊躇いがあったようだが、結局テストにはベストということで
メーカーの人間も制作者自身も合意してリファレンスの座に据えたらしい。
なぜスワンだったか?というと「アンプの差を拡大して見せつける」から。
その能力を買われたからだ。
では、スワンが最も優れたスピーカーなのかというとそれは無いだろう。
目的と合致しないと意味はないわけで、作ったけど怒って燃やした人がいるという
話しも、これまた頷ける。
人のことはさておいて、よっしーの手元にあるスピーカーの中では
ロジャースLS5/9が鳴らしにくいスピーカーと思える。
では、これを上手く鳴らすアンプが、即ち優れたアンプなのかというと
別にそうとは言い切れない。
アンプを選ぶスピーカー、イコール優れたスピーカーなどということはない。
商品、として考えた場合は、どんなアンプでも一定の音が出るスピーカーこそ
優れたスピーカーというべきだろう。
さて、色々なアンプを楽しませて頂くのに、今回初めてDS-301を使った。
DS-301も拙宅に居座って何年か経つわけだが、案外そういう使い方はしたことがなかった。
昨今はAVC-2870というAVアンプで固定してしまって“ハッピーハッピー、こりゃハッピー”と
喜んでいたので繋ぎ換えなど考えるべくも無かった。
(続く)
9月18日
しかし、何故か、勘が働くというか、とにかく今回はDS-301出動。
壁際、レコードラックの上に置いたDS-301で、リアスピーカーも除去して
(バランスアンプでスピーカーマトリックスは出来ない)
果たしてどれだけの音が出るものか?と思ったら、いきなり立派な音が出てしまって
却って驚いた次第。
何と見事な立体音響で、これならマトリックスは止めても良い?
あんまりあっさり良い感じで鳴ってしまったので、却って疑心暗鬼になってしまい
これは何かの間違いだろうか?と別なアンプ達まで引っ張り出して
あれこれ検証する羽目になった。
(それで時間が掛かったのです)
さすがに全部のアンプを引っ張り出した訳ではないが、音場感においては
目下随一という感じでAU-D707Xは君臨している。
9月20日
もはや古典的と言っても良いDS-301で何かを語るのは間違っているのかもしれないが
良い感じで鳴っていることは確か。
ここで改めてAU-D707Xの中を見てみる。
大きなトロイダルトランス。
見た目も美しいコンデンサーなど見るべきところはたくさんあるが、
最も印象的なのは、程よい空間。
空気もパーツの内、という名言を残したのは長岡先生だが
これは言い得て妙という感じ。
超弩級プリメインとなると、更に電源部が巨大になり、プリアンプにあたるパーツは
正に片隅に同居、みたいな感じになる。
特にフォノに対してはマイナス要因になるし、ラインだって厳しい。
諸々考えると707Xくらいの構成がウエルバランスな気がする。
ビクターJA-S71なんかも同じ感じ。
敢えて言えばこれらのアンプは必然的に重量が左に偏るという傾向にあるが
それを言っているとキリがない。
さて、一旦締め括るが、もう一つ言うとこの個体はポチさんによって手を入れられたもの。
手入れの内容だが、やたらとコンデンサーを交換等していない。
一方で、トランジスタは確実にHFEを揃え、温度などの条件を統一して選び抜いた素子を使用して組み上げられている。
この辺りも効いていると想像する。
ポチさんの手掛けたサンスイアンプは数多い。
お話によればパーツ交換による変化を楽しむ(実感する)なら回路が更にシンプルな607の方が楽しそうだ。
同様な事をやってみたい、という方は607系から手掛けられると面白いかもしれない。
ただ、相応のノウハウは無いとアンプを壊すだけで終わるだろうから要注意。
と、ここまで書いてからポチさんとやり取りしたメールを見てビックリ。
“私が聞いた主観です。CDPは、SONY CDP-333ESD スピーカーは、ONKYO セプター1001で試聴しました。
中高域の音質が非常に素晴らしく、MOS-FETとはまた違ったしなやかさがありました。
音場が非常に立体的で、スピーカーの位置がわからないほどです”
と、あるではないか。(細かくいうと、これは607Xについての感想)
よっしーがクドクド検証しなくても、とっくに結論が出ていたようだ(汗)
そーです。その通りです。
恐れ入ったアンプでございます。はい(滝汗)
9月21日
突然ですが、C-2X。
言わずと知れたヤマハの名器プリアンプだ。
隠し球?
実はこれもオーディオ博物館としてお預かりをした物だ。
オーナー様はTA-NR1と同じ方。
ここで早速C-2系について懐古してみよう。
初代C-2は1975年登場。
当時としては斬新な薄型スタイル。一節によるとマークレビンソンに挑戦したらしいが
ヤマハブラックと相まって、あるいはルックスはこちらの方が上、という方もいる。
とにかく造りが良く、所有する喜びに満ちあふれる感じ。
高SN比も売りだった。
3年後C-2a登場。
価格は2万円アップの17万円。
C-2Xの登場は1983年。価格は22万円と大幅に上がっているがやむを得まい。
フォノ入力が初代の3から2に変更され、DAD入力が設けられているのが時代を映す。
とはいっても充分なフォノ対応で、ほとんどフロントのスイッチで切り替えられるので
利便性は高い。
さて、C-2というと思い出すのはHGさんから拝借した初代C-2。
日記を見てみると、あれからもう10年も経つことに気づく(汗)
しかし、あの時のC-2の音は今も耳に残っている。
プリにC-2。メインにHMA-9500。スピーカーにネッシー。
そして何よりのポイントはカートリッジにシュアーV-15Type3。
V-15Type3は、それまで拙宅ではどうにも上手く鳴らず、“これって名器なのかな〜?”と
首を傾げるような音だった。
それがC-2を使った途端、恐ろしいまでに音楽的に鳴ったのだ。
9月23日
オーディオのお話し一回休み。
一ヶ月前に果たせなかったプランを完遂した。
といってもそんな大したことではない。
CB50で、県の外れにあるお寺までお墓参りに行こうというお話だ。
行くならお彼岸の今を除いて無い。
決行とする。
CB50は先月プラグを交換して、ポイントも交換している。
ポイント交換はバイク屋さんに頼んだ。
ここは結構やっかいな部分なので丸投げしたわけだ。
整備は大好きだが、任せる時は任せるに限ると思っている。
ポイントが劣化しているかどうか、見てもいないがこの種の消耗品は換えておく方がよい。
バイク屋さんに任せると良いことの一つに、他の所まで多少見て貰える、というのがある。
今回もちょっと細かい所を見て貰って、キャブも微調整されてアイドリングなんかも良いところに落ち着いて帰ってきた。
目論見通りというところか。
これで大丈夫だろう、と思う反面ロングランテストはしていないので、一抹の不安もある。
今回もダメだったら困るな…
と、色々あるがとにかく行く。ダメだったらまた引き返してくればよい。
やや遅い、10時に自宅からスタート。
16号線をひた走るところは同じ。
更に途中で厚木街道に入るのも同じ。
結論をいうと、このルートは使わず単純に16号→246号と進む方が早い。
が、この道はなかなか趣があって良い。
趣といえば(しつこくて申し訳ないが)、ワビサビを感じながら走るには原付に勝るものはない。
とにかく風景がよく見える。
大きなバイクでもよいのだが、例えば視線の位置が違う。
それと、やっぱり重量物を取り扱っているとそちらに気を取られるものだが
原付の場合それがないので気持ちの余裕が違うのだ。
街並み全てが見えるといっても言い過ぎではない。
この面白さを知ってしまうと、あるいは大きなバイクには戻れないかもしれない。
変な例えだが、8p10pという小口径フルレンジの描く世界に惚れたら、もう3Way、4Wayの巨大スピーカーには
戻れない、みたいな感じか?
(よっしーは何でも好きですが)
ただし、扱いにはコツが要るというか熟練を要する。
小さいバイクで安全に走るには高い経験値が必要だ。
例えば“抜かされ上手”でなくてはいけない。というか生き残っていけない。
それはさておき余計な道を走ったおかげで座間の米軍キャンプなども見ることが出来てご満悦。
いくつかの川を渡り、ひたすら西へと進む。丹沢山系をたぐり寄せるが如く。
246は主要国道で、この日も渋滞があったがスモールバイクの良さで大して苦にならない。
やがて名古木も通り抜けると、風景は俄然ローカルっぽくなる。
車の数も減るので、トンネルを走る時など自分のバイクの排気音だけが響き渡る感があり素晴らしい。
気温の変化。そして匂いの移り変わり。
それらを楽しみつつ進む。
世間的には連休ということもあって車の数も多いが、バイクの数もそれなりに多い。
ただ、やっぱり間違っても70'Sの原付になどお目に掛かれない。
その代わり、デッカイリュックその他を背負った自転車の若者三人組なんかを見掛けたりして
“やっぱり若いって事は素晴らしい〜”などとニヤニヤしてしまう。
そうこうすること約三時間。県の外れに到着。
目的は達せられたが来たからには帰らなくてはいけない。
“原付で来たの〜?”と驚かれつつお墓参りを終えて帰路へ。
西日を背にして走るので快適。風景もコントラストが強まって美しいが、対向車線の人達の
しかめっ面を見ると手放しで喜ぶのが罪深く思えてくる。
帰りの方が無駄がなく、約2時間で帰宅。
バイクは好調で良かったがお尻がさすがに痛くなる。
一日5時間。距離にして140`くらい。まあ限度というものだろう。
今回はCB50の耐久テストという意味もあったが無事合格。
これで安心。
それにしても今日という一日は本当に素晴らしい一日だった。
ちょっと大げさだが、地球という星の美しさを堪能した感がある。
空気の、緑の、水の流れの素晴らしさ。
(もちろん、それらは時に強敵ともなるのだが)
そしてそこに道を造り、トンネルを掘り、街を作り
生活を営む人間の知恵や感覚の素晴らしさ。
描ききる事が出来ないのが悔しいが、夢のような5時間だった。
*墓石でまどろんでいたカエルさん。
お水を掛けたら何事かと驚いて顔を覗かせた、の図。
9月26日
バイクのお話の追伸。
トラブル無しの往復。
…だったのだが、実は帰路についてしばらくしたらエンジンがブスンブスンと…。
場所は山の中。これはかなり焦る状況だ。
おいおい、こんな所でなぜ…(汗)
とうとうストップしてしまう。
でも、この症状って…
そーです。ガス欠です。
コックをリザーブに切り替えたら無事始動。
実はお寺を出る時にさり気なくキャップを開けてタンクを覗いてはいた。
減っては来ていたけどまだまだ充分という感じだったのだが、もうリザーブ領域だったのね(反省)
このバイク、リッター40`は走るし、ツーリングだと60`は走る。
だからリザーブのままでも帰宅出来るはずだが精神安定上よろしくない。
と、思って前を見ると、なんとわずか300メートルくらい先にガソリンスタンドが。
山の中なのに…、しかも営業中。
とっとと駆け込むと、出て来たのは妙齢の女性。
家業でやっているんだなー、と思うが、それでも珍しい。
この段階で満タンにしても7リッター未満しか入らない。なんか申し訳ないが、こりゃ仕方ない。
タンク容量は8.5リッターなので、残り2リッターくらいでリザーブだったか。
さすがにその辺は覚えていなかった。
まあ何でも良い。1.000円札出しておつりが少々来る。
これも原付ツーリングの旨味だ。
何しろお金が掛からない。
この日も出費はこの1.000円弱だけ。
(実際に消費したのは多分3リッターも行かない)
ドケチには最適な乗り物だ。
でも、山奥で止まった時にはさすがに焦った…
あ、余談の余談ですが、これまでさんざん書いてきたフロントの機械式ディスクブレーキは
今や絶好調で効いています(!)
ワイヤーの取り回しを正して、ギュンギュン握ってパッドに渇を入れていたら、
見事に作動している。
私にはこれで充分です。
ただ、今度はちょっとブレーキワイヤーが伸び気味になって来たのですが…
純正はさすがに欠品なので、リプロのワイヤーでも買いますか。その内。
9月27日
“しょうがない、雨の日はしょうがない”と歌ったのは小室等さんで
よっしーも昔は雨の日が嫌いでしょうがなかった。
特に足がバイクしかない頃は嫌い、というより困ってしまったものだ。
しかしある頃から雨の日曇りの日も大賛成になってしまったのはオーディオの成せる技か。
さて、C-2Xのお話し。
その前にC-2の想い出。
先日の日記にそれは書いたが、実際もう少しのところでよっしーはその時C-2を譲って貰おうかとさえ思った。
しかし実現しなかった理由は?
その頃主に使っていたDENON PRA-2000と、あまりにも対照的で、これはやり過ぎかと考えたからだ。
その時のC-2とPRA-2000は、正にネガとポジという感じで、同じ音楽を聴いてもまるで印象が違ってしまっていた。
そこまで換えてしまって良い物か?と悩んだわけだ。
そしてもう一つの理由がMCへの対応力。
初代C-2はMC対応国産プリアンプの先駆けみたいな存在だったし、搭載されたヘッドアンプは
単体ヘッドアンプとして発売された位のものだった。
しかし、それは1975年当時のお話しであり、その後訪れたMC時代に合わせてリリースされたプリアンプ達と比べると
若干不利な感じは否めなかった。
そんなわけでC-2とは婚姻に至らなかった?のだが音は記憶に残っていた。
その末裔にあたるC-2Xは10年後のよっしーの部屋でどんな音を鳴り響かせてくれるか?興味津々。
(*撮影用に狭い所に入って貰っていますが
C-2Xは結構熱くなりますから、狭いところに押し込めるのは
使用時は御法度です)
で、最初はCDから拝聴。
これまでの流れでCDプレーヤーはNEC CD-10。そしてメインアンプはなじみの深いところ、ということでHMA-9500。
スピーカーはDS-301。
音は?というと、これはやはりC-2族のものだと感じた。
実にしっかり音楽を聴かせるという感じで、抜群の安定感を持つ。
それはそれで良いが、気になるのはフォノの方。
何しろアナログ全盛時代に生まれ育ったプリアンプだ。レコードの音を聴かなければ嘘だろう。
一応説明するとプレーヤーはSR-929とGT-2000XとSP-10MK2+EPA-100の自作プレーヤーの三台を使用。
カートリッジはMMがAT-15EaでMCはZYX改とDL-103。
音だが初代と違いMCも幅広く対応する感じ。この辺りさすが練り上げられたものを感じる。
MMも良い。AT-15Eaの良い意味での大雑把さというかたくましさが出て来る。
総じて言えるのは、“音楽するプリアンプ”というところで、徹底的に細部を拾いとことん再現というのとは
趣が違うというところか。
この辺りは好みが分かれるところなのだろうがC-2Xは本論だけ述べてグイグイ進んで行く感じがあって
好感が持てるタイプ。
各論に拘らず本質を追究。ある意味重役タイプか未来のエリートか?人間に置き換えるときっとそういう感じだ。
それと、やっぱり操作感なども洗練されている。
スイッチ類のフィーリングには一種の美学すら感じるし、ボリュームなどもカーブが良いというか最も好ましい音量の上がり方、
下がり方をしてくれる。これは実際毎日使うとなると凄く大切なことだ。
ルックスは俗に言うヤマハビューティー。文句の付けようがないし、文句があるならC-2系は買わなければ良い。
…ということで又しても貴重な体験をさせて頂いて大感謝です。
が、C-2XもHMAとだけの組み合わせでは不自由分だしモッタイナイので今後別のメインともタッグを組んで頂きたく候。
9月30日
ここしばらくアンプのお話しが続いたのでその間に感じた事を備忘録替わりに書いてみたい。
アンプは難しい。
いや、オーディオ機器というのは全て難しいのだし、アンプは割と簡単な方だという説もあるが
この夏はアンプの難しさを感じた夏であった。
アンプとはスピーカーを鳴らすもの。
しかしこのスピーカーなる物が千差万別だ。
前にも書いたがアンプを著しく選ぶスピーカーを選ぶと不幸がつきまとう?
違いを良く出すスピーカーを使うのも良し悪しだ。
ただ、それを仕事とするような人の場合は話しが別になる。
何で鳴らしても同じ様になるスピーカー(あまり見掛けないが)というのも遣り甲斐が無いが、
極端にアンプを選ぶスピーカーはアンプ選びの基準になるのかならないのか…
この辺り考える余地がある。
次にソース。
何で鳴らしてもそこそこ上手く聴けるソースもあれば、そうでもないソースもある。
確かに差が出ないソースというのもオーディオ的には面白みに欠けるが、
極端な物で違いを捜すような事ばかりやっていると本質を見失うこともある。
まあこの辺り、オールマイティーで行くのか、あるいはエキセントリックで行くのか、
各個人の趣向の違いが最も出て来るところでもある。
次に聴き方。
例えばリラックスして聴きたいのか、対峙するような形で聴きたいのか?
音量という問題も、特に関係する。
確かに圧倒的大音量再生で破綻を来すようではいけないのかもしれないが、
現実に多くのユーザーはそんなに年がら年中大音量では聴かない。
環境の問題があるし、聴いていて疲れてしまうという体力的問題がある。
時速200`での操安性も大事だろうが、60`で走っている時の楽しさも同等、
あるいはそれ以上に大事だと思う。
それら全てひっくるめて、あるいは使用者が自分自身の本音に立ち返って見つめ直さないと、
本当の意味でのアンプ選びというのは出来ないのではあるまいかと思ってしまう。
…と、これまた半端に締め括って9月の〆とする。
追伸:しかしヤマハもC-2系には特に拘りを持ったというか
意地を張った感じがある。
もっと大きな筐体に入れたらずいぶん楽では?と思うが
このプロポーションに拘り続けた。
その意地っ張りに乾杯したい♪