TASCAM CD-401

3月1日

TASCAM CD-401の話題を続けよう。

しかし型番の頭に4が入る機種っていうのも珍しい
日本ではどうしても4は嫌われる数字だ。
特にCDプレーヤーでは1、3、5、7、9と言った奇数は良く登場するが
偶数。それも4が頭というのはほとんど無いと思う。

さて、このCD-401、拾い物だから当然だが不具合を抱えていた。

時々だがディスクを読まない時がある。

こりゃジャンクCDプレーヤーに、あまりにも良くある症状だ。
しかし、一旦読み始めると普通に動くわけだから望みはある。

対処その1はトレイオープン・クローズのためのベルト交換。
これはまあお約束みたいなものだ。

TEACからパーツを取り寄せ、というのは真っ赤な嘘で、
台所から輪ゴムを持ってきた。
嘘のようだが、サイズはほぼフィット。
さすが業務器は万一の際コンビニで売っている物で
代替えが出来るようになっている?




しかし、それで終わるほど世の中甘くない。
どうも機嫌の良い時と悪い時がある。

機嫌が悪いとディスクが回らないのだ。

トレーオープン・クローズを繰り返していると
無事回る時もあるのだが原因がわからない。

ピックアップをクリーニングするが状況変わらず。
まあモーターは回ろうとしているのだから
一応最初の認識は出来ている=ピックアップのせいではない
第一回り出したらちゃんと読めている。

うーん…と内部をよーく見ながら、ひたすらトレーオープン・クローズを
繰り返す

と、どうもクランパー(ディスクを上から挟み込んでいるパーツ)が
正規の位置まで降りていないようだ。
もっと正確に言うと降りてはいるのだが勢いに欠けて
ビミョーに降りきらない?



この先を文章で説明するのも画像で説明するのも難しいのだが
結論をいうとディスクトレー後端に名刺の切れ端をセロテープで留めて解決

ディスクトレーが閉まった時にリンクを作動させてクランパーを降ろすのだが
コンマ何oか、ディスクトレーの下がり方が足りない=クランパーがちゃんと落ちない、
という流れになっていたようだ。

なぜそんな事になったのか?
わからないのだが20数年の内に経年変化も起きようというものだ。

…ということで1p四方、厚さコンマoの紙でCD-401は蘇生

良かった良かった。

蛇足を一発加えると、どうも前オーナーもこの症状は理解していて
よっしーとは違うところに目を付けて対策を施した形跡があった。
しかし、それでは直らず、断念して放り出したのだろう。

前オーナー様の着想も悪くは無かったのだが
ジャンク大好き歴40数年のよっしーの方が一枚上手だったかな?

…と、つまらない自慢をして今日のところは終わり。


3月2日

暇なヤツだとお思いでしょうが、なかなかこれで、そうでも無いんですよ。

しかしオーディオ日記はせっせと書く。
そして、それこそがポイントだと思っている。

なぜかというと音というのはどんどん変わるものだからだ。
よって2月28日にあったことは28日の内にまとめないと
3月1日には別の印象になってしまい28日の分はお蔵入りに
せざるを得なくなる。

まあどーでも良いのだが、ほぼリアルタイムであれこれ書けるのが
ネットの良いところなので、その特性を活かせないのは悔しい。

…とかなんとか言っている内にCD-401の音は変わって行ってしまう。

しかし、まあ良い方向に変わるのだからよいと言えばよいのだが。

さてさて、CDプレーヤーというのは進歩の激しい機器のはずだ。
CD-401は23年前の機材であり、今時のプレーヤーには劣るところも多いのだろう。

だがしかし、幸か不幸かよっしーは今時の機器なんて持っていない。
だから、ほぼ純粋評価でこのプレーヤーについても語るしかない。
以下そのつもりでお読み頂きたいのだが
CD-401は充分優秀なプレーヤーだと思う。

いわゆる音楽ソフトを聴いている限りなんの不満もない。

いや、いわゆる音楽ソフト、なんて言っても
こーゆー場合は相応に厳しいソフトも登場するわけで
並のソフトとはちょっと違う。

それらをクリアー出来ているのだから、これは立派としか言いようがない。

敢えて言えば、森のコンサートだとかセイシェルの波の音とかで
シビアに聴くと気になる箇所もある。

しかし、これはまだこれからの追い込みでクリアー出来る範囲だと思っている。

つまり優秀、ということだ。

軽い気持ちで捕獲してきたのだが
これはなかなか楽しい一品だったようだ。


3月3日

CD-401が来て嬉しいこと。
それはCD-Rが読めるマシーンだということ。

現在メインで使っているSONY DVP-S9000ESはCD-R対応。
(物によっては読める)
PIONEER DV-S10AはCD-Rを読めるがこちらは
5.1ch専用マシーンと思っているのでちょっと違う。

NEC CD-10はCD-Rは読めない
SONY CDP-777ESAは読めるが現在不調

ということでフツーにCD-Rが読めるプレーヤーの登場はありがたい。

とどめにヘッドフォンアウトからパッシブコントローラーに繋いでみる。
こうするとヘッドフォンボリュームで音量調整が出来る。

もちろん本気の使い方では無いが
深夜、ごく小さい音で聴くのには都合が良い。

そんな訳で、平和で楽しいCDライフなのでありました。まる。


3月4日

ヘッドフォン出力から取る音はさすがにまったりし過ぎる。
想定通りだが、こりゃいただけないのも確か。

それと別に、このCD-401、電源コードが切られていた

廃棄する際にちょん切られたのだろう。無理もない。

それをこれまでは適当な電線を撚り合わせて付けて使用していた。

それで良いはずが当然無く、今日対処した。

残念ながらSDカードエラーで画像が無いが(涙)
パソコンの電源の廃棄するヤツから3Pのインレットを外し
それを半田付けした。
これで脱着式電源ケーブルが使える。

今、手持ちの中で適当な物を選んで使い、音を聴いている。

もちろんヘッドフォンアウトからではなく、普通の出力を使っている。
それだけで音は格段にまともになるので
昨日までとの比較は出来ない。

正確な比較は明日以降、となるが
結構音が違うようだ。

単純に良い方向の変化ばかりだと良いのだが…

どうだろう?


3月5日

一晩経って改めて見ると、我ながら酷い出来映えだ。



加えて写真が酷い。ホントに酷い。

まあが問題なのだが、取り敢えず挿したケーブルも大した物ではない。

それでも旧来の状態より良くなったと感じるところもある。
反面、どうかな?と思うところもある。

取り敢えず時間を掛けて聴く事にするが
はっきり差を付けたかったら、ある程度気合いの入ったケーブルを
挿さないとダメかもしれない。

などという当たり前の話しはさておいて、
電源ケーブル脱着式というのは良いのか悪いのか?
考えてしまう。

まず、このCD-401が生まれた頃は、脱着式というのはポピュラーではなかった。

この方式が広まったのは'90年代半ば以降ではないかと思う。

たぶん、何かあった時にケーブルが抜けた方が安全ということで
一般的になったのだろう。

これは確かにその通りで、話しはちょっと違うが
電気ポット、電磁調理器などは簡単にケーブルが抜けないと
いざ足を引っかけたりした時危険極まりない。
そして似たような事は色々な電気製品に言えるわけだ。

故に、オーディオ機器においても脱着式電源ケーブルが一般的になった?

それはさておき、メリット、デメリットはどうだろう。

まず、メリット。
好きな電源ケーブルを使える。
これは大きい。
電源ケーブルを気軽に取り替えてグレードアップを果たせる。

すなわちそれがグレードアップになるかどうかは知らないが
3.5スケとか5.5スケとかの太いケーブルも使える。
直出しのケーブルでも交換は可能だし、
昔々からマニアはやっていたが、
その場合スムーズに取り付けられるのは
せいぜい2.0スケの物くらいまでだったのだから
脱着式のメリットは大きい。

次にデメリット。
確かにケーブルを換えると音は変わる。
しかし、一体全体この機器本来の音はどれなんだ?と
迷い道に嵌ってしまう可能性がある。
気持ちが落ち着かないのだ。

今も、ごくありきたりの1.25oケーブル二本を差し替えているのだが
当然ながらそれぞれで音が違い、困ってしまうのだ。

これが、まあ直出しなら交換などということは
あまり考えられないのだから迷いも無いのだが…


3月7日



CD-401対抗機としてCD-10を引っ張り出した。

CD-401が1988年頃の製品で12万円。
CD-10は1989年登場で99.800円。
比較するにはちょうど良い間柄?

結論をいうとCD-401は充分優秀だった。
超細かく見ていくと気づくところもあるが
それにさほどの意味があると思えない。

CD-10の方が2万円安いのだから、という見方もあるが
金の掛かり方という点ではCD-10の方が圧倒的。
それに互するのだからCD-401も立派。

CD-401はラックマウントを前提としているので脚らしい物も付いていない。
キチンとした脚を付けて真面目に設置したらどうなるか?
色々興味は尽きない。

ただ、言うほど楽な事ではないので
安請け合い出来るものでもないが。


3月9日

CD-401には脚がない。

そこで脚を用意しようではないか。



色々考えたがY31-PB1を宛う。
えらく贅沢な脚となった。

これまた色々考えたが、Y31-PB1はピンを上向きにして、
更にピンの部分はCD-401の底板に接触しないように設置。
そして個数は3個
前に二つ、後方にひとつだ。

とどめに天板に鉛の板を一枚だが載せる。

ちなみによっしーは機器にウエイトを載せるのは得意でない

理由その1、鉛といえども只ではない。お金が掛かる。
理由その2、機器の上に余計なスペースが必要となる。
加えて掃除等がしにくくなる。

…ということでやらないのだが、今回は興味半分でやってみた。

結果、だが音は良い方に変わる。
やはり微少信号が正確に再生されるようになるのかな。

ただ、敢えて言えば超低音が、力感は増すが量的に少しだけ薄くなる
感じもある。

これは”悪くなった”のではなく、
雑味が減って、今までもやもやとして表面上の豊かさ
演出していた部分が消えたとも言える。

もうしばらく聞いてみないと何とも言えないが
少なくとも悪い方に変わったりはしていない。


3月10日



ところでCD-401にはバランスアウトがある。
使ってみたくなるのが人情というものだ。

しかし、よっしーの部屋には、特にバランス受け出来るアンプは無い。
故に写真のような変換プラグを使って接続するだけになる。

これではバランス接続でもなんでもないのだが
RCAアウトとバランスアウトでの音の違いくらいは探ることが出来そうだ。

さっそくやってみた。
音はどうだ?



これが大変力強い
最近コントラバスマリンバを久し振りによく聞くのだが
超低音の押し出しにガツンと力が入るのがよくわかる。
余韻のうねりが恐怖を伴って迫る。
同時に微粒子的な表現も向上したかのように聞こえる。
オーディオベーシック誌50号付属のオーディオチェックCDで
難物の滝の音が、珍しく水の微粒子を感じさせる鳴り方になったのには
ちょっと感動した。

ただし、すなわちバランスアウトは良いのだとしてしまうのは
間違いだと思う。
CD-401のバランスアウトは、それ用のアンプを通して出て来るわけで
必ずしも音質上有利という訳ではない。

RCAアウトとバランスアウトでは出力が違い、
パッシブコントローラーとのインピーダンスマッチングにも違いが
出て来るのでは、と思う。

…とひとくされ書いたが結果としての音好ましいものなのは
確かなので、しばらくこのまま聞いてみたい。

ソースによっては大味っぽく聞こえる物もあり、
まだまだ追試が必要だと感じているのも確か。


3月15日

こんな時にいかがなものかと思ったが、現状報告みたいなものと思って頂きたい。

よっしー家は無事過ごしています。

ご心配を頂いた皆様にはこの場をお借りして、“ありがとう”を
伝えさせて頂きます。
本当に感謝いたします。

3月11日、帰宅難民となったよっしーは職場泊
明くる1213も大きな仕事が入っていたので
そのまま会場へGO。

電話で家人や家屋の無事は知らされていたものの、
実際に顔を合わせ、部屋の様子をみるとほっとするものですね。

しかし、近隣で天井の落下があった、ある商業施設。
地震の二日前のちょうどその時刻、
卒業の謝恩会みたいなもので妻も娘もそこに居た
わけで
まあ本当に、ちょっとタイミングがずれていたら
この日記なども書けていないわけなのです。
それだけでも充分考えさせられてしまいます。

14日も引き続き仕事でしたが、ご存知の通り首都圏の交通網は麻痺。
本当のことは駅まで行ってみないとわからない、ということで
ガレージからCB50JXを引っ張り出しました。



正直それで会社までたどり着けるか不安いっぱい。
それでも、渋滞が予想される道路で、一番頼れるのはこれ。

ということでスタートしたものの、案の定行程の三分のニくらい走ったところで
突然エンジンが不調に…

だましだまし走ってなんとか会社へ。

仕事しながらも、「果たして帰宅出来るのだろうか?置き去りにするのも迷惑だし…」
と心配なことこの上無し。

しかし帰路はエンジン不調が起きず、無事帰ってこれたのでした。

インフラが混乱したとき、あてになるのはこんな軽快な乗り物かと
改めて思った次第。

そう言えば11日、帰社難民となった同僚をピックアップする際も
会社の125CCスクーターが活躍した。

まあ、もちろん平和な街の平和な道路で楽しめるのが一番良いのだが…


3月20日

この事態で色々なイベントが中止延期になった。
その連絡やら停電、電車の運行乱れ(これは仕方ない)で
右往左往。忙殺された一週間だった。

すべてやむを得ないことだ。

オーディオ装置も色々な物を床置きにしてしまっている。
余震対策ということ。

ロジャースも栗スピーカーも床の上。

ただ、ここ最近のよっしーの部屋は元々GTラック一段置き
比較的低い位置に駆動系の装置は納まっていた。
別に地震対策ではない。
単純に、そういう使い方だとラックの裏側に(上方から)
手を回しやすいという理由からだったのだが
多少の救いにはなっていたのかもしれない。

電源を入れることすら憚られるので
時折KT-1100とAVC-2870とDS-301でFM放送を聴くだけにしている。
(一日10分程度?)

余震が収まり、復興が本格化しない限り
元のようなことは出来ないのかな?と思っている。

ただ、いつまでもそれで良いのかというと、
それもまたちょっと違う気がする。


3月21日

停電、節電と電気に関する話題がこれだけ連日続くことも
滅多に無いだろう。

昨年夏、拙宅の電気工事をしたことはその時書いた。

築45年くらいの古い家で、長い間30A契約だった。
子ブレーカーが四つ。
今時こんな家は無い、ということで頻繁にブレーカーが落ちた。

猛烈に不自由。
しかし工事にはそれなりの費用が掛かる。
我慢に我慢を重ね、45年目の電気工事。
これで50A契約となり、回路もいきなり四倍くらいに増えた。

これでもう大丈夫!

…となるとエアコンなんかも使いたい放題。
暮れの電気代は過去に見たことのないものとなった。

なんのことはない。我が家も加害者の一人か。

で、冷静に振り返ると、30A契約でも20年くらい前まで
ブレーカーなんて落ちなかった。

正直に言うと、落ち始めたのは母が亡くなってからだ。

なんというか、昔の人は電気を本当に使わなかったのだ。

不自由に文句をいうことはあった。
しかし、不自由に我慢ならない、という態度では無かった。

あっちでこっちで我慢が無くなった。
快適が当然となり、自分は快適を享受出来る立場だと誰もが考えた。

その結果、電気は大変な量が必要となった。

大いに反省しなくてはならない。

オーディオマニアもイケナイ人種か?

うーん。そうかもしれない。
A級アンプなんか省エネとは逆行する。

しかし、オーディオマニアなんて全人口のウチ何万分の一か?

取り敢えず、やっぱり大口はエアコンか。

これからは考えなくてはいけない。

ま、もっともよっしーの部屋には元からエアコンなんか
無い
のだが…(汗)


3月25日

エネルギー低減のために効果的なのは
家族がなるべく同じ場所で過ごすこと
これは間違いないと思う。

で、ある日帰宅した息子との会話。

東急東横線の各駅停車に乗り渋谷〜横浜間を移動すると
40分は掛かる。
昔は45分
くらい掛かって、今ではヘッドフォンステレオを
さっぱり使わないよっしーも
昔はウオークマン命だったということを話した。

いや、ウオークマンと言ったのは言葉のあやで、
よっしーが当時使っていたのはステレオプレスマンだった。
録音機能がある方が欲しかったのだ。

ステレオプレスマンはウオークマン辺りと比べると
遙かに分厚く、重かった。
しかし音は良かった。
これはたぶん単三電池四本を使っていたからだと思う。
特に違うのが、電池が減ってきた時。
下手なウオーキングステレオが
ある時を境に回転よれよれになってしまったりするのに対し
歪みは増えながらも最後の最後まで頑張れるのが
ステレオプレスマンの凄いところだった。

ただし、当時の学生にとっては単三電池といえども
高級品だから、休めては使い
ある時は暖めても使いということで
なんとか天分を全うするところまで使い倒したものだった。

などという話しをしていたら、どんだデカイんだ?と息子が興味を示した。

が、思い出のステレオプレスマンはとっくに壊れ、押入の奥深くにしまわれている。

そこで、近年後追いで手に入れた
初代ウオークマンを見せてやった。

彼にしてみれば珍しい物を見る感覚に違いない。

が、まあ思ったよりは大きくない。
ボリュームが左右独立であるのは凄い。
ヘッドフォンが二つ差せるの?
と言ったような感想を持ったようだ。

ついでに、ということで、DVDプレーヤーのリモコンから電池を拝借。
たまたま入ったままになっていたテープなど聴かせてみる。

しばし聞き入っていた息子さん。
やけにニヤニヤするから、”どうしたの?”と訊いてみたら
どうも内容が面白かったようだ。

何が入っていたっけ?と思ったら
甲斐よしひろのサウンドストリーム
ゲストが拓郎で、二人の馬鹿話が延々と続く。
なるほど面白いはずだ。

しかし、どう考えてもiPodと比べれば圧倒的に大きく、
そしてテープは120分物を使ったって2時間までしかカバー出来ない。
そうそう、当時は数本のテープを鞄に忍ばせていたっけ。

ということで30年の年月。四半世紀のジェネレーションギャップを乗り越え
ウオークマンひとつで父と子の会話は成立
するので
ありました。


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