4月1日
4月とは思えない寒さ。これは過去10年で最高なのではないか。
よっしーの部屋、の整備は段々と進んでいる。
ただし後一歩。
何しろ丸2年くらい子供部屋になっていたのだから仕方ない。
救いは機器が壊れもせずに居てくれたこと。
経過年数40年30年20年のオンパレードなのだから
無事でいるのが不思議なくらいだ。
あとちょっと。あとちょっとで一応の形が整う(はず)。
ところで早いもので「よっしーの部屋」ももう10歳だ。
スタートが2000年4月8日だから合っているよね?
10年と一口に言うが振り返れば色々な事があったような無かったような…
まあ区切りの時だから一応振り返ってみよう。
ざっと10年前、もちろんネットは普及していたが今ほどの規模ではなかった。
ホームページ、という言葉に今よりはもう少し価値があった気がする。
オーディオ系のサイトがボチボチ立ち上がってきたのが'98年頃だっただろうか。
(もちろんもっと早くからあった物はあるが)
その後それこそ雨後の竹の子のごとく色々なサイトが立ち上がった。
立ち上がった…のは良いがその後消えたサイトもまた多い。
これは無理もないことで、個人のホームページなんて
継続発展させる義務も無いのだから、どうしようと勝手である。
一頃ほどの盛り上がりも無いとも思えるがこれも道理。
例えば10年前40歳だった人は今50歳だ。
体力だって落ちるし、反比例して仕事の忙しさは増す。
起きていられない。老眼で細かい字を読む気がしない。書く気がしない。
子供も大きくなればお金もかかるし場所も要求する。
そんな時、真っ先に事業仕分けの対象となるのは
毒にも薬にもならないオヤジの趣味と相場は決まっている。
4月2日
寒いとぼやいていたらさすがに今日は暖かい。
それは良いが強風が吹き荒れ桜が心配になった。
桜が心配…
僕も随分オヤジになったもんだ(苦笑)
若かった頃、桜がどうだろうが興味なんか無かった。
大人になったというべきか。あるいは…
さて、オーディオサイト。
更新が止まろうとサイトが立ち切れになろうとも
大勢に影響無い。
なぜなら次から次へとサイトやブログは生まれている。
検索掛けてみるとわかるが面白いものはいっぱいある。
少数のところに大挙して人が押し寄せ盛り上がる
(時には炎上する?)時代は終わったと感じる。
寂しいと感じる事もあるが時代の流れなのだ。
いや、寂しいなんて贅沢だ。
その昔、オーディオは本当に孤独な趣味だった。
交流するにもしようがない。
それが今はどうだ?
そう考えると実に良い時代だ。
4月4日
よっしーの部屋は今復活に向かって邁進…
はしていない。せいぜいほふく前進くらいだ。
何しろ休みがない。
それはまあ仕方ないとして音以前にかたづけたい事がいっぱいあるのだ。
詳細はそのうちに、なのだが今日ものこぎり、ハンマー、釘抜き、ドリル、
掃除機その他とお友達の一日だった。
(凄く珍しく土曜日休めた)
新生よっしーの部屋は間もなくオープン。
部屋の再構築の最中だが音が出ないのは許せないから機器は繋いでいる。
しかし丈夫なヤツらだ。
何が一番古いのかよくわからないがHMA-9500あたりでも
ゆうに30年は経過している。
こんな丈夫な物を作ってはいけないのだ。
3月16日付けの日経朝刊の「経済教室」は工学院大学教授の畑村洋太郎先生が書いている。
「強すぎる品質の呪縛解け」と題するコラムは思わず切り取ってしまった。
(修理について)日本の企業は一週間くらいの時間の中で
きちんと直って帰ってくるのが当たり前と考えるが
韓国では一時間で直る事が大事。
交換した基盤は破棄され、それゆえその後の品質開発にも生かせない。
しかし韓国では一時間で直る事が最優先となる。
メーカーの都合はメーカーの都合なのだ。
インドのタタ自動車が20万円台で出す品質の車を
日本のメーカーは同じ値段で作れない。
それを畑村先生は「品質の呪縛が強すぎるからだ」と説く。
「日本の物作りには、過剰機能の過剰品質のものを過剰な量作るという
三つの過剰がある」
「一億人強のまとまった国内市場でしのぎを削り
経済規模で先進国が圧倒していた時代ならそれでよかったかもしれない。
だがその発想は限界に来ている」
「新興国の洗濯機は日本で当たり前の一槽式の全自動ではなく
二槽式が爆発的にヒットしている。
この前までたらいで手洗いしていた場所では
一万円前後と手の届く価格で買える製品の方がありがたいのだ
「まじめにやっているからいい、と考え、視座を自分の側に固定して
反対の視座から自らの行動を振り返ることが出来なくなるのが怖い。
高品質のみで勝負すると自分の居場所を正当化し
更に高品質、高価格を追求する袋小路に入っていないだろうか」
…と、この後プリウスのブレーキ問題にも触れていくしそこが白眉といえるが
そこは割愛しておく。
品質の高い物を作ってくれるのはありがたいことだ。
日本の製品は高品質&長寿命。
だからよっしーなんかでもオーディオをやっていられる。
しかしそれ(高品質高機能高価格)だけでは戦えない段階に来ているのも事実。
逆に言うと過剰品質な物達には歴史的価値がある?
(骨董品的価値とも言えるが)
個人のオーディオ趣味だけに関して言えば笑い話だが
今後の事を考えると笑っては全くもって居られないのだ。
「勝負には勝ちました。でも試合には負けました」
そんな事を当たり前にし続けている企業も少なくない。
4月8日
見てるだけ〜、だとお金が掛からなくて大変結構。
AVアンプをあれこれ見ていると面白い。
…というか誰も怒らないから不思議だが
どんどんどんどん規格が変わって行って
ちょっと前の機種はもう値が付かない世界だ。
ピュアオーディオのアンプだと、そこそこ名器となれば
10年経っても20年経ってもなんとか転売可能だが
AVアンプはそうもいかない。
いや、ビジュアル系はそれが普通みたいだ。
たまには追い掛けてみたい気もしたが
これじゃあ馬鹿らしくてやっていられない。
AVプリというかマルチプリというかに興味を持って調べるが
これまた数が極端に少ない。
10年前まで遡っても大した種類がない。
いっそ六連ボリュームとかフェーダーかと思うが
それも面倒な話しだ。
なるほどマルチってヤツは悩みもマルチになるんだな、と
改めて思った。
さて、どうするのか?
こんな事考えていると、取り敢えずDSP-A1で良いんじゃないかと思えてくる。
ああ、でもこれじゃあ脱デフレの一助にはなれないか。
まあ仕方ない。そーゆーのはお金持ちな方に任せることにしよう。
4月10日
あ…
そーかそーか…
4月11日
え〜と…
取り敢えずこんな感じで…
4月12日
さて、何が始まったのか?
DVDプレーヤーにAVアンプ。
そしてどこかで見たことのあるMXスピーカーに
モニター画面となると今更のサラウンド視聴?
さすがにそれでは面白くない。
ピュアオーディオの5.1chマルチ再生である。
目指すのは、「まず音が出ること」(笑)
いや、笑い事ではない。
マルチチャンネル再生はなにかと奥が深いので
いっぺんに極めようなどと思うとろくな事がない。
取り敢えず音が出ることを確認するつもりでやる。
なんと言っても初挑戦だから。
5.1ch。まず問題になるのがスピーカーだ。
とりわけフロントが問題。
この規格にはセンタースピーカーが欠かせない。
欠かせる手法も幾つかあるが、その為には余計な出費が必要となる。
要はフロントに三本同一スピーカーがあれば良いということで
登場したのがFE87×3の段ボールスピーカー。
このスピーカー、以前にマトリックススピーカーとして作った物。
その後押入に放り込んであったが今回の企画の為復活。
結線はもちろんマトリックスをやめて普通の配線にする。
普通とは各ユニットからそれぞれ+、-を引き出すという意味。
それでワンボディ三本ユニットのフロントスピーカーが完成。
世の中にマルチ愛好家は数多くいても
これだけしょぼいスピーカーで始める人は居ないと自負している。
フロントはこれで良し。そしてリアは栗スピーカーだ。
リアの方が立派になるが5.1ではリアも重要なのでそれで良い。
ユニットこそ違うが同じく8pのフルレンジということで5チャンネル
の統制も取りやすい。
サブウーファーはYAMAHA YST-SW45。
ミニスピーカーとのバランス上最適。
しかし、改めてだがこの世界は音が出るまでが大変。
今回もまずリアが出ない。
?と思ってしばらくオタオタして結線を見直すと
プレーヤーのリアアウトにケーブルが刺さっていない。
これで音が出たら不思議である(笑)
よっしーはとりわけ短気だからそうなるが
数えてみればピンケーブルだけで7本(画面用含む)が行き交い
スピーカーケーブルが5×2(+、-両方あるわけだから)=10本。
更にサブウーファー用にピケーブル1本がぶら下がるのだから
どこかで勘違いが起きてもやむを得まい。
で、結線を直すが引き続きリアの音は出ない?
悩んだ末プレーヤーの設定がなされていない事が
原因とわかった。
リモコン相手に格闘。
リモコンが無ければ何も出来ない。
そして画面が無ければいけない。
このあたりでしびれを切らす人が居て不思議でない。
そしてやっと全スピーカーから音が出る。
さて、音はどうか?
何しろやっと全チャンネルから音が出たところなので
たいそうな事は言えない。
今も音を聞きながらこれを書いてはいるが、今の時点で言えることは…
1、フロントスピーカーは、なんと十分実用になっている。
もちろんハイクオリティと言うのとは違うのだが…
a、悪い癖が無く、単体で低音感もある。
サブウーファーを使ってしまえば当然ながら更に不足感は無くなる。
b、十分な広がりをもって再生する。
(リアスピーカーのオン、オフをしてテスト)
2、リアスピーカーの物理的設定(置き場所、距離、高さ等)は
かなり重要。
この、2番目の項目を満たせるかどうかで5.1をやる気になるか
どうか分かれてくると思う。
恐らく電気的な補正で相当追い込めるのだろうが
一番良いのは理想的な置き場所にリアを置く事だと予想する。
(実証不足だが)
加えて言うなら、多分全チャンネル同一ユニットで再生するのがよい。
現状は5chを等しく8pフルレンジで鳴らしているので
その面では理想に近い筈なのだが
それでも前と後ろのユニットの違いによる違和感を感じることがある。
もっともっとやってみないと何とも言えないが
それからすると混成スピーカーでマルチをやるのは
相当覚悟が要るかも、と思ってしまった。
4月13日
さて、ピュアオーディオの5.1chマルチ再生。
始めたばかりで多くを語るのは非常に危険。
だが記録の一種として、思った事だけは書いておく。
ひとつはっきり思ったのは(繰り返しになるが)
スピーカーの物理的設定が非常に重要ではないかということ。
物理的設定、なんて持って回った言い方をしたが
要するにリスナーとの距離、角度、高さのことだ。
まず距離だが、一般に一方の壁寄りにスピーカーがあり
リスナーは対面する壁の近くに席を置くはずだ。
当たり前、なのだが5.1をやろうとすると
リスナーは壁から離れ、部屋の真ん中に進む事になる。
これは実に不条理な話しだ。
機械に合わせて人間様が場所を移動しなくてはならない?
自分でやっていて腹が立ったが、嫌ならマルチなんかやめろ
という天の声が聞こえてきて憮然とした。
角度の問題も結構あると感じる。
また、高さもフロント、リア共揃っていないとダメな感じ。
例えばスピーカーマトリックスのリアスピーカーなど
フロントよりもリアの方を高めに位置させる方が良い結果が出るものだが
それと同じには考えられないみたいだ。
映画の世界のいわゆるリアスピーカーとも違う。
あれもそこまでシビアでは無いはず。
角度についてはシビアに考えると大変なもんで、
場合によっては広指向性の(ユニット二つ以上)のスピーカーを
使った方が良いかもしれないと思った。
とにかく「気楽にサラウンドの海に溺れる」という心境ではなく、
「前からも後ろからも監視された監獄オーディオ」という感じ。
もちろんこれはピュアオーディオの5.1chマルチを否定しているのではない。
つきあいが浅いから仕方ないのだ。
ただ、つきあい始めしか持てない感想もある。
人間は慣れていく生き物だから、そのうち「なんでもあり」に
なってしまう可能性もある。
今の新鮮な気持ちはやっぱり大切にしておきたい。
とりあえずの覚え書きだが
「ピュアオーディオの5.1chマルチは映画の5.1chマルチとは
微妙に違う。
スピーカーマトリックスとも微妙に違う」
本日の結論でした。
4月14日
悪い癖が出てやり始めると止まらない。
ピュアオーディオの5.1ch再生。
ここで文献をひもとく。
と言っても例によって最近のではない。
10年前のだ。
オーディオベーシック17号。2000年冬号。
表紙に「CDプレーヤーから買い替えるならどれだ?
SACD&DVDオーディオ機サウンドチェック2」とある。
この特集16号から引き続きなので両方読むに限るが
この時期次世代音楽CD熱が高まっていたのを今更ながら感じる。
創生期のSACDプレーヤーやDVDオーディオ対応機の紹介も面白いが
取り敢えずマルチ再生がらみでトピックスを拾ってみると
「今、始まるマルチチャンネル再生への道」なんてのがある。
これは15号から三回連載の記事。
全て再録するのはエネルギー的に到底無理だが
連載の三回目だけでも読むと良い。
そこでは「センターチャンネルの自然な再生は想像以上に難しい」
なんて事が書かれている。
すごく単純な言い方をしてしまうと、通常2chではセンターの音像は
ファントム(幽霊)。
これは実体としてのスピーカーが左右にしか存在しないのに
それ以外の場所に音の像が出現するからそう呼ばれる。
古典的用語だ。
対してセンタースピーカーがある場合、センター定位は実像となる。
一旦マルチという概念を外れて、センター定位を虚像によって作るか、
あるいは実像によって作るかの違いについて考えよう。
これは大雑把に言ってしまうとどちらでも良い。
きちんとしたステレオ装置では左右スピーカーだけで
センター定位は作れるからセンタースピーカーは不要。
ただ左右どちらかにリスナーがずれた場合、センタースピーカーが
あった方が有利となる。
…これは正論。その通り。
だが、実体としてセンターにスピーカーがあり
センター定位をまかなってくれる良さというのは
あることも確か。
それを言うのは、よっしーも長い間、休み休みだが
長岡式マトリックススピーカーを使ってきた経験があるからだ。
マトリックススピーカーではセンター定位は実像となる。
L+Rの信号は真ん中にあるユニットから再生される。
そして左右のユニットからは左右それぞれの信号、及び差信号が
放出される。
故にセンター定位ははっきりするし左右のセパレーションも優れている。
ヘッドフォン効果的なところもあるわけだ。
そんな経験から、よっしーはセンタースピーカーというのも悪くないものだ
という気がしている。
だが、それまでまるでセンタースピーカーに縁が無かった人が
それに向かったら違和感はあるだろう。
一つには慣れの問題がある。
しばらく付き合っていれば分かり合えるのだが
聴いた瞬間に拒絶反応となるとその後の関係の修復は難しい。
対人関係でもなんでもみんな同じだ。
ただ、レベル調整というか追い込みは重要だと感じる。
その意味でITYの規格というか指示を守るのは
ピュアオーディオのマルチチャンネル再生の場合
遵守した方がよいくらいのものとも言える。
しかしこれが到底守れない校則みたいなもので
なかなか素直に受け入れられないのも事実。
オチとしてはその通りするのがベストでした、
というところに行くのだろうが、
取り敢えずよっしーはフロントにふざけたスピーカーを置いてみた。
実はこれは何年も前からやってみたかったパターンなのだ。
今後さらなる実験が必要なのは言うまでもないが
とりあえず面白いものでフロントの悩みは無い。
これが成功例となれば、その節は是非誉めて欲しい(笑)
もうひとつ、センタースピーカー抜きでマルチをやれないかという
アプローチがある。
それに関してはよっしーはやる前から諦めてしまった。
理由は?というとその方が大変そうだからだ。
ここは素直に規格に従ってしまおうと思ったのだ。
世の中には受け入れざるを得ない不条理もたくさんある。
社会人とやらを長くやって得た結論だ。
不条理もうまく使いこなせば自分を飛躍させる礎にもなろうってもの。
ついでにいうと2chオーディオと5.1chオーディオは分けた方が良い。
部屋まで分けると理想的だがイコール非現実的でもある。
それは考えないが機器は分けた方が良い。
「混ぜるな危険」。洗剤と同じである。
とにかく(繰り返しで恐縮だが)
ピュアオーディオのマルチ再生に限っては
規格に逆らわない方が良い。
しかし、いかにも不味い規格を作ってくれたものだと
今更ながら思う。
無条件で6本のスピーカーが必要。(サブウーファー含む)
それは良いとしてもリアの距離補正なども難しい。
AVアンプがあっても難しいのだ。
出来るとしたら(わかりやすさも含めて)6chプリを使っての
各チャンネル音量補正くらいだ。
自分の中でも結論など出せないが
デコードはプレーヤー(アンプ以前)でやってアナログ信号を
マルチチャンネルプリ(選択肢はほとんど無いが)に送り込み
最低三台の同一パワーアンプを用意し、
同一ユニットを使った五本のスピーカー+それに見合ったサブウーファーで再生。
これが一番分かり易い形かと思う。
4月15日
よっしーは今ちょっとだけ中学生に戻った様な気分になっている。
50も近づいたおっさんが気持ちの悪い事を言うなと言われそうだが
本当だから仕方ない。
なぜ?
それは5.1マルチに対応するソフトが一枚しかないからだ。
「FOUR PLAY」これ一枚っきり。
しかもDVDオーディオなのである。DVDオーディオというのはきつい。
しかし仕方ない。我が家にはSACDマルチに対応するプレーヤーが無いのだ。
(そのうち手を付けると思うが)
だから当面DVDオーディオのソフトを探す事になるが
手に入れにくいし安価とは言えない。
だから最近の日記もひたすら「FOUR PLAY」を。
それこそエンドレスで掛けながら書いている。
でも、良いかな?と思っている。
中学生の頃、LPは確か5枚しかなかったと思う。
馬鹿みたいに繰り返し掛けていたのだから近所も呆れていただろう。
それと同じ事を今やっている。そしてそれはかなり新鮮だ。
ここ数日、中学生だった時のことや高校生だった時のこと。
それもステレオのあった自室でのことをやたら思い出す。
当時の自分の馬鹿さ加減も浮かんでくるので嫌になるが、
当時よりはオーディオに関しては随分色々な事がわかっている。
その部分だけは進歩を感じてよしとしている。
4月16日
う〜ん…困った…
困ったことに気持ちよい音だ。
心地よいともいう。
ソフトは「FOUR PLAY」一枚なのだが
とにかく気持ちよい音が聴ける。
なんと可憐で気持ちよく、抜けの良い音か。
デジタル系ではよっしーの部屋史上一番心地良い音がしている気がする。
と言ってもその道のオーソリティを招いて聴かせる様な音ではないと思うが。
何しろフロントスピーカーは段ボールだし、ユニットのFE87は経年変化間違いなし。
ケーブルは気を失いそうな安物。
でも…
一体この10年何をやっていたのかと…
ため息が出て来た…
4月17日
う〜ん…
参りました…
4月18日
有名どころでsteelydanの「GAUCHO」に手を染めてみる。
お察しの通り輸入盤。
そんなことはどうでも良くて、スミマセン。僕は当分マルチの国から
帰って来そうにありません。
これはもうマルチで聴かないと損だ。
というか2chについては聴いていない。
冒頭一発目でやられてしまった。
と、ここでマルチ云々から話しを外す。
(マルチマルチとあんまり騒ぐと、それこそマルチ商法と間違えられる)
僕は今やたらと気持ち良い音に浸っているのだが
それを演出してくれている物の一つに気がついた。
ヤマハのサブウーファー、YST-SW45だ。
二万円のサブウーファー。
しかしこれが必需品。
5.1にはサブウーファーが欠かせないのは当然といえば当然なのだが
それにしても上手く機能してくれている。
数日前マルチをスタートした段階ではこのサブウーファーは無かった。
まず5chをちゃんと鳴らそうと思ったからだ。
後から持ってきて繋いだものの、それがそんなに効いているとは
全く思わなかったくらい。それくらいどうでも良いと考えていた。
しかし戯れにサブウーファーを切ってみると
なんとも寂しい音になる。
唖然、というより、ギョッとしてしまった。
それでいていかにもサブウーファーが鳴っていますという感じは無い。
これはまったく偶然だろうがFE-87×3の段ボールフロントスピーカーと
色々な意味で相性が良いのだと想像する。
思わぬ誤算。
他にも色々あるのだが、続きはまた。
4月19日
YST-SW45。
当時2万円だったか。
前身はSW40で、これは確かBIG10とかいう
NS-1000MMと組み合わせるシステムだったと思う。
いずれにせよ良い仕事をしてくれている。
当たり前だがミニスピーカーと組み合わせた時最高の仕事をしてくれる。
冷静に聴き直してみると現状ではややSWのレベルを煽りすぎみたいだ。
しかし気持ち良いものは仕方ない。このままで参りましょう。
というのも今よっしーはかなり控えめな音量でオーディオを楽しんでいるので
オーバーアクション気味の低音がちょうど良いのだ。
5.1マルチ。制御出来ているのかどうかわからないが
実はそんな事は二の次なのである。
ある意味5.1chマルチというのも、よっしーが今目指すところの
脇役なのかもしれないのだから。
んじゃあ何を目指しているのか?
それが実は「小音量再生」なのだ。
またの名を「適音量再生」ともいう。
これについても以前の日記で取り上げた気がするが改めてもう一度。
オーディオマニアの目指すところに大音量再生がある。
これは一つの王道である。
時速300キロで走れる車を手に入れる。
そしてその性能を十二分に発揮出来るコースまで自ら作ってしまう。
これはなかなか男らしい道である。
オーディオで例えたら一流の機材を揃え
その性能を発揮出来るように遮音の効いた専用オーディオルームを持つ、
みたいなものだ。
男子の本懐ここにあり?
よっしー自身もその路線を目指したいと思っている。
しかし、しかし一方で大いに懐疑的な気持ちにもなる。
「一体ぜんたいそれがどうした?」というとどうもしないとも言えまいか。
正気の沙汰では無いとも言える。
「生と同じ音量で聴く」。
目指したいところの一つではある。
しかし、そんな風にしなくても楽しめるところにオーディオ装置の意味はあるのでは
なかろうか??
適度に縮小して、しかし一般家庭で音楽を楽しめるようにする装置。
自分の意のままに音楽をコントロール出来るようにする便利な道具。
それがオーディオ装置なのではあるまいか?
誰かに何か言っているのではない。ついつい自問自答してしまうのだ。
それに、どんな高性能車も高速でだけ走るものではないだろう。
仮に時速200キロでるバイクに乗っていても
絶えず最高速を目がけて加速しているはずがない。
町中では時速40〜60キロくらいで走っているはずで、
そうでなければ困ってしまう。
もっというとそれくらいのスピードで走っているパーセンテージが一番高い。
これをオーディオに例えると、常識的な音量で鳴らしている時間が一番多いはずで
それくらいの使い方でストレスばかり感じるような状況だと
オーディオも随分楽しめない物になっていると思う。
思う…っていうか自分自身そんな想いを永らくしてきた気がする。
いかにしてごく適当な音量で楽しめるオーディオをやるか?
それについて一つの回答がマルチチャンネル再生だ。
「小さくても良い。ただ豊かな音が聴きたい」と考えた時、
「サラウンド再生」というのが一つ考えられた。
それで昨年だったかの一時期など、マトリックススピーカーによる再生。
あるいはスピーカーマトリックス方式による再生を積極的にやってみたりもした。
その時は仮置きの状況だったので何をやっても長続きしなかったが
元の部屋に戻り腰を落ち着けた途端、改めてサラウンドを試みてみたくなった次第。
まあマルチチャンネルとサラウンドは厳密には違う物と言えるが
それはさておく。
要するに音源がたくさんあって空間を音で満たす事が小音量でも出来れば
それはなかなか楽しいオーディオになるのでは?と考えたということ。
結論から言おう。
これはやはり正解であった。
お陰で実に楽しいのだ。
今日も仕事で10事半頃帰宅。
これを書いている11時半頃現在、DVDオーディオによる5.1chマルチ再生を楽しめている。
音量はもちろん大したこと無い。
リビングでついているテレビに毛が生えた程度の音量だ。
サラウンドの海は僕を十分楽しませてくれている。
ここからリアスピーカーとサブウーファーを外してしまったらどうなるか?
さぞかし詰まらなくなりそうだ。
もちろん試しに外してみるなんて事はしない。
4月20日
よく考えてみたらちょうど一年前の日記にも
「小音量再生で楽しむにはサラウンドが良いのでは?」と
書いていた。
進歩していないといえばしていない。
しかし、「ごく当たり前の音量で楽しめるオーディオを目指す」
という試みは、やっぱりあって良い。
遮音というのは外に洩れる音をシャットアウトすることで、
これは大変結構だが早い話し外界との断絶を意味する。
果たして楽しいか?
例えばよっしー家にはよっしーの妻のピアノ教室という
離れがある。
そこには防音室もありオーディオ装置もセットされている。
しかしそこでオーディオをやってみると
これが実につまらなかった。
一体何が悲しくてこんな寂しいオーディオをやらなくてはならんのだ、
と自分で自分が嫌になってしまったほどだ。
結局オーディオは自宅が一番、と気がつくまで結構時間が掛かった。
今、よっしーの手元に戻ってきたよっしーの部屋は
割と恵まれた状況だ。
しかし遮音は悪いし、第一よっしー自身が
ドアを閉ざしてオーディオをやる気があまりない。
断っておくがよっしーは家族べったりの男ではない。
しかし必死にドアを閉ざしておこもりをするというのは
そもそもあまりセンスが良い物と思わない。
そう考えると、やっぱり今回やっているようなアプローチは良い物だと思う。
小音量は5,1chマルチに限る?
あながち冗談ではない。
4月21日
さて、馬鹿は死ななきゃ直らないというがよっしーにはその言葉が
ピッタリあてはまる。
せっかくご機嫌なのだからそのままにしておけばよいものを、
一週間と保たずに弄りたくなる。
小音量で楽しむには5.1は最高。
しかし当然ながら5.1の信号が入っているディスク以外は楽しめない。
これをスピーカーマトリックスに置き換えてみたらどうだろう?
なんであれそれなら色々なディスクでサラウンドが楽しめる。
さっそくやってみる。
といっても装置は全てそのまま。配線変更だけだから簡単なもの?
とりあえず今回は前方の段ボールスピーカーを
マトリックススピーカーとして鳴らせるように配線変更。
更にリアスピーカーをマトリックス接続として
3-2方式のスピーカーマトリックスとしてみる。
それで早速ガウチョを鳴らしてみると…
おおーリアがでかい(笑)
まあこれは仕方ない。
リアがでかくて当然の接続だ。
苦笑しつつリアスピーカーの向きを変えて対処。
それは良いが音が寂しい。
あれ?と思うとサブウーファーが鳴っていない?
マトリックスだからプレーヤーの信号は2chで良いと思い
STEREOを選択したのが間違いの元。
その設定ではサブウーファーへの信号が無い(汗)
慌てて5.1chモードに戻す。
この使い方であっているかどうかわからないが
とりあえずサブウーファーが鳴る。
しかしまあここ数日慣れた音場とは全然違う。
せっかく5.1chマルチ用に作られた物をひねくれた再生方で
再生しているのだからこれはやむを得ない。
が、これで各種CDもサラウンド…
…になるのだが音が悪い。
とても同じ装置と思えない。
色々ディスクを替えるが傾向は変わらず泣きそうになる。
一つにはバランスが悪い。
マトリックスならマトリックスで突き詰めないといけない。
が、どうもそれだけではない。
DVDオーディオと通常CDの差が如実に出た?
と決めつけるのも早計だ。
本当ならせめてガウチョのCDくらい用意しないといけない。
あるいはDVD-S10Aではなくて、CDはCD専用機で再生するくらいの
気配りは必要なのだろうか。
色々悩むが、とりあえず良い音が聴きたくて
ディスクはDVDオーディオのガウチョに戻す。
良かった。美音は帰ってきた。
マトリックスのサラウンドも、慣れればそれはそれで結構。
しかしわざわざ5.1という選択肢を捨ててまでやるものかというと
そんな事は明らかに無い(笑)
骨折り損のくたびれもうけとはこの事だが
何事もやってみなくちゃわからない、のだ。
しかしDVDオーディオと通常CDであまりに音が違う。
これはDV-S10Aだからなのか???
とにかくいい加減なマトリックスだろうが何だろうが
DVDオーディオの圧勝。
一概に喜んではいられないが…。
4月22日
マルチチャンネルで問題になるのがスピーカーの数の増加だ。
5.1というと聞こえはよいがつまり六つのスピーカーが必要。
サラウンドをワンボディで、といったヤマハの製品が売れるのは
「スピーカーだらけは嫌だ」というユーザー心理にマッチしているからだ。
ワンボディは無理でも2ボディ3ボディくらいで済ませる製品は出ている。
フロント三本をひとつにまとめ、アンプ類はサブウーファーにまとめ…という感じで
一般性を持たせようとする努力は正しい。
今回のよっしーの場合もフロント三本はワンボディにまとめている。
これはひとつの正解だと思う。
しかし、いわゆるITYの規格からは外れているのも確か。
悪名高い?この規格。
リアをこんな風に置ける部屋はそんなに無いというのがその理由。
しかし本当のポイントはフロント三本にあるのでは?と思う。
もっとわかりやすく言うとセンタースピーカーが左右のスピーカーより
リスナーから見て遠くにあるのがキモなのではあるまいか?ということだ。
何のためのマルチ?
酷くわかりやすい言い方をしてしまえば
2chステレオでは得難い「奥行き感」を出す事が目的ではないか。
5.1chマルチがスタートしたころ積極的に取り組もうとされた人に
石田善之先生がいた。
先生は、ステレオ録音では、例えばSLが目の前を通過する音を録音すると、
汽車は左スピーカーの奥から現れ、センターでは目の前に来て
右スピーカーの奥の方へと走っていく、とおっしゃる。
ペアマイクで生録をやってみた事がある人にはよくわかるがその通りだ。
どうしても魚眼レンズ的な効果というか演出になってしまう。
これをセンタースピーカーを加えると簡単に解決出来るなどという
近視眼的な事は言わないが、録音の現場も含めて
5.1を意識した録音をして、正しい配列をした5.1システムで再生すると
2ch録音2h再生ではなし得なかった世界を実現する事が出来る可能性があるわけだ。
(例えばSLは左から右にまっすぐに走る)
まあそれが本当かどうかわからないが
実はそんな思いが当初からあって、よっしーとしては
センタースピーカー有りのピュア5.1ch再生に取り組みたかったのだ。
となると次なるステップはフロントスピーカーを三本独立体制にすること。
そこで…
…さっそく作ってみた(笑)
何しろ段ボールスピーカーは話しが早い。
三本作るのに30分と掛からない。
そんな物でマルチかよ、と思われるかもしれないが
音はこれが案外良いのである。
段ボールスピーカーが音が良いということは
昔P-610を手に入れたもののキャビネットが無いという時に
物は試しでやってみてわかっていたのが大きい。
余談だが「若い内の苦労は勝手でもしろ」というのは本当だ。
後になって必ず活きる時が来る。
大切なのは「転んでもただで起きるか!」という気概だろう。
出来上がった段ボールスピーカーは軽くて設置も簡単。
角度調整も実に容易。
こういう要素は実験段階では実に大事で歓迎すべき美点だ。
失敗したと思ったらユニットを外して資源ゴミとして出せば済む。
エコを叫ぶ人にも見逃せない一品だ?
しかし、今現実に得られている音は廃棄などとんでもない
と思わせるものだ。
見事、としか言いようがない。
(しかし見事にいい加減な設置だ。ピアノの椅子がスタンド替わり。
ただし高さを自在に変えられるというメリットはある)
DVDオーディオのソフトも「FOUR PLAY」と「GAUCHO」の二枚しかないのだし
あまり断定的な事は言えたもんじゃないが
恐るべき快楽の世界。
中毒になりそうだ。いや、もうなっている。
これは危険だ。麻薬的要素を持っている?
しかも蚊の鳴くような音量で聴いても楽しいのだから
エンドレスで聴ける。
本当にいい加減にしないと生活に差し障りが出て来る?